コース作成記&講評



7     2000年大会(八王子〜多摩〜川崎〜港北)


 昨年は記念大会として宿泊付きでしたが、今年第11回大会は再び通常のスタイルで行ないました。その中にも新しい道具や試みを配し、総勢19チームが熱い闘いを繰り広げました。恒例により、各クイズの出来などの講評をお届けします。

         〜コース作成記&全体講評〜

 今年は公私共に多忙が続き、ようやく企画を始めたのはお盆の頃。いつもより1ヶ月は遅い。ゴール場所を早く確保したかったため、自宅近くで捜したが、以前使用した都筑公会堂は予約で一杯、いろいろあたった結果、少々値が張るがオートバックスの了解を得て、何と港北東急百貨店の会議室を借りた。

 当初は多摩川沿いのルートで作ってみるが、どうも面白さに欠ける。ただ1つだけ面白い神社があったので、ルートを変えて二子新地まで引っ張ってみるが、時間的に苦しくなるため、これも断念。多摩から川崎にかけての浄水場巡りで組み立てた。更に面白い個人美術館や、とある浄水場一周ルートを時間の制約から断念し、クイズも3つカットした。これで距離とクイズ量的には妥当な線になったはずだが、悩んだり捜し回ったりするクイズが多く、多少の不安はあった。(この不安は的中することになる)

 まずは八王子みなみ野地区から絹の道を経て多摩ニュータウンへ。これは横浜に住む私が、普段オートバックスと行き来する際のルートに近い。みなみ野は以前も1度出題しているが、開発が進んだため再度寄ってみた。宅地内は出題できそうな題材に乏しかったが、駅は結構様変わりしており、ここで面白いクイズを設定できた。1CPでは駐車場の使用許可を正式に取り、クイズを実施できるようにした。

 多摩ニュータウンから川崎へのルートは、若葉台や黒川地区を使ってのショートカットを狙ったが、私道だったり、狭くて危険だったりしてうまくいかず、結局稲城へ抜けてよみうりランドから百合ヶ丘へのルート取りとなった。CPの場所も適切な場所がなく、途中の公園駐車場を利用する。更に港北ニュータウンへ向かうが、やはり3CPを置く場所が無い。何度目かの試走でようやくルートをはずした所に場所を見つけた。これが思いのほかクイズ向きの場所で、思わず新たなクイズを作った。また1箇所空中に飛び出す感覚の十字路があったので、強引にルートに入れた。ここは十字路の先が急角度の下り坂で、直前まで視界に入らない。このためコマ図のT字路と勘違いしてミスコースするチームも出る
だろう。

 港北ニュータウン内はクイズ向きの東山田公園を軸に構成。ゴールの百貨店の駐車場は入場に数十分待ちになるため、駅前地下駐車場へ誘導し、そこをゴールとした。

 昨年、採点集計用のワープロが壊れたため、今年はカラープリンタを用意。ついでにと、デジカメも購入し、クイズ作成に応用することにした。最初は写真地点から最寄りのコマ図を答えてもらおうとしたが、そのためには写真地点の正確な距離計測が必要で、難易度と安全性から出題方法を変更。今年の各チームの出来如何で、来年の出題方法を探ることにしよう。

 今年は昨年よりオフィシャルを確保できたので、クイズ(U)を多めに出題。クイズ(T)も難易度を高く設定したので、昨年は減点12で優勝だったが、今年は減点30を切れば優勝、40でもベスト3、平均は60位を想定。

 さて参加車が実走した結果や如何に? 昨年と一変しミスコースが続出。コマ図の多さと複雑さに、殆どのチームがミスコースをし、10箇所近くミスコースしたチームもあった。特に目立ったのは「美しが丘西1丁目入口」の手前の「美しが丘西1丁目」という交差点でのミスコースで、これは特に意識した訳ではないが、結果的に引っ掛けコマ図となった。また27図(公式通知にて変更した3CP付近)も、クイズ看板に気を取られたか殆どのチームが間違えた。またみなみ野駅のクイズや3CPのクイズ作成などにもかなり時間をかけたチームが多く、実に14チームがタイムオーバーとなってしまった。救済処置規定により、大量減点は免れたが、コースやクイズ設定に課題を残した。

