メンテナンスのヒント集

[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]
Top > コリンズのメンテナンス > メンテナンスのヒント集
 
【掲載ポリシー】
  ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。
  ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。
  ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは
未検証のまま掲載するケースもあります。
  ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。

 

300.PJ−068 2009年9月12日
 Sライン等のマイクプラグに使われているPJ−068はコリンズ以外にも、昔の交換手が使う受話器や航空無線のヘッドセット等に使われている。KingsやSwitchcraft等、Wのメーカー以外に、相崎電機の様な日本のメーカーもある。日本の仕様名称は、
  • 製品名:通信用 単頭プラグ
  • 規格・性能:日本工業規格、日本電信電話、防衛庁、放送技術規格
  • 型式名:PJ−068

 

301.Radio Shack 2009年9月18日
 Radio Shackと言えば、Wの有名なラジオ屋だ。CCAのMLでも部品の調達先として、度々紹介されている。個人的に、同店のHPを見た事はなかったので先日のぞいて見た。その中に、1935年以来毎年発行されているカタログ本が掲載されていた。昔の部品の昔の値段がわかり見ていて楽しい。ページをめくる様に見れる機能がついていて、見やすい様に工夫されている。全て英語表記だが、部品の型名や値段くらいは分かると思うので、ためしにのぞいてみたら如何か。 Radio Shackカタログ集のページ

 

302.32S-1のキャリアサプレッション改善 2009年9月25日
 32S-1、2はバラモジに1N34Aを2個使用しているが、キャリアサプレッション改善の為に、ダイオードを4個使用する改造がSB2としてコリンズより発表されている。いっその事、4個を現代の高性能の部品に交換しては如何か?交換する候補としては「282.バラモジ(2)」を参照されたい。SB2の内容はCCAサイト:32S-1 SB2を参照されたい。

 

303.AN/FRC-93 2009年10月2日
 これは米軍機材の名称でその筋の通の方なら良くお解かりだと思うが、このコードの読み方の概略を解説すると、
  • AN:Army Navy
  • FRC:固定局汎用無線機材 (他に、ARC:航空機汎用無線機材、URC:汎用無線機材)
  • 93:型名

 KWM-2Aは周辺機器と共に、FRC-93の名称が与えられており、次の構成となっている。マニュアル等はこの名称の物が利用できる。

  • KWM-2A
  • 30L-1
  • 516F-2 電源
  • PM-2 ポータブル電源
  • 312B-4 ステーションコンソール
  • TD-1 ワイヤーアンテナ
  • MP-1 DC電源
  • CC-2 キャリングケース
  • CC-3 キャリングケース

また、エアボーンの618TはAN/ARC-93という名称が与えられている。

 

304.X’tal調達先 2009年10月9日
 WでもSラインやKWM-2のX’talの調達は年々難しくなっているようだ。SSNでは最早、全てのX’talの調達は無理なようだ。その中、次の製造メーカーが紹介されていた。個数と納期により単価が異なる。
  • Marden Electronics (800) 222-6093
    • $17.50 per crystal for 1 week service
    • $15.50 per crystal for 2 week service
    • $12.50 per crystal for 4 week service

その他、X’talメーカーリンク集が紹介されていた。

 

305.30S-1の保守について 2009年10月16日
 30S-1の保守について2題。
  • PS(電源)デッキの横に付いている、搬送時に手を掛ける凹みの奥には空気を取り入れるパンチングメンタルが付いている。同様に、PSデッキの右奥にRFデッキに空気を取り入れるパンチングメタルが付いている。この両者は埃で汚れている場合があるので掃除が必要。
  • 高圧のブリーダー抵抗として、R205、6、7(18KΩ 100W)が付いているが、高圧を入れて送信していないときはこの抵抗が電源負荷となり、発熱で200℃以上にも達する。高圧を入れっぱなしで長時間スタンバイ状態で放置するのは好ましくない。

 

306.スピーカーインピーダンス 2009年10月23日
 SラインやKWM-2のスピーカー端子の出力インピーダンスは4Ωだ。これに、入手し易い8Ωのスピーカーを繋げるとインピーダンスのミスマッチが発生し問題か? 4Ωの特性インピーダンスを持ったスピーカーはある周波数では4Ωであるが、ある周波数では2Ωになったり8Ωになったりする。勿論、4Ωに越した事は無いが、8Ωのスピーカーも使え、聞く上では4Ωのスピーカーとは変わりが無いと言える。

 

307.30S-1ドアキー 2009年10月30日
 よく、ドアキーが付いていない30S-1を見かけるが、この様な30S-1入手しても困る事はない。なぜならば、30S-1のドアキーは全て同じだからである。30S-1を持っている人にキーを借り、合鍵を作れば良い。まかり間違えても、キーを壊す事はしない様に。

 

308.メカフィルの修理? 2009年11月6日
 先日、次の様なエピソードが書き込まれていた。

「メカフィルが駄目になった。外してみると、ガラガラ音がしていたので、もう直せないと思った。捨てる前に、中を見たいと思い、フィルターを開けたら、メカフィルを支えているワイヤーが切れていた。適当に繋ぎ、駄目元で受信機に挿してみたら、驚く事に動いた。」

 教訓:メカフィルは壊れたら駄目元で開けて直してみましょう。

 

309.簡易感度測定法 2009年11月13日
 SSB受信機の感度測定の一般的な方法は、S+N/N=10dBとなる時のSSGの入力電圧で表され、S+N/Nの測定には、AFのライン出力に600Ωの低周波レベルメータを挿入して実施する。これに対して、LDS (Least Discernible Signal) という簡易な方法がある。SSGで受信機に信号を入力し、人間の耳で聞こえ識別できる限界の入力電圧を測定する。これだと、SSGさえあれば測定が可能で、実用的な感じさえする。

 

310.SM-2、3 2009年11月20日
 有名なSM-2、3についての保守情報を照会する。マイクの先端を分解すると、中にメッシュ、緩衝材、真鍮の円盤、エレメントが入っている。真鍮の円盤は、真ん中に2mm程度の穴があいており、音声エネルギーをダイヤフラムの中心に集中させ、ダイヤフラム周辺に到達し、歪となる音声エネルギーをカットする役割をなす。マイクの出力を増大させる為にこれを外してしまうケースがあるので、中古マイクの購入には注意が必要である。コリンズもどきと言われている、AZDENのDX-325はこれがゴムで出来ている。無い場合はこれを真似てゴムの円盤で作成するのも一案である。

 

311.SWRの耐性 2009年11月27日
 KWM-2等のマニュアルには、「SWRが2:1超えた状態で使用すると出力部を壊す可能性がある」と記載されている。VSWRが2:1の時にはどの様な事が起こるか? 計算式から、負荷抵抗は100Ωか25Ω。100Ωの時には、例えば、小さなロードトリマに100Wで100Vの高周波電圧が発生する。しかしながら、ロードトリマの耐圧は1000Vなので、破壊電圧には程遠い。25Ωの場合、送受信切替リレーの接点に100Wで2Aの高周波電流が流れる。しかしながら、このリレー接点は2Aでは溶解はしない。つまり、2:1ならどの様な場合を想定しても、壊れる可能性はない。言い換えると、コリンズはここまでなら保証をしている。最近の半導体リグに比べなんと堅牢な事か!

