独断的JAZZ批評 382.








JAZZ雑感(14) 
              manaの選ぶ 2006年 PIANO BEST ALBUM

2006年、(昨年の12月中旬から今年の12月中旬まで)僕が購入し、「JAZZ批評」にピックアップしたアルバムは全部で68枚(偶然にも昨年と同数)。そのうち、「厳選」入りが26枚(昨年が24枚)。打率、3割8分2厘は高かったのだろうか?極力、試聴をした上で購入することにしているが、試聴できないで購入したアルバムもかなりあった。それを含めて考えるとまあまあの確率であろうか。僕としては5割を超えたいと思いつつやってきたのではあるが・・・。
総じて、今年も豊作な年だったと思う。その「厳選」の中から、特に良いと思ったアルバム、聴いて欲しいと思うアルバムを全て掲載した。それが、以下の12枚。
ベスト3を選ぼうと思ったが、絞りきれなかったので、ベスト5になってしまった。あまり数には拘っていないので、これで良しとしよう。それらと推薦盤の5枚との間にはあまり大きな差は感じていない。どれも僕の座右の1枚であり、一生モノのアルバムと思っている。死ぬまで聴き続けるアルバムであると確信している。

選定の基準は「躍動感、緊密感、美しさ」。更に、一体感とか高揚感とか緊迫感が香辛料のようにスパイスされたら言うことはない。

再確認を含めて、僕の採点基準を載せておこう。
・★★★★★
・・・・大満足。一生のお付き合いだ。

・★★★★☆・・・・満足。払った金以上の価値はあり。
・★★★★・・・・・・普通。稀には聴き返すこともあるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★★★☆・・・・・・所有価値なし。中古の買取へ。これ以下はどれも大差なし。
以上、星4つがボーダーライン。

では、厳選26枚の中から今年のベスト・アルバムを紹介しましょう。

画像をクリックすると「JAZZ批評」にリンクします。赤字がリーダー。

この1枚 TITLE / PERSONNEL ひとくちコメント & この1曲
<BEST 5> (掲載日順)
"SIX HANDS THREE MINDS ONE HEART"
p:CARSTEN DAHL
b:
MADS VINDING
ds:ALEX RIEL
1999年6月 ライヴ録音

JAZZ批評 322.
今年、一番良く聴いたアルバム。キーワードは「丁々発止」 アグレッシブなVINDINGのベースにDAHLのピアノが呼応する。
@"I HEAR A RHAPSODY"のエンディングにライヴならではの楽しさが凝縮している。A"SALME VED VEJS ENDE"
は心憎いほどの美しいバラード。
"LIVE IN PARIS"
p:
ENRICO PIERANUNZI
b:HEIN VAN DE GEYN
ds:ANDRE DEDE CECCARELLI
2001年4月 ライヴ録音
JAZZ批評 324.
PIERANUNZIの実力を再確認したアルバム。キーワードは「変幻自在」 GEYNとCECCARELLI、三位一体になった白熱ライヴが凄い。2枚組み。
B"BODY AND SOUL"、C"I HEAR A RHAPSODY"、D"FOOTPRINTS"などスタンダードナンバーもたっぷり。
"TO THE LITTLE RADIO"
p:HELGE LIEN
b:FRODE BERG
ds:KNUT AALEFJAER
2006年1月 スタジオ録音
JAZZ批評 342.
LIENが挑むスタンダード・ナンバーとジャズの巨人の作品集。全編に流れる「しっとりとした美しさ」。何回も何回も噛み締めるように聴いてみたい。
F"SO IN LOVE"、H"AMAPOLA"、I"SONOR"などおなじみのナンバーも一味違った美しい味付けに大満足。
"METHEY MEHLDAU"
g:
PAT METHENY
p:
BRAD MEHLDAU
2005年12月 スタジオ録音

