メンテナンスのヒント集 |
[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-] |
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【掲載ポリシー】 ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。 ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。 ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは未検証のまま掲載するケースもあります。 ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。 |
600.Arther Collins の旧家が売りに出されている | 2015年7月25日 |
CCAメンバーがたまたま見つけたらしい。彼が1930年代に住んでいた住居らしい。 1720 6th Ave Se Cedar Rapids, IA 52403 $89,900 真贋に関する種々の書き込みがMLに有り、当初は住所表示が資料と異なると言う異論もあったが、建物の外観から判断して本物らしいという結論になった。誰かがコレクションとして買うのだろうか? |
601.KWM-380のマイク入力 | 2015年7月31日 |
KWM-380のSB-1では、この時代のマイク出力に適合させるめに、マイクアンプのゲイン上げた。この為に、マイクアンプ(オペアンプ)の帰還抵抗R554を100KΩから1MΩにしている。しかし、かえって最近の高出力のHiFiマイクを使用するとDMBが過入力となる可能性がある。これを270KΩ位に押さえるとマイク入力の調整がしやすくなる。KWM-380のマイクゲインは9時〜10時方向で可也クリティカルに変化するが、これを感じる方はこの改造を試してみると良い。 |
602.PTOドリフト対策(2) | 2015年8月8日 |
「514.PTOドリフト対策」でJim
Miller、N4BEのPTOレストアマニュアルにドリフト対策が解説されていると書いた。要約すると、次のコンデンサーの交換が対策となる。
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603.コリンズのロゴの使用 | 2015年8月14日 |
QSLカード等にコリンズのロゴを使用する時にはどの様な手続きが必要か。既にCCAがロゴの使用権を所有しているので、代表のBill Carns、N7OTQに申し入れれば良い。 |
604.6BF5の熱(4) | 2015年8月22日 |
何回か6BF5の熱対策を紹介したが、次の簡易な方法が紹介されていた。6BF5のスクリーン電圧(140V)を110V程度に下げると発熱が少なくなる。このためにはカソード抵抗にパラに抵抗を抱かせればよい。例えば、75S-3Bの場合はR17、27Ωに27KΩ2W程度の抵抗を抱かせる。 |
605.JFK Archiveのコリンズ | 2015年8月28日 |
JFK(ジョン.F.ケネディー)公文書に保存されているコリンズ関連のドキュメントを紹介する。数々の興味深い写真が掲載されている。
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606.コリンズのメカフィル生産終了?(2) | 2015年9月5日 |
「599.コリンズのメカフィル生産終了?」でRockwell
Collinsからの発表を照会したが、9/1に新たな発表があったので照会する。これによると、本年末まで最後の受注を受け付けるそうだ。 ---- |
607.出力の低減 | 2015年9月12日 |
KWM-2や32S-3をリニアアンプに接続する時等、出力を低減したくなる場合がある。半導体送信機は出力制限のボリュームがあるが、真空管送信機はどうするか? 50Wに低減する場合は3dBのアッテネータを挿入すれば良いが、効率が悪い。一つの方法として、LOADを戻し(小さな目盛に合わせ)、プレートでディップ点に調整する。この場合、極端に浅い負荷とすると問題があるが、ある程度の範囲で調整が出来る。業務用の送信機ではこの方法で出力を調整する場合がある。 |
608.スクリーン電流 | 2015年9月20日 |
「607.出力の低減」で紹介したような実験をする場合、スクリーン電流が見れると便利である。 KWM-2や32S-3では、背面のコネクターでスクリーン電源回路をジャンパーしているが、ここに電流計を挿入すればスクリーン電流が見れるはず、との紹介がCCAのMLであった。興味深く、なるほどと思わせる。 |
609.ALC(2) | 2015年9月26日 |
ALCの振る舞いに関して紹介する。例えばKWM-2では(32S-3も同じ)ファイナルがAB1で動作するのを補償する為に、ファイナルのグリッド電流を検出し、V4A(IF
AMP)、V7(RF AMP)にフィードバックをかけている。ALCのメータ読み(メータのmA読み)とヤンガーステージのゲイン変化は次の通りとなる。
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610.C.C.A.E | 2015年10月2日 |
CCAの欧州の組織であるCCAEがハムフェスを開催した。その様子がCCAEのサイトで紹介されている。 http://www.ccae.tm6cca.com/CCAE%20NEWS.html これを機会に、CCAEのサイトを覗いて見るのも良いのでは。 |
611.ボリュームのレストア | 2015年10月9日 |
KWM-2でボリュームを絞りきっても歪んだ音がかすかに聞こえ、音が絞りきれない症状が発生する事がある。一つの原因として、AF GAINボリュームのグランド不良、もしくはワイパーの接触不良がある。これらは発生しやすいのでまずはチェックすべき点である。 |
612.KWM-2のリレー交換 | 2015年10月17日 |
KWM-2のソケット式密閉型リレーは一般品なので、オープンフレームリレーとの交換キットが今でも流通している。ただ、この交換作業は困難を極める。多数の配線が狭い場所にひしめき合っており、個々の配線は余長が無い。これを楽しみと感じるか苦痛と感じるかは個人の主観によるものだが、少しでも効率的に進めたいものだ。ポイントは、@各配線にマークをつける事、A必ずしも同じ箇所に配線をする必要はないので配線しやすい端子を使う事。元の配線を綺麗に外す事、他の配線を焦がさないように狭い場所の半田付けをする事も求められる。 |
613.黄ばんだトリムリング(6) | 2015年10月23日 |
なかなか厄介なレストアなので、既に(6)になってしまったが、また新たな方法を紹介する。入手し難い薬剤が有るが、可也、効果的な様だ。
参考の為に、この方法の原文のURLを掲載しておく。 |
614.Cold cathode emission(冷陰極線放射) | 2015年10月30日 |
