まずは玄関入口から真正面に見える「中庭」部分の鉄砲垣の改修工事です。前の竹垣設置からだいぶ年数が経ち、外側の竹と飾りのシュロ縄が腐れかけていました。 今回の竹垣の設置位置はほとんど以前と変わらなかったのですが、竹の高さだけ20センチほど低くさせていただきました。以前の鉄砲垣は中庭を独立した空間にするためか、少し高めに作られていましたが、逆に玄関から見ると薄暗く圧迫感があったのが気にかかりました。 そこで今回は、玄関からも中庭を通して本庭を覗けるように鉄砲垣をあえて低く設置し、本庭を借景として活用することで、中庭に光と奥行きを持たせて、新しい中庭の形として仕上げました。 |
今度は大きな池の中央部に架けられている石橋の竹製欄干(手すり)の改修工事です。回遊式庭園らしく池を渡るために橋が架けられているのですが、この橋は二つの形の違う自然石からなっており、幅も一定ではないため欄干を合わせるのにとても苦労しました。 写真左側はほぼ直線で以前と同じ位置に設置できたのですが、写真右側は石の幅がかなり違っていて、以前から中央の石橋付近には穴があいていて大変危険でした。そこで今回は施主様からのご提案もあり、右側の欄干にもう一本柱を加えて強度を増し、穴の空いている部分を直線にすることで危険箇所をなくしました。また、入り口をくの字にすることで石橋からの庭の景観に広がりをもたせ、池の水景美をより一層引き立たせることができたと思います。 |
最後は竹製欄干から東西に続く、高さの異なる二種類の金閣寺垣の改修工事です。右側の竹垣はほぼ以前と同じ位置に設置できたのですが、左側は以前の竹垣を解体してみると、なんと鉄製の手すりに竹を被せる様な形で作られていました。 そして、下の地盤も大理石の縁取りとなっていたため、金閣寺の立子部分の竹は一本一本手すりに合わせて切りそろえなくてはならず大変苦労しましたが、縁側からの水景をより引き立たせるための仕切り垣として、今回の工事で美しく再生させることが出来ました。 今回の竹垣改修工事では、様々な種類の違う竹垣をすべて作り直すという難しい設置工事でしたが、一斉に青竹垣にしたことでお庭全体の統一感を上げ、この大きな池のある回遊式庭園の水景をより明るく美しく彩ることが出来たと思います。 |
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