メンテナンスのヒント集

[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]
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【掲載ポリシー】
  ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。
  ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。
  ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは
未検証のまま掲載するケースもあります。
  ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。

 

700.KWM-2のSメータのドリフト 2017年6月24日
 KWM-2が暖まるとSメータ指示がドリフトする場合がある。この原因を突き止めるには手順で進めるとよい。
  • IF AMPL(V1、V3:6AZ8)を交換して改善するか。改善しない場合は次の対処をする。
  • Sメータがマイナス方向にドリフトする場合は、C89のリークを疑う。
  • こで改善しない場合はAVC RECT(V15:6BN8)周りのコンデンサーのリークを疑う。
  • Sメータがプラスにドリフトする場合は、RF AMPL(V7:6DC6)を抜き、Sメータが元の正しい位置に戻ればこの真空管がNG。
  • 戻らない場合はAVC RECT(V15:6BN8)を交換する。
  • これで改善しない場合は、C91、C92を疑う。

 

701.送信トラブルの切り分け 2017年7月1日
 32S-XやKWM-2の送信出力が出ない場合の障害箇所の特定方法として、DRIVERである6CL6のグリッドに3.5MHzの信号をSSGから供給すると良い。これによりドライバー以降かヤンガーステージかの切り分けが出来る。ファイナル段の調整で出力が出ればヤンガーステージの問題と判る。

 

702.レタリングのフォント(2) 2017年7月8日
 「628.レタリングのフォント」でSライン等のフォントはArial Rounded MT Boldが酷似していると照会したが、この度、オリジナルフォントそのものであるLeroy font が掲載されているサイトが照会された。いざと言う時に使用できるので有り難い。 http://www.fontspace.com/character/leroyletteringlightbeta01

 

703.シリアル番号(2) 2017年7月15日
 シリアル番号No.1の機械は注意を要す。コリンズはシリアル番号を必ずしも製造順には付番しないので、これに乗じて適当な時代の機械にNo.1を印刷したシリアルを付け、e-bay等で高値で売却する例がある。
多くの場合、No.1はプロトタイプの機械に与えられるので、通常は旧コリンズ関係者の手中か博物館にあると思ってよい。

 

704.DSPノイズブランカ 2017年7月22日
 KWM2(A)のノイズブランカは効果が大きいといわれているが、ノイズアンテナが必要となり余り使いやすいものではない。これをDSP化した回路がCCAヨーロッパのサイトに発表されているのでリンクを掲載する。
http://www.ccae.tm6cca.com/DOWN/CCAE_DSP_KWM2.pdf

 

705.Amperiteの真空管 2017年7月2917日
 KW1のバラスト管が6A10不良になり入手が出来ないと思っていたら、Amperiteのサイトに少量でも生産する旨の記載があったので注文をしてみたそうだ。暫くして、新しい6A10が到着、感激ひとしおであった、とW3EMD、BUZZからレポートがあった。R390のバラスト管3TF7等もこの方法で入手が出来そうである。アメリカと言う国はなんて懐が深い国なのだろうか。

 

706.バランの妙(2) 2017年8月5日
 「314.バランの妙」でバランス給電の一昔前の受信機はTVのバランを使用すると良いと書いたが、一点、注意点がありそうだ。一昔前のTVのバランはコアの特性によりカットオフ周波数が50MHz位になるので、HFには向かないそうである。TV用のバランでもHFまで特性が伸びている物もあるので、特性を注意しながら選択すると良いそうでである。

 

707.電源コネクター 2017年8月12日
 516F-2のフード付き電源コネクターはSSNでもとうとう見かけなくなり、調達が難しくなっている。その中、次の調達先が紹介されていた。Wの製品だが、ググって調達先を探してみると良い。但し、ネックが細いのでトリル等で加工する必要がある。
  • Newark Electronics pn 38F1400
  • Allied Electronics pn 719-0020

 

708.バンドスイッチのCAN 2017年8月19日
 SラインやKWM-2のバンドスイッチのCANはバンドスイッチのシャフトが貫いているので、ウェファーを掃除する等で内部にアプローチする為にはシャフトを抜く必要がある。この労作業を省くために、軍で使われていた機械ではCANに切り欠き入れる改造をする場合がある。確かに賢い改造であるが、Sラインは良いが、KWM-2はこの改造で動作が不安定になる場合がある。この様な機械を見かけた場合は、CANの切り欠きにアルミでパッチを当てるとよい。

 

709.KWM-2のSB5 2017年8月26日
 このSBはRF AMPのプレート同調回路にバラクターダイオードを挿入し、送受信切替時の電圧変動に対して10pFのコンデンサーでパディングする回路である。古いKWM-2はこの回路がなく、この結果15mバンド以上で送受信のでPRECELECTORのピークの位置が異なる。この回路の有無、稼動の良否は次の手順で確認できる。
  • ダイヤル目盛100でマーカーを発振させPRECELECTORでピークに調整し、Sメータの読みを記録する。
  • 送信して出力をPRECELECTORでピークに調整する。この時にIP=230mAになる様にLOADINGを調整する。
  • 受信に戻り、Sメータの読みを記録する。
  • 以前の記録と比較し、Sメータの読みの違いが大きい場合はバラクターダイオードが無いもしくは上手く働いていない事となる。

 

710.811A 2017年9月2日
 最近、811Aが高騰していて、平気で4本2万円を超えたりする。オーディオ用でブランドにこだわりがあるなら別として、送信管なら安いほうが良い。某国の粗悪品は避けるとして、そこそこの品質があるロシア製ならe-Bay4本$40(送料$25)で売られている。一度、試してみるとより。

 

711.アイドラーギヤー 2017年9月9日
 SラインやKWM-2のダイヤル機構の構成品で、ダイヤル窓の裏の左上についている空回りするギアがある。これをアイドラーギヤーという。これが有るために数字の回転盤と数字を隠す回転盤がずれながら動き、不必要な数字を隠す絶妙な表示機能が実現されている。この様に大切なギアであるが、個体によってはこれがガラガラ音お立て、耳障りな場合がある。これを解消するためには、メインダイヤルに隠れフロントパネルに付いているダイヤルシャフトの堅さ調整用の変心ナットを調整すると良い。これにより、ギアの当たりが変化して音がなくなる点がある。ただ、変心ナットの本来の目的は、ダイヤルのタッチの調整なので、これとの妥協点を見つける必要がある。

