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Our Outdoors Life
百霊峰巡礼(中部・北陸編)-山の旅

登山靴
奥穂高・前穂高@北穂高山頂

北穂高岳からの南方眺望:涸沢岳越しに、前穂高から延びる北尾根と吊尾根、奥穂高からジャンダルムや西穂高まで見える。

月刊山岳雑誌「岳人」に、連載された「百霊峰巡礼」を巡ります。 北は北海道の利尻山から南は沖縄の於茂登岳までの百座です。 巡礼中に出会った自然現象、高山植物や動物たちを紹介しながら 古の人々が畏敬の念を抱いた霊峰を訪ねる旅を紹介します。

神社ロゴ     百霊峰巡礼について    神社ロゴ

立山雄山神社

ミヤマリンドウ@剣岳

「百霊峰巡礼」は、栃木県宇都宮市の出身である立松和平氏が執筆し、2004年1月号より月刊山岳雑誌「岳人」に、毎号一座ずつ連載されていた。
私たち夫婦は、多少時間的余裕もできた2006年11月に、東京都の高尾山への巡礼を開始し、既に80座を超えた。巡礼を終えた霊峰を少しずつ報告します。
ただ残念なことに立松和平氏は、73座登頂後、2010年2月に他界された。25座毎に東京新聞から出版されていた「百霊峰巡礼」は、第三集で終了となった。残る27座については、立松氏を偲びながら、昔から信仰の対象とされた山岳の自然と歴史を独自に辿ってみたい。
尚、立松氏未踏の27座は、上記第三集に記載されている百霊峰候補山岳とした。


百霊峰地域別地図

    中部・北陸―百霊峰

赤い三角点マークの中心をクリックすると、登山記録を見られます。黒い三角点マークは未踏です(2016年5月末現在)ので、現在記録はありません。

中部地図 雨飾山 妙高山 四阿山 浅間山 戸隠山 槍ヶ岳 穂高岳 蓼科山 御嶽山 木曽駒ヶ岳 甲斐駒ケ岳 富士山 身延・七面山 秋葉山 鳳来寺山 本宮山 剣岳 立山 笠ヶ岳 白山 位山 能郷白山 高賀山 越知山

 雨飾山(あまかざりやま)

雨飾山・布団菱

布団菱遠望:荒菅沢に下る斜面から望むと、登山ルートと雨飾山南東面に聳える布団菱が姿を現す。

荒菅沢・雪渓

雨飾山山頂1

雨飾山山頂2

イブキジャコウソウ

シモツケソウ

アサギマダラ

 『山頂は360度の展望があり、二等三角点が設置されている。深田久彌によって日本百名山に選定された。長野県側からは小谷温泉から、新潟県側からは雨飾温泉から、それぞれ主要な登山道がある。また、小谷村大網からも登山道が伸びるが、前者に比べ、登山者は少ない。なお、小谷温泉からの登路は荒菅沢奥壁となる「布団菱」を眺めながら比較的楽に登頂できるが、雨飾温泉側からは急登が続く薬師尾根を登らねばならない。山頂は「猫の耳」と呼ばれる双耳峰となっており、南峰には標柱と三角点が、北峰には石仏が並ぶ。』by「ウィキペディア」。尚、立松和平氏は未踏。

 6:04 キャンプ場発。昨夜は蚊と格闘した。10匹以上もやっつけた。
 6:07 登山口発。
 6:18 ベンチ。2/11 800m。400m毎に案内板があることに気が付いた。
 6:53 4/11 1,600m
 6:56 ブナ平。写真撮影中の人がいる。
 7:25 6/11 2,400m。布団菱が見える。
 7:36 荒菅沢出合。雪渓を渡り対岸についた後少し登り、谷合に降りる。水は冷たい。休憩後、数bの崖をのぼり、登山道へ。
 7:59 7/11 2,800m
 8:30 8/11 3,200m
 8:54 ハシゴ場。辛い登りが続く。
 9:07 9/11 3,600m
 9:31 笹平。山頂を見ながら休憩。時折ガスが湧きあがり山頂が隠れる。
 9:44 雨飾温泉分岐。
 9:49 10/11 登山口から4,000m地点。
10:09 雨飾山頂着。晴れているが、霧が流れていて展望は利かない。10:46発。山頂付近のお花畑はにぎやかだ。ヒメシャジン、タカネナデシコ、イブキジャコウソウ、ウスユキソウ、シモツケソウ、ミヤマウツボグサなど。北峰の石仏が時を感じさせる。
11:12 10/11地点。下り初めから笹平までも、山頂付近とは違った花が咲き誇っている。ミヤマウツボグサ、ハクサンフウロ、ヤマトリカブト、ハクサンフウロ、トモエシオガマなど。
11:22 笹平。
11:30 ハシゴ場上。
11:34 ハシゴ場下。
11:43 8/11 3,200m。アサギマダラがヨツバヒヨドリにとまっている。
12:22 荒菅沢出合。崖を降り水場で休憩。
12:32 6/11 2,400m。
12:53 ブナ平。
13:25 1/11 400m。
13:30 登山口。