真空管のヒーターを点灯しないでプレート電圧を加印してはいけないと言われているがその理由は何故か? 真空管の電源が切られると内部が徐々に冷却され、その過程でカソードの表面に微結晶が発生する。この形状は鋭く、これが原因である種のエミッション(Cold cathode emission)が発生する。次回電源投入時にカソードの表面温度が十分に高いと微結晶は均一化され、このエミッションは起こらないが、表面温度が低いままでプレート電圧が加印されると、このエミッションによりカソード剥離(cathode stripping)が発生して真空管を破壊する。この時に内部アークは発生しないので見た目では分らない。この傾向は、電子が周囲に均一に放射されるMT管等では無いが、30S-1に使用されている4CX1000A等のセラミック管では、電子が一方向に放射されるので、顕著になる。これを防止するために、30S-1でもステップスタート回路が搭載されている。 |
615.整流管866 | 2015年11月6日 |
旧型の30S-1やKWS-1に使われている整流管866を長期間未使用後に使用するのは面倒だ。866は内部の水銀が気化し整流するが、カソードに色あせがある場合は内部に空気等の不純物が混入していて、フラッシュオーバーが発生する可能性がある。この場合は高圧を掛けてはいけない。高圧を掛けずにヒーターだけを点灯させ、十分にウォームアップをする必要がある。また、ドライヤーで直接ガラス管に熱を加えると素早くウォームアップが出来る。 |
616.30L-1のスプリアス | 2015年11月13日 |
30L-1のスプリアスに関する間違えた理解がまま見られる。CCAの機関紙であるSignal Magazine の著者であるDon Jackson が検証や30L-1の設計者であるWarren Bruene の見解を元に、それを正した内容を紹介しておく。「30L-1は不安定な動作によりIMDに問題が発生する事があり、この解決策として当初、20.5ftの入力ケーブルを使用する様に推奨されていた」。入力ケーブルは出力の電波の質であるIMDには影響しない。確かに中波帯700〜900KHzのIMDの問題はあるが、これは出力同調回路やアンテナの周波数特性等で全く問題ないレベルになり、特に対策は不要だ。事実、Warren BrueneはAuther Collins との会話で不要と思われる対策はしない様に指示され、対策は実施しない事となった。なお、「10.30S-1との接続ケーブル長」で紹介した30S-1の対策はカソードドライブのアンプの位相歪の対策で、30L-1には当らない。 |
617.メインダイヤルチューニングノブ | 2015年11月20日 |
後期のKWM-2やSラインのチューニングノブのスカートはつや消しの仕上がりだが、このクリーニングには注意を要す。下手なクリーニングをすると光沢が出て不自然な仕上がりとなる。CCAのMLで推薦されていたクリーナー製品として英国製のルネッサンスワックスがある。この製品は英国博物館のデリケートな展示物をクリーニングする際に使用されていて、ダメージを最小限に出来るとの事。日本でもAMAZONで入手できる。 |
618.TUBESTER互換表 | 2015年11月27日 |
SKYTEC社のTUBESTERは真空管との差し替えでソリッドステート化するデバイスとして有名だ。Sラインで利用される真空管との互換表がCCAのサイトに発表されているので紹介しておく。http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2012/04/SKYTEC-Tubester-Data-Pages-1-to-4.pdf |
619.TV-7Dセッティング表 | 2015年12月4日 |
TV-7Dは真空管テスターとしてポピュラーだ。TV-7Dでコリンズの機械で使われている真空管をテストする場合のセッティング値の一覧がCCAサイトで発表されているので紹介する。http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2012/04/TV-7-D-Collins-Tubes-Quick-Lookup-Table.pdf |
620.PM-2の緩衝ゴム | 2015年12月11日 |
PM-2についているKWM-2に取り付け時の緩衝ゴムが無い場合、双方が擦れ傷が付くのが気になる。オリジナルに近い代替品が紹介されていた。Mouser Electronics のパーツナンバー 836-G2024 が該当する。 |
621.電解コンデンサーの固定 | 2015年12月18日 |
516F-2等のリキャップで困る事は、最近のコンデンサーは小さくなっているのでオリジナルのホルダーにフィットしない。この対策として、コンデンサーを配線整理用のコルゲートチューブに入れると良い。ポイントはサイズが小さいチューブを使用し、スリット部分からコンデンサーの表示が見えるようにする事。 |
622.古くなったリード線の処理 | 2015年12月25日 |
トランスから直接出ているリード線が老朽してヒビが入り危険な状態になる事があるが、交換も出来ず困る。この対処方法として、透明な熱収縮チューブを被せると良い。絶縁確保と共にケーブル色が透けて見える。更にリード線の先に新しいケーブルを半田付けしておくと配線しやすい。 |
623.コイルの再生 | 2016年1月1日 |
30S-1の入力コイルが駄目になったので再生したいが、良い方法は無いかとの質問がCCAのMLに有った。これに対して、「コイルを解き、同じエナメル線を準備して、同じ長さに切って丁寧に巻くのが良い。軍隊ではこの方法が一般的だ」との書き込みが有った。なるほどと思った。 |
624.リペイントの除去 | 2016年1月8日 |
下手なリペイントほど悲惨なものは無く、少しくらいの傷が有っても、オリジナルのペイントに戻したほうが良い場合がある。この為には、レザー・クリーナーを使用すると良いと投稿されていた。投稿者はPinacle Leather Cleaner を使用してよい結果をいた様だ。ネットを検索したところ、日本では見つからず、他のレザークリーナーで代替が必要か? 312B-4のフロントパネルまでスプレーされたものを、これを使用してスプレーのみを除去し、オリジナルのペイントやレタリングは平気だった様だ。 |
625.スライダック | 2016年1月15日 |
中国製電子機器についてはアメリカでも安かろう悪かろうと言われているが、安い割には使えそうな製品が紹介されていた。VOLTEQ社の5KVAのスライダックで、その安さには一瞬たじろぐが、5年以上安定して使っているユーザーも居るそうである。入力がAC230V(200Vでも使える)でリニアも使用でき、利用範囲が広そうなので参考の為に紹介しておく。 http://www.volteq.com/5kw-transformer-variac-5000va-0-250v-220v-input.html |
626.Collin ATC | 2016年1月22日 |
メンテナンスから外れたトリビアの記事だが、ATCというのを知っているであろうか。これは、Automatic
