コース作成記&講評



10     1997年大会(八王子〜奥相模〜宮ヶ瀬)

当日はあいにくの天気ながら、良い眺めを楽しんでもらえたと思います。大会の記憶が新しいうちに、講評してみようと思います。

 まず、今年は宮ヶ瀬ダム完成に合わせて出来た新しい道をレイアウトに入れることを第一とした。ゴールは当初、相模原市内を検討したが、条件に合う施設がなかなか見つからず断念し、過去2回使用したことのある青根キャンプ場を第一候補とした。しかし宮ヶ瀬ダムからコース的にもクイズ的にもおもしろくないルートで相当距離を引っ張ることになるので、何とかダム周辺でゴールを設定しようと現地へ赴いて調査した結果、ダムを管理する財団法人の施設をご好意で提供してもらえることとなり、ゴール場所が決定した。

 表彰式会場は16時までの時間制限があるため、例年より距離を抑えることを考慮しつつコース作成に臨んだ。まずはダム周辺で、今回の目玉となるべきマニアックな道を地図上でめぼしをつけ実走してみた。ところがことごとく通行止めか一般車進入禁止になっており、ようやく見つけた1本の道は少しハードな未舗装路。悩んだ末、少しでも走行が楽な下り方向で通すことにした。また半原からダムへのルートがトンネルと橋の連続となっておりクイズに打ってつけのためこれを採用、さらに大棚沢広場でのUターンにつなげてトンネル数と橋数をかせいでみた。

 約5回実走してコースとCPを決定。1CP付近はかなり周辺を捜し回ったがCP向きの場所がない。仕方なく無人CPとした。ダート路の途中で開けた場所があったので、ここにCPを置きストップウォッチのクイズを出すことに。3CPと4CPはそれぞれ次のCPとの間に出すクイズUを考慮した位置に設定。

 ミスコースが集中したコマ図はなく、アンケートによるとミスコースした場所は分散している。19図の注釈「前図より1.9km」が間違っていることが参加者より指摘された。私の記録ミスであり正しくは4.9kmとなるはずであるが、幸いミスコースには至らなかったようである。この辺りは私がコース作成した後に厳密に事前走行してくれるオフィシャルの登場を願うほかない。

 クイズの詳細は続編に譲るが、去年はやや凝りすぎたという反省があり、今年はシンプルな出題を心掛けた。そのせいかどうか分からないが、結果的に看板からの出題が多くなってしまったので、問題文を工夫して答が看板にあるとはすぐに分からないよう小細工してみた。優勝者の減点は20点台を予想。

 はたして参加者の反応はどうか。まずダートコースに対する評価は散々だ。天候の悪さが印象をより悪化させた面もあるが、今後はダートコースは控えた方が良さそうだ。その反面、距離が短いとかクイズが易しいとか、クイズラリーとしてはよりハードなものを求める声も多数あった。実際、優勝者の減点はわずか15点であり、大会記録と思われる。ところでクイズがへたくそという厳しい意見もあったが、具体的に指摘して頂かないと、今後に活かしようが無い。

 成績の方であるが、まず注目チームについて。過去優勝経験のあるH氏(ゼッケン2、ペンペンの夢)は7位に終わったが、目標にしていたクジラ家より上位になり満足(?)。同じくK氏(ゼッケン14、KUSRT−A)は優勝目指すも残念ながら8位。また現役レーサー2名が初参加したが、仲良く18位と19位に甘んじた。今回の最大注目チームは何と言っても大会会長チームだろう。結果は予想に反して9位と健闘、過去オートバックスの身内参加者の中では最高成績である。やはりオフィシャルを経験していると強いということか。

 優勝したM氏(ゼッケン8、友情)は今回参加チームの中では昨年最上位(4位)のチームである。毎年順位を上げ、3年目で見事栄冠を手にした。クイズVの選択で大口論するなど、自ら認める仲の悪いチームのこと、帰りの車中ではカーナビの奪い合いとなったことは想像に難くない。2位のK氏(ゼッケン3、KUSRT−B)は前述のK氏が優勝した時のチーム員。分離独立して本家に勝った形。クイズVで問題Cを選択していれば優勝も有り得た。3位のT氏(ゼッケン9、AKIRA)は昨年も5位の実力派。家族連れチームの中では最上位となり、気をはいた。

 一方、今年は初参加チームには厳しい結果となった。上位14位までが経験者で、15位に入ったM氏(ゼッケン15、援助交際's)が初参加組5チーム(大会会長を除く)の中で最上位である。

 クイズT全体の平均減点は21点です。去年の47点を大きく下回り、一昨年と同じ結果となりました。特に減点0が1チームあり、賞賛に値します。今年のクイズTは総じて、見つけにくいもの有り、存在自体が面白いもの有り、考えるもの有り、引っ掛け有り、とバリエーションに富んでいたと思います。問題自体を楽しんでもらえたなら、シンプルな出題という目標は果たしたことになりますが、如何でしたでしょうか。

 今年のクイズ(U)は4問と少な目にし、2人で参加しているチームがなるべく不利にならないように配慮しました。また例年の記憶力クイズを、ギャンブル性を取り入れてクイズ(V)として設定しました。

 最後にオフィシャルを手伝ってくれた方々をねぎらうことにします。今年は参加者よりも遠いところからオフィシャルが集まってくれました。3CPのI君は三島を朝4時半に出発。4CPの女性ペア、KさんとGさんは千葉を5時半に出発。さらには先行車に同乗したY君、ストップウォッチクイズを入念に打ち合わせしたS君、オートバックス関係で駆けつけてくれたT氏とT氏、追上車担当のN氏、以上皆さんのおかげで無事開催することができました。この場を借りてお礼を言います。ただ、いつものことですが、次回は参加者に回ると言われてしまうのが悩みの種。

 以上にて、スカベンジャーラリー97講評を終わりにします。ご愛読ありがとうございました。来年はより一層改善しますので、楽しみに待っていて下さい。
更新日時:
2005/04/23
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Last updated: 2010/5/9
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