 妙高山(みょうこうさん)

ウメバチソウ

ミョウコウトリカブト

鎖場

妙高大神

妙高山頂

オヤマリンドウ

黄金清水

麻平

 関山神社は、奈良時代より妙高山を霊山と仰ぐ修験道の道場として繁栄。その奥の院である妙高堂は、8世紀初めから妙高山山頂に鎮座していたとされている。木曽義仲は自らの守り本尊である阿弥陀如来像1体をこの奥の院に奉納し戦勝祈願して見事勝利したため、その後も家臣と末裔が4年毎に建替造営を引き継ぎ、明治初頭の神仏分離令が発令されて、現在の関山神社境内に移されるまで続けられたとされている。by「新潟県WEB観光案内」。尚、立松和平氏は未踏。

第一日目・9月16日(日)

 昨日は、燕温泉の旅館「花文」に宿泊。

 6:14 燕温泉登山口発。
 6:19 黄金の湯。無料の露天風呂の脇を通過。道中、ウメバチソウミョウコウトリカブトなどが咲いている。北地獄谷には作業事務所風の建物の下奥に露天風呂があった。さらに高度を上げて滝の横の高度感のある狭い登山道を登ると、分岐に着いた。
 7:51 4合目。1590m。麻平への分岐。
 9:15 天狗堂。広場になっていて天狗堂と書かれた小さな祠がある。休憩。
 9:55 8合目・風穴。軽く休憩。
10:36 鎖場。前のパーティが登るところだ。続いて登っていると、後ろからもパーティが登ってきた。
12:16 妙高山山頂(南峰)。2,454m。石祠があり、「妙高山大神」と書かれた標識が左側にあり、真ん中には将軍地蔵のレリーフがある。関山神社の奥の院である妙高堂はかつてはここにあったのだろうか。北峰へ移動すると、道筋に阿弥陀如来ではないかと思われるレリーフが埋め込まれ「南無阿弥陀仏」の石碑がある岩屋や日本岩と標識のついた大岩があった。高妻山がガスの合間に姿を現す。
12:35 妙高山山頂(北峰)。標高2,445.9mで三角点がある。山頂標識一帯は広場になっていて、沢山の登山者が休んでいる。ただ残念なことにガスが湧いていて景色はとぎれとぎれにしか見えない。12:44発。
14:02 黒沢・大倉分岐。ベンチがある。30分も登ると、下方に緑の草原と池塘が見える。長助池のようだ。
14:51 大倉乗越。妙高山の全景が見える。
15:20 黒沢池ヒュッテ着・泊。ヒュッテはユニークなドーム型の建物。寝室は2階と3階で、我々は3階に宿泊。

第二日目・9月17日(月)
 6:10 黒沢池ヒュッテ発。道すがらオヤマリンドウ、シラタマノキ、ウメバチソウなどが咲いている。
 7:00 三ツ峰分岐。三ツ峰を超えると神奈山方面に向かう道とと燕温泉に下る道の分岐に出た。休憩。
 7:19 大倉池分岐。さらに分岐があり、左手の燕温泉方面へ向かう。
 7:48 黄金清水。清水が湧いている。ベンチで休憩。
 9:18 2合目・麻平分岐。下ると川沿いの林道に出た。やがて見慣れた燕温泉の広い通りについた。
 9:50 燕温泉登山口着。一昨日宿泊した「花文」に車を置いてあるので、ついでに温泉を入り疲れを癒す。
  
  


 四阿山(あずまやさん)

四阿山山頂

浦倉山山頂

マツムシソウ

 『群馬、長野県県境に聳える四阿山は、円錐状の山容で、広大な裾野を描く。山頂の西側には四阿山神社の祠、東側には上州祠。古くから信州、上州の双方から信仰され続けてきた。上田城主・真田昌幸が日本武尊を祀ったとも伝えられる。鳥居峠から、「花童子の宮跡」を巡る信仰の道をたどった。』by「百霊峰巡礼」。