 

312.ノイズブランカ(2) 2009年12月4日
 一昔前とノイズの性質が変わっている今日、古い機械のノイズブランカ(例えば、KWM-2用の136B-2)は効果があるかの議論がされていた。今日のインバーターやDSUを初めとしたノイズ源は、広帯域のノイズを発生するので、一昔前のパルス性ノイズに対応したノイズブランカでは効き目が無い。それでは、現代の機械のノイズブランカはどうか? 広帯域で完全なブランキングをすると、目的の信号の品質を劣化するので、この種のノイズを効果的に除去するノイズブランカはない。それではどうしたら良いか? ノイズ発生源から、出来るだけ遠ざかる事だ。住宅密集地では実現が難しいが、少しでも効果を得たいのならば、アンテナを高くすることだ。ノイズレベルはノイズ発生源と受信機との距離よりは、むしろアンテナとの距離に影響される。その他、電源からのノイズの回りこみ防止には、ノイズフィルターやアイソレーショントランスが効果的だ。

 

313.半田吸い取り器 2009年12月11日
 レストアツールのアイテムとしてあげられる、半田吸い取り器が話題に上っていた。半田吸い取り器は半田ごてに吸引機が組み込まれたもの、半田ごてと吸引機が別体のものがあり、更に、吸引機は連続吸引と一回のみ吸引するタイプに分かれる。中でも、半田ごてに連続吸引型の吸引機が組み込まれたものは、作業性が最も良く人気が高い。多くのメンバーから人気を得ていた製品は、日本製のHAKKO(白光梶jのHAKKO 808であった。実売価格は2万円強するが、部品を外すときの過熱による部品の破壊を考えると納得ゆける投資と判断されているようだ。もちろん、国内で調達可能。興味をそそられる。

 

314.バランの妙 2009年12月19日
 51J-2や75A-1の様なひと昔前の受信機は、アンテナ回路が平衡フィーダーを使ったハイインピーダンス用に設計されている。これに50Ωのアンテナにつなげると感度が今ひとつ上がらない。アンテナカプラーを使えば良いが、安価な解決方法がある。テレビのバランを使うと良い。テレビのバランは、不平衡75Ω/平衡300Ωを変換するので、恰好のマッチングツールと成る。因みに、これにより約20dBの感度向上が見込まれるとの事。

 

315.75S、51S1の6AQ5改造 2009年12月25日
 6BF5を6AQ6に改造するBill Duval (K5UGM) の記事を紹介する。電力を食わない6AQ6に変更する事により、機械の温度上昇を抑えることが出来る改造を少ない部品点数で実現する。
  1. 2番ピンからグランドへの配線を外す。
  2. 47Ω 2Wの抵抗を2番ピンからグランドへ配線する。
  3. 25μF 25Vのコンデンサーを2の抵抗と並列に接続する。
  4. 330KΩ 1/2Wの抵抗を1番ピンからグランドへ配線する。
  5. 6AQ5を6BF5と差し替える。

 

316.セラミックコンデンサーの温度特性 2010年1月1日
 明けましておめでとう御座います。

さて、セラミックコンデンサーの温度特性に関する議論がありましたので、紹介しておきます。セラミックコンデンサーの温度特性の仕様には、CLASSとGRADEがあります。CLASSは用途を表し、GRADEは温度特性を表す。

  • CLASS1 温度偏差は小さいが、大容量のものは無い(温度補償用、フィルタ用、等)
  • CLASS2 温度偏差は大きいが大容量のものが有る(平滑用、カップリング用、等)
CLASS1 CH 0±60ppm/℃
UJ −750±120ppm/℃
SL 350〜1000ppm/℃
C0G 0±30ppm/℃
CLASS2 JB ±10%(−25〜85℃)
JF +30%、−80%(−25〜85℃)
X5R ±15%(−55〜80℃)
X7R ±15%(−55〜125℃)
X8R ±15%(−55〜150℃)
Y5V +22%、−82%(−30〜85℃)

用途により使い分けをすれば良いが、一般的に、機械温度が高くなる真空管の機械では温度特性が非常に悪いY5Vの使用は避けたほうが良さそうだ。

 

317.電源の代用(2) 2010年1月8日
 「14.電源の代用」で516F-2の代替品としてHP-23を紹介した。再度、HP-23についての話題が上がり、下記の書き込みが有ったので補足情報として紹介する。
  • HP-23の高圧回路は倍電圧整流回路を使用していて、全波整流回路を使用している516F-2と比較してレギュレーションが悪い。
  • ヒーター回路の容量が小さくKWM-2での使用は不向き。但し、12Vのヒータートランスをもう一つ用意して直列接続し、KWM-2の24Vのヒーター回路に接続すればこの解決策となる。
  • KWM-2に使うには電源トランスの容量に余裕が無く、32S-Xで使うまでに留めておいた方が賢明。
  • HP-23はバイアス調整回路が無くHP-23Aは有り、この違いに注意が必要。
  • 最近はHP-23の入手が難しくなってきているので、値段の違いは有るが、あえてHP-23を入手するのは得策ではない。

 

318.KWS-1の排気ホース 2010年1月15日
 KWS-1の排気ホースの代替品についての紹介があった。ラジエータホース、ダストホース、自家用航空機用品が良いようだ。日本での入手方法は不明だが、製品が掲載されているURL、仕様だけでも紹介しておく。汎用品なので、入手は難しくはないと思われる。

 

319.長期保管後の機械の起動 2010年1月22日
 「189.516F-2の起動」で長い間電源を入れていなかった516F-2の安全な起動方法を説明したが、機械の起動において、一般的に問題が多い電源周りの注意事項を紹介する。
  • 電源トランスのレアショートの確認方法として、全ての真空管を外し、電源の一次側にAFオシレータを接続、50Hz(60Hz)を発振させ、二次側に電圧が出るかを確認すると良い。
  • 整流器が真空管の機械では、スライダックで電圧を徐々に上げる方法は効果がない。これは電圧が規定電圧を超えるまで整流出力が出ないからである。この解決策として、整流管をダイオードに一時的に置き換えると徐々に整流出力を上げることが出来る。
  • スライダックで電圧を徐々に上げる方法は、バイアス電圧とプレート電圧のバランスが取れない領域が発生し機械を壊す可能性がある為、真空管の機械では推奨しないという意見もある。曰く、むしろ電流制限の働きをする60Wくらいの白熱電球を機械と直列に接続して、初めからフル電圧で電源投入する方が良い。
  • 電源のフィルターコンデンサーがリークしている場合は過電流が流れるので、スライダックで電源を徐々に上げるとヒューズの溶断電流に達する前にトランスが発熱で壊れる可能性がある。これを防止する為に、20%くらいの容量のヒューズを使用すると良い。最も安全な方法は、電源トランスの電流を監視する事である。

 

320.真空管ソケットの緩み 2010年1月29日
 真空管のソケットが緩み接触不良を起こした場合、ソケットを交換せずに対処する方法を紹介する。
  • ピンは一本ずつ抜けるので、問題のピンを他のソケットのピンと交換する。
  • ピンとソケットの間に針を挿しピンの間隔を狭める。これを対角線上の2箇所で同じ対処をする。

 

321.SSBアダプター 2010年2月5日
 R-388、51J-3、51J-4等のAM時代の受信機は、その信頼性、安定性の高さにより、今をもっても人気を博している。短波放送専門に利用すれば良いが、BFOを使用してSSBを聞く場合、プロダクトディテクターがなく近接妨害に弱く、AVCがAM用に設計されているのでSSBの様な強度が急激に変化する信号の受信には向いていない。そこで、Detector/AVC Rectifier管と差替えで、プロダクト検波+Firet Attack AGCの機能を提供する基盤が売られているので紹介する。詳しくは、カナダのTreetop Curcuites Company のページを参照願いたい。eBay Shop として出展していて、ワールドワイドに発送を受け付けているので入手は簡単と思われる。

 

322.バンド水晶の発振不良 2010年2月12日
 あるバンドだけ時々受信が出来なくなる故障が発生する事があるが、これはバンド水晶の発振不良が原因の可能性が高い。水晶は老朽化すると発振周波数が高くなる傾向があり、周波数補正の為に水晶にパラに接続されたトリマーの容量を増やし周波数を下げる事が出来る。この場合、水晶が高負荷となり発振が弱くなるので、発信不安定の原因となる。周波数補正が効かなくなるが、一旦トリマーの容量を抜くと発振が安定し、水晶を交換するまでの間、暫定的に受信機を生かすことが出来る。

 

323.R-390メーリングリスト 2010年2月19日

 R-390をこよなく愛する人たちの為に、R-390専用のメーリングリストを紹介しておく。最近はトラフィックが少ないようだが、Archiveもあるので、過去の膨大な英知が得られる。

  R-390 -- Collins R-390 HF Receiver List

 

324.ドライブが不安定 2010年2月26日
 32S-XやKWM-2でEXCITER TUNINGの調整をすると、ある点で突然GRIDが流れ出して調整がとても不安定な現象が発生する場合がある。これは、バンドスイッチの接触不良もあるが、多くの場合はスラグラックのグランドの不良が原因している。この場合は、ベリリュームのスラグラック駆動ベルトの清掃、ベアリングの清掃を実施すると良い。

