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四天王寺前針灸院
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漢方薬・良導絡
   当院では、体表の自律神経機能測定(良導絡測定)をおこない、患者さまの自律神経および良導絡(経絡)の状態を客観的に把握し、それを基づいて患者さまの体調管理に合った漢方薬や健康増進法を検討(選定)させていただきます。

《良導絡測定値(電流量)の一般的な見方・・・》
   良導絡の測定では体表の皮膚、とくに手(H系)・足(F系)において微弱な通電電流値:μA(マイクロアンペア)を測ります。この電流値を測る部位とその数値の高・低によって判断(診断)します。

測定値は、基本的に平均40μAを基準点として、、、

H・Fともに高い↑場合は、体力があり(漢方の実△)、病状も強く表れる兆しです。これは若年者に多く、急性の症状がある時によく診られます。しかし、、、

H・Fとも低い↓場合は、身体が弱く(漢方の虚▼)、病状も弱く・隠れている兆しです。これは高齢者に多く、慢性の症状がある時によく診られます。さらに、、、

H・Fに差がある場合は、自律神経の活動と関系しています。
交感神経が優勢の時にはH↑が高く、F↓が低いことが多く、高齢者によく見られます。
過度になると、免疫が低下して、炎症やガンなどに罹患し易い、とされています。

副交感神経が優勢の時にはH↓が低く、F↑が高いことが多く、若年者によく見られます。※しばしば、リラックスしているときにも見られます。
過度になると、免疫過剰・アレルギー・アトピーに罹患し易い、とされています。


   このような測定値の特徴を 専門家は「良導絡パターン」と呼んでいます。このパターンに各々(H1〜F6)までの電流量の高低を併せて診断します。

   良導絡測定によって選ばれた漢方薬は、ご自身で薬局・薬店などより購入して服用(セルフメディケーション)し、ご身体の健康管理にお役立てください。 なお、漢方薬の服用法などの詳細はご購入先の薬剤師・登録販売者にお尋ねください。
   なお、下記の各々良導絡(H1〜F6)には「症状のある身体部位(良導絡)」、「関連する器官と働き」、「よく現れる症状」、「治療に用いるツボ(指圧・灸など)」を載せております。ご自身の判断で、ご活用ください。

H系
H1( 肺 )良導絡
H2(心嚢)良導絡
H3( 心 )良導絡
H4(小腸)良導絡
H5(リンパ管)良導絡
H6(大腸)良導絡

F系
F1( 脾・膵 )良導絡
F2( 肝 )良導絡
F3( 腎・副腎 )良導絡
F4(膀胱)良導絡
F5( 胆 )良導絡
F6( 胃 )良導絡

東洋の理(ことわり)

   西洋と東洋では、それぞれの生活から異なる物の見方や考え方、すなわち世界観が発展しました。 その根底には西洋人が狩猟生活、東洋人が農耕生活になじみ深いことと関係します。 ただ日本人は大陸からの農耕生活と島国にみられる漁生活、いわゆる狩猟の一種を生活の手段に用いた文化(海洋民族)が合わさって独特な様相をみせています。

   その異なる世界観の一つは、それらが目前で起きている現象か、それとも過去に起こった経験か、という点を重んじるか否かの違いです。 たとえば、それは言葉にもみられます。西洋では、とくに名詞の単数か複数を区別します。しかし東洋は、それほど区別しません。 狩猟生活では、今、目前に獲物がいる場合、それが単数か複数かの情報はとても重要だからです。
   一方、農耕を営む者にとって重要なのは、さまざまな災害の回避です。なので、現在よりも過去に起こった事に関心があります。 それらは、災害予測などにとても大切な情報だからです。
   東西で星の動向(占星術)にも興味が異なっていたのは、そのためかも知れません。西洋では、中世以後、日常における惑星の運動に興味がもたれました。 しかし、東洋では流星などの特別な星の動きに関心があり、過去の災害との関連を模索していました。 農耕生活では日常的に当たり前のように起こるできごとには関心が低かったようです。

   もう一つの異なる点は、ものごとについても細部か全体か、どちらを重視するか否かの違いです。それは絵画にもみられます。 西洋ではルネッサンス以後、遠近法を重んじた画法の絵が注目されます。それらは見せたい部位を繊細に描かれます。ですが、その周囲はぼやけています。 しかし、東洋の水墨画、山水画などは、それぞれは詳しく描かれていません。ですが、全体的にどの様な情景であるかは、とてもよく分かります。