 

712.RockwellがCollinsを売却 2017年9月16日
 9/4にUnited Technology社がRockwell社からRockwell Collins社をM&Aしたとの発表があった。売却額約3兆円で、航空機部品メーカーのM&Aとしては過去最高額。今後はCollins Aerospace Systems社となる。これによるCCAが受ける影響は避けられず、今後はCCAは同社と新しい関係を構築する必要がでてきた。

https://www.nbcnews.com/business/business-news/united-technologies-buys-rockwell-collins-30-billion-creating-aviation-giant-n798641

 

713.Rockwell Collins Amateur Radio Club 2017年9月23日
 Face Bookにアカウントを持っている人はCedar Rapids Rockwell Collins Amateur Radio Clubを検索してみてはどうか? 彼らの楽しそうな活動の様子を垣間見る事ができる。

 

714.品質 2017年9月30日
 コリンズのメンテナンスの話では無いが、こんな笑い話がCCAのMLにアップされていた。日本に半導体を注文したときに、「1,000個の内、不良品は2個にして欲しい」とコメントした。それは最低限この位の品質でお願いしたいという意味だった。後日、日本から納品があり送り状には、「ご指示通り、良品998個、不良品2個を納品します」と記載されていた。納品物はその通りで、日本の品質管理の高さに感服した。

 

715.過渡電流保護 2017年10月7日
 電源投入時の過渡現象による大電流対策として、「34.MOV」「36.MOV(2)」でMOVを使用すると良いと紹介したが、サーミスタを電源1次側に直列に接続するのも良い。例えば、CL-70というサーミスタは初期抵抗が16Ωであるが、500mS後に1Ωになる。これにより過渡電流を抑える事ができる。同様に、30L-1にはCL-40辺りが良さそうである。CLシリーズの特性表は次のサイトから参照できる。 https://www.digchip.com/datasheets/parts/datasheet/1950/CL-40-pdf.php

 

716.Preselectorの調整 2017年10月14日
 マニュアルに記載されている75S-X受信機の調整ではS3の信号を用い、調整中はS3をキープする様に記載されている。私はこの意味を誤解していて、S3位で調整すると微妙な調整が出来るためだと思っていた。正しい理由は、AGC電圧によりIF段のバイアスが変わり動作点が変わるのを防止するためである。つまり、Sメーターが大きく振れた状態では真の調整ポイントを得られない。IFTの調整でも同様な事が言える。また、信号ソースとしてマーカーを使い、S3を得るためにPreselectorの位置をずらす事も好ましくない。IFが離調した状態で調整をする事となる。信号ソースとしてはSSGを使いたい。

 

717.30S-1のアンテナ切替リレー 2017年10月21日
 エキサイター出力はあるが30S-1からの出力が無い場合はアンテナリレーの接触不良を疑いたくなる。アンテナリレーには入力側のK205、出力側のK101があるが、まずはK101の接点から磨くべきである。K101にはK205という誘導性の負荷を制御している、他と比べ汚れやすい接点がある。更にK205は電源コンパートメントの奥にある小箱の中に入っていて、これを開放し接点を磨くのは可也大変な作業となる。一方、K101はファイナルコンパートメントの上部から見える位置にあり手を入れ易い。メンテはこの様に要領を使いながら実施しないと時間ばかり掛ってしまう。

 

718.KWM-2のMUTE端子 2017年10月28日
 KWM-2にはMUTE端子(REC MUTE)が付いているのをご存知だろうか?
トランスバーター使用時等に使うファイナルのバイアスをカットするDISABLE端子(PA DISABLE)は有名だが、これと並んでMUTE端子も2個あり内部で接続されている。この内部接続をカットすると、上のMUTE端子(J20)は外部からKWM-2の受信部をMUTEでき、下の(J21)はKWM-2から75S-3等の外部受信機をMUTEできる機能を有す。

 

719.薄くなった真空管の型番を読む(2) 2017年11月4日
 「148.薄くなった真空管の型番を読む」で冷蔵庫で硝子表面を冷やすと文字が浮き出ると書いたが、表面にLEDライトを当てると見やすくなるとの事。LEDライトではないと駄目か、普通の懐中電灯でも良いかは定かでは無いが。この方法はマークが消えたトランジスタ等でも有効だそうだ。

 

720.516F-2のチョークコイル代替品の入手先 2017年11月11日
 「209.Peter Dahl Co.(2)」でPeter Dahl廃業後のトランス入手先として、Heyboer Transformers を照会したが、ここでは516F-2のチョークコイルも扱っているそうである。入用の方はトライしてみるとよい。

 

721.KWM-2の受信復帰時のスパイク(2) 2017年11月18日
 いわゆるKWM-2のコリンズポコンだが、「372.KWM-2の受信復帰時のスパイク」では送受信リレーのマイクロホニックノイズが原因と書いたが、その他に古い機械では一瞬IFアンプが発振すると言われている。現象としては、スタンバイをした時に相手方に「ポコン」というスパイク音が聞こえ、メータが一瞬振り切る。V3に繋がっているR176に直列にCR10が繋がっていない機械はこの対策がなされていない。詳細は次のリンク先の記事を参照願いたい。
http://www.qsl.net/dj7hs/CuringTRSwTransients.pdf

 

722.SB-610の真空管 2017年11月25日
 ヒースキットのモニタースコープSB-610はコリンズライクに改造されるなど、コリンズファンに長らく愛でられている。ただ、厄介な事に6C10が使われている。6C10は12AX7相当の三極管が3個入った12ピンのコンパクトロンで、未だ入手可能であるが価格が$100程度と高い。これには6AC10が代替可能である。μは若干低いがピン配置が同じで差し替え可能で$5程度と安い。実運用上μの違いは問題にならないそうである。SB-610のオーナー(私もそうである)、試してみてはどうか。

 

723.長期保管した後の電源投入 2017年12月2日
 長期保管した機械は電解コンデンサーの劣化による不具合発生の可能性があるので、低電圧から徐々に電源を印加する方法が一般的に知られている。ただ、次のような考慮ポイントがある。516F-2の様に整流管を使用した機械は、整流管のヒーターが点灯しないとB電源が発生しないので、B電源が発生する事を監視しながら電源をあげて行くのが必要。また、低電圧で長時間通電すると、ヒーターが点灯しない事により、ヒーターに大電流が流れ、ヒータートランスを傷める。電解コンデンサーを完全に復活させるためには、電解コンデンサーのリーク電流を10mA以下にしながら電圧を徐々に上げ、電解コンデンサーの耐圧まで電圧を上げること。この為には、電解コンデンサーを機械から外す事が必要となる。このプロセスを中途半端にすると、機械の規定電圧まであげる事に成功したとしても、電解コンデンサーが早く劣化するので注意。