 

325.51S-1のSメータ表示 2010年3月5日
 51S-1のSメータを見ると、S1〜9の表示ではなく戸惑う。プロ仕様なのでしょうがないとは思うが、ではどう読むか? 中央が40となっていて、メータの中央にRF INPUT DB と印刷されている。これは中央が40dBμV、つまり100μVを意味している。IARUの基準より、S9=100μV(EMF:開放端電圧)と規定されているので、中央がS9という事になる。ところで、EMFは開放端のアンテナ側の発生電圧で、50Ωで終端をする場合は受信機側で発生する電圧は1/2の50μV(PD:終端電圧)となる。因みに、現代のSSGでは終端の電圧表記をしているので、50μV(PD at 50Ω)=−73dBmに出力電圧をセットする事となる。

 

326.30L-1を繋げると受信できない 2010年3月12日
 この一見おかしな現象はまま30L-1で発生する。原因は、811Aが不良となりグリッドがショートしてた為に、30L-1の電源を入れた途端に送信リレーがONされ、受信回路が切り離される為である。解消方法は、勿論、811Aを交換する事だ。これを知らないと問題発見に大変に時間がかかりそうである。

 

327.312B-4の使い道 2010年3月19日
 312B-4はご存知の通りホーンパッチ機能を持っており、600Ω平衡の音声入力が出来る。これにより種々の適用範囲が考えられる。Loインピーダンスのマイクの接続。音声プロセッサーや音響機器の接続。他の受信機を繋げてレピーターの様な使い方も出来る(法規制の問題はともかく)。また、ANTI VOX端子を使えば不平衡500Ωの入力が可能だ。レベル管理は上手く行う必要が有る。これには背面にあるVOX BALのボリウムが使えそうである。

 

328.メータの曇り防止 2010年3月26日
 「105.メータのくもり」、「172.曇ったメーターのガラス」で曇ったメータの対策について書いたが、曇らないようにするワンポイントを紹介する。メータ内部は外気との通気性が悪く、一旦内部に湿気が入ると問題が発生する。通常の運用でメータを開放するのは、メータバルブの交換時。メータバルブ交換は湿度が低い時に実施するべし。

 

329.ノブが外れない場合(2) 2010年4月2日
 「130.ノブが外れない場合」でノブの外し方を書いたが、1点ヒントを追加する。ノブと前面パネルの間の隙間に布を挿入し、ノブを巻くようにして引っ張る。このやり方はドライバーを間に挿入する方法より力が入らないが、ノブやパネルを絶対に傷つけない。結構、有効である。

 

330.アルミシャーシの鉛筆マーク 2010年4月9日
 アルミシャーシに書かれた鉛筆のマークを綺麗に消す方法はないか?勿論、消しゴムでも良いが、なかなか消えない場合がある。
  • 綿棒(Q-tip)に機械清掃用のイソプロピル・アルコールを付けて清掃すると良い。
  • 漂白剤を少々含む食器洗浄剤を使用すると良い。
  • 糊かペイントを塗り乾かし剥がすと取れる。

等々の方法があるとの事だが、そもそも鉛筆に含まれている黒鉛はアルミを腐食するので、長い間マークを放置すると消えなくなるので注意が必要だ。

 

331.バーチャルコリンズ 2010年4月16日
 メンテナンスの話題ではないが、エレクラフト社K3をパソコンスクリーン上でコントロールする画面にドレークのR4Cが登場しました。WB8YQJ、Donが作りました。彼はコリンズ版を作用意があると言っていますが、ML上の反応はいまいち。やはり実物が一番なのか・・・ 

 http://www.zerobeat.net/mediawiki/index.php/K3_DRAKE_R4C_Emulation

 

332.セロテープの上手く剥がしたい 2010年4月23日
 ペイントを傷めずにセロテープを剥がすにはどうするか? 種々のコメントが寄せられていた。
  • WD−40(ワインデックス)が良い
  • ピーナッツバターを指に塗り、セロテープを優しく擦る。WD−40よりいい匂いがする(?)
  • オリーブオイルを塗り、一昼夜置いてから剥がす
  • Goof-off(シール剥がし)。ペイントの光沢を失わずに剥がせる 
  • DeSolvIt。10年来この方法でペイントを傷めた事はない。(日本で容易に入手可能)

種々のノウハウがある様だ。植物系油がよいのか?、DeSolvItを含め3票入っている。専用のシール剥がしは説得力がある。ペイントの光沢が失われない事がポイント。

後日談として、以下の通り質問者の成功体験が掲載されていた。合理的な方法である。

  1. セロテープを暖めて剥がす
  2. パネル表面に残ったテープの糊をWD-40で除去する
  3. WD-40を使った後はワックスなどでペイントの表面保護をする

 

333.Sライン・トランシーブのSAGA 2010年4月30日
 Sラインをトランシーブした時に送受信周波数が100Hz程度ずれる機械があるが、これは、稀ではない。Sラインはトランシーブをしても、BFOを共有していなく、送信機と受信機のBFOクリスタルのずれが原因である。クリスタルは経年変化で周波数がずれるが、ずれの方向は高低一方向であり、高くずれるか、低くずれるかは個体により異なる。BFOクリスタルを周波数カウンターで測定し、ずれをコンデンサーで補正すれば改善するが、挿入するコンデンサーの容量が30pF以上になると発信が止まってしまう。最早、この状態では改善は望めない。最終的な対応方法として、BFOクリスタルを交換する方法もあるが、いっその事、送受信機をセパレートで使う方法が根本的な改善策ともいえる。送受信機のゼロインは慣れれば、5秒くらいで出来るようになる。

 

334.SラインでCW 2010年5月7日
 32S-3でCWを運用する時の注意点がある。送受信機をゼロインする時に使用するCW CALボリウムのレベルを12時方向よりあげるとCWがクリップし始める。気づかずにこの状態になっている事があるので、CWを運用する方は是非、チェックしてみては如何か。

 

335.30L-1の811A 2010年5月14日
 30L-1の4本の811Aの内、一本が駄目になったら4本とも交換した方がよいか? コリンズは4ペアのマッチド・チューブを使用する様には言っていない。これは、特性の多少のばらつきは、811Aのエージングにより発生する、4本それぞれの特性変化によるばらつきに比べると問題にならないレベルだからである。ただ、使用するメーカーは揃えておいたほうが良い。

 

336.KWM-380のスピーチプロセッサー 2010年5月21日
 KWM-380のスピーチプロセッサーはその音の悪さに定評がある。この改善方法は如何に? スピーチプロセッサーをサードベンダーの製品に換える事が一番のようだ。CCAのページに紹介されているDK2SX UliのスピーチプロセッサーをCCAメンバーが口を揃えて推していた。これだけ皆に言われると気になる。因みに、$225+送料。

 

337.KWM-380のペイント (読者の方からの情報) 2010年5月28日
 近日、KWM-380を入手してレタッチのため、コリンズ・ペイントを販売していた ネブラスカのホームページを見るとスプレー缶は海外発送不可能になっていました。 それで、ペイントはプロの調色師にお願いして作ってもらいました。 また、色調データがあるので,注文があれば何度でも作成できるそうです。   色調は、ロックウェル/コリンズ KWM-380ケース用Shade489 ネブラスカでも扱いのないスピーカグリル用があります。 とちらとも缶入りで、2倍に薄めるとエアブラシ等で吹きつけも できるそうです。
 
潟^カラ塗料 (大阪市西成区) 06-6659-2321 http://www.takaratoryo.com     DE JF3RRL  広瀬 武

 

338.黄ばんだトリムリング(4) 2010年6月4日
 「151.黄ばんだトリムリング」「234.黄ばんだトリムリング(2)」「292.黄ばんだトリムリング(3)」でプラスティックトリムリングの黄ばみを取る方法に関して説明しているが、なかなか黄ばみを取るのは難しい。再度、黄ばみ取り有効な方法として、Novus #1Novus #2 が有効だと紹介されていた。これらの製品は次のページで参照できる。

 

