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スーパーヴィジョン
(スーパーヴァイザー)は必要なのか?




 札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」です。スーパーヴィジョンが当たり前の時代になりました。半ば制度化されたわけです。右も左も分からないカウンセリングの初心者にとっては、熟練した先輩たちの指導を受けるのは心強いことであり、数多くの利点があるものと思います。

 けれども、このページはもっぱらデメリットについて強調したいと思います(誤解のないように、私は否定派じゃありません)。

 人は何かにつまづいたときに、周囲から助言を受けようとします。つまり何かが起こり、思い悩んでから行動に移すわけです。ところが、制度化されたスーパーヴィジョンの下では、そのようなつまづきがあろうが、なかろうが、とにかく形式的に指導下に入ります。本人がつまづくと、すぐそのことを口にし、熟練者は何らかの助言を与えるわけです。

 私の考えすぎでしょうか。このような制度は、初心者の悩む力をそぎ落としてしまうのではあるまいか。成長へとつながるはずの苦しみを、苦しむ以前に解消してしまう(なかったことにしてしまう)ことにはならないのか。

 日常の臨床はつまづきの連続かもしれません。これを「できない」の自覚と表現しておきます。人間は「できない」を自覚してはじめて「できる」に向けて努力し始めるのです。これはヴィゴツキーの受け売りです。

 それから、これはまったく蛇足かもしれませんが、この世界は「あなたのスーパーヴァイザーは誰」とか「私は○○先生にスーパーヴィジョンを受けました」と言う言葉がよく飛び交うようです。ここにあるのは、「親の光は七光り」的に自分に箔をつけたい願望なのかもしれません。もしもそうであるのなら、スーパーヴィジョンには何の意味も無いでしょう。等身大の自分であること、いまいちど考えて頂けたらと思います。

 暗い人間と思われるのかもしれませんが、実践研究は受苦です。そこからアイデアも生まれるのです。まあ、皆さんはそれを覚悟の上でこの世界に飛び込んだのでしょうから、いまさら私に言われることでも無いのでしょうが。札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」でした。




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