Tape Machine (Cart Machineとも言う) の事で、ループのオーディオテープを録音再生できる機械の事である。 https://www.youtube.com/watch?v=RTmz374fGy0 デジタル録音が使われる前に、放送局のDJがインターバルを入れる時に使用した、言わばDJオートメーションの機械である。これをコリンズが製造していて、OEMもしていた。コリンズの知られざる一面である。 |
627.600Ωスピーカー | 2016年1月29日 |
R390等で600ΩのAF出力端子で8Ωのスピーカーを使用するにはどうしたら良いか? マッチングトランスを使用するのがベストだが、お金がかかるしそこまでの周波数レスポンスは必要ない。簡易的には12Vのフィラメントトランスを使用すれば十分である、とCCA MLだ誰かが言っていた。試してみる価値はある。 |
628.レタリングのフォント | 2016年2月5日 |
Sラインなどのレタリングのフォントは何か。Arial Rounded MT Boldが酷似している。また、Futuraも良くフィットする。当時のフォントは人が描いたものであるのに対して、現代のPCのフォントはPCに焼き直しをして物なので、細部で異なっているが、良く似たフォントは利用価値がある。 |
629.Tube Checker(3) | 2016年2月12日 |
Tube Checker(以下、チェッカー)は魅力的な機械だが、利用上の注意事項もあり、「76.Tube Checker」で照会した。特に、チェッカーでOKでも実機ではNGとなる事もあり、「チェッカー」と「差し替えテスト」を併用すべき。また、チェッカー使用時には、値を読める最短でテストボタンを押す様にしないと真空管を壊す可能性があり、この点を注意事項として付け加えておきたい。 |
630.X'talの引き抜き器 | 2016年2月20日 |
X'talパックCP1に付属しているピンセット状の器具を使用するが、なかなか抜けないときはX'talの側面に傷をつけてしまう。これを防ぐために、パソコンのキートップを取り外す器具であるKeyCapPullerが良い。ワイヤーをX’talの底面にまわし引き抜く。 |
631.ボリュームのレストア(2) | 2016年2月26日 |
特殊な形をしたボリュームが壊れた場合、代替品を見つけるのに苦労する。有ったとしても可也、高い場合がある。いっそのこと、ボリュームの抵抗部分であるウェファーを交換するのはどうか。過日、CCAのMLでこの方法でボリュームを再生したとの書き込みが有った。ボリュームの形は特殊でもウェファーは外径が合えばほぼ使えるとの事。ボリュームを開放すると、ウェファーはリベットでケースに留っているのが分る。これを外し、薄いウェファーを割らないように注意し交換する。 |
632.MARS | 2016年3月4日 |
コリンズの無線機が登場するMARS(軍補助局)の動画を紹介する。単純に面白い。 https://www.youtube.com/watch?v=dfDWsZiWcFY&feature=youtu.be ついでに、コリンズは登場しないが、SSBの原理を解説したAT&Tの画像を紹介する。 http://techchannel.att.com/play-video.cfm/2014/1/23/ATT-Archives-Single-Sideband#.VhSPaP2UTlc.mailto |
633.パワー管の調達先 | 2016年3月12日 |
811Aや3-500Zといったパワー管を良い品質で安く調達できるとして、RKR DESIGNS LLC.が照会された。例えば811AのMached
Quadは$71で買える。参考の為にURLを紹介しておく。 http://www.rkrdesignsllc.com/products/transmitting-tubes/matched-quad-four-811a-tubes-glass-triode/ |
634.30L-1のリレー | 2016年3月19日 |
30L-1のリレーはSSNでオリジナル品が未だ売っているが$85と高く、また、いつ無くなるか分らない。この為、現行品の代替品が紹介されている。オリジナル品と同じ製造メーカーである Potter & Brumfield社の KAP-11DG-110型。e-bayでは$12で売られている。但し、ケースを外し、若干の改造も必要だが。 |
635.QSK(2) | 2016年3月25日 |
「57.QSK」で照会したDave, K0AZJ が書いたSラインでQSKを実現する記事(Sep. '70 QST)が次のURLに掲載されている。ここまでやるかという意見は有るが、興味深い。また、Far Curcuits社ではQSK用のボードを扱っている。興味がある方は同社に照会してみるとよい。 |
636.HFO | 2016年4月2日 |
75S-3をジェネカバにする簡易的な方法として、DDSを局発(HFO)に注入する方法がある。局発回路のグリッドにDDSを注入するが、16dBm程のレベルがが要となる。注入は背面の予備のRCAコネクターを使用すると良い。ただ、使用するシールド線のキャパシタンスが問題となるので出来るだけ短いケーブルを使用する事。但し、チャートを見ながら発振周波数を計算する必要があるが。 |
637.KWM-2の受信復帰が遅い(3) | 2016年4月10日 |
今までに原因として6146のスクリーンからの二次輻射、V14のB電源に繋がっているC47(400V 0.047μF)のリークと照会したが、その他、V4のB電源に繋がっているR20、R47(67KΩ)の抵抗値が高く変化している事が原因として挙げられる。 |
638.30S-1の高圧スイッチ(読者の方からの情報) | 2016年4月16日 |
前面パネルに付いている四角いスイッチとランプの代替品をJA1MOH、大竹OMから紹介してもらった。全て、IDEC(和泉電気)製。径が若干、太いので、パネル加工が必要だが、形は可也オリジナルに近い。
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639.LC-1スピーチプロセッサー | 2016年4月24日 |
KWM2やSライン様に作られたDXエンジニアリング社製のスピーチプロセッサーLC-1はポピュラーだが、余り音が良くない。このクリップ回路に1N191が使われているが、これを1N5711(ショットキーダイオード)をBack to Back に接続した物に交換すると、歪が大幅に改善される。試してみる価値はある。 |
640.製造年月(2) | 2016年4月30日 |
コリンズの製造年月の決定は難しい。コリンズの製品出荷は先入れ先出し(FIFO)に従わない場合もある。これは、在庫管理の問題もあり、また製品入庫前に完成品をピックアップしてラボに戻し、改善を加えラインに戻す事も実施していた為だと言われている。また、使用部品も厳密にはFIFOには従っていないため、部品の製造年月コードを見ると4〜6週間の幅がある。ただ、これらは製造年月決定の唯一の指標なので、これを含みながら参考とすると良い。 |
641.抵抗(2) | 2016年5月6日 |