 

724.PTOのバックラッシュ 2017年12月9日
 長期保管した機械はPTOを回した時にバックラッシュが発生する事がある。これは、ダイヤル機構による物ではなく、PTO内部のグリスが固まって起きるものだ。この症状を解消するために、PTOの分解掃除をするしか手はない。PTOの分解掃除手順は「23.PTOのレストア」を参照されたい。

 

725.230Vトランス 2017年12月16日
 海外のアンプを使用する時に使用するAC200V⇒AC230Vトランスは、実はコリンズでは出番が余りない。例えば、500Wの30L-1は積極的にこの高いトランスを買わなくても、Sライン等で使用するAC115Vを使用すれば良く、30S-1は実はAC230Vでは使えず、AC115V-0-AC115V(両端でAC230V)という3線単相のトランスが必要となる。たまに「AC230Vトランス。コリンズに如何?」というオークション説明書き目にするが、なんだろうと思う。

 

724.4X150A 2017年12月23日
 KWS-1や62S-1で使われている、4X150A、4X250等のカラスケーシングのX玉は既に保存年数が経過しているので、未使用保存品(NOS)を買うときは、硝子ケーシングから内部の銅の電極が酸化して黒くなっていない事を確認する事が大切。黒くなっている場合は真空度が下がり銅が酸化している事を意味する。

 

725.30S-1のパワーアップについて(2) 2017年12月30日
 バイアス電圧変更、4CX1500B使用など、30S-1のパワーアップを一部の改造だけに頼ると、他にストレスが生じてアンプを壊す事があり、お勧めできないと紹介した。それではパワーアップは望めないのか? 一つの方法としてPeter Dahlのバイアス電圧が変更され容量が増強されたトランスを用いる方法がある。これにより1.5KWが出る様になる。むしろ4CX1000Aを良い動作点で使え、ブロアの風量も問題は無い。ただ、問題はトランスが高い事であるが、これは安全に出力を上げる事とのトレードオフになるか。

 

726.312B-4接続の注意 2018年1月6日
 312B-4とRFのケーブルを接続するのには注意が必要だ。CMカプラーが内部に入っているので、5D以上の同軸ケーブルを接続すると無理やり曲げる事となる。これでも接続は出来るが、長い間この状態にすると芯線が絶縁体であるPVCに食い込み、インピーダンスが劇的に変化する事となる。RG58/U以外はL型中間コネクターを使用して接続するようにした方がよい。

 

727.KWM-2の受信復帰が遅い(5) 2018年1月13日
 これまで4回に亘り受信復帰が遅い現象について書いてきたが、受信状態には戻るが、Sメーターが振り切り受信音が暫く出てこない現象もある。これは、ファイナルケージ内にある送受信切り替えリレーK3の接点の接触不良が原因である可能性がある。このリレーはREC MUTEの回路を切り替えているリレーで、MUTE回路を受信時にグランドに落とし、MUTEを解除する役割をなす。これが接点不良になると、MUTE解除が暫く効かず、受信復帰が遅くなる。K3はファイナルケージに空いたメンテナンスホールの横にあり、該当の接点は手前にあるので、ファイナルケージを分解しなくても接点を磨ける。

 

728.KWS-1のFUSEが秋葉原に 2018年1月20日
 KWS-1のスクリーン保護用のFUSE(F505:0.25A 3AGサイズ)が秋葉原で廉価で売っていると、或るアメリカ人が情報を寄せている。このFUSEは通販で買えるが、廉価がポイントだったらしい。秋葉原もまんざら捨てたものではない。この人は大量に購入し再販をするらしく、詳しい店の場所までは書いてはいなかった。

 

729.KWM-2の健康のバロメータ 2018年1月27日
 KWM-2の送信回路が適正に稼動しているかの目安として、14MHzでMIC GAINを9時方向にセットした時にLOCKの位置で230mA(100W)出ること。それと伴に、SSBでALCが若干振れる(フルパワーが出る)状態であること。これは、コリンズがV1Aのレベル配分をこの様に設計しているからであり、デバイスの老朽化と伴にこのバランスが崩れてくる。

 

730.32S-1の送信復帰が遅い(2) 2018年2月3日
 32S-XやKWM-2でこの現象が発生する原因はVOX RELAY ACTUATOURの68KΩ2W×2(R89、R112)が規格一杯で使われている為で、W数が高い物に交換すると良いと書いた。この他の方法としてR88(1.5KΩ1/2W)を20V1Wツエナーダイオードに交換した上でR89、R112(パラ)を220KΩ1/2W(1本)の抵抗に交換する方法もある。発熱抑制効果もあるので賢い方法ではないか。

 

731.30L-1の使い勝って 2018年2月10日
 30L-1を使う時には、古くなったコンデンサーを交換し、ひびが入った電源コードを交換し、FANに注油し、内部の埃を取り、オーバードライブに注意しすること。30L-1はシンプルな昔ながらの回路構成の三極管アンプで、電源もしっかりしているので、これらの事を守れば長く使える。事実、未だ可也の台数の30L-1が利用されている。

 

732.電源電圧安定装置 2018年2月17日
 Wでは電力会社のポリシーにより電源電圧が過去の115Vより可也高くなっている。また、電圧が変動する地域がある。この為、度々電源電圧を正しい電圧に戻す仕組みの話が出る。
  1. スライダックで戻す方法。れは電圧が安定しない場合にも柔軟に対応できるが、適正に調整する為には電圧監視が必要。
  2. ここでも紹介したヒータートランスを逆相に接続する方法。コストも安く仕組みが簡単だが、電圧を下げるだけで電圧変動には対応できない。
  3. Sola/Hevi-Duty社の電圧制御トランスを使用する方法。価格が若干高いが、電圧の高低を適正に調整、安定化する機能がある。この装置はコンピュータの電圧安定化装置として開発された。

3は面白い装置なので現在話題となっている。日本ではMOUSERの日本代理店で入手出来る。

 