 霧に覆われていて、展望には恵まれなかったが、アップダウンの少ない尾根道を、夏から秋に咲く植物が沢山鑑賞できた。

 9:15 頂上駅発。平坦な登山道を進む。
10:25 茨木山分岐。。オヤマリンドウ、シラタマノキ発見。
10:45 四阿山山頂着。大休憩。登山者多。
11:47 茨木山分岐。霧で視界無。
12:50 頂上駅通過。大きな花株のサワヒヨドリ、ノアザミ、群生するヤマハハコとシラヤマギク、ヤナギラン。
13:15 浦倉山山頂。花を求めて野地平へ。
14:10 野地平周回。待望のマツムシソウ発見。丁度見頃だ。
14:50 パルコール嬬恋スキーリゾートホテル駐車場着。ホテルにて入浴。
 


 浅間山(あさまやま)

外輪山@前掛登山口

湯ノ平高原から外輪山展望:湯ノ平高原の北と西は見上げるような浅間山の外輪山に囲まれている。

外輪山@前掛山

前掛山山頂からの眺望:2,300m級の外輪山が眼下に弧を描いて広がる。左奥に小諸市も確認できる。

シェルター

前掛外輪

浅間山(前掛山)山頂

カモシカ

 『激しい火山活動の歴史を刻んできた浅間山。その記録は「日本書紀」にも記される。山頂から立ち上る噴煙は、雄大な浅間山を、より印象付ける。2,000bを超える山々が連なり、高山植物が四季を通じ、訪れる登山客の心を和ませてくれる。登山道にはシェルター、サイレンが設置され、緊急時に備える。』by「百霊峰巡礼」。

 火山活動度レベルが2から1に緩和され、前掛山には登れるようになった。 レベル1でも、500m以内は依然登山規制中だ。

 7:02 浅間山荘発。浅間山は活火山であり、突然の噴火と有毒ガスに注意が必要との掲示板有。コースの要所々に同類の説明板が設置されていた。
 8:31 牙山前。火山館に立ち寄る。レンジャーが常駐している。火山館がシェルターになっている。浅間山噴火や自然について教わった。
 9:13 湯ノ平口。外輪山に囲まれている。
 9:34 前掛山登山口。登りが強くなり、ジグザグに変る。登山道には残雪。単独男性登山者が何人か登って行く。
11:27 浅間山分岐。最高点のある火口には近づけない旨の立ち入り告示板有。火口からは青白い陽炎が上がり空気が揺れている。火口に向かって歩いている人影が…。シェルターの分厚い鉄板が曲がっている。
11:47 前掛山山頂。雪を頂いた四阿山や草津白根山が山脈を連ねている。最高の眺望だ。2,300m級の外輪山が眼下に広がる。10分ほど滞在し堪能。
12:45 前掛山登山口。
13:00 湯ノ平口。カモシカが至近距離に。ここのカモシカは警戒心が弱い。
14:00 浅間山荘着。


 戸隠山(とがくしやま)

八方睨

戸隠山山頂

高妻山

一不動避難小屋

氷清水

 『「戸隠(とがくし)」の名は、「天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、高天ヶ原の天の岩戸に隠れたとき、天手力雄命(たじからをのみこと)が、その岩戸をここまで投げ飛ばし、世に光を取り戻した。」との伝説による。 古くから修験道場や戸隠流忍者の里としても知られている。中腹には戸隠神社(奥社)があり、廃仏毀釈までは聖観音菩薩を祀っていたほか、摂社に地主神の九頭龍社が祀られている。』by「ウィキペディア」。尚、立松和平氏は未踏。

 7:48 駐車場発。ほぼ満杯。
 8:08 登山口。牧場を抜けていく。
 8:14 牧柵。ミヤマオダマキ。
 9:30 滑滝鎖場。滝の端に鎖がついている。鎖が水にぬれているため、鎖を握る手がすべる。女性2人を含む3人パーティーが追い付いてきた。
 9:50 帯岩鎖場。男子6人パーティーがきたので先に行ってもらう。高妻山に行くようだ。出発時間が遅かったことを気にしている。
10:00 氷清水。一人で休んでいる人がいた。仲間と弥勒コースを登ったが疲れたので、五地蔵山で仲間と別れて一人先に降りてきたそうだ。
10:31 第一不動避難小屋。ここから高妻山を目指すパーティーは右手の尾根へ。私のみ左手に折れ、戸隠山へ。
11:43 九頭龍山。断崖の始まりで、高齢者を含む3人パーティとすれ違う。
12:48 戸隠山山頂高妻山が形良く見えている。帰路蟻の戸渡風リッジで一人休憩中。ベリータイアドとの声。
14:05 九頭龍山。小休止。
15:22 第一不動避難小屋。一人先客有。
15:50 氷清水。追い越した先客と談義。
16:54 牧柵。戸隠キャンプ場は賑やか。
17:30 駐車場着。イースタンキャンプ場泊。コインンシャワーを浴びる。