「358.抵抗」でソリッド抵抗(カーボン・コンポジッション抵抗)は経年変化で抵抗値が高くなると説明した。この原因は、カーボン化合物が空気中の湿度を吸収し、これが加熱されカーボン中に隙間が生じ、抵抗値が上がる為だ。通常はエージングして使用すると、水分が飛んで値が落ち着くといわれている。 当時、アレン・ブラッドレイ社はカーボン化合物を使用し抵抗を作った。IRC社はカーボンをフィルムに塗布してガラス管に貼り抵抗を作った。フィリップス社はカーボンを陶器の筒に蒸着させてそこに溝を掘り抵抗値を調整した。ソリッド抵抗は他の製法の抵抗と比べ高周波特性が良いので、高周波を取り扱う回路に多用されている。アレン・ブラッドレー社では最大誤差40%(起動時に偏差最大20%)を見越して使用するようにとも言っている。グリッド抵抗などは抵抗値が上昇するとバイアスが変化し、例えば感度低下を起すので、これらの特性を良く理解して機械のメンテナンスをする必要がある。 |
642.KWM-2の受信復帰が遅い(4) | 2016年5月14日 |
原因を6146のスクリーンからの二次輻射やC47のリークと説明したが、もう一つの可能性として、V16B(6EA8、AF OUTPUT AMPL)から受信音声をV14A(6BN8、ANTI VOX RECT)にフィードバックする回路のカップリングコンデンサーC235(0.01μF)のリークがある。V14Aの2番ピンが0.9V以上有る場合は、C235のリークを疑うべき(ハイインピーダンス回路の電圧測定なので、DMMやVTVM等の高インピーダンス電圧計の使用が必要)。また、その他、V14(6BN8、VOX AMPL/ANTI VOX RECT)、V4B(6AZ8、VOX RELAY ACTUATOR)の可能性もある。VOX回路はこれら能動素子やネットワーク回路の相互関連もあり、なかなか奥が深い。 |
643.海軍仕様75A-4 | 2016年5月21日 |
米海軍で仕様の75A-4はの写真が下記のリンク先で見れる。バンドスイッチやダイヤル目盛に注目したい。 http://www.navy-radio.com/rcvrs/images/75a4_0127.JPG http://www.navy-radio.com/rcvrs/images/75a4_0129.JPG http://www.navy-radio.com/rcvrs/images/75a4_0130.JPG http://www.navy-radio.com/rcvrs/images/75a4_0131.JPG この改造手順書が次のリンク先で見れる。 http://www.navy-radio.com/manuals/75a4-buships-5606.pdf |
644.ゲッターの役割 | 2016年5月27日 |
真空管の真空度を保つ為に、管内にはゲッターが蒸着されている。ゲッターは主に電極からの亜酸化金属の蒸発による真空度の低下を防止する。3-500Zの様な大型真空管にはゲッターが無いように見える。これは、高温に熱せられたフィラメントより蒸発した亜酸化タングステンがガラス管の表面に蒸着し、これがゲッターの役割を成すため、あえてゲッターを蒸着させる必要が無いからである。因みに、タングステン自体は気化温度は非常に高いため気化せず、あくまでもタングステンの亜酸化物が気化して蒸着する。この物質は透明であるが、長時間使用すると褐色になる。使い込んだ送信管の表面がくすんでいるのはこの為である。これは亜酸化タングステンの酸素が電子により排出され、タングステンとなるからである。この状態で長期間利用せずに置くと、真空度が下がり、ガラス面がタングステンを保持できなくなり、タングステンが浮遊しだす。この状態でプレート電圧を掛けると、フラッシュオーバーを引き起す。プレート電圧を掛けずにフィラメントを点灯する事により、再び亜酸化タングステンがガラス面に蒸着され、タングステンを吸着するので、真空管内は安全な状態に戻る。なお、ゲッターが蒸着されているような小型真空管はフィラメントも小さく、この対処は真空度を保つ為に有効ではなくゲッターに依存する。 |
645.516F-2のチョークコイル | 2016年6月3日 |
516F-2の高圧回路は、チョークコイルとコンデンサーが電源周波数に同調し、レギュレーションの改善をしている。部品が不良になると無負荷時の電圧が高騰する。コンデンサーは良くパンクして問題になるが、チョークコイルも問題となる事がある。特に輸送中の振動でチョークコイルのネジが緩み、ラミネートで挟まれたコアのGAPが大きくなり、インダクタンスが下がる事がある。この場合には、ネジを締めなおすと改善する。 |
646.ケースのペイント委託先(読者の方からの情報) | 2016年6月11日 |
SラインやKWM-2のケースをプロフェッショナルの手で仕上げてくれる委託先(泣tジックス)を石野OMから紹介してもらった。以下、紹介のメールを転載(一部略)。 その会社は東芝やソニー向けの業務用機器の塗装などを下請けしている焼き付け塗装ができる工場です。社長さんの趣味で、アマチュア向けに古い無線機の塗装やホイール塗装などを一品でも受けてもらえます。表面の補正を行ったうえで、ちゃんとした焼き付け塗装をやってもらえるのでオリジナル同等以上の仕上りが得られます。今はリペイントをやってくれる塗装屋さんもなかなかみあたらないと思います(私この会社とは無関係ですが、社長さんの人柄がいいので紹介したくなりました)。ホームページには金属焼き付け塗装専門とありますが、プラスチックのトリムリングの凹凸補正&塗装もやってもらいました。 |
647.接点復活剤(3) | 2016年6月18日 |
バンドスイッチ等の接点復活剤で議論が沸騰している。良く言われているDeOxitは使うべきではないと言う意見。DL-100なら良いと言う意見。DeOxitとDL-100は何が違うかという意見。TranXが良いという意見、無意味だという意見。種々の経験則が入り乱れていて、何が良いのかが判らない。この中で、長年Rockwell社から保守業社として公認されているDennis Brothersは次の様に指摘している。Collinsが採用しているスイッチの接点は、Art の指示により自己洗浄力を備えた銀とニッケル5%の合金である。銀は空気中の硫化水素により黒ずむが、これは導電性が有るので磨く必要は無い。接点不良が発生した場合は酸化やグリス等の汚れが原因なので、これらを除去する薬剤を使用する。この意味でDeOxitは悪くないが、ベークのウェファーに付着しないように注意すべき。彼はアセトンとイソ-プロピル・アルコールを50/50に混合した薬剤を使用している。これは洗浄時にウェファー等に影響が無く、蒸発後に不純物が残らない。イソ-プロピル・アルコールは不純物が含有しない物を選ぶのポイントとなる。 |
648.516F-2のリップル | 2016年6月24日 |
516F-2のリップルはどの位あるか。800Vのリップルはオシロでは測定し難いがテスターのAC電圧ローレンジで測定する事が出来る。この時には入力コンデンサーの耐圧に注意が必要である。但し、高圧のリップルが大きくても受信側では分らないので余り気にする事は無いが。参考の為に各電圧のリップルの仕様を記載しておく。
これらは次のコリンズの製品テスト手順書より参照する事が出来る。他の内容も興味深い。 http://www.collinsradio.org/archives/manuals/PTP-516F-2-TM-3951.pdf#search='PTP516F2TM3951.pdf |
