コース作成記&講評



4     2006年大会(八王子〜あきる野〜飯能〜入間)
能仁寺の紅葉(大会当日撮影)
 〜コース作成〜

 前回は厚木・伊勢原と南へ振ったので、今回は飯能あたりを使うことにした。飯能と言えばムーミン谷を再現した公園があると聞いていたので、これをクイズポイントに取り入れたいという話を阿部さんに話したら、早速下見に行って、ついでにアトム像と火の鳥看板があるのでテーマを「アニメ」にしようと提案があった。実に前回大会の僅か1週間後のことであった。

 最初は青梅市内を経由することを考えたが、肝心の飯能到着が遅くなってしまう。他にもいろいろ考慮し、4通りの候補の中から圏央道で時間を稼ぐルートを選択。高速道路を取り入れるのは実は2回目となる。さて、稼いだ時間を飯能北側の山道に割り当てようと考えたのだが、どうも面白くならなかったのと、やはり時間が厳しくなりそうだったので、飯能市街地中心で構成することにした。施設予約の関係でゴールは入間市となり、全体レイアウトが決定した。

 圏央道に乗るまでのルートが曲者で、単調かつ渋滞になる可能性がある。そこで脇道を片っ端からトライしてみたのだが、狭すぎたり行き止まりだったりで、うまくいかない。渋滞箇所だけは迂回ルートに成功し、何とかCPに使えそうな場所も発見。また近くにあるグリーンスポーツ公園には変なものが多く、クイズポイントにうってつけだ。圏央道を走行中は安全のためクイズを控えることとする。但し参加者に暇を持て余させる訳にはいかないので、しっかりクイズUは出題することに。圏央道を降りてからすぐにCPを置きたかったが、適当な場所が全然見つからない。何度目かの試走でようやくルートを遠回りさせることでCPに使えそうな場所を見つけることができた。

 このCPの後は飯能市街が中心である。クイズTもさることながら、阿部さんがどうしても中心地に多くある古い趣のある建造物を出題し、参加者に見てもらいたいと言うので、飯能の中心地を縫うように走るルートとなった。飯能市街を抜けた川沿いに次のCPを設定し、あとはムーミン公園(正式には「あけぼの子どもの森公園」)と日本一道標を経由してゴールへ最短で結んでみた。これで総距離約57kmとなったので、これ以上いじることはやめた。

 〜エントラントの顔触れ〜

 申込チーム数は昨年を上回る20チームあったが、残念ながら体調不良その他で3チームが欠場となり、結局昨年と同じ17チームで争うこととなった。前回優勝の「OQMサポートチーム」(前回のチーム名は「NEXT」)はキャプテンを入れ替えて連覇を狙っている。迎え撃つは優勝経験者がいる「佐賀県」、「はじめまして、くま(・(エ)・)∩」「チーム田中」の面々だ。特に「佐賀県」には12回連続出場中のT氏がおり、過去平均順位も4.8位と安定度は抜群。また前回上位入賞した「しも」や「エクレア1号」にも期待がかかる。

 一方古参組の復活もあった。以前は常連だった「平中ファミリーチーム」は実に10年振りの出場となる。他の古参組も子育て一服などを機に是非復活してもらいたい。また「Team Kanei」は3年のブランクを経てかつてのチーム員が独立し、急遽参戦してきたものだ。他の特徴として、3チーム構成でのエントリーが2組ある。「MJK's」「はにゃまる号」「BBタイプ」は会社内の仲間内でチームを結成。昨年は4チーム構成で全車下位に甘んじた雪辱を期す。「でんでんででん1〜3号」は会社の仲間内+家族で構成され、コメントを見ると仲間内での順位争いが凄まじく、何か賭けているのだろうか。

 チーム員全員が初参加となるのは「Team321」のみであるが、今回はクイズTを絞込み全体的にゆとりを持たせたので、初参加チームも上位に食い込む余地が十分にある。なおテーマがアニメということで、子供の活躍を期待する「都筑たまごっちーず」などの活躍も見ものである。以上の多彩な面々に、主催者からの参加となる「スーパーオートバックス八王子」を加えた全17チームの健闘や如何に。

 〜戦いの記録〜

 連覇を狙う「OQMサポートチーム」がいきなりつまづく場面から、今大会は幕を開けた。ゼッケン1番としてスタートを待っている時にいきなりのクイズUaの出題。スタート前の出題に面食らったか、アニメのヒロインを答えるべきところ、主人公を答えてしまい5点減点を受けた。アニメ図鑑のような資料を持ち込みながら生かせなかった形だが、ここは他のチームも結局出来が悪く、致命傷にならずに済んだ。