 槍ヶ岳(やりがたけ)

北穂高小屋テラスでの展望:真北に槍、西鎌尾根に続く双六や黒部五郎、東鎌尾根に繋がる大天井が見える。

合戦小屋小屋

タカネツメクサ

燕岳山頂男

燕岳山頂女

アルペンホルン

 『北アルプスに聳える日本で五番目に高い山、槍ヶ岳。名前の通り、天に槍を突くようなその雄姿に人々は憧れと畏敬を込めて『槍』と呼ぶ。難所に鉄鎖を架け、多くの登山者を山頂に導き、開山者として称えられる播隆上人の功徳を偲びながら、シナノキンバイなど高山植物が咲き誇る盛夏、登山道を踏んだ。』by「百霊峰巡礼」。

第一日目・7月25日(金)

 中房登山口−合戦小屋−燕山荘(燕岳)

 9:43 中房登山口。いきなり登り始める。
11:02 第二ベンチ。ベンチ毎に休憩。
13:21 合戦小屋。名物のスイカをいただく。乾いた喉には最高の果物だ。
15:56 燕山荘。チェックイン後周辺散策し、今にも雨が降り出しそうな空模様の中、急いで燕岳まで往復。コマクサの群生、タカネツメクサ、イワギキョウ、ハクサンフウロなど多数。白花コマクサが小屋の近くに咲いていると小屋の方に教えられた。白花のコマクサは初めてて見た。

燕山荘

16:33 燕岳山頂。霧中の山頂。疲れた。
17:00 燕山荘。中学生の団体含め、宿泊客多数。食事後、オーナー赤沼さんのプロジェクターを使った山関連説明とアルペンホルンの演奏を楽しむ。


槍ヶ岳@西岳下り

槍の穂先:西岳から水俣乗越への下りで霧が上がり、槍の穂先から北鎌尾根までの稜線が見えだした。

大下りの頭

コマクサ群生

喜作レリーフ

イワギキョウ

西岳山頂女

西岳山頂男


第二日目・7月26日(土)

 燕山荘−大天井ヒュッテ−ヒュッテ西岳(西岳)−水俣乗越−ヒュッテ大槍

 5:00 燕山荘発。
 5:20 蛙岩(げえろいわ)。中学生の団体と前後しながら歩く。ハクサンチドリ、オオヒョウタンボク、ウラジロヨウラクなどが咲いている。

中学生団体

 5:50 大下りの頭。100mほど下るとお花畑が続く。グンナイフウロ、トモエソウ、さらにロープで保護されたコマクサ大群生地。中高年3人の女性パーティとすれ違う。のんびりと歩いている。大天井あたりから来たのだろうか?広い稜線歩きが続く。
 7:22 喜作レリーフ。鎖を伝って、さらに梯子を降りると、この喜作新道切り拓いた小林喜作のレリーフが岩盤にはめ込まれている。岩の合間にイワギキョウが群生している。。
 8:00 大天井ヒュッテ。小屋内で休憩。団体が来ると急に賑やかになる。
 9:36 ビックリ平。槍先は雲の中。ハクサンチドリ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ?、ハクサンシャクナゲ、アカモノなど。登山道を老猿が悠然と歩いていく。しばらく歩いて山手側に上がって休んでいた。コバイケイソウ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、トリカブトなどが延々と咲いている。
11:36 西岳山頂。寄り道して西岳山頂へ。生憎槍ヶ岳は、霧の中だ。大天井岳は良く見えている。
12:22 ヒュッテ西岳。槍の穂先が見えだした。外国人(白人)パーティを含め、何組かのグループがヒュッテ周りでのんびり過ごしている。昼時だからか、槍沢に近いせいか?
13:23 水俣乗越。最近の北鎌尾根へのアプローチは、この峠を越えて北鎌沢の出合に向かうようだ。30年前には天上沢を辿り、北鎌沢の出合で一泊してから登攀したものだ。懐かしい。
13:56 東鎌尾根・木製梯子。木製の梯子が現れる。上りが延々と続くように感じる。東鎌尾根の核心部だ。
14:11 東鎌尾根・鉄製梯子。梯子で一気に下りる。窓と呼ばれる場所らしい。ジグザグに高度を稼ぐと目指すヒュッテが目前だ。中学生の団体は、この先の槍ヶ岳山荘まで行くようだ。
15:40 ヒュッテ大槍。こじんまりとした食堂でサラダ付料理。槍が全容を見せている。ここから見る槍は大きい。



