11.数独の面白さ

 「世界中で親しまれている数字のパズルゲーム「SUDOKU(数独)」を競う世界選手権大会が5月20日、北京で開かれ、東大大学院生が優勝。欧米でも「SUDOKU」として人気を得ており、中国でも愛好家が増えている」(5月21日日経オンライン)

 今日も電車で数独の本を片手に挑戦しているサラリーマンがいた。我が家でも最初息子が、次に、女房が嵌って日曜版の新聞の数独を解いている。市販本の問題集も買ってきて最初の数題を解いている。何が面白いのだろう、思っていたが、ある日曜日、いつものように新聞問題を解いていた女房が「お父さんも頭の体操に解いてみたら」と挑戦してきた。それならば、と始めたのが最初である。確かに(3×3)の9マス及びその大マス(3×3)の81マスに1から9の数字を埋め、縦横に同じ数字を使わない、その上解は一つのみという至って簡単なルールだが、単純ながら数字の不思議さである。最初の頃は行き詰ると空きマスに複数の候補数を書き込んでいたが、それを見た女房が、「お父さん、そんなに書き込んだら分からなくなるよ。せめて2,3個の時だけ書いたほうがいい」と言う。確かに新聞問題も市販本もそんなに数字を書き込めるほどのスペースはない。

 数独の基本は「このマスにはこの数字しか入らない(Single Candidate)」と「この数字はここにしか入れられない(Single Position)」である。あるときネットで数独の記事を読んでいたら、さらに奥深いことが書かれていた。これによれば、数独問題を5段階に分けると、市販本で超難問と謳われているのは大体レベル3で、確かにここまでなら穴埋め式(マスを順次数字で埋めていく)で解くことが出来る。しかし、レベル4以上は穴埋め式では無理で、空きマスに候補数字を書き出し、消去法(そこには置けない数字を消していく)で解くしかない。つまり女房の言った方法はレベル3までに適用できる方法だったのである。ちなみに市販本で唯一世界文化社の「世界で一番難しいナンプレ」はレベル4までの問題を含んでいる。レベル4以上は空きマスにすべての候補数字を書き込み、数字間の関係を探るもので、電車の中の解くには少々無理がある。また、レベル3までであったら、既に飽きてきて市販本も最初の数題で放り出していただろうと思う。

 義理の姉は暇な時数独を夫婦で解いているというが、O型の性格からか、「解ければ方法は何でも良いのよ」というが、個人的には理詰めで解いて欲しい。したがって「ある数字を入れて進めて出来なくなったら元に戻り他の数字で順次確定していく(背理法)」と「解が一つしかないことから解を決める(一解の法則)」は禁じ手である。ハンガリーの数学者が作ったという世界一難しい問題を解いたとネットに載っていたが、背理法で解いたらしいので何の感動も感じなかった。ちなみに、ネット上にあるソルバーで解かせてみたが、解けなかった。つまりよく知られている解法では解けないということである。

 息子も女房も数独に飽きてもうやっていないが、私は現在レベル4の問題を暇を見つけて解いている。レベル4は大体X-Cycle(X-Chain)、XY-Chain、XーWing/Sword Fish、あるいはAIC(Alternating Inference Chain)等で解くが、この関係を見つけるのが一苦労。しかし、行き詰っていた問題が数日後「解けた!」という喜びはまだ残存している。何事においても一面的、平面的であれば飽きは速く訪れる。さらに先に奥深さがあれば、魅力が増すものといえる。