649.パイロットランプの延命対策 | 2016年7月2日 |
コリンズの様なボートアンカーのランプの中には入手がし難くなっている物もある。交流点火をしているランプであれば、ダイオードを反対向きに並列に接続した物をランプと直列に接続すると、0〜0.7Vまでのダイオードがオフの間は電流が流れないので、デューティーサークルを10%ほど減らせ、可也の延命効果がある。ピーク電圧は変わらないので、明るさに大きな変化は無い。ただ、Sライン等に使用しているランプはオリジナルの#44や超寿命型の#711が入手可能なので、この必要性は感じないが。 |
650.KWM2の難しさ | 2016年7月8日 |
KWM2は難しい機械だと言われている。何が難しいかと言うと、生産当初の25台はまともに動作しなかった。当時のエンジニアが信号ラインやグランドの引き回しを悩みに悩み、やっと動いたと言われている。これゆえ、KWM2で理解できないハーネスの引き回しが有ったとしても、決して変えてはならない。きっと、理由が有る筈である。また、プリセレクターのベルトにグリスを塗ってはならない。これにより、接地環境が変わり、回り込み等の問題が発生する可能性がある。KWM2は気難しい機械なので有るがままにするべきである。 |
651.Nationwide Radio | 2016年7月16日 |
Nationwide Radio & Eq. Sales LLCが今おもしろい。オークションでもなかなか見つからない、30S-1のフロントドアロック、75S-3Bのフィルターカバー、51S-1の白いメータフェース等が売っている(2016/7/16現在)。これらは、リプロダクションだったり、取り外し品だったり、NOSだったりするが、欲しいときはありがたい。但し、機械も売っているが、それらの値段は少々高い。一回、同サイトをのぞいて見るとよい。 |
652.KWM2のZ5 | 2016年7月23日 |
Z5は受信部の2nd
MIXERに入っているトラップで、バンド発振のスプリアスを除去する役目を担っている。つまり、受信帯域内の不要な信号を除去する。このスラグを調整したい所だが、実はマニュアルには調整方法が記載されていない。KWM2の設計者であるEd
Andradeが書いた Production Test &
Alignment の6.13に記載されている。参考の為にURLを掲載しておく。他にも種々の調整方法が書かれていて興味深い。 http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2015/05/KWM2-Prod-Test-R-f_-Al-Shapera.pdf |
653.信号測定のノウハウ | 2016年7月29日 |
真空管の機械で信号測定をする場合、回路に直接プローブを当てなくても、真空管のシールドケースをアースから浮かせ、測定が可能である。プレートとシールドケースのストレー容量は1〜2pf程度ある。周波数によりレベルは変動するが、とても便利な方法である。但し、測定には1MΩ以上のプローブを使用すること。 |
654.エアーコンプレッサーのすゝめ | 2016年8月5日 |
mailman.qht.net Mailing Lists のR-390Aのスレッドに機械の清掃にはエアーコンプレッサーが最適である事が記載されていたとCCA ML に照会されていた。R-390Aの様な複雑なメカでしかもグリスがたっぷり塗られている機械は、この方法以外には無い事が良くわかる。グリスにはメカが磨耗して生じた金属粉、埃や種々の汚れが含まれているので、清掃は絶対条件となるが、水洗いではグリスはなかなか落ちない。メカがあまり無い機械でも水洗いによる腐食を回避できるエラーコンプレッサーによる清掃はベストといえる。なんとかトライしたい方法である。 |
655.メカフィルのID | 2016年8月12日 |
メカフィルに記載されているIDは概ね次の様に読むとよい。 F455 FB21 6625 ⇒ 中心周波数:455KHz、F型、帯域2.1KHz、66年25週目製造 メカフィルの型式、他の情報はWA3KEY,NORMのページを参照願いたい。 |
656.KWM-380でパワー調整 | 2016年8月19日 |
半導体機はパワー調整機能が無いとパワーが調整できずリニアを押すときに不便を感じる事がある。KWM-380もその一つであるが、ファイナルユニットにALCレベル調整ボリュームが付いているので、これを調整することにより、50Wから100Wまでの調整が可能となる。事実、外付けボリュームを追加する改造がある。私は30S-1を使用するので出力を80Wに設定している(可変では無いが)。 |
657.トランスの唸り(3) | 2016年8月27日 |
「150.トランスの唸り」「194.トランスの唸り(2)」で唸り対策を書いたが、どうしても唸りが止まらない場合はトランス巻き直し業者に対策を依頼すれば良い。トランス巻き直し業者はネットで見つかるが、当方は以前「樺イ所電器」でトランスを巻き直して貰った事がある。 |
658.バンドスイッチのワイヤーの交換 | 2016年9月3日 |
SラインやKWM2のバンドスイッチのワイヤーの交換はやりたくない修理の一つである。これを少しでもスムーズに交換するためのノウハウを紹介する。
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659.KWM-2でCW運用時の注意点(5) | 2016年9月9日 |
これまで、KWM-2のCW発生方式がトーン注入式である故、スプリアスに注意する事を記載してきたが、そのほかに交信時の注意が有るので記載する。1750Hzのトーンを注入する事は、相手にはそこがキャリアポイントと聞こえ、これにゼロインして、BFOでビート周波数を調整して効きやすいトーンとするだろう。こうなると、自分は相手のキャリア数端数が可也、高く聞こえるので、これを聞きやすいトーンにずらすと相手もそれに合わせてゼロインして来る可能性がある。こうなるとイタチゴッコとなり、交信が円滑に行かなくなる。相手を呼んだ場合、相手が狭いフィルターを使っていると、帯域外となり、応答率が悪くなる場合もある。KWM-2でCWが使い難い所以は実はここにある。 |
660.OAKスイッチ(4) | 2016年9月17日 |
OAKスイッチは消耗品であるが、既に入手し難いことより、延命策を中心に書いてきた。代替品はない。これに対して、CCAE(CCAヨーロッパ)より素晴らしいアイディアが提案された。それは、OAKスイッチは電源ONのポジションだけ稼動して、あとは前方についているロータリースイッチが稼動すれば良いので、スイッチつきのボリュームが使える。OAKスイッチを取り外し、ジョイントでスイッチつきボリュームを付け、丁度、電源ONのポジションの所でボリュームのスイッチが入るように取り付ける。但し、ボリュームによっては、スイッチが入る角度幅が狭すぎたり広すぎたりする物も有るので、適当なボリュームを選ぶ。ボリュームはL型アングルを作成してマウントする。写真つきの具体的な改造方法が書かれているCCAのページを紹介する。いざと言うときには使える。ただ、オリジナルのスイッチの感触に拘りたければ、磁石+リードスイッチという手もあるが、このアイデアを基にした改造記事は未だ出ていない。 http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2015/05/KWM2-SWITCH-ON-OFF-GB.pdf |