733.調整ボリューム(1) 2018年2月24日
 SラインのSメータゼロ調整やALCゼロ調整は機械が古くなると不安定となり厄介だ。一つの原因としてボリュームのガリがあるが、この初期段階ではなんとか改善もできるが、古くなるとボリュームを交換するしか手がなくなる。これらは小さなボリュームで値も特殊なものがあり、どの様に入手するかが問題となる。一つの入手先としてSSNがあるが、高い。その他の入手先としてMOUSERがある。例えば、75S-3のSメータゼロ調整ボリュームである1/8インチ、250Ω、0.2W(Honeywell)は代替品として0.5Wタイプの物がある。他にも探すとありそうである。

 

734.アンテナチューナー 2018年3月3日
 アンテナチューナー利用の勧めが掲載されていた。KWM-2等はパイ型同調回路を終段に採用しているので、比較的広い定数のアンテナに対応できるが、種々のアンテナに対してより安定的に機械を運用するために、アンテナチューナーは重要となっている。更に、ダミーロードやSWRメータのアクセサリーも運用をより確実にするアイテムとして使いたい。この様な話を聞いていると、今更ながらであるがなるほどと納得出来る話であるのであえて紹介した。

 

735.調整ボリューム(2) 2018年3月10日
 「733.調整ボリューム(1)」で代替品の入手先を紹介したが、あくまでも入手可能な汎用品の範囲となる。例えば、古いタイプの複合ボリューム等の入手は難しい。これらの代替品の入手や修理は古い機械のボリュームを専門で扱う次のパーツ屋が紹介されていた。 http://www.oldradioparts.net/

 

736.シンセサイザーチップ 2018年3月17日
 バンド水晶の入手先に関する話題が出ていたが、この中で水晶よりシンセサイザーチップを使用したらどうかいという提案があった。例えば、Digikeyでは1〜125MHzを発振できるシンセサイザーチップが1個$5で売っているとの事。既にこの様な世界となったかと驚く。回路を起す必要はあるが、バンド水晶だけであれば簡単に代替そうである。

 

737.高圧ケーブルの修繕 2018年3月24日
 30S-1等のリニアアンプで使用されている高圧ケーブルは古くなるとクラックが入る。この場合、あっり交換するのも手だが、限定された場所だけなら修繕をしたい。修繕方法は、Corona Dopeを重ね塗りしてクラック部分を埋めて絶縁性を高め、熱収縮チューブを被せる。なお、熱収縮チューブを被せるために一旦、ケーブルを切ることは言うまでもない。

 

738.クリスタルの調達先(3) 2018年3月31日
 未だコリンズのクリスタルはほぼ調達が出来るが、どうしても調達が難しいクリスタルは次の調達先に当たるとよい。価格は2個で$70位高いが、どんな種類のクリスタルでもどんな仕様のクリスタルも作ってくれる。いざと言うときの最後の砦となるだろう。Bomar Crystal Company

 

739.516F-2のチョークコイル(3) 2018年4月7日
 最近 Nationwide Radio & Eq. Sales LLC が516F-2のチョークトランスを扱いだした。
従来より PETER W. DAHL CO. が扱っていたが、Nationwide Radio は後発なので、PETER DAHL の物よりも安い。

 

740.30L-1フィラメントFuse 2018年4月14日
 30L-1のフィラメント回路にヒューズが入っているのをご存知だろうか。電源トランスのヒーターの巻き線のセンタータップがグランドに落ちている部分にAWG#28のワイヤーが入っていて、これがヒューズの役割をしている。ヒーターが点灯しなくなったらこれも要チェックだ。

 

741.KWM-380 SB-17 2018年4月21日
 このSBはオプションの外付けアンテナカプラーCU-380を使うときに必要なものだが、このSBを適用すると外部に取り付けたMOMENTARYのTUNEボタンを押すことにより、25W程度の連続キャリアを送信する事が出来、CU-380に限らずTUNERを使用するときに便利である。

 

742.KWM-380のオーディオアンプ 2018年4月28日
 オーディオアンプ出力用のデバイスとして高出力オペアンプであるFairchild社TDA2002Vが使われている。 これは一昔前にカーオーディオに使われていた物で、既に入手が困難になっている。これが現在eBayに出ている。在庫は現時点で100以上あるので、当分は無くならないと思われるが、入手しておくとよい。単価は安い。
https://www.ebay.com/itm/STMicroelectronics-TDA2002V-Audio-Amp-Single-Speaker-1-Channel-Mono-10-Wa-2-pcs/112577144463?epid=1301747204&hash=item1a361ee68f:g:ZdAAAOSwF71ZyQEs

 

743.足のネジが取れたら 2018年5月5日
 コリンズの足はシャーシーに付いている、ネジが切ってあるファスナーの様な金具に留っている。重量がある30L-1の様な機械は、これが良く取れるが、この対応としてサイズが大きいセルフタップのネジを無理やりシャーシーにネジ止めしている機械を良く目にする。簡単な対策であるが、他の足とネジが異なり、保守のときに面倒で、あまりスマートではない。そこで、元の金具を取り付けて修理したいと思うが、金具の供給元が判らず今までは諦めていたが、CCAのMLで供給元が紹介されていたので紹介する。

744.516F-2のソリッドステート化(4) 2018年5月12日
 「551.516F-2のソリッドステート化(2)」でBarry、W0IY が516F-2をソリッドステート化するボードを開発進行中と紹介したが、それが製品となり発売され、日本からも調達できるので改めて紹介する。このボードはソリッドステート化により過大になる高圧の適正化、ステップスタート、大切なOAKスイッチ保護の為のON/OFFリレー制御、交換用電源コード、等、欲しい機能は全て含まれている。ソリッドステート化の賛否もあるが、この位の考慮があると一つの方向性の様な気がする。

 

745.高圧ケーブル(3) 2018年5月19日
 過去、30S-1やKWS-1の高圧ケーブルの代替品に関して書いたが、高圧に関するメンテをする場合は次のような点も知っておきたい。
  • RG-58/Uは3-4KVまでは高圧ケーブルとして使用できる(30S-1、KWS-1で使用している)
  • RG-223は10KVまで、RG-400は7.5KVまで使用できる。
  • RG-59は中心導体が強固なので電流容量を必要とする場合に使える。
  • コネクターはMHV、SHV、BNC-HVを使用する
  • 高圧ケーブルを筺体外部に引き出す場合は必ずシールドがあるケーブルを、筺体内部ならシールドなしでも良く、人の手が入らない場所は裸のケーブルを使う場合もある。
  • 筺体内部で7.5KV以上の電圧を扱う場合はクロロスルホン化ポリエチレンかシリコン外皮のイグニッションケーブルを使用する。
  • 中心導体の絶縁体がスチレン等の発泡素材を使った同軸ケーブルは使用しない。

 

746.TitanU Missile Musiam 2018年5月26日
 タイタンUミサイル博物館には1964年に建造されたコリンズ製のHFのディスコーンがあるが、申し込めば使えるそうだ。事実、HFの運用に使ったWのハムも居る。行って見たらどうか?