339.フロントパネルの穴埋め 2010年6月11日
 フロントパネルに空けられた穴をどう埋めるか。まず、パネルの裏側に不要になったクレジットカードなどで裏打ちをする。前から車の穴埋めパテで埋めると良い。パネルのテクスチャーはパネルの他の部分より型を取り、パテに写すと良い。その後、ペインティングすると何処を埋めたかが判らないくらいの仕上がりになる。その他の方法として、不要なフロントパネルがあれば、パネルの表皮を移植すればパーフェクトな仕上げを期待できる。もう、穴が開いているフロントパネルを諦める必要はない。

 

340.足の違い 2010年6月18日
 Sライン等の足についているアルミの延長カラーはレプリカが多く出回っている。オリジナルは斜めに切られていて、リグの傾斜を保てるようになっている。最近はレプリカでも精巧な物も出回っている。外見的に判らなければそれでも良いか。

 

341.VibrokeyコリンズEdition 2010年6月25日
 メンテナンスの話題ではありませんが、CW好きのコリンズファンの皆様。VibroplexからコリンズカラーのVibrokey CCA Editionが発売されます。2007年に発売されたモデルの写真が掲載されているページのURLを参考のために掲載しますので、ご参照ください。現在、準備中で詳細は同社までお問い合わせください。 http://www.vibroplex.com/specials.htm

 

342.Cetron 811A 2010年7月2日
 Cetronの811Aはネブラスカ等でいまだ容易に手に入り、信頼性が高い。そもそも、CetronはRCAから811Aの製造権を買収したと言われいて、その品質の高さには定評がある。しかし、必ずしも良い評判だけではない。ベースの取り付け、プレートキャップの取り付けが弱く、ともするとプレートキャップが半田付けごと外れるケースもあると聞く。しかし、30L-1の様に横に寝かせて使う仕様では、これに耐えられるのはRCAやCetron等の有名ブランドだといわれており、この点で優位性がある事は否めない。少しばかり高くてもやはり有名ブランドのものを買うべきである。

 

343.高圧整流管のソリッドステート化についての一考(2) 2010年7月10日
 「274.高圧整流管のソリッドステート化についての一考」で古い機械で高圧整流管をソリッドステート化するデメリットについて記載した。その後、次の様の意見も寄せられていたので紹介する。30S-1の様に、ステップスタートをする機械は整流管が温まり、高圧投入後、即電圧が立ち上がるのでソリッドステートと同様な動作となり、ソリッドステート化も違和感が無い。ステップスタートが無い機械は、整流管の電圧が徐々に立ち上がる特性との違いにより注意が必要。判りやすい説明だ。但し、ソリッドステート化すると整流電圧が若干高くなるのでこの点には注意が必要

 

344.Sprague 2010年7月16日
 Spragueのコンデンサはオーディオファンのみならず、コリンズファンにとっても馴染みがある。コリンズの機械をリキャップするときに、電解コンデンサはやはりSpragueのものをに拘りたいのは私だけではないであろう。そんな、Spragueだが、数年前に有名なAntique Electronicsに売却され、今や新しい生産ラインを立ち上げているので、当分は高圧コンデンサを含めたコンデンサ供給には不安はないと思われる。電解コンデンサは生ものなのでいくら有名メーカーのものあろうが、年数が経過したものは要注意である。この意味で、新しい生産が始まったニュースは非常に喜ばしい。

 

345.516F-2のリキャップ部品入手先 2010年7月23日
 MLで一番廉価な入手先として、Antique Electronic Supplyが紹介されていた(ラインを持っているので頷けますが)。同店の部品番号は次の通り。因みに、SpragueはMouserが一番高いそうです。
  • 30uf 500v Sprague Axial Electrolytic C-SA30-500  $9.95 4個
  • 16uf 475v Spraque Axial Electrolytic C-SA16-475  $6.25 1個
  • 10uf 450v Sprague Axial Electrolytic C-ET10-450  $1.40 1個
  • 10uf 160v Sprague Axial Electrolytic C-ET10-160  $0.55 1個
  • 0.05 1600v Orange Drop C-SD05-1600       $2.42 1個
                             合計 $50.42  + 送料(UPSで2千円位)

 

346.AGCの動きがおかしい 2010年7月30日
 KWM-2やSラインで受信音が歪っぽく、AGCが良く効いていない様に感じることは無いだろうか? 良く聞かれる症状だ。AGC時定数を司る抵抗やコンデンサーは問題が無い場合は、IFやRF段の真空管がボケている可能がある。無信号時のグリッド電圧を測定してみると判断がつく。75S-3Bの場合、マニュアルに記載されているRF(6DC6)のグリッド電圧は−1.2V、IF(6BA6)は−0.8V。それが、RF:−0.7V、IF:−0.5V位と若干プラス側に高くなっている場合は、真空管のグリッドリークが原因である。正規の電圧が出る真空管をセレクトすると、受信音が驚くほどよくなる。なお、真空管試験機を使用してもこの違いは検出は出来ない。

 

347.30S-1のリレー 2010年8月7日
 既に老朽化した30S-1にとって、いつ壊れるか判らないリレーは言わば爆弾を抱えている様なものだ。主なトラブルは接点の磨耗なので、今一度、接点を確認することをお勧めする。では、明らかに接点が磨耗している場合はどうしたら良いか? 残念ながら、既に部品は易々とは入手できない。問題となるリレーは、ステップスタートリレーK201、高圧リレーK203。

 K203は最近まで製造していたP&B社のPM-17DY-12が有力な代替品である。未だストックを持っている所はあるはずである。スペックは下記の通り。
Mounting Type Chassis Mount
Termination Style Screw Terminal
Circuit 4PDT (4 Form C)
Contact Rating @ Voltage 25A @ 277VAC
Coil Voltage 12VDC
Control Off Voltage (Min) -
Control On Voltage (Max) 9 VDC
Coil Current 364mA
Other Names PM 17DY 12、PM17DY12、PB507 ND、PB507ND、PB507

 K201は
かつて、WB7DYW、DutchがML上で、近くのショップで代替品を発見したとの情報を流し、限定された数だが配布したことがあったが、それ以降は代替品に関する情報は流れていない。制御電圧DC110V、接点容量25A以上で、接点数、形状を考慮して探すしかない。

 

348.KWM-380の弱点 2010年8月13日
 KWM-380の弱点が紹介されていた。メンテナンスの参考のために紹介する。
  • RG-174で基盤を繋いでいるが、このコネクターが安物で良く接触不要を起こす。
  • タンタルコンデンサが問題
  • 電源の黒いバイパスコンデンサが問題

良く発生するPLLのロック不良などは、これらの箇所をまず疑ってみては如何か?

 

349.KWM-2の送受信周波数ずれ対策 2010年8月20日
 KWM-2のSB(Service Bulletin)はオフィシャルにはSB-1からSB-10までだが、SB-11が存在している。これはVietnam Fix とも言われている。内容は、送受信でPTOの供給電圧が変化し、送受信で周波数が100Hzほどずれる現象の改善である。R131(33KΩ、2W)をツエナーダイオード(150V、1W)に変更する改造である。CCAの機関紙Signal等にその内容が記載されている。それらのリンクを紹介しておく。

 

350.コリンズの略語 2010年8月27日
 コリンズの調整マニュアル等でNLTという表現を見つける。感覚的には判るような気がするが、調整となると果たしてそれで良いのか不安になる場合がある。一般的には No later than と使われる事もあるが、コリンズ流だと No less than と訳す様だ。例えば、Increase the idle current NLT 50mA on the plate current meter reading. という具合だ。これを覚えておけば、安心して調整に専念できる。

 

351.30L-1の送信リレー交換 2010年9月3日
 30L-1の送信リレーはままトラブルが発生するが、多くの場合はリレー接点を磨けば解決する。これでも解決しない場合やリレーが稼動しなくなった場合は、リレーを交換する必要がある。この場合、リレーの動作電圧、接点容量、外見で選択するが、忘れがちなのはリレーコイルの抵抗値である。このリレーコイルは811Aのバイアス回路に挿入されているので、定格の部品を使用しないとバイアスが狂ってしまう。これを補正するために、リレーコイルにバラレルに挿入されているセメント抵抗である。これを調整すれば、概ねどんなリレーを使用してもバイアスを適正に調整することが出来る。これを覚えておくと便利である。

 