661.30L-1のLOAD | 2016年9月24日 |
30L-1で80mのロードが目盛1に落としても未だ足らない個体がある。30L-1はロードの目盛が小さいほど、ロードバリコンが入っている(軽負荷の)状態で、バンドにより3セクションあるバリコンを何セクション使うかをバンドスイッチでコントロールしている。80mは3セクションを全て使うので、仮にバンドスイッチの接触不良で2セクションしか繋がっていない場合は容量不足でこの現象が発生する。バンドスイッチを磨く事で解消する事がある。 |
662.516F-2の高圧フィルターコンデンサー(3) | 2016年9月30日 |
回路図で見ると、このコンデンサーC1は極性が書かれている。チョークコイルと共振をして電源のレギュレーションを改善する為に挿入されているが、ここには脈流が流れているので、無極性コンデンサーで全く問題が無い。コリンズが何故、極性があるコンデンサーを此処に使用したかをわかる人は今となっては居ない。 |
663.KWM-380とリニア | 2016年10月8日 |
KWM-380(以下、380)は30S-1と使うときはALCを接続してはいけない。このアンプのALC出力電圧は380には過多であり壊す可能性がある。このコンビネーションで使用したい場合は、30S-1の使用方法を熟知して、オーバードライブによる問題を発生させないようにする必要がある。一方、380のRELAY回路は十分に余裕があるので、制御電圧が高い30S-1とも問題なく接続できる。380を30L-1と使うときも同じ事が言える。 |
664.30S-1ブロアのショックマウント | 2016年10月15日 |
ブロアをマウントしているゴムのショックアブソーバー(部品番号:106PLD-2)がDELTA FLEX社のサイトで売っている。在庫確認が必要だが、入手可能なら驚きの情報だ。 |
665.KWM-380のSB11 | 2016年10月21日 |
このSBは受信音のヒスノイズを除去するフィルター基盤を取り付けるものだが既に純正の基盤は入手できない。以前、W4AX、Mackが同機能の基盤を開発したが、これを入手しなくても簡単な改造でこれと同じ効果を得る事が出来る。まずは、IF GAINを12dB落とす。そもそもKWM-380はIF GAINが高すぎるのでヒスノイズが大きいと言われている。同時にSメーターの校正も行う。AF AMPのフィードバックコンデンサーに0.47μFをパラに挿入する。これにより、カットオフを6KHzにすることが出来、滑らかな音となる。 |
666.アースのネジ | 2016年10月29日 |
コリンズの機械は言うまでも無くインチネジを使用している。先日HF-380のアースネジ(UNファインピッチ、10番32山=UNF#10)に取り付けるウイングナットを捜していた。インチネジのウイングナットとなると専門店ではなければ入手が出来ず、専門店を訪問できる日を見計らって居たところ、UNF#10は5ミリのネジとピッチが同じである事を知った。これなら近くのDIYショップで容易に入手が出来る。これより次の事を思いついた。Sライン等のアースネジもUNF#10であるが、機械を出し入れするときに、アースネジをいちいち回すのは面倒なので、いっそのこと、シャーシの裏からネジを外側に出し、そこにウイングナットを止めれば、380の様にドライバーなしで機械の出し入れが出来る。素晴らしいアイディアだと自讃しているが、果たしてアースを取り付けている人はどれだけ居るか? 古い機械を使用する時は保安アースは必須ではあるが・・・ |
667.KWM-400 | 2016年11月5日 |
KWM−3にまつわる話を紹介してきたが、実はこれはKWM−400というコードナンバーで開発が計画された機械だった様だ。KWM−400は618Tのソリッドステートバージョンである718Tをベースにダラスの技術Gによりプロとアマチュア向けに開発が計画された。ただ、価格が非常に高くなる見込みで、アマチュアの市場には投入が不可能と見られていた。この機械はArtの嗜好により小出力(400mW)で、いわゆるエキサイターの位置づけで、これに2×4CX600のPAが組み合わされたKWM−1000というコードナンバーを持つ機械も計画された。残念ながら、KWM−1000は試作品がない。その後、Artはこれらに興味を持たなくなり、幻の機械となった。仮に、これが市場に投入されていたとしたら、なんと魅力ある機械であったことかと思うと残念で仕方が無い |
668.30S-1の高圧スイッチ(2) | 2016年11月11日 |
「638.30S-1の高圧スイッチ」で国内で調達できるスイッチを紹介たが、K5TAN、ALも以前CCAでスイッチの代替品を紹介している。EAO社製(海外調達となる)。但し、径が太い。http://www.waschka.net/pages/30s1sw.htm
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669.最近のRockwell Collins | 2016年11月19日 |
http://www.cnn.com/videos/tech/2014/10/30/pkg-future-of-travel-cockpit-voice-activated-heads-up-display-plane.cnn |
670.CCAE | 2016年11月26日 |
ヨーロッパのコリンズ愛好家の組織CCAEのサイトにCollins Air Publication と称してOlivier、F5TEV のKWM-2Aに関する改造記事等が掲載されている。興味あるものが多々有るので照会する。ただ、一部はフランス語となる。 |
671.追加X’talデッキ | 2016年12月3日 |
Glen、K9STHが改造なしでSラインやKWM-2にKWM-2Aや75S-3Cにある様な追加X’talデッキを追加するキットを発表している。詳細は彼のGlenのサイトの「No Modification Additional Frequency Decks for S-Line and KWM-2 Series」のリンク先で見れる。 |
672.受信機のハム | 2016年12月10日 |
75S-1や-3のハムの対処方法を過去に記載したが、一般的に受信機のハムの発生源を大まかに切り分けする方法は次の通り。
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673.受信音のAGCのテスト | 2016年12月16日 |
75S-1や-3で受信音が異常に歪むようになった時にはAGC回路を疑う。このテスト方法は次の通り。
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674.30L-1における572B(3) | 2016年12月23日 |