 

747.BRISTOL レンチ(2) 2018年6月2日
 XceliteのBristolレンチの11本セットに人気があるが、コリンズのメンテナンスで使用するのは99-62, 99-65, 99-66, 99-67くらいで、一般的には1本$5で入手が出来る。これをどう考えるかは個人の価値観の違いだ。また、Nation Wide Radioでは中国製の安いBristolレンチを売っている。道具は品質が良く頑丈で長持ちする物が良いという人も居るが、プロではないのでどの位使用するのか? 安い物を買い先が丸くなったらブラインダーでその部分を落とすと新品同様のBristolレンチとなる。この様な考え方もある。

 

748.75S3のハウリング 2018年6月9日
 AF GAINを上げるとハウリングが出る場合はPROD DET (V8A:6EA8)とAF AMPL(V10:6FB5)のバイアス電圧回路に入っているC8(0.1μF)を交換したらよい結果が得られたとの報告があった。試してみると良い。

 

749.FAN(2) 2018年6月16日
 KWM2や32S-Xはファイナルが可也熱を発するので、ファイナル冷却用のFANを上蓋の上に付ける方も居ると思うが、とても良い付け方がある。ファイナルとスラグラックの隙間に厚み3cm位の隙間があるが、そこに厚み2cm、5cm×5cm角くらいのCPU冷却FANを取り付ける。風がFANの横から当たり冷却効率も良い。DC12VのFANならアクセサリーのAC6.3Vを整流し、DC10V位の電圧にすればFANも静かに回る。FANはファイナルケージの内側からパンチングメタルにネジ止めすると良い。

 

750.クリスタルの調達先(4) 2018年6月23日
 ついに2017年3月に良品質のクリスタルが調達できたInternational Crystal社が会社をたたんだ。未だにSSNではWARCのクリスタルは調達できるが、従来のハムバンドのクリスタルの周波数偏差が大きくなった場合の代替品の調達に困る。次の調達先が候補としてあがる様だ。
Bomar Crystal Co. http://www.bomarcrystal.com
Brian Carling http://www.af4k.com/collins_crystals.htm
Crystek http://www.crystek.com
JAN Crystals http://www.jancrystals.com
必要な場合はコンタクトをしてみると良い。

 

751.KWM-380のオーディオアンプ(2) 2018年6月30日
 「742.KWM-380のオーディオアンプ」でeBayに入手困難なFairchild社TDA2002Vが現在eBay出ていると書いたが、早晩なくなると思われる。この場合、TDA2003も使えるとの事なのでこれを代替品として探せばよい。ネットで調べれと国内で販売店が未だ複数見付かる。

 

752.コンデンサーの調達先 2018年7月7日
 真空管の機械で使われている高圧コンデンサーは日々入手が難しくなっているが、Wにある次の調達先は未だ種類豊富なコンデンサーを販売している。また、ソリッド抵抗も販売している。一度、覗いてみるとよい。
 Just Radios

 

753.クリスタルの調達先(5) 2018年7月14日
 次の調達先は未だ、コリンズに使用できるドンピシャのクリスタルを注文できる。少々高くなるがWARC以外のハムバンドのクリスタルも売っていて、利用中の機械の局発がずれた場合の代替品として使用できる。 http://www.af4k.com/collins_crystals.htm

 

754.電源ケーブル 2018年7月21日
 医療機器用のケーブルは、現場で移動が激しい用途でも切断に強くなる様に接合部を半田付けしてあるなど、強固な構造となっている。また、プラグが透明な樹脂で出来ていて、酷使される接合部の状態が外部から確認できるようになっている。無線機でこの様な用途があるかは判らないが、その耐久性は興味深い。例えば、McMaster-Carr のカタログ番号71535K61のSure-Grip Electronic Equipment Power Cordsを見てみると良い。

 

755.32S-3のIMD 2018年7月28日
 スプリアス規制でIMDの事に関心が高まっていると思いますが、参考の為に32S-3のIMDを記載した起きます。3rd order:−38dB(PEPに対して)。なお、この値はNFBの調整を適切にしている場合となります。

 

756.6BF5の熱(5) 2018年8月4日
 「604.6BF5の熱(4)」では発熱を抑えるために、スクリーン電圧を下げればよいと紹介した。この方法は6AQ5や半導体化できない51S-1でも適用できる。この解説の原版が次のHB9AIK,Ulrichのページに紹介されているので、興味がある方は読んでみると良い。

 

757.ヒーター回路への考慮 2018年8月11日
 「756.6BF5の熱(5)」の中等で度々51S-1の真空管変更には注意が必要と書いた。厳密に言えばSラインやKWM2でも、ダイヤルランプを含め、AC6.3Vラインは各真空管のヒーターやダイヤルランプの特性が相互に依存しあい全体の電流値が決まるので、6BF5を6AQ5や半導体化するだけの問題に限らず、例えばダイヤルランプをLEDに変更する事で電流値が変わり、ともすれば規定以上のヒーター電流が真空管に流れ、真空管の寿命を短くしかねない。これを詳しく解説した文書がHB9AIK,Ulrichのページに掲載されているのでリンクを紹介しておく。

 

758.EV-664 2018年8月18日
 コリンズの話題では無いが、コリンズファンの間で人気が高いマイクEV-664はふくよかで切れがある音が魅力だが、中には切れが悪くもやもやする音がする個体もある。これは、マイクの中に入っているコンデンサーが劣化している為だ。これを交換するには、エレメントと共にコンデンサーを引っ張り出す。これをオレンジドロップ等に交換する。音の違いは目を見張るものだと思われる。

 

