メンテナンスのヒント集 |
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【掲載ポリシー】 ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。 ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。 ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは未検証のまま掲載するケースもあります。 ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。 |
1100.電源トランスの嵩上げ | 2025年3月8日 |
KWS-1の古いタイプはトランスがシャーシーに直付けしているが、新しいタイプは嵩上げがされている。これは、電源トランスのフラックス(磁界)によりシャーシーに錆が発生するのを防止する目的だそうだ。フラックスが錆を誘発するのは知らなかった。わざわざ嵩上げするのだから、それは確かだと思われる。 |
1101.コリンズのパワー調整(5) | 2025年3月15日 |
今まで何回かこの話題について触れてきたが、各案は一長一短があった。この中、先日ベストな方法が提唱されたので紹介する。要約すると、出力をサンプリングしてALC電圧を作り、ALC端子から送信機に戻す。簡単ではあるが付加回路が必要なところがこの案の唯一の欠点ではあるが。詳細な説明は次のサイトで確認できる。 2015-09-23 Collins KWM-2 Power Reduction.doc (qsl.net) |
1102.PTOの雑音 | 2025年3月22日 |
75S-XでCWを聞いていると音が濁って聞こえる機械が有る。これはPTO(70K-2)に搭載されている6AU6のヒーターからカソードへの交流分のリーケージである。真空管は製造過程で特性のばらつきが有るので、6AU6を多数持っている場合は、最もこの「濁り音」が小さいものを選べばよい。そのばらつきは、WのOMの実験結果では最悪で−20dBcで、優秀な場合は−50dBcとなっていた。こんなに違うと明らかに音の違いとして現れてくる。もう一つの改善策として、Tubesterを使う事だ。半導体化するのでヒーターからのリーケージの問題はなくなる。またヒーターを直流点火にする案もあるが、改造を要し手軽ではない。試しに、3.5MHzでマーカーをONにして、トーンのピュリティーを聞いてみると良い。気になる場合は対策をされても良いかと思う。 |
1103.CP1の腐食 | 2025年3月29日 |
CP1に収納されている水晶に緑色の酸化物(緑青)が発生しているのを見た事が有ると思う。これは、水晶のケースから流出した「銅」と収納袋のビニールから流出した「塩」分から成る。水溶性なので簡単に落とすことが出来るが、収納袋の劣化は止められず、緑青は繰り返し発生する(周期は可なり長いと思われるが)。 |
1104.発振不良のクリスタル | 2025年4月5日 |
発振しなくなったクリスタルの一つの原因に、内部の発振子を支え、接続しているリード線の接触不良がある。ダメもとでケースを封印している半田付けを外し、ケースを外し、発振子とリード線の接続部分に水半田を少量たらす。これで解消できる。仕様に合ったクリスタルの再入手が難しくなっている現在、やる価値はある。 |
1105.180S-1(2) | 2025年4月12日 |
180S-1は使う時に注意が必要と書いたが、その堅牢な作りに魅了され使いたいと思っている方もあると思う。その場合は次の様に使えばよい。基本的二へ移行フィーダーで使う様に設計されているが、同塾ケーブルの芯線を一つの端子に、シールド線を筐体に接続すれば使える。種々の制約はあるが、トライアンドエラーで使える条件を探ればよい。これも楽しみであろう。 |
1106.516F-2の電圧 | 2025年4月19日 |
送信時の電圧の上下限に関してマニュアルのSection5に次の様に記載されている。516F-2のメンテナンスの基準となる。 ・ ヒーター電圧 6.3V±0.3V ・ 高圧電圧 690V〜970V ・ 中圧電圧 250V〜310V |
1107.MP-1 | 2025年4月26日 |
MP-1はKWM-2等をモービルで使う時の電源である。つまり、DC12Vで使える516F-2に位置づけられる電源である。最近はわざわざモービルでKWM-2等を使おうとする人は稀なので、この電源に対する需要は殆どない。しかしながら、ここのところ、Wの電源事情の変化から、従来AC115Vで使う前提の516F-2がAC120V以上で使われているのが実情である。このため、各部の供給電圧が高圧に振れ、特にヒーター電圧は問題となっている。また、場所によっては電源電圧の変動に伴う周波数変動に悩まされる場合がある。おのおの対処方法は既知であるが、いっその事、それらの影響が無いMP-1を使う案が遡上し、既に実践しているOMもいる。MP-1を使うとDC点火になるのでハムの点で有利というおまけもついてくる。以上はWの事情だが、KWM-2のDCでの運用はモービル以外にも興味深いアプリケーションがありそうだ。 |
1108.Sメータの指示誤差(3) | 2025年5月3日 |
「575.Sメータの指示誤差(2)」で、Sメーターのリニアリティーを改善するDonald、K4LAJの付加ボードを紹介したが、更に大切な視点があるので補足したい。75Sで問題が多い0設定が安定する事、電源投入時のメーターの振り切れが無くなる事があり、更に、このボードの魅力を感じる。回路図は既に紹介しているURL先を参照願いたい。また、彼のQRZ.comのサイトで製品化されたボードの外観が見れる。 |
1109.KWM2のVOX回路 | 2025年5月10日 |
KWM2の送受信切替の不調(受信への復帰が遅いなど)は回路構成上、VOX回路の不具合が原因となる。この場合はVOX Relay
Actuator(V4B:6AZ8)やその周りの部品をチェックするとよい。 V4Bは、受信時はカットオフ状態になっているが、グリッドに前段のVOX回路からのプラス電圧が印加されると導通状態になり、プレートに繋がった送受信切り替えリレーK2が稼動する。同様に、受信状態ではカソードがTR275Vにより約+18Vプルアップされていて、対するグリッドが十分にマイナス電位になっているので、カットオフ状態となりK2が稼働しないが、PTTを押下すると、カソードがグランドにショートされグリッドとほぼ同電位となるので、導通状態となりK2が稼働する。 この際にグリッドの対カソード電位が微妙となる。例えば、よく問題になる68KΩ2W×2が経年変化により抵抗値が上がった場合は、カソード電圧が下がり、結果、対カソードのグリッド電圧が相対的に上がるので、V4Bは導通状態となる。送信時に発熱が多くなった時だけ68Kの抵抗値が上がれば送信から受信に復帰するときにグリッドの対化ドード電圧が下がらず復帰がスムーズにゆかなくなる。 また、送信時にプレート電圧が下がっても同様で、最悪は送受信を繰り返すいわゆるチャタリングが発生する。 この様に、V4B自体だけではなく、その周りの電圧、その変化の原因となる部品をつぶさに検証する事が必要となり、結構厄介である。 |
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