 成績の方であるが、まず注目チームについて。最多出場を誇る「クジラ組」チームと「勝丼」チームは、今回はハード過ぎたか歳に勝てず仲良く17、18位に終わった。来年の奮起を切に祈りたい。昨年の優勝チーム「20億円突破しちゃいました」は2チームに別れての出場だが、残念ながら5位(Hさん)と13位(T氏)に沈んだ。勝負よりも大会を楽しみたい、という想い(覇者の余裕?)は遂げられたであろうか。大会会長の「ジュン」チームは親子での参加。階段の数え方を3箇所とも誤り、15位に終わるも親子の絆を深めたはず。店頭ポスターを見て参加してきた「ぶろっさむ」チームは、6位と大健闘した。昨年久々の参加ながら2位に食い込んだ「横浜のライオン」チームは今年も4位に入り、安定した強さを発揮。同様に毎回上位に顔を出す「ミッフィーちゃんと仲間たち」チームもしっかり3位。2位には、直前にご主人がチーム入りした常連の「AKIRA」チームが入った。そして優勝は、今回4チームで参加したコムコ軍団のうち「さるゲッチュ」チームが奪取した。このチームは昨年も3位に入っており、実力があるところを証明した。一方でこの4チームの元締めである「負け犬の逆襲」チームは遂に最下位に堕ちた。来年のチーム名は「負け犬の遠吠え」か? それにしても実にバリエーションに富んだ軍団ではある。

 優勝した「さるゲッチュ」チームは、特にクイズ(T)の出来が素晴らしく、今回のクイズ設定で減点1というのは賞賛に値する。反面クイズ(U)は下位チームと大した差はなく、全体的にクイズ(T)で勝負が決まった。しかし6位「ぶろっさむ」チームから10位「HALF TIME」チームまではクイズ(T)が1点差で、クイズ(U)の出来が勝負を分けた形だ。

 電子機器使用と2名チームへのハンディキャップは、アンケートによると妥当との声が多かった。来年も継続し、不公平感を無くし、どのチームにも勝利のチャンスがある設定を心がけたいと思う。

 3年連続で難度を挙げたため、クイズ(T)の平均減点が約16点→約29点→約38点と逓増した。クイズ(T)の出来が勝負を決める傾向は、クイズ(U)を充実させた今年も変わらなかった。

           〜アンケート紹介〜

 皆さんからのアンケートの中から、面白いもの等を拾って紹介します。

・「駅員さんに聞いたところ、他に駐輪場は無いと言われました」
・生田浄水場の階段を見て一言。「うぎゃーー!」「あーーーーーーーー」「うわぁ〜」「え、これ登るの?」
・クイズ(T)xの写真クイズに関して。「病的に始終これを捜してました」「これのおかげですごく楽しかった」「安全上問題あり」
・クイズ作成クイズに関して。「クイズの世界は奥が深い」「唯一のチームワークの危機でした」「どうにかして”笑える”ものにしたかった」
・「ほんとうに『ハード』でした」
・電子機器使用は「我々にはただの減点要素です。もう使いません」
・「ケーキの値段も全部チェックして、いっぱい食べましたよー」
・「みんなもう来年に向けてやる気満々」

 以上、ご精読ありがとうございます。次の10年に向けて、皆さんを飽きさせない設定ができるか、試金石的な位置付けでもあった今大会も、熱い闘いが展開され、来年こそと意を新たにするチームが多数あったようです。私もまだまだ意欲を持続して、更なる改善を試みます。

 最後にスポンサー及び株式会社ティー・エム・ディー殿、そして勿論オートバックス八王子めじろ台、昭島店の両店に厚くお礼申し上げます。各オフィシャルの方々、どうもご苦労様でした。以上で講評を締めくくります。
更新日時:
2005/04/24
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Last updated: 2010/5/9
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