352.スピーカーインピーダンス(2) 2010年9月19日
 コリンズの75Aシリーズや51Jシリーズののスピーカーインピーダンスは4Ωだが、アクセサリーのスピーカーは8Ωだったりする。草創の受信機は3.2Ωだったりもする。負荷インピーダンスが大きいと、出力のスイングが設計より早く頭打ちになり歪の原因となる。コリンズはなぜ、この様なインピーダンスミスマッチを許しているのか。よく考えてみると、@頭打ちは最大出力の時であり、十分に余裕を持った小さな出力でスピーカーを鳴らしている時は、頭打ちの心配は無い。A特性インピーダンスは1KHzで測定した時に限り、音声帯域内では大きくインピーダンスは変動し、8Ωと4Ωの差は無視できる。インピーダンスが合っていることに越したことは無いが・・・。

 

353.32S-Xトランシーブ時の出力低下 2010年9月24日
 早期(60年代前半)の32S-Xでは、75S-Xとトランシーブをした時に、特にハイバンドで出力の低下が見られる。これは、受信機から局発の供給を受けるRCVR XTAL OSC INPUTにロード回路、R141(68Ω)、C191(0.01μF)が無いからである。
<32S-1>
全ての機械に次の改造が必要。V5の左側にあるJ7(RCVR XTAL OSC)とグランドの間に68Ω、0.01μFをシリーズに接続したロード回路を挿入する。また、J7とL18の間に100Ωに挿入する。
<32S-3>
前期の機械のみ改造が必要。J6の直ぐ裏側(スラグラックの裏側)にR141とC191が付いているかで見分ける。付いていない場合は、取り付ける。なお、全ての32S-3は上記の32S-1で説明した100Ωが挿入されているので不要。

 

354.Tube Checker を使用しないテスト 2010年10月2日
 「76.Tube Checker」で真空管テスターに関する考え方を述べた。真空管テスターが無い場合も、真空管のテストは次の手順で出来る。しかも、確実な方法と言えよう。
  1. フィラメントが切れていないかをテスターで調べる
  2. 各極間でショートが無いかをテスターで調べる
  3. 長期間保存していた真空管は、NOSでもヒーターのみを点灯させ真空度の向上を図る(セラミック管は必須)
  4. 実機に挿入して、期待通りの性能が出るかを調べる

なお、場合によっては3は省略可能。

 

355.コリンズのパテント 2010年10月22日
コリンズが取得したパテントは次の物がある。
  • 51Jのフロントパネルデザイン
  • PTOの発信回路
  • 補正機構付きの直線性PTO
  • 初期の機密のPTO

やはり、コリンズの偉大なPTO周りの特許が多い。一方、James Millenが取得したダイヤル機構の特許の使用権をコリンズが取得した事実は意外である。

 

356.KWM-2パーツリスト 2010年10月29日
KWM-2(A)のパーツリストをBill、HP3DXがExcelで作ってくれた。マニュアルのパーツリストは、例えば、回路図からパーツナンバーをキーに参照番号を見て、参照番号をキーに写真上で取り付け場所を参照する、といった具合に活用している思われるが、いかんせん、探すのが大変。彼の作ったExcelを使用すれば、Excel上の検索機能で一発で見つけられる優れもの。CCAのSB一覧のページに pdf 版が掲載されている。KWM-2/2Aの表の最上部「KWM-2 Conponent List」のリンクからダウンロード出来る。Excel 版を入手したい方は、彼にメールでリクエストをしてください。

 

357.真空管送信機の同調手順 2010年11月5日
 真空管送信機はバンドやアンテナを切り替えた時に同調操作を強いられる。これが一興でもあり、面倒でもある。同調操作には種々の手順があるが、各マニュアルに記載されている共通的な要素を取り入れた手順が紹介されていた。この手順の目的は、@最小限のファイナル負荷、A最小限の不要輻射、Bオーバードライブの防止。毎回この手順で実施するかは別の問題として、調整方法の原点として知っておくと良い。
  • 送信機をダミーロードに接続する。
  • TUNEポジションでグリッド電流を少々流す。
  • DRIVEを調整し、グリッド電流を最大にする。
  • LOAD、PLATEでプレート電流の最小値を探す。
  • 送信機をアンテナに接続する。
  • LOCKポジションにして、DRIVEで出力最大、LOAD、PLATEでプレート電流を規格値内で最小。この過程で、プレート電流は常に規格値を超えない。
  • この後、リニアアンプに接続しリニアアンプを調整する。

 

358.抵抗 2010年11月12日
 カーボン抵抗は経年変化により抵抗値が高くなる。既に抵抗値が変化した抵抗をその実行値で使用する事は出来るが、将来的にその値で安定する事は期待できない。金属皮膜抵抗は安定しているが、高抵抗は皮膜に溝を掘り抵抗値を稼いでいるので、若干のインダクタンスがあり、高電圧をかけると溝の間にアークが飛ぶ事があり、高負荷をかけると皮膜が気化して断線状態となる等、取り扱いに注意すべき点がある。

 

359.真空管送信機の同調手順(2) 2010年11月19日
 「357.真空管送信機の同調手順」で調整方法の原点をお伝えしたが、ここでは調整のセオリーを説明したい。

 送信機のタンク回路は並列同調回路である。この様な回路では同調周波数は回路のQにより変動する。これは、直列同調回路とは異なり、直列同調回路では同調周波数は常にL・Cとの相関関係にある。

 つまり、LOADを調整するとQの実効値が変化し同調周波数も変化する。具体的には、同調点におけるプレート電流のディップはLOADを増やすに従い浅くなり、LOADの最大点ではディップは見つからなくなる。言い換えると、アンテナ回路との結合を密にするほどディップは見つけにくくなる。このときはLOADを減らす必要がある。

 この事より、ファイナルの同調を取るときには最小のLOADから始め、LOADを少しずつ増やしながらPLATEとLOADを交互に調整し、仕様通りのプレート電流が流れるようにする。この点が適切なLOADを与える調整点となる。

 全ての同調操作が必要な送信機はこの考え方で同調を取ることが出来る。

 

360.30S-1の冷却システム 2010年11月26日
 KWS-1から30S-1へと時代の変遷に伴う冷却システムの進化をまとめてみると、次のようになる。
  1. ブロアの噴出しカバーをブロアにマウントさせ気流を効率よく玉に送るようになる
  2. ブロアの噴出し気流のインピーダンスと4XC1000Aのフィンの受け入れインピーダンス(空気抵抗)のマッチングを取った。
  3. 層流を起こさせるブロア速度を選択し、空気が効率よくフィンからの熱を奪えるようにした。(層流とは常に管軸と平行に流れる気流の事で、管軸から気流への伝達効率が最も良い状態を作り出せる)

 この事より、パワーアップまでは考えなくとも、余裕度を持たせるために4XC1000Aを4CX1500Bに交換したり、強力なブロアを搭載する事は、かえって計算しつくされた冷却システムのバランスを崩し、場合によっては逆効果になる事が良く分かる

 

361.ヒーター電圧(2) 2010年12月3日
 車載用機器用に開発された真空管はヒーター電圧の許容範囲が広い。例えば、6146A、6146B、6146Wはダークヒーターと言われ、電圧許容範囲が±20%有る。この類の真空管を使用すると、ヒーター電圧は5V〜7.5VまでOKで、115Vの電源電圧に換算すると92V〜138Vとなる。これなら最近の米国における高めの電源電圧でも耐えられる。因みに、通常のヒーター電圧の許容範囲は±10%で、ヒーター電圧:5.6〜6.9V、電源電圧:103〜126Vとなる。但し、「200.ヒーター電圧」でヒーター電圧と真空管の寿命について書いた通り、寿命は電圧が高くなると確実に短くなる。

 

362.足の固定ボルト修繕 2010年12月10日
 足の固定ボルトが抜けてしまった場合の修繕方法を紹介する。軽い機械ではねじ切らない限りこの問題は発生しないが、30L-1の様な重い機械では、まま発生する。一サイズ大きいボルトを用い、Tap Magic というネジのタップ切り補助剤を使用する。手順は、壊れたタップにTap Magic を塗る。更に、油を塗ったボルトを差込みタップを切る。タップに残っているゴミを取り除き完成。大きなサイズのネジを無理やりねじ込むより成功する確率は高い。なお、ボルトは足を軽く固定する程度に留め、強く締め付けないこと。