759.中国製真空管使用のコツ 2018年8月25日
 昔は中国製真空管の構造的な脆弱性が問題となったが、現在は改善されている。例えば、572Bなどは古いCETRON製のものよりましだという意見もある。それでも新品を使用したときのアークによる事故が問題になることがある。一説によると、真空度に問題がある様だ。このリスク回避のために、高圧をかける前にヒーターだけを点灯させエージングすると良い。ゲッターの効果により真空度が問題ないレベルとなる。

 

760.ネジの緩み 2018年9月1日
 グリッド電流が流れなくなった、シャーシーやスラグラックを叩くとグリッド電流が大きく変化する等の原因の一つにネジの緩みがある。ネジの緩みは機械が暖まったり冷えたいりするサイクルを繰り返すうちに徐々に進行するので、どんな機械にも発生する。これを完全に防止方法はネジロックペイントを施すしかない。一方、何年かに一度ネジの緩みをチェックする事によっても防止する事が出来る。

 

761.KWS-1のノブの整備 2018年9月8日
 KWS-1は精密な目盛つきのチューニングノブを装備しているが、これが硬くなった場合の整備方法がWB2GCRのQRZ.COMのページに載っている。参考にされるとよい。

 

762.30L-1のバイアス電流 2018年9月15日
 811Aのバイアス電流は規定値の110mAから増加すると損失が大きくなり寿命が短くなるので常に注意を要する。この原因の一つとしてリレー出力に挿入されているR28(39Ω2W)の抵抗値の増加がある。ご存知の通りソリッド抵抗は長年熱にさらされると抵抗値が増加する。バイアス電源のDC−170Vは分圧され、リレー回路、バイアス回路に使用されているが、R28は電圧デバイダーの一部なので抵抗変化はバイアス電圧(電流)の変化につながる。また、DC−170V電源のCR20、R9も要確認である。

 

763.接続ケーブル(4) 2018年9月22日
 「280.接続ケーブル(3)」で75Sと32Sの接続にはRG62/Uが良いと書いたが、X’tal OSC間の接続は次のような理由がある様だ。75SのOSC出力は100Ωで終端されているが、RG58/Uは52Ωなので周波数によるレベル変動がある。更に、初期の32Sにつないだ場合は120〜500Ωで終端する事となり、レベル変動が無視できなくなる。このため、その後にR141(68Ω)が追加されレベル変動がかなり改善されたが、100Ωとは異なるため若干のレベル変動が残った。コリンズはこれを許容範囲内と判断してこれ以上の改善はしなかった。この状況で、ケーブルを92ΩであるRG62/Uに代えるとインピーダンス整合の状況が更に改善されレベルが落ち着く。

 

764.312B-4のパワー計調整(2) 2018年9月29日
 「409.312B-4のパワー計調整」で調整方法に関して書いたが、どうしても調整しきれない場合もある。この場合は、奥の手としてピークパワー表示ユニットなどの外部に感度調整ボリュームが付いた回路を活用する方法がある。ただ、表示カーブがオリジナルと異なると、最大値、最小値を調整してもその間で誤差が大きくなるので、注意が必要である。

 

765.真空管のエージング(3) 2018年10月6日
 真空管をエージング後にアンプに搭載し、電源投入する瞬間は嫌なものだ。耐圧試験機を使用することにより安全に電源投入できる事を事前に確認できる。耐圧試験機の電圧を電流が流れる直前まで上げ、電流が流れ始めたらそのままエージングを続け、これを目的の電圧まで続ける。なお、耐圧試験機はオークションで数千円から入手できる。

 

766.KWM-2のキーキー音 2018年10月13日
 KWM-2で送信から受信に移るときにキーンとハウリング音が出る機械がある。これはマイク、バラモジ、受信第1IF、AF、スピーカーとフィードバックループが形成されるためである。これを防止するためには受信時にマイクアンプをカットオフすればよい。この為には、ベクター端子E-40の端子DからV3の7ピンに47KΩ2Wの抵抗を取り付け、受信時にV3のカソードにプラス電圧が加わるようにする。

 

767.ペイントの仕上げ 2018年10月20日
 一般的に売られているコリンズ用のペイントを使う場合は、まずは220番で粗仕上をして、320番で仕上げる。水やすりが良い。ペイント前にはペイント面を清掃して油やワックスのシリコンを完全に除去する。エナメル系のペイントする場合は仕上は600番程度が良い。

 

768.メータの修理 2018年10月27日
 今まで数々のメータ修理のノウハウを書いてきたが、どうしても修理が難しい場合は、時計屋に持ってゆけば直してもらえる可能性がある。但し、修理に必要な部品は無いと思われるので、部品は込みとなるが。選択肢の一つとして覚えておくといざと言うときに助かるかも知れない。

 

769.キャリブレーターの周波数調整 2018年11月3日
 KWM-2や75S-Xのキャリブレーターの周波数を調整しようと思っても、調整トリマーが一杯となり調整できなくなった場合は、調整トリマーとグラン間に並列に5〜10pFのコンデンサーを入れると良い。5pFが入っている機械もある。なお、コンデンサーは精度5%のマイカコンデンサーが良い。

 

770.調整時の測定ツール 2018年11月10日
 調整時に便利な測定ツールとして機械に付いているメーターが有るが、これを使う事はあまりお勧めしない。受信回路調整時はAGC回路の電圧を、送信回路調整時はファイナルのグリッド電圧をVTVMやオシロで読むのが正確。なお、回路インピーダンスが高いので、プローブは×10のポジションで測定する。

 

771.ハイバンドでキャリブレータが弱い 2018年11月17日
 ハイバンドでキャリブレータの信号が若干弱くなる事は仕方が無いが、極端に弱い場合はキャリブレータ発振回路の6U8Aを交換すると効果がある場合がある。弱いキャリブレータに困っている方は試してみると良い。

 

772.6146マッチドペアの簡易な確認法 2018年11月24日
 1本ずつファイナル部に挿入してIPを測定し、誤差が10mA以内ならば良いマッチ状態と考える事が出来る。なお、高圧がかかっているので、プレートキャップを触るときには十分に注意が必要である。

 

773.送信機の簡易調整方法 2018年12月1日
 送信機の調整方法は種々有るが、例えばKWM-2の一般的な調整方法は、
  1. メーターをGRIDにし、EMISSIONをTUNEにし、EXCITER TUNINGでメーター指示を最大にする
  2. メーターをIPにし、PLATE CONTROLでメーター指示をディップさせる
  3. EMISSIONをLOCKにし、EXCITER TUNINGでメーター指示を最大にする
  4. 再度PLATE CONTROLでメーター指示をディップさせる (この間IPは230mA以下とする)