JAZZ批評 366.
心の通ったデュオはトリオ以上の濃密な時間と空間を提供してくれる。超一流が顔をあわせるとこういう音楽になる。「珠玉のコラボレーション」
@"UNREQUITED"、E"FIND ME IN YOUR DREAMS"には筆舌しがたいほどの美しさがある。極めつけはMETHENYのオリジナルI"MAKE PEACE"
"TUESDAY WONDERLAND"
p:ESBJORN SVENSSON
b:DAN BERGLUND
ds:MAGNUS OSTROM
2006年3月 スタジオ録音
JAZZ批評 371.
4年ぶりに購入したE.S.T.の新譜。あっと驚く「規格外の面白さ」 エフェクターを使用することにより、音のスケール感と広がりが生まれた。
A"TUESDAY WONDERLAND"、E"DOLORES IN A SHOESTAND"はこのグループの真骨頂でしょう。1月13日に東京公演あり。
<推薦盤> (掲載日順)
"IDEAL CIRCUS"
p:
EDOUARD BINEAU
b:GILDAS BOCLE
ds:ARNAUD LECHANTRE
2004年7月 スタジオ録音
JAZZ批評 314.
フランス的エスプリを感じさせる陰影を帯びたアルバム。「クール & ホット」の知的な美しさに支えられたアルバムでもある。
B"FREDERIQUE PART 2"の独特の世界が面白いし、F"BESAME MUCHO"
も音数少なくして躍動感がある。気がつくと指を鳴らしているはずだ。
"SENTIMENTAL MOOD"
p:
BARBARA CARROLL
b:JAY LEONHART
ds:JOE COCUZZO
2005年9月 スタジオ録音

JAZZ批評 335.
ヴィーナス・レコードもやれば出来るじゃないかと感嘆したアルバム。78歳になるCAPPOLLの嫌味のない「色気と遊び心」に溢れた秀作。LEONHARTとのインタープレイも絶妙。
D"FLY ME TO THE MOON"ではボーカル入り。ジャズの楽しさを満喫できるアルバムだ。
"LOCKROP"
p:
JAN LUNDGREN
b:
GEORG RIEDEL
2005年9月 スタジオ録音
JAZZ批評 338.
ピアノとベースで奏でる「大人のメルヘン」 清々しさと爽やかに満ちている。1曲がトラッドのほかは全て二人のオリジナル。
@"LOCKROP"やF"ARNE"の美しさといったらメルヘンチックと言いたくなってしまう。K"BLUES FOR JAN JOHANSSON"は一転して泥臭いブルース。
"THE CARNEGIE HALL CONCERT"
p:
KEITH JARRETT
2005年9月 ライヴ録音

JAZZ批評 370.
カーネギー・ホールでのライヴ。「聴衆とコミュニケートし強靭な一体感」で結ばれている。2枚組み。
特に、ディスク2のインプロとアンコールの2-E"THE GOOD AMERICA"、F"PAINT MY HEART RED"、G"MY SONG"、I"TIME ON MY HANDS"など、素晴らしいの一言。 
"FOOTPRINTS"
p:
KASPER VILLAUME b:JESPER BODILSEN, ds:RASMES KIHLBERG
2006年3月 スタジオ録音 
JAZZ批評 373.
「パブロフの犬」 こういうノリの良い4ビート・ジャズを聴いていると条件反射でアルコールが欲しくなってしまう。
A"NICE WORK IF YOU CAN GET IT"はのっけからドラムスが躍動し、ピアノが踊る。J"THE FOLKS WHO LIVE ON THE HILL"はその実力を遺憾なく発揮したピアノ・ソロ。
<再発、復刻の推薦盤> (掲載日順)
"STANDARDS,VOL .1 & VOL .2"
p:
KEITH JARRETT
b:GARY PEACOCK
ds:JACK DEJOHNETTE
1983年1月 スタジオ録音

JAZZ批評 321.
今更ながらであるが、「厳選」入りを失念していた1枚。STANDARDSの原点とも言うべきアルバムである。
「エポックメーキング」なアルバムとも言える。
“HERE COMES EARL "FATHA" HINES”
p:EARL HINES
b:RICHARD DAVIS
ds:ELVIN JONES
1966年1月録音
JAZZ批評 44.
これも遅まきながら「厳選」に入れた1枚。1966年当時の力強いアメリカのジャズが堪能できる。若手のRICHARD DAVISとELVIN JONESに強い刺激を受けた"FATHA"がノリにノリまくった。
DAVISの演奏に「ジャズ・ベースの原点」とは何たるかを見出すことが出来るはず。

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