雷鳥親子@大喰岳

雷鳥の親子:南岳からの下り、雷鳥の親子が出現。雪渓の上を足早に霧の中に姿を消した。

ブロッケン1

ブロッケン2

ブロッケン3

大キレット

長谷川ピーク

イワオウギ

槍ヶ岳遠望@北穂

滝谷

槍の黄昏 第三日目・7月27日(日)

 5:44 ヒュッテ大槍発。槍に向かって登る。槍ヶ岳山荘脇に荷物を置いて、いよいよ槍穂先への登山。朝の登山ピークは過ぎてルートは空いている。最後の31段の鉄梯子をのぼると広い山頂に出た。

槍穂先鉄梯子

 7:10 槍ヶ岳山頂。播隆上人を偲びながら祠の脇で記念撮影後、穂高方面を眺めると奥穂から西穂まで眺望が広がっている。と思っていると涸沢側(東側)から霧が上がって飛騨側(西側)に幾筋もの帯状の布の幕を作り始めた。すぐに布は繋がって薄いレースのカーテンのような霧の幕が広がった。ブロッケン現象の出現だ。他の2人の女性パーティーと共にこの自然現象の演出を楽しんだ。
 8:08 槍ヶ岳山キャンプ場入口発。ミヤマオダマキが朝日を浴びて輝いている。雷鳥一羽逃げていく。飛騨乗越を過ぎ、雪渓が残る大喰岳の広い登山道を進む。霧が巻いてくる。

ミヤマオダマキ

 9:27 中岳山頂。大きな雪渓の西側を巻くように下る。
10:29 天狗原分岐。一面霧で展望効かず。
10:51 南岳山頂。東側に雪渓を見ながら下る。雪渓の上を何かが動いている。雷鳥の親子だ。まだ小さいヒナが6羽いる。足早に霧の中に姿を消した。
11:30 南岳小屋発。ドーナツを頂いた。おいしくて、疲れが取れた気がした。大キレット(切戸)通過に備えて、ビレー用の簡易セットを装着。南岳の下りはザレている。鎖場、鉄梯子を頼りに延々と慎重に下る。幸か不幸か霧で下方は見通せない。下りきると、平坦な尾根道を快適に進む。
12:46 大切戸(最低コル)。最後の難関だ。長谷川ピークは見えるが北穂は見えない。空模様が気になる。
13:18 長谷川ピーク。「Hピーク」のペンキ印まで岩稜を登り、鎖とステップなど頼りに白ペンキの丸印に沿って飛騨側と信州側を行き来しながら稜線を下る。ルート脇には緊張を解くようにイワオウギが咲いている。やがてA沢のコルに降り立った。
14:15 飛騨泣き。鎖とステップ、それにペンキ印を頼りに登る。飛騨泣きは、かつて馬の背のような岩稜を跨いだまま進んで、超えた記憶がある。帰宅後調べると、お立ち台と呼ばれる岩は、2005年に崩れてしまい、ルートが変更になっているとのことだった。いずれにしろ誰ともすれ違っていないのは幸いだ。小雨がぱらついてきた。鎖場のあるルンゼは水が流れている。一人の男性が登っているのが見えたので、登り切ってから取付いた。やがてジグザグの登りに変わった頃、黒い雲と共に雨は本降りになり、雷もなりだした。北穂まで200bの表記を過ぎて、さらに登るとやがて小屋の明かりが見えた。
15:45 北穂高小屋着。混雑した乾燥室で着替えを済ませ、部屋でゆっくりした。韓国人らしきグループがザイルの手入れをしていた。5時を過ぎると雨があがった。小屋のテラスからキレット越しに槍ヶ岳の絶景が現れた。今日のルートが全て見えて感慨深い。食事を済ませた後、7時頃には、山はオレンジ色に染まり、さらにピンク色に皆美しく黄昏た。



涸沢小屋

第四日目・7月28日(月)
 7:30 北穂高小屋発。岳沢のコースを涸沢コースに変更。朝食後空いてから、コーヒーを楽しんだ。小雨の中を出発。分厚い雪渓をトラバースした後、南峰から南稜を下る。
 8:15 鎖場。10人位のグループで渋滞。
 9:44 涸沢小屋。軽食を取る。
10:56 本谷橋。休憩。雨は止んだ。
13:10 徳沢。徳沢園で昼食。
16:30 上高地。西糸屋山荘着・泊。


 穂高岳(ほたかだけ)

