コース作成記&講評



1     2011年大会(横須賀〜三浦半島半周)

 ●三浦半島

   22年目にして初めて三浦半島を舞台とすることになった。私自身、三浦半島を車で訪れたことは殆ど無かったのだが、実は横須賀で生まれ育ったスタッフがおり、地元情報が得られることから採用を決めた。

 偶然ではあるが、三浦半島を舞台と決めた数日後に、部屋でふと手にした昔のPD誌(芸文社発行のラリー専門誌)をめくっていると、三浦半島を舞台にしたクイズラリーコースが紹介されていてびっくり! しかも作成者の故・尾針氏の手伝いが、前回のSAQR優勝の高木夫人(当時は高橋さん)と知って更にびっくり。そして別のページには、ある大会で高木さん(ご主人)優勝の記事があった。そしてそこには私が3位に入ったことも書かれていた。このタイミングでPD誌のこの号を20数年ぶりに手にするとは、偶然とはいえ驚かざるを得ない。
 
 ●コース作成〜大会後記

 さてコース作成であるが、地元情報があるとはいえ、まずは下見を重ねて使えそうなポイントを探っていくことから開始。偶然見つけた自然・人文博物館は見所が多く、試走のたびに立ち寄り小1時間を見学してしまう。スタートからやや近いがここを最初のCPに決定。これが入館無料なのだから横須賀市は太っ腹だ。一方、観音崎を含む多くの公園は駐車場が殆ど有料となっており、採用を幾つも見送ることとなった。横須賀市はケチだ。

 CPを置いた燈明堂は、再建された建物自体には(価値はあるが)面白みはない。ただ周辺一体は昔ながらの三浦海岸を拝める数少ない場所だ。調べてみると周辺の土地一体は既に民間に売却済なのだが、首切り場跡地ということが開発から逃れる原因となっているのかもしれない。それでもここ数年で、道が舗装されたり某衣料販売チェーンの会長の豪邸が建てられたり、急速に危機が迫っている気がする。

 かつて尾針氏が出題した東叶神社は駐車スペースの関係で御前を通過するのみ、その代わりにすぐ先にある「浦賀の渡し」から出題。横須賀市唯一の公共交通機関で、利用客が意外と多いのに驚いた。

 尾針氏が「海へ向かって降りていく景観が素晴らしい」と評した道(実は地元では幽霊道路として有名)や、その他も幾つかポイントを置いていた半島の南半分は、試走してみたもののルートに取り入れることができなかった。距離が80kmを大きく超えることが分かったためだ。このため津久井浜でみかん園の間を縫って折り返すルートとなった。ここで問題が2つあった。1つは山道がまったく無いこと、もう1つはルート後半にクイズポイントが少ないこと。

 三浦半島に山は少しあるのだが道は高速道路以外は皆無で、山道を求めてあらゆる脇道にアタックするも、行き止まりの林道が1本あったのみ。ようやく立石と葉山の間に短距離ながらそれらしい1本を発見。立石には浮世絵の構図を今でもそのまま見ることができるポイントがあり、またプリンで有名なカフェレストランのマーロウもある。クイズの方は、初声市民センターで何とか出題、これに名前が面白い「すかなごっそ」を加え、何とか形となった。

 ゴール地点に時間をつぶす施設が無いことから、第2ステージを設け、表彰式会場内でもクイズを出題。今回のテーマである「ふね」にちなんだ記憶力クイズを、大会初のプロジェクタによる出題として行った。

 三浦半島ということで参加が敬遠されないか不安だったが、出張や怪我などで幾つかの常連チームが欠場する中、初参加も3チームあり、前回並みの15チームが集まった。特に群馬県や栃木県から遠征の2チームは、前泊しての参加と聞き恐縮する次第。

 詳細は大会ダイジェスト編に譲るが、予定通りスタートした後はハプニングが続出。参加車が足止めを3回もくらったのは初めてだと思う。ゴール帰着時間に間に合うか心配だったが、ほぼ全車が無事に帰着し、事無きを得た。ただコース設定上の宿題が幾つか残った。

 一方良い点も多くあった。最高の天候に恵まれたマリンドライブ、ブルーインパルスの航空ショー、そして地産物の賞品を楽しんで頂けたと思う。三浦の地野菜は特に好評で、全チーム分用意した甲斐があった。まぐろラーメンやマーロウのプリンも、多くのチームに持ち帰って頂くことができた。また最大スポンサーのオートバックスNEXT様からは、昨年を上回る全チーム分の賞品提供を快諾して頂いた。地元スタッフとして賞品確保とコース作成に全面協力してくれた望月氏にも感謝しつつ、早くも次回開催の構想を考えながら筆を置く。
 
更新日時:
2011/05/27
 
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Last updated: 2010/5/9
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