コース作成記&講評



1     2010年大会(ふじみ野〜川越〜鎌北湖〜飯能)

 ●コースレイアウト詳説

  最初の構想は八王子スタート→青梅→秋川→飯能だった。このため飯能市民会館を表彰式会場として確保し、未使用ルートを幾つか下見したのだが、その後青梅まつりと日程が重なっていることが判明しこのルートを断念。そこで以前からオフィシャルの間で使ってみたいとの声があった川越を取り入れることにした。ところが川越市では平日に2回出向かなければ施設を申し込めない仕組みになっており、会社員の私には無理というもの。休日1回で手続きが済む行政を求め、近隣地区を調べてようやくふじみ野市にたどり着いた。

 スタート場所の周辺を調べると、歴史や文化を感じる施設が幾つもあり、しかもクイズ出題が可能で、思わぬ収穫に顔がほころんでしまった。また川越は個人的にも初めて訪れたのだが、歴史あり、雰囲気あり、グルメあり、1日いてもまったく飽きることがなく、観光客が多いのもうなづける。メインストリートを通すだけでも十分に雰囲気を味わってもらえたと思う。

 川越氷川神社で複数のクイズを出題するつもりだったが、試走する度に参拝客が増え11月に入ると七五三も加わり駐車場も行列となった。CP位置、クイズ設定、コマ図変更を直前まで試行錯誤させられ、我々にとっては七誤算でしかない。

 入間川を越える橋は幾つかあるが、どれも渋滞が多い。唯一渋滞しない川越橋を通り、後半のヤマ場である鎌北湖へ向かう。途中、加藤牧場やたかはしたまごを通すのは予定のルートだが、その手前にもクイズポイントが欲しい。何度目かの試走で他のオフィシャルが、河越館跡史跡公園という素晴らしいクイズポイントを発見した。広くてのどかで整備されたトイレもある。思わず3問(クイズUを入れると5問)を作成したほどだ。

 加藤牧場は意外な場所にあるが、ジェラートが豊富でいつも賑わっている。私も試したが、特に紅玉がお勧めだ。季節限定で11月末までと聞いたのでドラミで紹介したが、当日は販売されておらず残念だった。また牛さんクッキーはとてもかわいいがしっかりしたクッキーで、家族にはとても好評だった。これもたくさん焼けないらしく、当日は品切れとなっていたようだ。

 たかはしたまごでは、テレビ番組「どっちの料理ショー」で使われるほど、徹底したこだわりの鶏卵を買うことができる。今回の賞品にも採用させてもらった。

 このあたりは碁盤目状に道が交差しており、過去2回やったあの設定をやらずにはいられない。交差点の向こうに有人CPが登場するため、本来コマ図通り左折すべきところ直進してCPインしてしまう、ワンデーイベントならではの設定だ。加藤牧場とたかはしたまごの位置関係からCP位置設定には2時間ほど走り回る羽目となったが、その結果思惑通り多くのチームが引っ掛かってくれた。実はここだけの話、長く全日本戦のナビを務めたあの方も引っ掛かった!

 ここまでは市街地中心だったので、ルート後半のポイントである鎌北湖へ針路を向ける。鎌北湖でCPを設定し、あとはゴールの飯能へのルート取りとなるが、宿谷の滝を通し高麗神社経由とするルートと、五条の滝を通し299号経由とするルートがある。それぞれ試走し、距離・クイズ・安全性を判断し前者を採用した。後者のルートは、とても走りやすい林道ゆえに、ゴールへ急ぐ状況だと道幅の割りにスピードが出すぎる危険があった。

 宿谷の滝で最後のクイズにするつもりだったが、その後つい3問出してしまった。しかもトンチや想像力が必要なクイズで、疲れた頭には酷かもしれないが全体のバランスは良くなったと思う。実は今回のクイズは、阿部さんのアイディアが元になっているものが多い。私の出題の多くはなぜかトンチもの(元回漕問屋、滝写真、無人販売、台無し)か数えものであった。

 ●賞品の調達

 今回から個人主催に切り替わった関係で、自ら賞品調達に奔走することとなった。まずは新しいスポンサーの交渉を春先から開始。紆余曲折はあったが自動車部品の情報誌GooParts様から参加賞を獲得。次いでオートバックスNEXT様からも従来どおりの優勝賞品カーナビを始め、上位10チーム分と参加賞を提供して頂けることとなった。

 あとは11位以下の賞品とビギナークラスの賞品だが、これは参加費から捻出するしかなく、参加申込み状況を横目でにらみながら、何度も予算を計算しなおした。幸い品揃えには苦労することなく、今回のコースにちなんだ、和菓子、地ビール、たかはしたまご、日本一長いふ菓子を組み合わせた。なお不足分はオフィシャル全員の協力で補い、何とか例年並の賞品ラインアップを確保できたのではないかと思う。

 ●成績詳説

 さて結果であるが、クイズ別講評や区間別成績については別稿に譲るとし、ここでは注目チームを取り上げたい。

 優勝したスバル555アウトバックチームは、見事にチャンピオン返り咲きを果たした。体調が万全なら敵はいないことを証明した。全体を通じミスが無く、1CPでは後方集団にいた(堀の計測に時間がかかった?)のに、ゴールでは先頭近くにきているのは、ペース配分をさすがに心得ている。

 準優勝の佐賀県チームは、点差は開いたものの実は惜しいところで優勝を逃していた。痛かったのはクイズUc(信号数え)だ。問題文の見落としにより対象でない区間まで数えたために減点10をくらってしまった。但しクイズTは優勝チームを上回る秀逸の出来で、大正三年の西暦変換を間違う凡ミスを含めても、僅か減点12というのは出題者から見ても驚異的だと思う。

 今回もう1つの驚きだったのは、ビギナークラスの活躍である。何と3〜5位を占める快挙だった。3位のチームカスMIXは3チームを合体させた効果を発揮、特に前半戦では優勝に絡む勢いだった。4位のチームゼロは、昨年の成績から大躍進で、チームワンに大差をつけた。K&IマリモスターズはSAQRサイトを見ての直前の応募だったが、初参加で5位に入る大健闘であった。

 一方、昨年優勝したカーオリバトラーズは、今年は2チームに分離し真の勝者を見極めようとした(?)ものの、なぜか両チームとも中下位に沈んでしまった。同じく優勝経験のあるチーム久々に..!?は、愛知からメンバーを呼び寄せ挑むも、こちらも上位入賞を逃した。

 昨年の実績が評価され(?)ゼッケン1番を得たチームオドリハゼは、1図で早くもミスコースしアドバンテージを浪費、結局ダントツの最後尾となってしまった。このチームにつられてやはり1図でミスコースしたチーム北島は、ラリーイベント初参加ながらも制限時間内に無事ゴールへ帰着した。要領が分かれば次回は期待できそうなチームだ。

 ●最後に

 出走14チームはやや寂しいものの、上位に入賞するのは例年に劣らず大変だったに違いない。また今回は運営側がいつもよりやるべきことが多い割りに人数が少なかったので、実はやりくりが大変だったが、大きなトラブルが無かったので安堵している。コースやクイズ自体は、バリエーション豊かで観光的要素もあり、充実したクイズラリー設定だったと自負している。来年もとにかく開催に漕ぎ着けることができるよう、努力していきたい。

 
更新日時:
2011/05/27
 
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Last updated: 2010/5/9
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