穂高吊尾根展望

涸沢小屋テラスでの展望:奥穂から前穂まで延びる吊尾根、さらに前穂から延びる北尾根が朝日に輝く。

上高地・河童橋

岳沢・風穴

岳沢出合

岳沢小屋

西穂夕暮

 『穂高神社(ほたかじんじゃ)は、長野県安曇野市穂高にある神社。式内社(名神大社)、信濃国三宮。旧社格は国幣小社で、現在は神社本庁の別表神社。安曇野市穂高の本宮(里宮)のほか、松本市安曇の上高地に奥宮、奥穂高岳山頂に嶺宮があることから、「日本アルプスの総鎮守」の通称がある。また、毎年9月27日に行われる例大祭(御船祭)が有名である。』by「ウィキペディア」。尚、立松和平氏は未踏。

第一日目・7月30日(水)
 7:16 上高地バスターミナル発。
 7:26 河童橋。癒される場所だ。
 7:42 穂高・岳沢登山路入口。登り開始。
 8:39 風穴。冷たい風が心地よい。
 8:50 岳沢・河原出合
11:00 岳沢小屋着。午後は小屋で梓川を眺めながらのんびりした。NHKの日本百名山紹介の撮影隊が5〜6名下山してきた。10月に放映とのこと。
 長野県警の救助隊も同宿。西穂の岩尾根が夕暮に浮かび上がる。救助隊はさらに暗くなって下山してきた高齢者を途中まで迎えに行っていた。
 夜の戸張がすっかりおりて、テラスで一人でいると、天狗平方面の登山道で黒い大きな影を発見。なんだろうと思って10mほどに近づくと動き出した。大きな熊だった。

奥穂山荘からの展望

奥穂山荘での展望:ザイテングラード、涸沢の先に前穂から延びる北尾根、その先に蝶と常念が見える。

上高地

奥穂高岳山頂

奥穂山頂

奥穂高山荘

イワオトギリ

ヨツバシオガマ

第二日目・7月31日(木)
 5:40 岳沢小屋発。我々のような中高年ペアが何組か続いて登っている。超急峻な登りにあえぐ。
 7:10 岳沢パノラマ。振り返ると眼下に上高地、右手前方に焼岳、中央遠方に乗鞍岳、遥か遠方に木曽御嶽山らしい山容も見える。
 8:17 紀美子平。25分休憩。前穂高岳まで往復するのはスキップ。釣り尾根を奥穂高岳に向かう。尾根の左を巻いていく。左手は切れ落ちている。

紀美子平

10:15 南陵の頭付近。斜度はそれほど感じないのに意外と歩は進まない。
11:10 奥穂高岳ジャンダルムが霧で見え隠れしながら迫る。10分休憩。天候がくずれそうなので、岳沢小屋に戻らず、今日は涸沢まで下ることにした。12時までに岳沢に引き返せば安全と岳沢小屋の親父に言われていた。時間的には問題ないが天候のリスクあるため変更する旨電話。

ジャンダルム@奥穂山頂

12:20 穂高岳山荘。30分ほど休憩。昼食は山荘のカレーライスだ。涸沢を見ながら石垣の上で昼寝後出発。ザイテングラートのお花畑で、ヨツバシオガマイワオトギリが咲き誇る。
14:30 涸沢小屋着。涸沢小屋では、同世代のご夫婦と同室。消防署の方と看護師のご夫婦、農協のご夫婦だ。夜遅くまで山談義、人生談義に花が咲いた。長野県警の方とも再会した。


涸沢小屋

涸沢

第三日目・8月1日(金)
 6:45 涸沢小屋発。涸沢を通過後、長野県警の方と雪渓の最後でお別れした。
 7:57 本谷橋。沢山の登山者が休憩中。木陰で10分ほど休憩。
 9:07 横尾大橋。ヤマホタルブクロ、クガイソウ、ベニバナイチヤクソウなどを楽しみながら歩く。
10:24 新村橋。
11:39 徳本峠分岐(明神)。ソバナ、クサボタン、キツリフネなどが見られた。
12:40 上高知バスターミナル着。夫婦組と相乗りしタクシーで沢渡へ。

本谷橋


 蓼科山(たてしなやま)

蓼科山頂展望

蓼科山山頂からの東方面展望:霧が切れて頂上の岩石帯越しに、一瞬双子山の山影が見えた。

天狗の露地

蓼科山頂

ウソ

天狗の露地入口

 『八ヶ岳の最北部に位置する蓼科山。穏やかな山容を見せ、古来からその姿が神格化されてきた。高井山、飯盛山などいくつかの呼び名で崇拝されてきたが、今、諏訪富士として親しまれている。かつての噴火口の山頂は、岩塊が累々と積み重なる。七合目の登山口から将軍平を経て、蓼科平の奥社に向かった。』by「百霊峰巡礼」。

