次のように進めていくと良いと思います。
(1)耐水技術
(2)海底設備構築技術
(3)海底作業ロボット設計技術&量産技術
(4)海底居住技術
以下に解説していきます。
耐水は当然ですが、メンテ性と安全性が良い方向に向ければよいと思います。現在は量産向けの技術はあまり考慮されておらずコストが落ちないと思います。そもそも需要がないからですが、海洋資源国家に移った時は需要は相当出ます。需要が実際に出てビジネスに乗ってからでも良いかとも思いますが、水深に対する技術の完成はすぐに出来ないのではないかと思います。海底資源事業は最初は数百メートルから始めると思いますが、最終的には1万メートル下でもそれほど難なく事業が可能となるほどの技術が必要になってきます。なにせ日本領海にはマリアナ沖海溝などありますから。
現在は海底の天然ガスや石油を取り出す海上プラント技術はそこそこ確立しています。これらは液体や気体を地上に取り出す技術であり、それなりにコストも分かっていると思います。この技術に拘らず次世代技術として100年先のデフォルトとなる技術に目を向けるべきと思います。鉱石の採掘には不向きと思います。なにせあのパイプを支える枠などの構造物は深海のものを採掘するにはメンテは相当かかるだろうし構造的に脆弱に思います。実際メキシコ湾では事故が起きています。私は海底作業技術が進んだら液体、気体資源についても海中タンカーによる運搬のほうがコストが低いと思うのです。
SF映画に出るような海底に作業場を構築し、長時間作業が可能で、多少の事故があっても、事故が最小限にとどまり、地上の家屋と同様な感覚で復旧できるような感じが良いです。絵を書いたらUpします。事故の拡大を防ぐためには独立した各作業空間を連結する方式が良いでしょう。独立した個々の空間はある程度の時間は水の浸入を防ぐ事が可能な堅牢な仕組みにしておき、事故が起きても避難に余裕がある空間にします。別の空間に避難後、その空間のみ切り離して封鎖する事が出来るようにしておくのが良いです。これは建築基準法のような規格で国家が管理します。ここまで技術が確立すると海底居住時代へと移行する事も可能になります。とすると人類は次のステップへすすめる可能性があります。
海底の作業場の作業空間の構築に関する技術があったとしても、構築作業が出来なければ意味がないです。そのために海底作業ロボットが必要だと思います。有人でも良いし、遠隔コントロールで無人式のロボットでも良いでしょう。ここで重要なのは実用作業深度でしょう。技術者としての経験からですが、運用してみないと分からない問題が必ず出てきます。なので最初は数百メートルの海底での建築作業を行っていき、技術が進んで来たら千メートルでの作業、二千メートルでの作業、五千メートルでの作業、1万メートルでの作業というようにどんどん実用作業深度を上げていきます。最初のうちはコストがかかっても仕方がないと思います。このコストは投資です。一方海中作業ロボットの生産は日本の製造企業に依頼する事で国内産業を活性化します。またロボットを生産している内に技術も製造企業に蓄積されていきます。これは将来的な量産による低コスト化を見据えた戦略の一環です。
海底設備構築技術の次は居住技術になります。地上の家屋ですら耐用年度というものがあり、ましてや海底ならもっと短いと思います。老朽化したらその作業空間自体を簡単に取り換え可能にしておけば良いと思います。そのため作業空間自体は別のところで作り、接続する形態が良いでしょう。それから人が住むには空気、淡水、電気などは欠かせません。私は釣りで海に行くことがありますが、海には流れがあります。この流れを電気に変えるシステムと電気を備蓄するシステムの融合で何とかなるのではと思います。電気供給システムが壊れると結構致命的になると思うので、各作業空間毎に個別に発電するシステムを持つシステムが一番安全だろうと思います。コストはかかると思いますが安全性が第一です。酸素は海水から生成する技術が既にあり原子力潜水艦で実用化されています。淡水も海水から生成する方法は既にあります。このコストを下げれば海底居住が一気に進むと思います。ゴミをどうするか?など他にも解決すべき問題は多々ありますが、この技術が完成すれば日本人は海底居住が可能になります。それこそ海の民となれるのです。
これは人類を次のステップにすすめる大きな変化と思います。私は若い頃から人類の未来を思う時が時々ありました。現状のまま人口増加すると地上の限られた場所や資源に見合った人口の淘汰が自然と起きてしまいます。戦争かも知れないし、極端な格差化がすすんだ社会による調整かもしれない。海洋居住技術が確立すればこの悲惨な未来をかなりの時間延ばすことが可能になるでしょう。それでも飽和する時は来ますが、その時には宇宙開発時代に移っていると思うのです。宇宙時代への道は海洋技術が確定した後の人類の義務であるとも思います。
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