 3CPまでは各車順調だ。グリーンスポーツ公園を見落としたり、圏央道を通ることに戸惑ったりしたチームもあったが、基本的にパニックになるような設定は無く、当然と言えば当然。しかし3CPから設定が一変し、何十個もある橋やバス停を片っ端から数えながら、クイズTも矢継ぎ早に登場してくる。更に追い討ちをかけたのが19図の飯能駅前交差点である。最初にこの交差点に差し掛かる際はまだコマ図地点ではなく、道なりに直進しロータリーを回って戻ってきたところで、本来のコマ図地点となるのだが、多くのチームはロータリーに入ることなく右折してしまい、作成者の罠にまんまとはまった。ここでのミスコースは、距離計測に影響するだけでなく、バス停や橋のカウントが混乱することになり、クイズU(登場順クイズ)での大量減点につながる恐れがあるという、恐ろしい罠なのだ。

 驚くことにこの罠の影響を受けずに早々と4CPに飛び込んできたのが「スーパーオートバックス八王子」である。それもそのはず、このチームは3CPを不通過であるため登場順クイズを受け取っていないのだ。一方経験豊かな「OQMサポートチーム」は、コマ図にこんなミスがあるはずが無いと罠を読み切り、登場順クイズも悠々と減点0を獲得。このチームくらいは、由緒ある能仁寺の見事な紅葉を楽しんでくれただろうか。

 4CPを過ぎると、ムーミン公園でのクイズにやや時間を割くものの、あとはゴールを目指しての走行となる。そうそう、ムーミン公園で「はにゃまる号」からお団子一串、ご馳走になった。見返りにヒントを出すようなことはしていないので、誤解無きよう。朝からぐずついていた秋空もこの頃遂に崩れ出したが、この天候のおかげでムーミン公園や彩の国入間公園などの駐車場が普段より空いていたのはラッキーだった。前回は全車タイムオーバーという事態だったが、今回は3チームが僅かな減点で済む程度の遅れで全車無事ゴールに到着。

 〜成績総評〜

 さて、勝負の行方やいかに。1ST終了時点でトップ争いは、クイズTの出来により「OQMサポートチーム」「佐賀県」の2チームに絞られた。更にクイズUを(失敗したUaを除いて)すべて最少減点で切り抜けた「OQMサポートチーム」が一歩リードとなった。点差は15点。2STでは理論上最大36点の逆転が可能であり、「OQMサポートチーム」は昨年2STで苦労しているため、まだ勝負の行方は分からない。いよいよ2STが始まり、アニメキャラを描くのだが、「OQMサポートチーム」が選んだ目玉おやじは何と4チーム重なったため8点減点を受ける。ところが肝心の「佐賀県」も目玉おやじを描いて、同じく8点減点を受けてしまった。これでほぼ逆転は不可能となった。結局、「OQMサポートチーム」が2STでは最下位だったものの1STでの貯金が大きく、見事連覇を達成した。

 参加2回目の「しも」が昨年の6位からジャンプアップし3位に入賞、実力があるところを示した。惜しかったのは初参加の「Team Kanei」で、僅か1点差で4位となった。今後が楽しみである。5位の「都筑たまごっちーず」は子供連れファミリーチームの中で最上位となった。しかもキャラ多数決クイズでのつまずきがなければ3位もあり得た。6位〜10位は実績があるチームが並んだが、その中に初参加かつファミリーチームというハンデがある「Team321」が9位に食い込む健闘を見せた。

 11位〜15位は3台エントリー組が見事にずらりと並んだ。特に「MJK's」「はにゃまる号」「BBタイプ」は5点差の中に全チームが入る仲の良さだ。但しこの中で「BBタイプ」はCP不通過さえ無ければ、6位あたりの成績に該当しており、前回より進歩していることは証明できた。主催者から参加の「スーパーオートバックス八王子」はCP不通過まで冒して最下位に甘んじ、見事な接待ぶりを演じた、ということにしておこう。

 〜最後に〜

 運営面は比較的順調だった。CP場所やゴールの駐車場確保に苦しみつつも最終的には何とかできた。また前回の反省点の1つであるタイムオーバー続出も抑えられたし、前回好評だった2STの形式をテーマ「アニメ」に絡めることもできた。ルールでは禁止しているがインターネット検索での解答を阻止する手立てとして、「アニメキャラ多数決クイズ」を考えたが、テーマへ絡め易く面白さとギャンブル性を兼ね備えており、今後も有用だと確認できた。タイムスケジュールもほぼ予定通りに進行できたのは、スタッフの固定化による習熟度アップと事前打合せの徹底のおかげであろう。今回もご苦労様でした。

 一方反省点もある。配布資料の手違いで、アンケート用紙が事前配布されてしまい一部クイズのヒントになってしまった。余った賞品を配り切れないのはいつも通りながら、表彰式を間延びさせてしまうので何らかの工夫が必要だろう。

 なお前回まで筆頭スポンサーだったSONYがカー電装品市場から撤退し、当然大会の賞品確保に影響があったのだが、主催者のスーパーオートバックス八王子殿の頑張りにより賞品レベルを維持して頂けた。関係各位に大変感謝する次第である。この大会レベルを維持するためにも、更なる参加者拡大に皆様のご協力をお願いし、筆を置くこととする。
更新日時:
2007/09/25
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Last updated: 2010/5/9
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