 猛暑が続く。蓼科山はすぐに標高2,000bを超えるので涼を期待。

10:09 駐車場。
10:11 7合目登山口。一の鳥居。
11:04 天狗の露地。ボッカの人が天狗の露地に立ち寄ってはとアドバイスされたので寄った。1m大の岩塊が川のように積み重なっている。急こう配のザンゲ坂をジグザグに登る。
11:52 将軍平・蓼科山荘。バイケイソウ。
12:47 蓼科山山頂。靴を脱いで足を休めていたら、写真を撮ってくれると言うので慌てて靴下のまま写真に納まった。ガスが湧いて展望は望めないが、時折北八の一部が見え隠れする。40分ほどゆっくり休憩した。
13:36 蓼科山頂ヒュッテ。
13:58 将軍平。蓼科山荘。餌付けされたウソが3匹寄ってきた。内1匹は首がオレンジ色の雄だ。
14:21 天狗の露地。入口を再確認。
14:47 馬返し。樹林帯で鳴いている小鳥の音声を録音。メボソムシクイとルリビタキが鳴いていたようだ。
14:59 駐車場。戸隠へ向かう。


 御嶽山(おんたけさん)

王滝登山口

御来光

乗鞍岳遠望

御神火斎場

8合目・石室

 『今なお、噴煙をあげる。広大な山麓を形成する独立峰・御嶽山は、古来から霊峰として崇められた。尾張の行者・覚明(かくめい)によって三岳村の黒沢口、武蔵国の行者・普寛(ふかん)によって王滝口が開かれた。これをきっかけに、御嶽信仰が全国に広まった。』by「百霊峰巡礼」。

 2007年(平成19年)3月に小規模な噴火発生、翌年噴火警戒レベルは1(正常)へ。登頂当時は、噴火に対して何ら警戒感を抱かなかったが、2014年の噴火で、浅間山や阿蘇山並みのシェルター設置を切望する。

第一日目・9月20日(日)
11:58 田の原登山口(王滝口)発。登山道は、1kmほど広い参道が続いている。
12:21 大江大権現。参道終了、上り開始。
14:00 9合目・一口水。微量だが流出中。
14:45 王滝頂上。う回路で二の池新館へ。
15:30 二の池新館着・泊。

第二日目・9月21日(月)
 5:34 御来光
 7:02 二の池新館発。お鉢巡りと言われている一の池の外輪山を左回り(石碑の配置順とは逆)で頂上に向かう。三十六童子の石碑が、火口を取り囲むように点々と設置されている。まるで童子に火山の噴火を封じさせているようだ。 三十六童子は不動明王の眷属(けんぞく)とされ、御嶽山の三十六童子は儀覚行者が、成田山より歓請したものという。2007年に修復されたとのことなので、まだ新しい。
 7:58 御嶽山頂眼下にはエメラルドグリーン色の水を湛えた二の池、すぐ奥に摩利支天山と継子岳、遥かかなたには乗鞍岳が見渡せる。
 8:15 剣ヶ峰山荘。八丁ダルミを下って行くと中間付近に、まごころの塔と呼ばれるモニュメントと御神火斎場(ごじんかさいじょう)がある。
 8:29 御神火斎場。御嶽教の大御神火祭のための祭場だそうだ。
 8:34 王滝頂上。2,936m。
 9:13 8合目・石室避難小屋
 9:49 遥拝所。十段の階段を昇った広場で、白装束をまとった二十人ほどが御嶽山に向かってお祈りしている。
 10:00 田の原登山口着。
  


 木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)

空木岳山頂からの展望:昨日通過した木曽駒方面も良く見通せた。南アルプス、八ヶ岳、御嶽が綺麗に見える。

中岳・駒ヶ岳神社

乗越浄土

 『中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳は文化元(1804)年、寂本行者により開山された。昭和40年代に、麓のしらび平から千畳敷までロープウエイがつながり、多くの観光客が訪れるようになり、昔ながらの白衣姿の信仰登山者は姿を消した。寂本の功績を偲びながら山頂を目指した。』by「百霊峰巡礼」。

前日、頂上木曽小屋泊予定が、混雑でロープウエイに乗れず、当日早朝から並んでやっと千畳敷に到達した。雨が降っていた。

 6:20 千畳敷駅発。混雑の中雨具装着。
 7:20 乗越浄土。視界ない中黙々と登山。
 7:55 中岳。通過。
 8:21 木曽駒ヶ岳山頂
 8:53 中岳・駒ヶ岳神社
 9:08 乗越浄土
 9:55 千畳敷駅着。