 

363.黄ばんだトリムリング(5) 2010年12月17日
 「292.黄ばんだトリムリング(3)」で紹介した黄ばんだプラスティックを白くするプロジェクトで、非常に効果的な方法が紹介されていた。コーンスターチ等でGELを作り、これに過酸化水素水(オキシドール)を混ぜ、トリムリングに塗り、太陽の下で紫外線に当てる。これを繰り返すと新品に近い白い色が戻ってくる。少し面倒な方法だが非常に効果的だと評価されている。詳しくは次の Retr0Bright の個人検証のページを参照願いたい。

 

364.SラインでAM 2010年12月24日
 「61.SラインでAM」で改造方法が掲載されているWD7DYWのサイトを紹介したが、リンクが無効になっているので改めでCCAのサイトに掲載されている資料を紹介する。同様にBFOを注入する方法である。

 

365.D-104(2) 2010年12月31日
 「84.D-104」でWのコリンズファンの間ではAstaticのクリスタルマイクD-104が未だに根強い人気があると書いたが、日本では余り人気が無い。その理由はキンキンした音にあるが、次の様な特性を知れば上手に使うことが出来る。
  • D-104に使われているクリスタルカートリッジは出力電圧が非常に大きく、プリアンプなしでも使える。後期型のD-104に内蔵しているアンプの目的は出力レベルの補完ではなく、低インピーダンスへの整合である。
  • D-104のピークは500Hz〜4KHzにあり、ピークはなだらかである。
  • クリスタルカートリッジはキャパシディブなので、理想的には負荷抵抗が無限大の状態で使うべき。その点、KWM-2はマイク入力インピーダンスが非常に高く良く適合する。トラの機械の様に低インピーダンスで使うと負荷抵抗分により低音が伸びなくなる。
  • D-104の内臓アンプの入力インピーダンスが470KΩに対して、KWM-2の入力インピーダンスは1MΩある。
  • キャパシタンスが大きいケーブルを使うと高温が伸びなくなる。

 

366.PTOのクリスアップ 2011年1月7日
 「23.PTOのレストア」でPTOのレストアに関して解説した。この時にどの様なグリスを使用するかは、重いダイヤルの再発防止に重要なポイントとなる。グリスについて一考する。
  • 黒い二硫化モリブデン入りのグリスは入手が容易で物性も安定していて良い。
  • オリジナルは白いグリスを使っているようだ。これはプラスティックギア等に使う、ホワイトリチウムグリスという製品がある。製品によっては半年で凝固する場合があるので要注意。合成油を使用したホワイトリチウムグリスは物性が安定していて凝固することはないと言われている。例えば、GC Electronics社の製品番号19-2302という製品。30gで$5。
  • もっと拘るのであれば、コリンズが51J等で推奨している航空用グリスを使うと良い。Shell社のAeroshell No.7という製品。現地で400gで$12。長期間凝固せず性能は航空用だけあり抜群。

 

367.30S-1のReady表示 2011年1月14日
 30S-1は3分の余熱時間が経過する迄はONボタンを押しても高圧が入らない様になっている。しかし、3分が経過したかどうかはボタンを押してみないと判らず、時としてじれったい。これを簡単な改造により、メーターランプ(DS204、205)が3分経過後にのみ点灯する様にし、判るようにする。メーターランプはBIAS供給用のT203とグランドの間に繋がっている。このT203側を、3分のタイムリレーであるK202とOFFスイッチに繋がっている箇所に繋ぎ替える。これにより、メーターランプはK202が3分経過後にクローズした時にのみ給電される様になる。なお、この改造後も、メーターランプは相変わらずT203から給電されるので、低圧回路の負荷バランスは変わらない。配線を一箇所変更するだけで3分間のイライラから開放される優れたアイディアだと言える。

 

368.KWM-2の受信復帰が遅い(2) 2011年1月21日
 「160.KWM-2の受信復帰が遅い」で6146のスクリーンからの二次輻射が発生するとこの現象が発生すると書いたが、その他にもコンデンサの劣化によっても発生する。V14(VOX制御部)に供給されているDC275Vとグランド間に繋がっているC47(400V 0.047μF)がリークを起こしていると発生する。製造が比較的新しい機械は400V 0.068μFを使用しているので、この際この値に交換すると受信復帰がよりスムーズになる。

 

369.KWM-2のAGCボード(2) 2011年1月28日
 「256.KWM-2のAGCボード」でKWM-2のAGCのハングタイムを長くし、強力な信号でも歪みにくくするボードを紹介した。今般、その動作の模様がYOU TUBEに紹介されていたので、ボードのページと伴に紹介する。

 

370.30L-1のMULTIMETERの簡易更正法 2011年2月4日
 TUNEポジションでリニアの同調状態を指示するMULTIMETERの容易で正確な構成方法が紹介されていた。
  • 30L-1を50Ωのダミーロードに接続する。
  • エキサイターから14.1MHzで25Wの電力を供給し、IP=400mAで出力が最大になるように調整する。
  • 次にエキサイターの出力を上げ、素早くIP=600mAで出力が最大になる様に調整する。
  • 一旦、送信を止め、次にメータをTUNEに切替える。再度送信し、C18を調整しメータ読みが0になる様にする。

 一気にIP=600mAで最大出力を見つけても良いが、811Aを守るために一旦400mAで調整する手順を推奨する。

 

371.MULTIMETERを使った調整方法 2011年2月10日
 コリンズが30S-1や30L-1で採用している画期的なMULTIMETER(以下、MM)を使った正しいリニアの調整方法を今一度おさらいしたい。
  • まず、MMが0を示すようにLOADを調整する。
  • PLATEを調整してPLATE電流をディップさせる。
  • MMの指示が0からずれるので、再度、LOADで0に合わせる。
  • PLATEを調整してPLATE電流をディップさせる。
  • 以降、この操作を繰り返し、PLATE電流がディップした所でMMが0を指示するようにする。

 この手順はMMが更正されている事が前提となる。簡易な構成方法は「370.30L-1のMULTIMETERの簡易更正法」を参照願いたい。

 

372.KWM-2の受信復帰時のスパイク 2011年2月18日
 送信から受信に復帰するときに一瞬パワーメータが大きく振れ、他の受信機で確認するとクリック音が出る機械がある。KWM-2はファイナルケージ内に送受信切替リレーであるK3があるが、この振動がドライバーであるV3(6CL6)に伝わり、これがマイクロフォニックノイズとして、ファイナルと励振するためである。この解決方法は、マイクロフォニックノイズが少ないV3を選ぶ事である。その他、マイクラインがPTTの電圧(30V)を拾う原因や、VOXの問題などが原因している場合があり、この対策は万能では無い様である。

 

373.516F-2のリキャップ 2011年2月25日
 送信機のハムや送信出力の低下がある時は、516F-2のレギュレーションを疑い、リキャップを計画すると思われるが、次のリキャップのノウハウ覚えておくと良い。現代の電解コンデンサーは当時の物と比較し、サイズが小さく耐圧、容量が大きく、516F-2のレギュレーションを改善するには絶好の代替品となる。但し、容量には注意が必要である。容量を増やすと負荷が掛かったときの電圧がオリジナルより上がるので、電圧を確認する必要がある。特に、中圧275Vラインに挿入されているC5A(15μF)は容量を増やすべきではない。

 

374.30L-1でWARCバンドに出る (読者の方からの情報) 2010年3月5日
 JA1COR 長山と申します。
 このたび、30
L-1WARCバンドに本体改造なしで出られる方法を見つけました。便利に使っていますので紹介します。あるいはもう同様な方法を採用されているかたがいらっしゃるかもしれませんが・・・。記事は以下のURLのブログで参照出来ます。WARCバンドに出てこられる管球リニア愛好者が増えたらうれしいですね。 とくに理解困難な部分はないと思いますが、質問などが有ればご連絡ください。ある程度答えられると思います。
 http://vacaconajo.blog133.fc2.com/ 

 