30L-1に572Bを使用すると、規格ぎりぎりの811Aよりも余裕がでる。電源等の周辺部品に負担がかかり、2本にすると同調回路のQの低下を招く。等、賛否両論ある。ある一つの考え方として、572Bを4本使いQの問題をクリアし、規格以上の出力を出さないなら、811Aで発生しがちの赤熱、プレートタッチによる電源トランス、チョークトランスの焼損のリスクを下げる事が出来る。ただ、価格が高いデメリットは免れない。この議論は永遠に続きそうだ。 |
675.516F-2のチョークコイル(2) | 2017年1月1日 |
516F-2が古くなると、フィルターコンデンサーの不良と共に、チョークコイルのショートが問題となって来る。一つの原因として、チョークコイルの巻き線とリード線を半田付けしている部分のショートがある。半田付けしている部分は巻き始めと巻き終りがお互いにラミネートを介して近接しているが、長年の温度の上昇、降下によりラミネートが劣化し、絶縁不良となる。この場合、この部分を引出して絶縁するとよい。 |
676.32S-XのOSCダミープラグ | 2017年1月7日 |
32S-Xと75S-Xのトランシーブ時に32S-Xの内部発振出力を終端するダミープラグが付いているが、これが無い機械がある。RCAプラグに1/4W100Ωの抵抗をつければよいが、オリジナルに拘りたい場合は、今ならNationwide Radio and Equipment Salesに中古品が売っている。既にCCAで発表されたので、早く調達しないと無くなる可能性がある。なお、この部品は他では調達は困難だ。 |
677.リレー接点 | 2017年1月14日 |
KWM2のオープンリレーは実は強い。接点クリーニングをしても接点が駄目になる事はない。これは、多くのオープンタイプのリレーに言える。これに対して、密閉型のリレーは接点が汚れ難い自己清浄機能が付いているが、接点をクリーニングすると銀のコーティングが直ぐ剥げてしまう。こうなると、再生は不可能となる。密閉型のリレーの接点は磨いてはならない。 |
678.ワイヤリングハーネス作り方 | 2017年1月21日 |
以前「378.ケーブルの束線」でコリンズなどが採用している束線の方法を照会したが、この技術を応用したハーネスの作成方法が解説されているページがあるので照会する。機器の配線しなおしをする時に試してみると良い。 http://www.dairiki.org/hammond/cable-lacing-howto/ |
679.半田のヤニ除去 | 2017年1月28日 |
半田のヤニ除去剤という薬剤があるが、これを使わなくても綺麗にヤニが除去できる。アンモニア系の洗浄剤であるBlue Windexとイソプロピル・アルコールを50:50で混合して使う方法が照会されていた。Blue Windex自体が入手出来ない場合は、マジックリンで試すと良いかもしれない。パターン保護コーディングには影響が無いとの事。 |
680.ケースの外し方 | 2017年2月4日 |
Sライン等のケースを外す場合に問題になるのが、トリムリングの内側を引っかかずにどう外すか。CCAのMLで照会されていて、私も実践している手順を紹介する。
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681.302C-3のペイント | 2017年2月11日 |
302C-3ワットメータは正確でメータフェースが大きく読みやすいため、人気がある。ただ、既に年月が経ていて、塗装のどこかに傷がある物も少なくない。再塗装をしたくなるが、これが難しい。トリムリングが有るが、これは実はケースの一部で、トリムリングの色を塗られているだけである。再塗装してもオリジナルの様に滑らかな境目を再現するのは難しく、境目がハッキリし再塗装が一目瞭然となる。タッチアップ程度で済ませていたほうが、怪我をしなくて済む。 |
682.30S-1の起動 | 2017年2月18日 |
長期保管後の起動時に留意するのは電解コンデンサーだ。30S-1は3個の電解コンデンサーがある。2つはバイアス回路。1つはステップスタート回路。これらはAC115Vラインに入っているので、516F-2マウントペデスタルに付いているAC115Vのコンセントからスライダック経由で電源を給電する。この状態で徐々に電圧を上げ、バイアス回路にDC115Vが出れば良い。なお、この時にタイマーリレー管は外す。 |
683.MコネをRCAに戻す | 2017年2月25日 |
Sライン等でアンテナコネクターがオリジナルのRCA型レセプタクル(以下、RCA)からM型レセプタクル(以下、M)に変えられている事がある。オリジナリテーに拘る場合や、性能に拘る場合(MよりRCAの方が周波数特性が良い「39.RCAコネクター参照」)は、RCAに戻したくなるが、穴の大きさが合わず苦労する。以前、穴にあわせアルミ板を切り、その中心にRCAの穴を開けて、パッチ当てをした事がある。それよりイージーな方法として、Mの穴の大きさに近い大きさのRCAを付けるのはどうだろうか? 次の物が使えそうだ。
やはり形状がいま一つの場合は、いっそのこと、N型レセプタクルにしたら良い。 |
684.30L-1のバンドスイッチ清掃 | 2017年3月4日 |
30L-1のバンドスイッチは入力回路と出力タンク回路を切り替えているが、出力側は大電力を扱うので、接点にカーボンが付着しやすい。この清掃が必要となる時はロータリースイッチのウエファーを外す必要があるが、これが大変な作業となる。タンクコイルやコンデンサー類に繋がっている太い線を外す作業となるが、下手をするとコイルの半田付けが外れたり、コンデンサーの端子を壊したりする。この労作業とリスクを回避する意味で、コイルやコンデンサーを一式で外すと良い。 |
685.出力の低減(2) | 2017年3月11日 |
「607.出力の低減」でLOADで出力を調整しKWM-2や32S-Xの出力が低減出来ると照会したが、もう少し確実な方法がある。スクリーン電圧を変えれる方法である。KWM-2や32S-Xは背面にスクリーン電圧をカットするジャンパーコネクターがあるが、ここに適当な抵抗を挿入することにより、スクリーン電圧が変わり出力のコントロールが出来る。IMDは余り変わらず問題にならない様だ。αのアンプなどをドライブするのにはうってつけな方法である。 |
686.75S-の特性(2) | 2017年3月18日 |
「184.75S-の特性」でSherwood Engineering Inc.の75S-3測定結果、3rdオーダーIMD(DR3)は劣るがフロアノイズは郡を抜くと照会した。これについてW5QN、DonはDR3とフロアノイズはトレードオフで、受信機設計ではこれをどうバランスするかがポイントだと言っている。ただ、近年はプロ、アマチュア問わずRD3を優先する風潮があり、この為、この様な結果となると断定している。良いDR3特性は例えば、微弱なDXを追っている時に近傍に強力局が出ている状況でなければ余り役に立たない。比較的空いているバンドでゆっくりQSOをしたいか、混んでいるバンドでDXを追いたいかにより受信機の特性を選択出来ればベストと言えよう。 |
687.真空管受信機の音の改善 | 2017年3月25日 |