 翌年2010年9月25日に宝剣岳から空木岳を目指した。25日は強風で宝剣岳を越せず、千畳敷に戻り、極楽平に登りなおして木曽殿山荘へ。その翌日空木岳登頂。快晴で、宝剣・木曽駒方面。も良く見通せた。


 甲斐駒ケ岳(かいこまがたけ)

鳳凰三山@甲斐駒

駒津峰付近からの展望:帰路駒津峰に登り返す途中で、左手に鳳凰三山が、後方に富士山も姿を見せた。

アサギマダラ

仙水小屋夕食

仙水峠上部

摩利支天分岐

甲斐駒ケ岳山頂

甲斐駒遠望

 『「駒ヶ岳」の名を冠する独立した山は全国に18山あるが、その中ではこの甲斐駒ヶ岳が最高峰であり、木曽駒ヶ岳が2,956 mでこれに続く。ただし、富士山の火口を取り巻く火口縁(いわゆるお鉢めぐり)の南側には、駒ヶ岳もしくは浅間岳と呼ばれる小突起があり、その標高は3,715 mである。
 甲斐駒ヶ岳はまた、古くから信仰の対象ともなってきた。山梨県側の山麓の横手・竹宇両集落には駒ヶ岳神社が鎮座しており、そこから山頂にいたる黒戸尾根には現在も信仰にまつわる多くの石碑や石仏が残る。』by「ウィキペディア」。尚、立松和平氏は未踏。

第一日目・9月11日(土)
11:39 仙流荘。河原に駐車。バスに乗換。
14:22 アサギマダラ。南アルプス林道で鋸岳の威容が見える。間もなく山肌のアキノキリンソウに群れるアサギマダラを観察。徐行バスから撮影。
14:36 北沢峠。沢山の登山者がいる。
14:41 北沢分岐。一端下り沢沿いに登る。
15:20 仙水小屋着・泊。
16:28 夕食。テラスで刺身付の早い夕食。

 
第二日目・9月12日(日)
 3:08 朝食。こんなに早い朝食は初めて。布団を片づけ食卓をセット。
 4:00 仙水小屋発。ガイドと高齢女性のペアも出発。ヘッドライトの明かりを頼りに進む。露岩の這松帯ではコース確認困難。途中休憩。
 5:00 仙水峠。徐々に夜が明けてきた。
 6:28 駒津峰。這松帯の岩の上を進む。
 6:55 六方石。右手に山を巻くコースと直登コースに分かれる。ガイド組はザイルでビレイして直登コース。相変わらず上部は霧で隠れている。
 7:25 摩利支天分岐
 7:57 竹宇登山口分岐。
 8:01 甲斐駒ヶ岳山頂。駒ヶ岳神社奥宮にお参りする。社の表戸に奉納された幾足かの草鞋が固定されている。
 8:44 竹宇登山口分岐。
 9:51 駒津峰前衛ピーク。鳳凰三山が展望でき、後方に富士山も姿を見せた。
10:09 駒津峰。霧が若干薄くなって、時折駒ヶ岳の全容が見え隠れする。
10:58 双児山。帰路は尾根伝い。
12:10 北沢峠。臨時バス。仙流荘で入浴。


 富士山(ふじさん)

富士山コース図

富士山コース図1-6合目1

富士山コース図1-6合目2

 『富士山は、静岡県(富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町)と、山梨県(富士吉田市、南都留郡鳴沢村)に跨る活火山である。標高3,776 m、日本最高峰(剣ヶ峰)の独立峰で、その優美な風貌は日本国外でも日本の象徴として広く知られている。数多くの芸術作品の題材とされ、芸術面でも大きな影響を与えた。懸垂曲線の山容を有した玄武岩質成層火山で構成され、その山体は駿河湾の海岸まで及ぶ。
 古来霊峰とされ、特に山頂部は浅間大神が鎮座するとされたため、神聖視された。噴火を沈静化するため律令国家により浅間神社が祭祀され、浅間信仰が確立された。また、富士山修験道の開祖とされる富士上人により修験道の霊場としても認識されるようになり、登拝が行われるようになった。これら富士信仰は時代により多様化し、村山修験や富士講といった一派を形成するに至る。現在、富士山麓周辺には観光名所が多くある他、夏季には富士登山が盛んである。』by「ウィキペディア」。尚、立松和平氏は未踏。

2016年10月24日更新
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