コース作成記&講評



11     1996年大会(八王子〜昭島〜飯能〜名栗)
 まず、今年のコースのコンセプトとして、積極的に山道を取り入れることにした。これは去年の市街地コースに対するアンケートで、山道の方が良いという意見が多数あったため。そこで以前から目を付けていた、名栗村の村営温泉施設を組み合わせることにした。ところがこの温泉施設は特定の団体に場所を貸すことはできないという。仕方なく村役場の紹介で、近くの「山の家」を借りることになった。ちなみにこの「山の家」は私がコース作りを担当した1回目の大会で、遊具のロープ数を数える傑作問題を設定した思い出の場所。
 ゴールが決まったらまずは地図とにらめっこして全体のプラン作りに入る。主催者のオートバックス八王子めじろ台のマネージャが、2店目を昭島に開店するというので、宣伝を兼ねて1CPを開店予定地に設置することに決定。ここから飯能を通して奥武蔵の山中を巡ってもらうためには、横田基地近辺を通ることになるが、コース取りによっては渋滞に遭う可能性もある。ここは16号と反対側の東側を通すことで渋滞を回避。あとは山中をどうレイアウトするか。昭島を通したため、余り山深く入ると距離が伸びすぎてしまう。ここは昔の記憶を頼りに、実走してショートカットできる林道を見つけるしかない。
 約5回実走してコースとCPを決定。思い通りの林道があるにはあったが、すれ違い困難であるため、無線を持たせたオフィシャルを配置することに。温泉はコース途中で入ってもらう設定とし、その代わり温泉へ向かう前にゴールと同じ地点でCPを設置し解答を回収。参加者が入湯している間に採点してしまおうという腹づもりとした。ところが当日は急に冷え込んだためかいつもより早く入場制限が出てしまい、参加者の殆どは入湯できなかったようで、申し訳ないことをした。
 最後にクイズの少ない区間があったので、茶畑のなかを捜してみたら、おあつらえ向きのクイズのネタがあった。コマ図を変更して3問設定。また林道が本物のラリーと重複しないか、道路工事と重複しないか、のチェックも怠ることはできない。こうしてコースが確定。市街地コースと違ってCPの設置場所には困らなかった。31図に置く無線連絡用のオフィシャルに対応する形で、狭い区間を抜けたところを3CPとしてオフィシャルを配置。ところが31図から3CPまで無線が届かなかったため、31図から100m下りた待避所地点にオフィシャル待機場所を変更したという後日談が付く。ここを担当する2人のオフィシャルには、場所が場所だけに大変寂しい思いをさせた。
 ミスコースで多かったのは、25図と38図らしい。25図は実は手前にある材木屋をコマ図に追加するのを忘れていた。数チームのミスコースは当然かも。38図はドラミでも注意したがやはり目標が見えにくかったようだ。ドラミで注意した9図は1台のみミスコースだが、前後の8、10図でミスコースが若干あったようだ。
 クイズの詳細は割愛するが、全体としては例年より難しくなった。注意深いだけでは解けない、運と知識を問うクイズが多いのと、距離計測クイズをグレードアップしたことが理由。予想通り、例年は減点20点台で優勝したが、今年の優勝者は減点41点であった。
 はたして参加者の反応はどうか。まず山道にはおおむね満足してもらえたようである。数名の方が車酔いに遭われたのは仕方ないところか。特に31図からのコンクリート道には驚いたことだろう。クイズの方は、思った以上に距離計測&補正計算に苦労されたようだ。これに加えて競技人数の問題と計算式問題は少しひねり過ぎた出題であった。もう少し単純明快でかつ参加者の頭を悩ます問題を心掛けたい。(それが難しいのだが)
 成績の方であるが、まず注目チームについて。昨年優勝のすず虫チームは残念ながら9位。クイズTの減点が響いた。昨年2位のTEAM TERZOは21位に転落。やはり元全日本ラリーのナビゲータT氏の不参加が原因か。15位にオートバックス代表チームが入った。大健闘とは言い過ぎか。
 優勝した流星号チームのキャプテンKさんは、大会会長のご兄弟で、このラリーの常連。2位や3位といつも好成績であったが、やっと優勝された。順当と言ってもいいだろう。2位のPDcc夫はオマケチームは、JAF公認カークラブPDccにて本格的にラリーをやっているご家族。去年は下位に低迷したが、面目躍如というところか。私が開催前日に大会会長に増やしてもらったカーナビを獲得された。3位のチーム・ケンタッキーは去年から参加。2回目にして3位は見事。もっともこのチームは参加申込書の段階から気合を感じさせるものがあり、そのうち上位に来るとは思っていた。4位はやはり去年から参加の友情チーム。職場仲間である。去年は序盤の橋の問題でつまずいたが、今年は見事にクリアした。こうして見ると5位のAKIRAチームを含め、子連れチームが5位内に4チームも入っている。それどころか、子連れ8チーム中、なんと7チームが10位以内である。上位を目指すチームは、子どもをチームに加えましょう。
 クイズT全体の平均減点は47点。去年が21点だったので、距離計測問題での平均減点18点を差し引いても、去年より難しかったことになる。
 今年のクイズUでは、各問の出来・不出来が総合順位に余り関係していないのが特徴。優勝チームでさえ、Ua〜hの8問中4問は、参加者平均減点を上回っている。逆に言えばクイズTで勝負の大半は決定したということ。
 以上にて、スカベンジャーラリー講評を終わりにします。ご愛読ありがとうございました。来年はより一層改善しますので、楽しみに待っていて下さい。
更新日時:
2005/04/23
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