2.擬人化された木(木々はよく擬人化され人々と話していた)
映画、テレビ、童話でしばしば木は擬人化されてきた。そう、大体が老人だが。ディズニーのアニメーションでも、森の木はしばしば森の番人として、節を目に、切った枝を鼻に、ムロ(穴)を口にして出演していた。木の擬人化、それも古木の老人役の擬人化は、不思議と違和感がない。そんなイメージなんですかね。やはり、人間は木を身近に感じ、愛着を感じているということでしょうか。
大きな木(シェル・シルヴァスタイン)
『昔、りんごの木があって、少年ととても仲良しだった。少年は木が大好きでいつも木と遊び、木もとても嬉しかった。時は流れ、大きくなった少年が木のところへやってくる。木は昔のように遊んでおいきと言うが、少年は「買い物がしたいから お金が欲しい。」と言う。木は困るが、りんごの実をすべて与える。次に少年は家を欲しがり、木はその枝を与ええ、さらに船を欲しがり、木はついにその幹を与え、切り株になってしまう。最後に年老いた少年がやってきて、「疲れた、休みたい」と言えば、切り株を提供する。それでも木は嬉しかった。』と言うお話。ただひたすら与える愛、でも本当にそれでいいのと問いかけもある。解釈はいろいろあるが、作者のシルヴァスタインもその解釈については読者に預けている。私の好きな本のひとつです。
おおきなおおきな木(よこたきよし)
『あるところにおおきなおおきな木があり、そのおおきな木には大きな穴が開いていた。そこへうさぎがやってきて、木の中で一休みするが、昼寝をしている間に夢を見て、大切なことを思い出して穴から去っていく。次にきつねがやってきて、うさぎと同じように穴の中で昼寝をするが、夢で大切なことを気付かせてもらったきつねは目覚めた後慌ててとんで帰る。最後にやってきたのは人間の青年。彼も同じようにこの穴の中で眠り、一晩明かす。人生について行き詰まりや焦りを感じていた彼が、夢の中で気付いたこととは・・・』(Blog本物嗜好より)
ドラえもんとキー坊
漫画ドラえもんにも木が登場したのを覚えているでしょうか。
『団地を建設するために裏山の森林伐採が進んで、のび太とドラえもんは、若い木だけでも助けようと、ひみつの道具で若い木を自分の意志で動けるようにする。その若い木がキー坊だった。ある日、植物星から植物型宇宙人が訪れ、地球の植物を救おうと、全ての植物を植物星に移住させる目的で、裏山の樹木を宇宙船に吸い上げてしまう。その計画を聞いたキー坊は、地球では、動物と植物が助け合って生きていること、また、自然破壊を引き起こしてきた人間も、それを反省している事を伝えて、猶予期間を求める。キー坊の訴えに対して、植物型宇宙人は、計画の即実行を中止して、100年間の猶予期間を与える。100年経ったときに、地球の自然環境が今よりも荒らされていたら、また戻ってくることにした。その際、キー坊は、植物星で優れた文明を学びたいと思い、のび太の下を離れていく。』 自然破壊に警鐘を鳴らす社会派漫画だった。ここにも木と人間の共生が描かれていた。