375.マイクインピーダンスの測定方法 2011年3月12日
 マイクインピーダンスはテスターでは絶対に測定してはいけない。クリスタルマイクのエレメントならいざしらず、ダイナミックマイクのエレメントを測定すると、テスターから出力される直流でマイクを磁化させ、最悪の場合は壊してしまう。次のように測定すると良い。マイクに既知の負荷抵抗(XL)を接続、マイクから一定の音を入力し、その時の抵抗の両端に発生する電圧(V1)を読む。負荷抵抗を2倍にして、同一条件で音を入力する。この時の電圧(V2)を測定する。あとは、数学の問題である。解は次の通り。

  Xm=2XL(V2−V1)/2V1−V2

Xm:マイクインピーダンス、XL:負荷抵抗値、V1:始めの負荷電圧、V2:2回目の負荷電圧

なお、これは或る周波数での静的なインピーダンスである事はいうまでも無い。通常は1KHzで測定する。

 

376.30L-1における572B(2) 2011年3月18日
 「4.30L-1における572B」で811Aの代わりに572Bがそのまま差し替えられると紹介した。572Bはプレート損失が811Aの2倍以上あるので、4本使うと最大負荷で電源が持たない。572Bを2本で使うケースが見受けられるが、811Aが4本の負荷に設計されたタンク回路を572Bを2本で使うとQの低下を来たす。やはり、30L-1は811Aを4本で使うアンプである。

 

377.電源コネクターに注意 2011年3月25日
 75S等で使用している電源コネクターのシェルが金属のものがあるが、感電に注意! こんな書き込みが先日有った。75Sでは11ピンコネクターの2番、7番ピンに電源が接続されているが、これが金属シェルに当たり、シェルに電圧が掛かる場合がある。これを防止するために、絶縁体(紙、等)のフードが挿入されているが、これが無くなっている物は要注意。

 

378.ケーブルの束線 2011年4月1日
 「109.コリンズ結び」でコリンズが採用している束線方法を紹介したが、種々の束線方法を方法を解説しているサイトが有るので紹介する。束線に関するノウハウが得られるので参考にすると良い。なお、束線は緩まないようにしたいが、余り硬く結ぶと配線間の絶縁破壊が発生する可能性があるのでほどほどに。
  www.dairiki.org

 

379.312A-1 2011年4月8日
 Gold Dust Twinsと異名を持つ、KWS-1/75A-4の組み合わせに用意されたスピーカーには、270G-2、270G-3、312A-1、312A-2のバリエーションがある。その中で、312A-1、312A-2はレアで高価なアイテムとして収集家の中で垂涎の的である。この特徴は、Limilinesと言われる蛍光灯の形をしたGE社の白熱電球が使われている事である。この電球は最近は殆ど使われなくなっているが、我々日本人から見て如何にも奇妙な形をしている。更に奇妙な事としては、PTOをデザインしたTed Hunterがコリンズをスピンアウトして設立した、リニアでお馴染みのHunter社の機械の中には、この電球に周波数メモリを直接印刷してある物がある。電球が切れたら周波数メモリも交換する事になる。普通では考えられない発想である。

 

380.Fundamentals of Single Side Band 2011年4月15日
 SSBの原理が解説されている同書。私は読みたくて以前、Wのオークションで$100で入手しました。これが、CCAのサイトでpdf化され公表されています。英語に自信がある方は是非読んでみて下さい。私もHPで紹介しています。

 

381.接点復活剤(2) 2011年4月22日
 「28.DeoxIT」で接点復活剤はベークのロータリースイッチを傷めると書いた。接点復活剤がベークに吸収され、ベークが膨らんだり、最悪の場合はベークが崩壊するというのが通説であった。しかし、Wの或るOMがベークのロータリースイッチを接点復活剤、溶剤に浸す実験をしたが問題は無かった、という実証がきっかけとなりこの説に変化が現れた。
  • 長年、接点復活剤を使っているが問題はない。
  • 接点復活剤を大量に使わなければ良い。
  • 接点復活剤は揮発性で揮発後は絶縁性となる。
  • 接点復活剤より潤滑油(CRCの様な製品)の方が吸収されやすく問題がある。

これらより、「少量を接点に吹き掛け通電をする前に溶剤(KUREエレクトロニッククリーナー等)で余剰を除去すれば問題は無い。潤滑油は注意が必要」というノウハウが見えてくる。ただ、一点注意が必要なのは、ベークの種類により以上の結果は異なることだ。コリンズはベークの経年変化に注意を払い良質のベークを使用している様だが、民生用のラジオ等に使用されている安いベークは材質におがくず、木粉、繊維等が混入されており、物性の安定性に問題がある。これらのベークを使ったロータリースイッチには問題発生を避ける意味でやはり接点復活剤の利用は避けるべきではないか。

 

382.HF/KWM-380の生産について 2011年4月29日
 2000年に開催されたCCA National Convention でHF/KWM-380の元生産ライン長である Jim Maccani よりHF/KWM-380の生産に関し、次のような情報提供があったので紹介する。
  • KWM-380はシリアル番号(以降S/N)1600番まで量産された。量産の最終段階ではSB9までが適用された。ラインでの生産はS/N2100番で終結された。なお、S/N1601〜1999番は付番されずに飛ばされた。S/N2100〜2200では最終のSB18までが適用された。S/N2200以降では一部もしくは全てのSILが適用された。
  • HF-380はS/N1250番で概ね全ての改善が適用された。最終の生産はS/N1350番近傍である。全生産台数は約600台で、多くのS/Nが飛ばされている。最終期の生産では、KWM-380のシャーシーやS/Nも流用された。S/N51以降はReceiver-Exciterボードが変更され、ボードには-002の枝番が付いている。HF-380の生産においては、故障率改善のために工場でのエージング時間が24時間から72時間に延長された。全てのボードに付与されたMCNはS/Nと対応付けされ記録されいている。最後に生産されたHF-380は政府に$1600で売却された。軍用に供給された機械はデータ通信のために3KHzのフィルタが搭載されたり、外部電源が準備されたものがある。

 

383.Allen Bradley 2011年5月7日
 抵抗器メーカーのAllen Bradley社(以下AB社) はオーディオファンの間では人気が高いが、コリンズ御用達の部品でもあった。コリンズではアポロ計画の要件としてAB社の2〜5%精度のソリッド抵抗をもっぱら使用していた。それはとりもなおさずAB社の品質管理が高いからである。アポロ計画ではNPC-200-3という品質管理基準が有ったが、AB社は同社の基準の方が高いと主張、NPC-200-3を採用するかAB社を採用するかを迫ったという。Art Collins はそれを良く知っており、AB社の製品を使ったという。アポロ計画で使用された部品は半田付けはせず溶接された。部品のリード線の径の誤差は0.001インチ以内といわれている。

 

384.ブリーダー抵抗 2011年5月13日
 516F-2の背面にパンチングメタルのケースがあるが、この中にはブリーダー抵抗が入っている。これらはR3〜5で、高圧、中圧のブリダー抵抗である。ブリーダー抵抗の目的は、@は負荷変動に対する電圧変動を抑える、A電源のリップルを改善する、B電源オフ後に平滑コンデンサーのチャージ電圧を吸収する。この為、ブリーダー抵抗は常時エネルギーを消費し高温となる。事実、516F-2のブリーダー抵抗は百数十度となる。 この為に、ケージで保護されている。

 

385.梱包について一考 2011年5月22日
 コリンズなどの中古の機械はオークションで売買し、宅急便で送る事を日常茶飯事としている。この様な流通形態を取っているだけに、託送中の事故は後を断たない。一つの原因として、貧弱な梱包が挙げられる。重量物はいわゆるプチプチと言われる気泡緩衝材やまゆの形をした充填緩衝材では守れない。事故防止策として推奨するのは、二重箱として四隅を発泡スチロールで支持し充填緩衝材で隙間を埋める。面倒な様だが、事故が発生した際の後処理の面倒さと比較するとどちらが良いか。

 

