コース作成記&講評



1     2012年大会(昭島〜五日市・秋川〜青梅)

 ■エリアの選定

  市街地を通るコースが2年続いたため、参加者から山道のリクエストが多く寄せられた。また、以前より青梅のシネマチックロードをクイズに取り入れたいと思っていたことから、秋川周辺+青梅でコースを組み立てることとした。となれば、オートバックス昭島店をスタート場所に使うことが可能だ。以前も途中のCPに使ったことはあるが、今回初めてスタート場所とさせてもらった。これで、昭島−あきる野−五日市・秋川−青梅というアウトラインができあがった。
 
 ■プランの構築

  青梅をゴールとするのは初めてである。シネマチックロードを、走行しながらクイズ解答するのはちょっと無理があるし、なにしろゆっくり観てもらいたいという思いもある。そこで、ゴール場所に車両を残し、ウォークラリーのごとく徒歩でクイズに解答してもらうことにした。このため2ステージ制とし、第1ステージ(1ST)は距離を短く、なるべく2STに時間を残すよう工夫した。

 秋川周辺で使えそうな道をいろいろ試したが、道としては通じているものの通行制限や通行禁止、あるいは自転車との擦れ違いさえできないほど狭い道にことごとく阻まれ、うまくルートを作れない。仕方なく、2か所で折り返すルートとなった。特に自然人村のある深沢ルートには、人面が描かれた面白い木製ポールが道端にたくさん立っており、クイズにしてくれと言わんばかりだ。折り返しルートを作ることは、コース作成者としては褒められたものではないが、このポールに惹かれて今回は目をつむった。

 その他の考慮点としては、10数年前に祭典と重なってCP移動を余儀なくされた秋留台公園をリベンジを込めて採用。秋川沿いの旧道をなるべく採用。そして本格的な山道ではないが、それらしい雰囲気のある道をこまかく拾いつつ青梅へ。これでルートはほぼ固まった。
 
 ■ゴール場所確保

  必然的にシネマチックロードへ歩いていける場所でゴールを探すこととなる。青梅市の施設を利用するには、事前に利用者登録を済ませた上で抽選システムに申し込み、当選したらやっと利用申請を出すことができる。この面倒なシステムを採用する自治体が増えており、手続きに毎回苦労している。場合によっては平日に3回出向く必要があり、私のような遠隔地に住む普通のサラリーマンには到底不可能だ。

 青梅市の場合は2回で済み、結果的に休日で対応してくれた(本当は利用者登録は平日のみらしい)。応対してくれた職員はみな親切なのだが、何とか利用者登録できた後に、いざ抽選システムに入力しようとしたら受け付けられず。結局、青梅市民以外は予約できないこと分かった。往復5時間+たらい回しの結果がこれとは。職員も知らなかったはないだろうと交渉し、特例処置で抽選に参加可能になった。競争率3倍だったが運よく当選し、ようやく今回の表彰式会場を押えることができた。こんなに苦労したのは2回目かなあ。
 
 ■クイズ

 毎年何かしら新しい出題パターンを考えるのだが、今回それに該当するのは、ルート漢字、短距離走タイム当て、折鶴タイムトライアル、ウォークラリー的な2ST。逆に定番と言えるのが、橋などの数えもの、登場順、記憶力、写真探し。公園に寄ったり、駐車場で捜し歩いたり、郷土館に寄ったり、と様々な形態で出題できたのではないかと思っている。

 これに加え、初めて連想クイズを採用した。PDccクイジーラリーでの人気の定番クイズだが、現在イベント自体が休止中なのでSAQRで復活させてもらった。いざ採用してみると、お題を決めるのがなかなか難しい。1つ目のヒントでの正解の可能性を残しつつ、多くのチームには3つ目のヒントくらいまでは聞いてもらう難易度で、そして最後のヒントではほぼ全チームが正解することを目指し、オフィシャル数名で頭を悩ました末に「酒」に落ち着いた。また各CP担当がヒントを出すつもりでうっかり正解を口にしないか心配で、相当念入りに事前レクチャーを行った。おかげで何とかミスなく実施できた。
 
 ■賞品

 過去2回は川越と三浦だったため地産ものには事欠かなかったのだが、今回は賞品探しに少々苦労した。乾麺や燻製もの等も候補だったがインパクトが弱く、結局秋川に蔵元を持つ銘酒「喜正」と、青梅の和菓子のうち梅入りの饅頭を採用。参加が10チームだったため経費捻出には苦心したが、全チーム分の賞品を準備して頂いたオートバックス九鬼さんや各オフィシャルの協力で、何とか例年並みのレベルにすることができた。

 
 ■ハプニング

 昨年は多くのハプニング(普段は111台収容駐車場に5台程度なのに航空ショーにより満車、人気の無い山里だったのにみかん狩り客が突如大勢押し寄せ走行困難、等)に見舞われ不評を買ったが、今回は幸いハプニングは無く順調に運営できた。唯一2CPを置いた十里木駐車場が、好天のせいかハイキングや温泉へ行くために車を置いていく観光客が押し寄せ大賑わいとなったが、ぎりぎり参加車の駐車はできた。ここも(前日を含め)普段は5台程度しかいなかったのだが。
 
 ■成績

 熾烈な優勝争いは別稿の区間別ダイジェストに譲り、ここでは入賞者の顔ぶれを振り返りたい。優勝は「迷走 元ランナーズ」チームの大塚さんで、ここ3戦は7位が定位置となっていたが、遂に栄冠を奪取された。SAQR09で初参加以来毎回とても楽しみにして頂いており、私としても嬉しい初優勝者の登場となった。

 好不調の波が激しい「カーオリバトラーズ#1」チームの小池さんが久々に好調で準優勝。折鶴が150秒で完成していれば優勝だった。もっとも180秒取り組んであの出来(四つ折りしただけ)では、惜しかったとはちょっと言えない気がする。いつもクイズより写真撮影を優先して頂き恐縮なのだが、今回の2STではクイズにじっくり取り組むことができたと喜んでもらえたのが、こちらとしても嬉しかった。

 優勝候補が自滅した今回のチャンスを活かせなかったのが、「エクレア1号」チームの小野塚さんと、「佐賀県」チームの宮田君だ。「エクレア1号」は2STのクイズVでの5点減点に泣いた。「佐賀県」は後半の減点が少しずつ響いた形。それぞれ、初優勝と復活優勝を逃してしまった。

 ビギナークラス優勝は「チームBBS」の中村さん。家族(+自家用車)と都合が合わず、業務命令でナビを、レンタカーで車を調達し執念の参加であった。これには敬意を表したい。ビギナークラスが1チームのみだったことはここだけの話として、皆さん忘れましょう。

 終わってみれば、1−3位が僅差、4−8位も僅差、9−10位も僅差(というか同点)と、なぜか3グループに分かれ接戦であった。参加台数が少ないせいか全体として和気あいあいとしていたが、一方で勝負自体も楽しんでもらえたのではないかと思う。何とか今後も継続開催していきたいので、次回はV字回復で参加チーム数アップを目指したい。
 
更新日時:
2013/04/29
 
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Last updated: 2010/5/9
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