  簡易版としては、

  1. 受信時にEXCITER TUNINGで感度を最大にする
  2. メーターをIPにし、EMISSIONをLOCKにし、EXCITER TUNINGでメーター指示を最大にする
  3. PLATE CONTROLでメーター指示をディップさせる (この間IPは230mA以下とする)

 

774.KWM-2のALC(2) 2018年12月8日
 「69.KWM-2のALC」でALCが不安定な場合の対処方法を書いたが、このほかに、
  • V17(6BN8:ALC RECT)2、3番ピンに繋がっているC157(0.1μF)をリークの少ないマイラーコンデンサーに交換すると良い。また、V17のグリッドからのエミッションでALCは不安定となる。
  • R38(220Ω)を150Ω1/2Wに交換する。但し、これはALC調整範囲が狭くなるのでこれとのトレードオフ。なお、R38を取り除けば調整範囲が広がる。

 

775.KWM-2のハム 2018年12月15日
 次の点をチェックすると良い。
  • V16(6EB8:1ST AF AMP)を叩い場合に変化があるか? 
  • AF OUTPUT AMPグリッドデカップリングコンデンサーC106(15μF)が不良になっていないか。
  • AF GAINのシールドケーブルがきちっとアースに落ちているか

 

776.KWM-2の調整のこつ 2018年12月22日
 マニュアルに記載されている調整方法を補完する調整のコツを何点か記載します。
  • IFT:T2は、上部にほぼ抜けた位置が調整位置となる。L4は必ずダイヤルが55KHzの位置で調整をする。
  • RFトリマー:14MHzのL14を調整する時は、21MHz用DRIVER PLATEトリマーが2/3入った状態で実施する。続いて21MHz、28MHzのDRIVER PLATEトリマーを調整する。

 

777.KWM-2の6AZ8 2018年12月29日
 6AZ8はグリッドにプラスの電位を生ずる事があり、これがALC、AGCの不安定な原因となる。無信号時のAC電圧は1.0V、ALC電圧は−1.3〜−1.8Vで、これより0.1V以上外れている場合は、6AZ8を疑ったほうが良い。

 

778.KWM-2のキャリアバランス 2019年1月5日
 キャリアバランスがどうしても取れない場合は、電源からのリップルが原因している場合がある。この場合は、V3(6AZ8:CATH FOL)のプレートに入っているC264(20μF)に並列に4μFほどの電解コンデンサーを挿入すると良い。

 

779.KWM-2の不安定なBFOの改善 2019年1月12日
 BFO回路に入っているC53が22pFになっている場合は15pFに変更する。C55が47pFになっている場合は100pFに変更する。これにより安定度が向上する。

 

780.KWM-2のハウリング音 2019年1月19日
 受信時にAF GAINを上げるとハウリング音がする機械がある。T6の1次側と2次側の結合、R164のループによる場合は次の改造で改善する。
  • C104(0.0047μF)を0.01μFに変更する。
  • R164(220KΩ)を440KΩに変更する。
  • R182(68Ω)が無い場合はT6の二次側からグランドに68Ωを追加する。

 送信から受信になる時にハウリング音がする場合は、マイク〜バラモジ〜IF AMP〜スピーカーのループによるもので、次の改造で改善する。

  • V3(6AZ8)7番ピンからR+275Vラインの間にR122(47KΩ2W)が無い場合は付ける。

 

781.KWM-2の健康のバロメータ(受信編) 2019年1月26日
 良く調整されたKWM-2はキャリブレータをオンした時にSメーターが+20dB振る。大まかにはこれを目安に調整の要否を判断すればよい。

 

782.KWM-2のIFT調整 2019年2月2日
 IFTコアの調整は調整点に近い位置から始めると何かと便利である。スラグの目安は次の通り。但し、あくまでも開始位置で調整点ではないので誤解のなき様に。
  • トップスラグ(IFT頂部の調整穴からスラグまでの深さ、単位:mm)
    • T1:9.5、T2:3.1、T5:3.1、L4:6.4、L9:8.7、Z5:6.4
  • ボトムスラグ(IFT底部調整穴からスラグまでの深さ、単位:mm)
    • T2:13、T5:13

但し、L9は工場出荷時の調整を変えないほうが良い。調整する場合は、通過帯域8KHzがピークとなる様にする。

 

783.KWM-2のAGC時定数 2019年2月9日
 AGCはアタック部、リリース部が2重時定数となっている。アタック部は音声等のパルスピークに追従し、ピークによる過度なAGC電圧が後ろに隠れた弱い信号を極力消さない様に早い時定数とする。リリース部はSSBにおいて入力信号のバックグランドのノイズが極力聞こえず、ゆったり聞こえるように遅い時定数とする。一般的にアタック部の時定数はリリース部の10%位に設計するが、KWM-2や75S-Xは3〜4%となっていて、QRMの中で微弱な信号を聞くDXには有利であるが、ローカルQSOには向かない。これをローカルQSO向きにする為には、C265(0.01μF)を0.068μFに、R180(680KΩ)を47KΩに変更する。なお、テスト的にフィーリングを体感するためには、R180をワニ口クリップ等でショートすると良い。

 

784.KWM-2の受信音の歪 2019年2月16日
 受信音が歪っぽい場合はSB8を適用するのが定石だが、適応済みの機械で歪っぽくなった場合は次の点をチェックすると良い。(機械の製造年により有無がある)
  • V16(6BE6)1ST AF AMPのカソードバイパス(C102:100μF)の交換
  • V16 8番ピン(グリッド)からグランドに接続されている0.01μFの交換
  • T6の黄色いリード線からグランドに接続されている56Ω 1W の交換

 

785.KWM-2のVOXのリレーのバタつき 2019年2月23日
 VOXは余り使わないと思うが、VOXを調整してもリレーのバタつきが発生する場合、送信時にリレーがバタつく場合は、K2 12番−13番ピンの間に0.01μF程度のコンデンサーを接続すると良い。

 