   これらの異なる点は、医療行為においてもその特徴が診られます。西洋では現在ある病巣を細かく把握して、その対処を医療の中核におきます。 しかし、東洋では、現在起きている些細なことにとらわれません。過去から現在における経験を通じ、各々の営んできた身体の機能を全体的には把握します。 そして、それらを調整して健善な身体を維持することを目指します。 どちらも大切な見方であり、重要です。しかし、本質的には、両方の違いが、お互いに繋がっていることも多々あるようです。

   ここでは、そのような世界観、すわなち東洋的な「理=ことわり」を理解するために、各用語ごとに自らの考えをもとに説いて述べます。

■二つの世界

陰と陽
   世の物事を2つに分けて観ることは、西洋や東洋でも共通しています。 西洋のデカルトらは、さらにそれを哲学的な意義を加えて「2元論」を論じたことはとても有名です。 東洋でも、よく似た思索が幾つかおこなわれています。その一つが、「陰陽論」です。
   通常、リアルな世界では対象物を立体的に観ています。つまり、西洋では「幅(W)・高さ(T)・深さ(D)」の3次元でとらえています。 一方、東洋では、「横の世界・縦の世界・奥行きの世界」として、とらえています。すなわち、西洋も東洋も世界の見方はまったく同じということです。 ただし、その言い方や表現の仕方は異なっています。横の世界では「左と右」、縦の世界では「上と下」、奥行きの世界では「前と後」、としています。 こののような世界には長短に関係なく、分断すると横は左右、縦は上下、奥行きは前後に分かれます。すなわち、磁石のS/N極と同じことが生じます。
この2つに分かれた一方を、他方をとしています。それらを下記にまとめておきます。

イラストorスナップ写真
陰・・・
自然=右、下、後、裏、地、物質など
身体=五臓(肝・心・脾=膵・肺・腎)など

陽・・・
自然=左、上、前、表、天、エネルギーなど
身体=六腑(胆嚢・心嚢・胃・大腸・膀胱)など

※横の世界の左は、右はとなります。この見方は頭(あたま)を北極星に向けて仰向けに寝たとき、左(東方)から太陽が昇るからとしています。

   二つの世界、とくに陰陽の狭間で和合が起こり有機的な営みが生じる、と考えます。しかし、その和合が解かれ陰陽が分断すれば、営みは破綻して『 』の状態になる、と考えます。
   「人」の場合、その営みは「生命」です。そして、陰陽が分断すると人の生命が無くなる、いわゆる「死」となる、と考えます。 陰陽の和合では、天は陽であり、地は陰であり、その狭間に人が介在して、「天・人・地」という状態=言葉になる、としています。死を「昇天」というのはそのためです。ちなみに精神(魂)は天(陽)、身体は物質で地(陰)に帰る亡骸(なきがら)、としています。
   このように東洋の世界観は、この陰と陽が動的(ダイナミクス)に調和し、安定(バランス)するところに自然界が存在する、と説明しています。 しかも、そられは自然界だけでなく、その一部である人体の身体も、精神(こころ)も同じ理に支えられている、と考えます。
   その他、陰は表在化しないもの、つまりは外から見えず内に隠れた物質的なものと考えます。一方、陽は表出されるもの、つまりは外からも見える機能的なもの、すなわちエネルギーと捉えることもあります。 また、エネルギーの機能が有れば、物質としての存在は不要なものと考えます。
   人体においても、それを捉える例があります。陽の六腑は、手術で除去しても生きられます。つまり機能があり、物質は不要です。しかし、陰の五臓は物質であり、無くなって生きることはできません、つまり、不要は死に至ります。


■五つの働き・関わり

五行

イラストorスナップ写真    陰陽などの世界の狭間に生じた営み・働きは五つあります。それは木・火・土・金・水です。その働きのことを「気=エネルギー」といっています。 その五つはお互いに関わり合って、各々を調整しています。それには、お互いの営みを活性する働き、お互の営みを抑制える働きがあり、これらは「相生」、「相克」といいますが、後で述べます。
   五つの営みや働きを『五行』といい、二つの世界の営みに合わせて機能します。 とくに「行」は行動という言葉によって表わされるように、「動き」を特徴とする言葉です。そのほか、五行はさまざまな概念を表すシンボル(symbol)を意味してつかわれることもあります。 このように、五行は各々が関係する働きの象徴、すなわち五つ行いを形付ける物と考えられるようです。
   ここでは、木(草木)は「動き、生育」の働きを象徴する、火は「混ぜる、合わせる」の働きを象徴する、土は「変わる、化ける」の働きを象徴する、金は「納める・溜まる、浄化」の働きを象徴する、水は「鎮め、分ける」の働きを象徴する、 という独自の観点から五行の働き・意味を考えてみます。