股関節形成不全

股関節形成不全って何？

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股関節形成不全って何？

股関節形成不全とは、
　　　腰と左右の後肢をつなぐ股関節が緩んでしまうことによって、
　　　関節炎を発症して激しい痛みを伴い腰を振って歩いたり、
　　　ひどくなると歩行が困難になってしまうこともある。

　　※大型犬に多発[多発犬種]
　　　　ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、
　　　　バーニーズ・マウンテンドッグ、
　　　　ニューファンドランド、ジャーマンシェパード等

股関節形成不全の原因は？
　　　①７０％が「遺伝性」と言われています。

　　　②残り３０％は、環境的要因つまり、
　　　　1歳までにカロリーの摂取量が多すぎたために肥満になり
　　　　関節に大きな負担をきたしてしまって起こってしまうケースがあります。

飼い主さんによる早期発見のチェックポイント
　　　　主な特徴には以下のような行動が挙げられます。
　　　　　①不自由な歩き方になる。

　　　　　②歩く時にモンローウォーク（お尻が左右に揺れる）になる。

　　　　　③散歩途中に座り込んでしまうことがある。

　　　　　④階段の上り下りを嫌がる。

　　　　　⑤ジャンプをしなくなる。

　　　　　⑥お座りの時に横座りになっていないか。

獣医さんによる検査
　　　①触診をして、痛みが無いかを調べる。

　　　②前肢と後肢の幅の違い
　　　　※前肢に比べて後肢の幅が極端に狭い。

　　　③二足起立試験
　　　　※後ろ足だけで立たせた時に股関節に異常がある場合痛みがあるため嫌がる。

　　　④大腿周囲系の比較。形成不全の子は大腿部が細い。
　　　　左右とも同じ太さかあるいは、悪いほうの大腿部が細くなる。

　　　⑤レントゲン検査を行う。

股関節形成不全の治療方法
　　　>※股関節形成不全は完治することはできないため、
　　　　　愛犬にいかに痛みを軽減させてやり、生活していくにあたって、
　　　　　不自由のないようにしてやれるかと言うことを
　　　　　飼い主さんは考えてあげなくてはいけません。

　　　　　病気とうまく付き合っていくことが大切なことです。

　　　①早期発見と早期治療
　　　　　痛みを早く軽減してやることが第一です。

　　　②体重管理　
　　　　　関節になるべく負担が掛からないように肥満には充分注意しなければならない。

　　　　　愛犬のあばら骨が手で触れることは出来るが、浮き出ていない程度が理想です。

　　　　　逆にやせすぎてしまうと、筋肉まで減ってしまうため骨への負担が増してしまい、
　　　　　逆効果になってしまいます。

　　　③薬剤・サプリメントの使用
　　　　　痛みを軽減するためには薬も使用しなくてはならない場合もあります。

　　　　　その他にグルコサミン・コンドロイチンなどのサプリメントも効果があるといわれています。

　　　　　※サプリメントは、素人考えで与えるのではなく必ず獣医さんに相談の上使用するようにしてください。

　　　④フローリングには、要注意
　　　　　フローリングは、健康な犬にとっても足にはとても負担が掛かります。
　　　　　カーペットを敷いたり、滑り止めのコーティング剤を使用したりして、工夫をしましょう。

　　　⑤適度な運動
　　　　　骨と関節をしっかり支える筋肉を鍛えることが大切です。
　　　　　適度な散歩と多少の負担が掛かる程度の速度で歩く時間を作りましょう。

　　　⑥リハビリ
　　　　　筋肉をつけるのに、最も良いとされている運動はスイミングと言えるでしょう。

　　　　　テレビやマスコミで今紹介がされている「スイムセラピー」が話題になっていますが、
　　　　　その効果は目を見張るものがあります。
　　
　　　⑦外科的治療法
　　　　　切除関節形成手術・骨盤三点骨切り術など

★★★ここで何を言いたいのか★★★
　　「股関節形成不全｣は、前述しましたように７０％が遺伝性の要因なのです。

　　何故この様な悲しい病気を持って生まれてこなければならないのでしょうか？

　　そのひとつには、人気犬種における過剰繁殖が挙げられるでしょう。

　　この病気を減らしていくには、この疾患に対する正確な知識を持って、
　　疾患要素を持つ犬同士を交配させない事でしょう。

　　その為の第一歩として、２００６年４月から所有者の希望により、
　　股関節の評価結果を血統証明書に記載することとなりました。

　　　※このシステムは「ＪＫＣ（ジャパンケンネルクラブ）」と
　　　　「特定非営利活動法人日本動物遺伝病ネットワーク（ＪＡＨＤ　Network　
　　　　代表：麻布大学獣医学部講師陰山敏昭氏）」が協力して行っている事業です。

ＪＡＨＤ　Ｎｅｔｗｏｒｋとは
　　　　獣医臨床と研究を行っている獣医師さん達によって、
　　　　データを科学的に分析し、動物の遺伝性疾患を確実に減らしていくことを
　　　　目的とした活動を行っており、現在は「股関節形成不全症」「肘関節異形成症」
　　　　「膝蓋脱臼症」に対して、公正かつ中立的立場で診断・登録による
　　　　情報提供・データベースの作成を行っています。

　　　このＪＡＨＤに登録していくことによって、繁殖の有無に関らず
　　　繁殖犬の近親情報が得られることが出来、より系統的に遺伝性疾患を
　　　減少させていくことが可能となっていくはずなのです。

　　　皆様の周りで股関節形成不全で日々頑張って生きていっている子は居ませんか？

　　　その疾患を持っている子もその飼い主さんも、本当に一生懸命病気に立ち向かっています。

　　　でも出来ることなら、健康な友達ワンちゃんたちと同じように野原を
　　　走りたいと思っているに違いありません。

　　　尊い命を皆さんの協力の上で守って行ってあげたいのです。

　　　「ＪＡＨＤ」への登録の大切さを知って頂きたいと強く思っています。

　　　２歳になる我が家のバーニーズ・マウンテンドッグの女の子も先日「ＪＡＨＤ」に登録しました。

　　　これ以上悲しい病気を持って生まれてくる子を減らしていくためにも、
　　　皆さんも「遺伝性疾患」の事を理解して、

　　　是非「ＪＡＨＤ」への登録をお願いしたいと思っています。
　
　

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