一般的に真空管受信機の音は聞き疲れがしなく良いと言われているが、更に音の再現性に拘った工夫についてW9RAN、Bobが次の様に言っている。受信機のスピーカー出力は使わず、ライン出力を使用して、そこにAV用のウーハーを3ポイント以上のイコライザーを経由して接続する。ウーハーは音声周波数を中心としたセッティングとなっているので、受信には適しているが、すっきりした音とする為に80Hz以下、12KHz以上をカット、2.5KHz付近をブーストする設定とする。これを基本として後は好みで調整する。AV用ウーハー、イコライザー共にバードオフ等で中古品が廉価で販売されているので、掘り出し物を見つけテストして見るのも楽しそうだ。 |
688.51S-1の受信音歪 | 2017年4月1日 |
51S-1の受信音が歪むと悩んでいる方もあるかと思いますが、原因の一つとして、AGC AMPの出力をAGCラインに供給するT7の調整不良がある。調整方法はマニュアルを参照願いたい。 |
689.高圧ケーブル(2) | 2017年4月8日 |
30S-1やKWS-1の高圧ケーブルにひびが入ったら交換時だ。この時にスパークプラグのケーブルが使えそうだ。CCAのMLで推薦されていたのはPackardの440という製品で意外と電流容量もある様である。 |
690.Snap Ring | 2017年4月15日 |
PTOのシャフトやアイドラーギヤーと留めているのがSnap Ringだ。メンテナンスでこれを外そうとして飛ばした経験が有る方も多いと思うが、万が一になくした場合も調達は問題ない。1/4インチのスナップリングを買えば良いが、検索すると、国内でも多々ヒットする。 |
691.古い機械の電源FUSE | 2017年4月22日 |
古い機械では電源FUSEが2線の片側にしか挿入されていない事があ。この場合、問題発生時にFUSEが挿入されているにも拘わらず、家のブレーカーがトリップする事がある。この原因として次の2つが考えられる。1つは、電源トランス1次側のFUSEが挿入されていない側でレアショートが発生した場合。もう一つは、30S-1の様に大電流を扱う機械でFUSEが飛んだ時にそれが気化してアークが飛び、電源遮断が一瞬遅れる場合。いずれの場合も、問題発生時の一瞬で電源を遮断するFUSEの役割が果たされず、事はシリアスだ。これ回避するためにもFUESは2線両側に挿入すべきである。 |
692.32S-XのMODEスイッチ | 2017年4月29日 |
32S-XのMODEスイッチは周りの配線が非常に混んでいるので交換したくない物の一つにあげられる。接点復活剤で接触不良が直らない場合は、接点が付くテンションが弱っている場合が多く、L型の工具を作成して接点を押さえると効果的である。 |
693.キャビネットの取り外し具 | 2017年5月6日 |
キャビネットを取り外すときはひざの上に機械の正面を載せて、キャビネットを上に引き出す方法が良いが、30L-1や51S-1の様な重い機械は大変な作業となる。これらを含めて、楽に出来る器具をCCAヨーロッパのサイトに掲載されている。アニメーションgifだけだが様子が良く判る。リンクは次の通り。 http://www.ccae.tm6cca.com/DOWN/F1LAG_EASY_COLLINS_SUPPORT.gif |
694.アクリル樹脂系接着剤に注意 | 2017年5月13日 |
アクリル樹脂系接着剤、特に樹脂系の粘着剤は金属を侵す。例えば、ペイント時に使用するアクリル系マスキングテープは粘着力が強いので良く用いられているが、テープをはがした後に粘着剤が残り、これを良く取らないと大切なパネルを侵食する。なお、ガラスすらを侵食する素材もあるので要注意だ。 |
695.516F-2の共用 | 2017年5月20日 |
私のコリンズキャリアの草創期に516F-2一台でSラインとKWM-2Aを共用で使用する事を考えた事がある。双方の無線機は並列に接続できないので、スイッチで切り替えることとなるが、高圧に耐えるスイッチとヒーターの為の大容量のスイッチが必要となる。これを実現している人も中には居るようだが、仕組みを作る苦労をするよりPM2で良いので探したほうが得策だという結論だった。 |
696.タンタルコンデンサーの不良発見方法 | 2017年5月27日 |
KMW-380やHFシリーズの電源ヒューズが飛んだときはまずタンタルコンデンサー(以下、タンタル)を疑うだろう。電源回路には沢山のタンタルが使われているので、どれが問題かを見つけるには一つずつタンタルを外しショートしている物を見付ける。ただ、完全にショートしている場合はこのアプローチで見付けられるが、時間が経つとショートする物は厄介だ。 この場合は、電流制限回路付き電源装置で規定電圧を供給し、赤外線サーモメーターで最も熱いタンタルを探す。赤外線サーモメーターはAmazonで数千円で売っている。また、iPhoneのアプリもある。 温度変化で見つけられない場合は、電源供給ポイントから各タンタルのリード(ホット側)をDMMのmVレンジで測定する方法がある。一番電位差があるタンタルが問題の物である。ショートに近いタンタルは内部抵抗が低く、大きな電流が流れ、若干ながら抵抗があるパターンにより電位差が生じるので、この測定方法で問題のタンタルを見つけることが出来る。なお、電流制限回路付き電源装置が無い場合は、シャント抵抗を付けて電源装置を保護すれば良い。 なお、ボードの入力にチョークコイルや保護抵抗が有る場合は、これが焼けていないかをチェックすると共に、テスト時にこれらが焼けないように注意する必要がある。 |
697.タッチアップ | 2017年6月3日 |
タッチアップで特にフロントパネルはペイントのマッチと自然なペイントが気になる。ペイントはSSNのスプレー缶がベストである。これをビンの蓋にスプレーして、ここに紙マッチの軸を浸し、たたく様に塗る。紙マッチが無い場合は綿棒でも良いが、綿毛が付かないように気をつける。乾いたら消毒用メチルアルコール(電子部品洗浄用イソプロピルアルコールはNG)で表面をさっとぬぐうと良い。 |
698.ペイントの再生 | 2017年6月10日 |
ペイントが古くなると艶が無くなって来る。特に、フロントパネルの艶が無くなると見栄えが良くなくなる。ペイントの潤いを与え、光沢を蘇らせてくれる洗浄剤にWD-40がある。日曜大工ショップやAmazonで入手できるので試してみると良い。 |
699.HF-80ユーザーグループ | 2017年6月17日 |
HF-80シリーズはコリンズ製アナログ機械の最後のシリーズで完成度が高く人気が高い機械だ。CCAの中にこのユーザーグループがあり、CCA前代表のBill、N7OTQが監修している。Webサイトは次のURLとなる。HF-80.com この中には次の機器が含まれている。 AN/ARC-38, AN/ARC-58 and AN/TRC/75, URG-1, SRC-23,618T-X and URG-2 (Both Universal Radio Group), the 718U and 651S-1, and finally the HF-80 family. 興味がある方はのぞいて見ると良い。 |
[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]