江別等、札幌圏のカウンセリング

札幌|のっぽろカウンセリング研究室
トップページへ

トップページ >> 方法論ノート

研究が実践であり、
実践が研究でもあるような世界




 札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」です。私が活動する領域は、教育、実践、研究です。私立大学の教員と言うこともあり、やはり教育が大きなウェイトを占めます。もう少し研究に時間を割くことができれば・・・これが、多くの大学教員のぼやきなのかもしれません。

 あなたはおそらく心理臨床やカウンセリングの仕事について間もないので、実践ばかりで研究などできないとぼやくのかもしれません。大学時代に、臨床心理は実践も研究も大切だと教わったはずですから、自分がどこか怠慢のような感覚に見舞われるのかもしれません。

 ここまで書いてみて、私は自分の文章に違和感を持ちました。なぜなら、自分が実践と研究をまるで別物であるかのように表現したからです。臨床に密着していない、臨床の役に立たないなどの理由を付けて、これは実践のための研究じゃなく、研究のための研究だ、などと、ある種の研究を揶揄する人もいますが、このような人もやはり実践と研究を区別する前提でものを言ってるわけです。

 いわゆる研究、いわゆる実践について考えるのは止めましょう。そのかわり、クライエントとあなたが対面する具体的な場を想起してください。すべてはここにあり、ここからはじまるのです。この場は実践「と」研究の場ではありません。実践「すなわち」研究の場として考えることはできますか?

 吉本興業のチャーリー浜さんのギャグに「君がいて、僕がいる」と言うのがあります。私にしてみるとこれはギャグに聞こえません。それは、我と汝ならぬ、汝と我のあいだそのものを表現したものに聞こえるからです。臨床家は、この「あいだ」で行為しては考え、考えては行為するのです。誰かのために、つまりクライエントのために。私の言う実践すなわち研究とは、そのような臨床家の具体的な営みに他なりません。

 現場で生きているあなたは、ただそれだけで立派な「臨床心理学者」です。論文を書く人もいれば、書かない人もいるでしょう。書かなくてもそうなのです。なぜなら、研究とは、論文を書くこととイコールにはならないのですから。札幌・江別の「のっぽろカウンセリング研究室」でした。

関連記事


札幌・江別等、札幌圏の相談援助