独断的JAZZ批評 784.











JAZZ雑感(21) manaの選ぶ2012年 PIANO ALBUM BEST 5

今年(レビュー期間H23.12.16〜H24.12.15)のCDレビューは丁度50枚。一昨年、昨年と比べると随分と減った。
これにはわけがあって、その一つがFacebookを始めたこと。もう一つが読書に結構、時間を取られたこと。
どちらも夜のひと時を削るわけなので、その分CDを聴く時間が減ったということ。
そして、もう一つは今迄みたいに力任せに聴かなくなったこと。かなり吟味してCDを購入するようになった。
レビューの数は50と少なくなったけど、5つ星に選定したアルバムの数は20枚。これは昨年の数と同じ。
打率4割という大台に乗ったのは初めてのことだ。
因みに、今年読んだ本の数も51冊とCDとほぼ同数。
Facebookに「今夜(今日)の聴きたい気分」として掲載したYouTubeサイトが30。
こういう事情があるから、その分、CDレビューの数が減るのはやむをえないと思っている。
与えられる時間は限られているのだから・・・。

さて、今年のベスト・アルバムであるが。1週間前まで「4つのフォーマット毎のベスト1」で決まりと思っていた。
その矢先に"KANMAI"が発売されて、当初の目論見が崩れてしまった。
で、色々考えた末、下記の5枚を選んだ。
フォーマットごとにベスト・アルバムを1枚ずつ選ぶ予定だったが、"KANMAI"の登場で「トリオ部門」だけ2枚を選定した。
言ってみれば、これらのアルバムは聴いた頻度が高かったアルバムだ。
聴いた回数/入手後の日数=1日平均の聴いた頻度
となるわけだけど、これが高い順に選んだつもり。
あいにくと、統計までは取っていないので「勘」ではあるが。

これらの選定の基準となっているのは「美しさ」、「躍動感」、「緊密感(緊張感)」である。
それと、これらはあくまでも僕がこの1年間に聴いたアルバムでの話。
もちろん、聴いていないアルバムは評価の方法もないわけなので、当然と言えば当然だ。

以下の5枚はどのアルバムも曲が良い。
「いいテーマに、いいアドリブ」を具現化してくれた。
スタンダードのみならず、それぞれのオリジナルもじっくりと聴きこんでほしいと思う。

ところで、この5枚の中から、どうしても「ベスト 1」を選べと言われたら、躊躇なく"KANMAI"を選ぶだろう。

< PIANO ALBUM BEST 5 >   (ジャケット画像をクリックするとレビューにリンクします)
この1枚 TITLE / PERSONNEL ひとくちコメント
SOLO "ARIETIS AETAS"
p:LUIGI MARTINALE
2012年2月 スタジオ録音
ALBORE : ALBCD 019
どの曲も原曲の美しさをものの見事に歌い上げ、アドリブでは独自の色彩を加味している。
料理でいえば、手間暇掛けた西洋料理というより、素材の美味しさを生かしつつ独自の味付けを施した和の料理人の腕前という感じかな。
まさに「いいテーマに、いいアドリブ」を具現化したアルバムなのだ。
DUO "THROUGH THE JOURNEY"
p:CLAUDIO FILIPPINI
tp:FULVIO SIGURTA
2011年11月 スタジオ録音
CAM JAZZ : CAMJ 7851-2
どちらかというと静的な楽曲が多いが、躍動感あふれるプレイも含まれていてメリハリがある。
ここにあるのはピアノとペットを通した二人の会話。美しさ、躍動感、緊密感に溢れている。上質なデュオを聴いたという感じ。
TRIO "KANMAI"
p:佐藤浩一
b:安ヵ川大樹
ds:橋本学
2012年8月 スタジオ録音
D-NEO : DNCD01
演奏も素晴らしいけど、録音も素晴らしい。こういうジャズは是非とも大音量で聴いてほしいものだ。
ベースの安ヵ川がリーダーだけど、ベース・トリオにならず、ピアノ・トリオになっているのがいいね。
美しさ、躍動感、緊密感に溢れた素晴らしいピアノ・トリオに大きな拍手を贈りたい。
"GIFT"
p:大石学
b:JEAN-PHILIPPE VIRET
ds:SIMON GOUBERT
2012年2月 スタジオ録音
 
ATELIER SAWANO : AS 122
ここにあるのは「大石ワールド」である。大石にしかできない音宇宙という気がする。
一音一音の美しさ、楽曲の美しさと清々しさ、どれをとっても唯一無二の「大石ワールド」なのだ。この唯一無二の世界を感じてほしい。
QUARTET
以上
"LITE BLUE"
as,ss,bcl:山田拓児
p:DANNY GRISSETT
g:阿部大輔
b:LUQUES CURTIS
ds:QUINCY DAVIS
2008年8月 スタジオ録音
D-MUSICA : DMCD 18
日米混合の若手ミュージシャンが奏でる爽快バップ・テイスト。後味スッキリのストレートな演奏に好感が持てる。一人ひとりの実力もさることながら、グループとしての緊密感も素晴らしい。
特筆すべきは、山田の書いたオリジナルの曲の良さ。奏者としての実力もさることながら、作曲家としての才能も凄いと思う。
JAZZ雑感(20) 2011 PIANO ALBUM BEST 5 + α
JAZZ雑感(18) 2010 PIANO ALBUM BEST 3 + α

JAZZ雑感(17) 2009 PIANO ALBUM BEST 3 + α
JAZZ雑感(16) 2008 PIANO ALBUM BEST 3 + α
JAZZ雑感(15) 2007 PIANO ALBUM BEST 3 + α
JAZZ雑感(14) 2006 PIANO ALBUM BEST 5 + α
JAZZ雑感(13) 2005 PIANO ALBUM BEST 3 + α
JAZZ雑感(10) 2004 PIANO ALBUM BEST 4 + α
JAZZ雑感( 9) 2003 PIANO BEST ALBUM

最後に、僕のアルバム・レビュー時の採点基準を載せておこう。
アルバム・レビューの基準は「躍動感、緊密感、美しさ」 更に、一体感とか昂揚感とか緊迫感が香辛料のようにスパイスされたら言うことはない。


・★★★★★
・・・・大満足。一生のお付き合いだ。
・★★★★☆・・・・満足。充分楽しめる。5つ星との差はわずか。
・★★★★・・・・・・普通。最近はほとんど聴き返すことがないので買取に出している。
・★★★☆以下・・所有価値なし。多分、二度とトレイに載ることはないだろう。CDケースの肥やしとなるよりは気に入ってくれる人に選ばれたほうがディスクもうれしいだろう。中古の買取へ。
(2012.12.18)