386.メータ分解時の注意点 2011年5月27日
 本ノウハウ集では、「134.メーターの引っ掛かり」、「172.曇ったメーターのガラス」等、メータのメンテナンスに関する数々のノウハウを紹介しているが、この前提であるメータを分解するまでが一苦労だ。新しいメータはメータの稼動部をケーシングに止めてある3箇所のネジを外すのが大変である。ネジは接着剤で止めてあるのでこれをカッターナイフ等でそぎ落とし、ネジを回りやすくする。しかし、ネジは内部で接着されているので簡単には回らない。しかも、このネジは真鍮製なので頭をナメ易い。ポイントは太さ、長さがネジにぴったり有ったブレードのドライバーを用いて慎重にネジを回すことである。少しでもネジと合わないドライバーを使用すると、必ずといって良いほどネジの頭をナメる。ナメてしまうと、開放を諦めるかケーシングを壊すしか解決方法は無い。ネジが外れたら、稼動部を壊さないようにとにかく注意しながら作業を進める事。非常に神経を使う作業である。メータのメンテナンス作業に関するその他のノウハウは、「25.メータのガラス」を参照願いたい。

 

387.Hammond Museum of Radio 2011年6月3日
 カナダのOntarioにあるトランスや筺体のメーカーであるHammond Manufacturingの付属施設であるHammnd Museum では、この会社が1920年代に製造していた無線機を始として、種々のボートアンカーが展示されている。ここにCCAも協賛しており、CCA会長のFloyd Soo、W8RO がコリンズ関連の機器の保守支援をしている。興味ある機械が提示されているので、Hammnd Museumのサイトを訪れてみては如何か。

 

388.516F-2セレン整流器の再生 2011年6月10日
 516F-2のバイアス回路に使われているセレン整流器は壊れやすい。壊れたら大抵の場合はシリコンダイオードにさっさと交換してしまうが、少し凝った交換方法が紹介されていた。セレン整流器の黒いケースに中に、シリコンダイオードを仕込む。まず、黒いケースから内蔵物を取り出す。この時、リード線が付いている2つのプレートの間に1KV2.5Aのダイオードと100Ω1Wの抵抗を直列に接続して、ケースに仕込む。仕込んだ後にエポキシ材で固める。これにより、元のセレン整流器と外見上の見分けはつかない。詳細は、Jhon、K4OZYのページを参照願いたい。

 

389.Sラインの出力 2011年6月17日
 SラインやKWM2の出力は次の通りに計算できる。定格のEP=800V、メータ読みのIP=230mAの時、スクリーンに25mA流れるので、入力=800×(230−25)/1000=164W。AB1で動作しているので効率=60%として、出力=164×0.6=98.4W。この値の正確さはEPの測定誤差と電圧メータ読みに掛かっているが、目安として知っておくと便利である。なお、IPの読みはPLATEをディップさせたときの読みとする事は言うまでも無い。

 

390.ピーク出力計 2011年6月24日
 「389.Sラインの出力」で出力の計算方法を説明したが、ここではSSB出力の測定に関して紹介する。SSBはピークメータではないと、出力が測定できない。ピークメータの市販品は数々あるが、312B-4を安価にピークメータにするユニットとしてW8RO、Floyd SooのHI-RES Communicationsが扱っているPDC-1がある。そのほかにも、Bird43等、どんな平均電力計にも適用が出来る。送料込みで$31.9。

 

391.IPとIGの挙動 2011年7月1日
 SラインやKWM-2のIPとIGの挙動は次の様になる。ファイナルにNFBが掛かっていない場合は、IPのディップ点ではプレート電圧のスイングが最大となるため、IGは増加する。NFBが掛かっていると、IPのディップ点でNFB量が増加し、IGを減らす方向に働く。この為にIPが変動しても増幅度は一定となり、直線性が保たれる。同様な動きがTUNEとLOCKポジションにも見られる。TUNEポジションではスクリーン電圧が低減されて増幅度が抑止されている為、IGが多く流れる。LOCKにするとスクリーン電圧が増加し、増幅度が増加する為にNFB量が増加し、IGが抑止さる。この為、規定出力を得るためにはMIC GAINを上げてIGを増加させる必要がある。チューニング操作では馴染みがある挙動だが、理屈を説明されると、なるほどと頷かずには居られない。

 

392.Sラインのデザイン 2011年7月8日
 Sラインは Gene Senti がデザインしたKWM-1がベースとなり、コンパクトな機械に仕上がっている。ただ、概観は大いに異なる。KWM-1は角ばった筺体でのっぺりとした灰色のフロントパネルを持っているのに対して、Sラインは角が丸く梨地のフロントパネルを持っている。58年当時、次世代のコンパクトなアマチュア無線機の開発を担当したチームが Art Collins とデザインを検討した時に、チームは当初、灰色のっぺりしたフロントパネルを提案した。しかし、Art はもっと豪華に見える外見を要求し、所有していたライカのカメラを持ち込み、このボディーに施されている梨地を採用するように指示した。検討の結果、薄いアルミ板に梨地を施し、これを前面パネルに貼る事とした。これで、梨地の加工のし易さと、パネルの強度の両立を図った。なんと賢いアイデアであろうか。こうして、Sラインはあの美しい外観に仕上がった。(Collinsの元開発メンバーから)

 

393.KWM-3 2011年7月15日
 「392.Sラインのデザイン」でSラインの開発秘話の一端を紹介したが、ここではKWM-3の開発(?)秘話を紹介する。KWM-3は Eric Tedley 率いる開発チームが担当した。KWM-3は718Uをベースに、最低周波数を2MHzより1.8MHzとし、100Hzステップを10Hzステップに変更する予定であった。その後、まもなく Art はKWM-3への興味を失い、開発はあえなく中止となった。(Collinsの元開発メンバーから)                  718U⇒

 

394.RCAコネクターの修理 2011年7月22日
 コリンズの機械で厄介なのは、背面のRCAコネクターのセラミック部分にヒビが入り抜けやすくなることである。この様な場合は、エポキシ系の接着剤でセラミック部分を固めると良い。丁度良い具合に接着剤を充填すると、抜けにくくなる。エポキシ系の接着剤の中には修理痕が目立たない白い製品もある。CCAメンバーの推薦する製品の一例として、Loctiteがある。高温に耐性があるのが特徴である。検索エンジンで調達先を調べ見ると良い。

 

395.メインダイヤルが重いとき(2) 2011年7月29日
 Sライン等のメインダイヤルが重い時の対処方法としてPTOのアライメントに関して「221.メインダイヤルが重いとき」で解説をしたが、その他の対処方法を含めまとめると、
  • メインシャフト中心のダイヤルタッチ調整用、偏心ナットを調整。
  • PTOのアライメントを確認する(既出)
  • PTOのダイヤル目盛とアイドラーギアの噛みあわせが硬くなっていないか。ネジを緩め調整。
  • PTO内部のグリスが硬化していないか。PTO分解、シャフト清掃、グリスアップ。

 

396.クリスタル調達先(2) 2011年8月5日
 「159.クリスタルの供給元」でバンド水晶の供給元を紹介したが、BFOクリスタル、マーカークリスタルの供給元として、フィルターで有名なInrad社がある。BFOクリスタルはUSB、LSB、CW(455.00KHz、455.80KHz)が$20で販売されている。値段もリーズナブルで、チェックする価値ありと思う。

 

397.便利な簡易SG 2011年8月12日
 Sライン等のSメータの補正に便利で正確で易いSGが紹介されていた。ElecraftのXG2。80m、40m、20mで1μV、50μVを正確なレベルで発信する。$80でラボ並みの精度の信号源が得られる。詳しくはElecraft社のページで。

 

398.プローブ利用上の注意 2011年8月19日
 HP-410のプローブの様なダイオードを使用しているハイ-インピーダンスのプローブは、蛍光灯に近いところで測定をすると、ノイズを拾う。この為に、低レンジで信号が無いにも関わらず、指示がスケールの半分近く振れることもある。そして、プローブと蛍光灯の距離により指示が変化して、何を測定しているか分からなくなる。測定の混乱を避けるためにも注意を要す。因みに、硝子ケースに封印されたダイオードは光により抵抗値が変化する事も忘れてはならない。

 

399.コリンズ発送専用BOX 2011年8月26日
 相変わらず、発送に関するトラブルが報告されている。これらを一掃する期待が持てるコリンズ発送専用BOXが売られている。コリンズ以外にもドレーク、ETOアンプ等、他社の製品の専用BOXもある。一度、チェックしてみては如何か。HAM RADIO BOXES.com

 

  [目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]