膝の痛み 膝痛の鍼灸治療
当院で膝の痛みを訴える患者さんで最も多いのは、膝内側に痛みを生じる、変形性膝関節症です。
中年以降の女性、肥満気味の方、O脚の方に特に多いのが特徴です。
※成長期の膝痛オスグット病は⇒こちら
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、加齢や過度な運動などの為に膝関節に負荷がかかることにより、膝関節内の関節軟骨が擦り減って、関節に摩擦を生じて痛みを感じるものです。
膝関節は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨からなり、変形性膝関節症のほとんどは膝内側の大腿骨と脛骨の間におこります。
変形性膝関節症は通常、ある日突然ひどく痛み出すのではなく、軽い違和感程度の症状に始まり、時間をかけて徐々に進行します。
進行具合としては、大きく次の3段階に分けられると思います。
- 段階1
- 初期症状として、こわばり感や、朝起きたときにちょっと動かしづらい、などの軽い症状が出ます。すぐにおさまることも多いので、この段階で治療に来られる方は少ないです。日頃定期的にご来院いただいてる方にはこの段階で対処し、更にストレッチや筋力運動などのアドバイスを行っております。
- 段階2
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- 膝の内側が歩行時、立ったり座ったり、階段の上り下りなどで痛む
- 正座ができない
- 熱感がある
- 水が溜まる
- 段階3
- 痛みがさらに増し、O脚変形が目立つようになり、立ったり座ったりや歩行が困難となります。また外出できないなど、日常生活に支障をきたすようになります。
最初は症状が軽い為あまり気にされない方が多いようですが、何も対処しないで放ったままにしていると、徐々に症状がひどくなる事が多いのが、この変形性膝関節症です。
膝の痛みや違和感を訴える方で、変形性膝関節症が疑われる方には、
「膝だけは放っておかないようにして下さいね」
とお伝えしております。
症状を進行させないようにするには、なるべく早い段階でストレッチや運動、減量などの対処を始める事が大切です。またすでに痛みが出ている場合には、何らかの治療も必要になるかと思います。
東洋医学で考える膝痛
膝の痛みは肝・脾・腎の虚、あるいは肝実(瘀血)からおこることが多いです。また、痛みの出る部位によって特に深く関係している経絡があります。
鍼灸治療
“はり・きゅう”で経絡の流れを整え、膝関節及び太腿部の血行を良くして、硬くなった筋肉をほぐし、痛みを和らげます。施術内容は、
- 膝関節周辺への施術
- 膝関節周辺の反応点に“はり・きゅう”を施します。
- 膝の運動に関係する筋肉への施術
- 膝を動かす為の筋肉の緊張を取り、柔軟性を持たせ、膝を十分動かせるように、“はり・きゅう”を施します。
- 膝痛に効果のあるツボへの施術
- 上記の経絡上で膝周辺以外にある、膝痛に効果のあるツボを使います。
- 全身調整の為の施術
- 膝痛の方は痛みをかばう為に全身のバランスが崩れていることが多いので、その場合はそれに対応した施術を行います。
膝の痛みにはお灸が大変効果的で、鍼と併用することで効果がアップします。
「お灸は熱そう」と思われるかもしれませんが、当院ではお灸用の熱緩和シートを使用しておりますので、そのようなことはありませんし、灸痕が残ることもありませんのでご安心下さい。
最後に膝の動きと痛みが改善したのを確認し、予防・改善の為に家で出来る簡単なストレッチや運動、その他日常生活で気を付けていただきたいことをアドバイスして、1回の施術は終了です。