786.KWM-2のAGCがおかしい 2019年3月2日
 AGCの働きがおかしく強力な信号で歪っぽい場合は、「784.KWM-2の受信音の歪」で紹介したチェックのほかに、AGCを疑いたくなり。この場合は、無心号時のRF、IFステージのグリッド電圧を計測して、DC−0.8V有るかを確認する。これが、少しでもプラス方向に偏移している場合(−0.6〜−0.7V以上プラス側)、真空管を交換したほうが良い。信号強度もS1〜2くらいは増加する。

 

787.KWM-2のV1が熱い 2019年3月9日
 MIC AMP、1ST RCVR IF AMPであるV1(6AZ8)が熱くなる場合がある。この場合は、IERC等のシールドを被せ放熱するか、3番ピンとグランドの間に10Ω 1/2Wの抵抗を入れると良い。

 

788.30L-1のメーター保護 2019年3月16日
 30L-1はメーターのポジションによっては、内部に障害が発生するとメーターに高圧がかかる場合がある。これからメーターを保護するために、メーターの+−端子間に逆接続にした2つのダイオードと0.01μFのコンデンサーを接続すると良い。

 

789.30L-1のフィラメント回路保護 2019年3月23日
 「442.30L-1プレートタッチ保護」でバイアス回路(電源トランス)の保護方法を記載したが、同様に811Aの障害からフィラメント回路(電源トランス)を保護する事も重要となる。この為には、フィラメントの両端子からグランドに各々140V程度のGDT(ガスアレスター)を接続すると良い。GDTは数百円程度で入手できる。

 

790.ファイナルケージのペイント 2019年3月30日
 「46.真空管のシールド」で真空管のシールドケースが黒いのは黒体放射により効率的に熱を放射する為だと書いたが、ファイナルケージも同じ事が言える。オリジナルのファイナルケージは6146が発射した熱(赤外線)を反射するので、それが6146に戻ってくる。ファイナルケージの内側をつや消しの黒に塗ると黒体輻射によりそれがファイナルケースに吸収・放射されファイナルの熱負荷が下がる。但し、コリンズの設計ではここまでは要求しない事は言うまでもない。この理論は衛星に搭載する機器には必須ではあるが。。。

 

791.SラインでAM(2) 2019年4月6日
 「61.SラインでAM」でWD7DYW、Dutchのサイトを紹介したが、彼はSKとなりサイトが参照できなくなったので、AA5HN、Craigの改造記事が公開されているCCAのサイトを紹介する。改造方法やAMの運用方法が書いてある。

 

792.Crystal Impedance Meter 2019年4月13日
 コリンズ用クリスタルのパラメーターは公開されている。これに対し、保有しているクリスタルのパラメーターはどうかを実測してみたくなる。これにはCrystal Impedance Meterを使用する。外付けの周波数カウンターや等価の抵抗、コンデンサーを使って測定する機械(操作マニュアル)やデジタル表示で測定できる機械(YouTube)がある。興味がある方はCrystal Impedance Meterで検索してみると良い。過去にオークションでタダ同然でCrystal Impedance Meterが落札されたケースがあった。誰も用途が判らなかったのだろうか。この他に、Crystal Activety Meterという、クリスタルの発振周波数だけを測定する機械がある。

 

793.R-388調整ツール 2019年4月20日
 特殊な調整ツールが本体に付属しているが、ほとんどの場合はこれが無くなっている。この場合はレプリカが製造されているので、これを使用するとよい。次のサイトを参照願いたい。
  KITPARTS

 

794.メーターケースの清掃 2019年4月27日
 メーターケースは下手に清掃するとペイントが剥げて斑が出来る。清掃に使う薬剤には気を使うが、CCA MLで使えそうな一覧が掲載されていたので紹介する。ただ、これらが全て適しているかは疑問があることろで、ほんの候補として考え、利用は慎重にしたほうが良い。
Maguires cleaner/wax
Novus 2
Brasso
Black shoe polish
WD-40 (apply light and wipe with soft cloth)
Windex (followed by synthetic car wax)
Dawn
Degreaser
Good citrus cleaner
Tooth paste
Metal polish
Buffing wheel (using towel cloth)

 

795.D-104マイクプロセッサー 2019年5月4日
 Astatic社D-104は伝説のマイクだが、これにオーディオプロセッサーを付加して現代的に活用した事例がある。
このボードをK7DYYが発売しているので、興味がある方は次のURL先をチェックしてみると良い。
http://www.wirelessgirl.net/Projects/AMTransmitters/K7DYYaudioboard.html

 

796.コリンズの歴史 2019年5月11日
 コリンズの歴史を物語る映像と資料のリンクを紹介する。
http://www.arthurcollins.org/aacla_videos/CollinsStory.mp4
http://www.mariontoday.org/times/article.php?id=8643

 

797.縮み塗装のケア方法 2019年5月18日
 古い軍用機やAラインで使用されている縮み塗装の清掃は神経を使う。特に泥などが縮みの奥に入っている場合は厄介だ。この場合は、SimpleGreenを6倍程度に希釈して使うとよい。縮みの奥に入っている汚れは柔らかい歯ブラシを使うとよい。SimpleGreenは最近日本のDIYショップ等で簡単に入手できる。この方法は塗装が痛んでいる他の機械でも適用できる。

 

798.516F-2利用上の考慮点 2019年5月25日

 516F-2は高電圧を扱い、多量の熱を発生するので、かなり部品にはストレスが発生する。これを永く使う上での考慮点として次の項目がフランスのOMから紹介されていた。経験者の英知として見習うべきものがある。

  • 半導体化せずにソフトスタートが可能な真空管を使い続ける
  • 電源電圧は正規のものとする(これは特に現代の米国の125V環境の事を指している)
  • ブリーダー抵抗は確実に放熱が出来る様に熱的にシャーシーに接触が保たれている
  • 真空管ソケットは高圧リークが発生しないように清掃されている
  • 高圧周りは埃や汚れが無い様に清掃されている

 

799.コリンズのパワー調整(2) 2019年6月1日
 「548.コリンズのパワー調整」で6種類の電力低減方法を紹介したが、これ以外で最も実現性が高いと思われる方法が紹介されていた。ALC端子にマイナスの電圧を掛ける。具体的には、9Vの電池にボリュームを直列に接続したものをALC端子に接続すれば、ボリュームでパワーを調整出来る様になる。例えば、KWM-2のSSBでAlpha9500をドライブしたい場合はこれで最大40Wに電力を調整する事により可能となる。

 

  [目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]