メンテナンスのヒント集 |
[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-] |
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【掲載ポリシー】 ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。 ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。 ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは未検証のまま掲載するケースもあります。 ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。 |
1.ノブの化粧直し | 2006年10月28日 |
概ね次の手順だが、KK5IMのページに写真付きで解説されているので参考となる。
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2.パンチングメタルのキャビネット | 2006年10月28日 |
MOUSERで次のパーツナンバーのキャビネットは、コリンズのキャビネットに類似していると言われている。
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3.6146’s | 2006年10月28日 |
6146には種類があるが、コリンズのファイナルには6146Aが指定されてる。これは中和回路のパラメータが6146Aベースで設計がされているから。ただ、前期型のKWM2の中和トリマには1.8-8.7pfのセラミックトリマが使われているのに対し、後期型のKWM2には8-50pfのエアトリマが使われており、容量と耐圧の許容範囲が広くなっているので、後期型のコリンズには6146Bも使える。以下に6146のバリエーションを示す。
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4.30L-1における572B | 2006年10月28日 |
30L-1で、811Aの代わりに572Bがそのまま挿し代えられる。811Aはプレート損失が65Wで、572Bはプレート損失が160Wあるため、余裕を持って使える。但し、挿し代える目的は、パワーアップではなく、余裕代を持つ事とすべきだが、これでも、30L-1をチューニングする時のプレートが赤熱を考えると、検討の価値があるのでは。但し、572Bと811Aの単価の違いを考慮する必要はあるが。 |
5.3セクションのフィルタコンデンサ | 2006年10月29日 |
KWM-2や32S-*等の中圧回路のフィルタコンデンサは、3個の電解コンデンサがブロック型のアルミケースに入っているが、これが最近入手困難になり、交換が必要となった時には困る。これをリード線がついたコンデンサに交換すれば良いが、外観が異なるので、もっとスマートに処理する方法がある。
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6.ペイントロック | 2006年10月29日 |
ネジの緩みを防止するペイントロックが塗られている為に、ネジがなかなか外れず、悩まされる時がある。この場合には、次の対応をすると良い。
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7.キャビネットの外し方 | 2006年10月29日 |
コリンズの機械のキャビネットを外す時に注意をしないと、トリムリングの内側を機械で引っかき、傷をつける。これを防止する為に、次の方法で外すとスムーズに作業が出来る。
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8.KWM-2のランプ | 2006年10月29日 |
KWM-2や51S-1の様に、ヒーター回路の配線がシリーズに接続されて電圧のバランスを取る様に工夫されている機械は、規格以外の部品がヒーター回路に挿入されると、思わぬ電圧がかかって他の部品を痛める場合がある。この為、次の作業はすべきではない。
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9.洗浄剤 | 2006年10月29日 |
古い機械を水洗いするケースがあるが、この時に使う洗剤に関しての議論が時折おきる。Wで人気がある洗剤としては、Simple Greenがある(日本ではDIYショップで入手可)。通常の油取り洗剤だと思われるが、非常に人気があるので、試しに使ってみる価値はある。但し、シルクスクリーンを痛めない様に、十分に注意書きを読むこと。因みに、私はアンモニア稀釈水を使うが、これはヤニ取りに効果があるが、油取りには効果が無い。 |
10.30S-1との接続ケーブル長 | 2006年10月29日 |
30S-1は、送信機との接続ケーブル(RG58/U)の長さが20.5フィートと規定されている。これは、IMDにおける米政府への納入規格をクリアする為だといわれている。30L-1もこのケーブル長がマニュアルに記載されているが、これは間違いであると、後にコリンズが正式な見解を出していて、ケーブル長には規定が無い。 |
11.KWM-2AとKWM2-A | 2006年10月29日 |
一部のKWM-2AはKWM2-Aのエンブレムで出荷されている。これは、エンブレムが誤って作成されたもので、機能や電気的な性能は全くKWM-2Aと同一である。 |
12.32S-3Aのコンバージョンキット | 2006年10月29日 |
32S-3Aは32S-3のクリスタルバンクが2セットあるタイプで、これは、「KWM2とKWM-2A」あるいは「75S-3Bと75S-3C」の関係と同じである。後年、これらのコンバージョンキットがコリンズから売り出され、32S-3を32S-3Aにする改造がなされている場合がある。これを実施し、エスカッションを交換すれば、32S-3はレアで高価な32S-3Aに早代わりする。ただ、オリジナルの32S-3Aは「EXCITER TUNING」の目盛り(Eyebrow)が太く、32S-3は細いので、ここで見分けが付く。話しをややこしくしているのは、始めからEyebrowが細い32S-3Aが存在している事である。 |
13.6BF5の熱 | 2006年11月2日 |
75S-X等のAF出力管として使われている6BF5は、低電圧で低歪みの増幅をするメリットがあるが、ヒーターの消費電力が7Wと大きく、大きな熱を発生する問題がある。この熱の問題を解消しようと、6BF5をソリッドステート化したり、6AQ6を使った改造が試されている。ソリッドステート化は、「15.Tubester」のパートを参照願いたい。6AQ6を使った改造は、75S-Xの+Bが低い為に、6AQ6にそのまま適用すると歪みがどうしても発生する。(私のように)改造に否定的な向きはFANを付けて冷やすのが良い。 |
14.電源装置の代用 | 2006年11月2日 |
32S-*やKWM2に使われる電源装置516F-2は、近日オークションで非常に高値で取引されている。516F-2を使わなくても、廉価な電源装置がある。
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15.Tubester | 2006年11月3日 |
真空管と挿し代えるだけで、機械をソリッドステート化できる部品がある。その一例に、Skytec社のTubesterがある。真空管と半導体のダイナミックレンジの違いが有るが、そこそこ動くみたいだ。電源や受信機に使う事が多い様だが、注意を要する。
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16.テフロン・チューブ | 2006年11月3日 |
コリンズの比較的新しい機械は、耐熱性がある、テフロン(PTFE)の絶縁チューブを使っている。何種類かの太さのチューブを用意しておくと配線のやり直し等に便利。 |
17.接続ケーブル | 2006年11月3日 |
Sラインの接続ケーブルは、良質のRG58/Uを使いたい。特に、PTOとOSCの接続ケーブルは、いい加減な物を使うと、Gridドライブの掛かりが悪くなる場合が有る。また、RCVのケーブルもRG58/Uを使いたい。その他のケーブルはオーディオ用の物でも構わない。長さは4フィート(1.2m)と指定されているが、あまり重要ではない様だ。RCAプラグも、良質の物を使いたい。ただ、オーディオ用のしっかりした物では、シールドのカラーが深く、芯線のピンがしっかりとジャックにはまらない場合が有るので、注意する必要がある。なお、AV用の色が付いたRCAコネクタを使い分けると、ケーブルをどこに接続するかの識別に便利である。 |
18.シリアル番号 | 2006年11月4日 |
非常に良く話題に上る、シリアル番号と製造年月。K0DAS(Rod)が調査した、貴重な資料があるので、それを紹介する。
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19.メーターフェース | 2006年11月4日 |
汚くなったメーターフェースは、綺麗なメーターフェースのコピーを取り、両面テープで貼ると、見事に綺麗なメーターフェースに生まれ変わる。但し、この時にコピーと元のメーターフェースを良く接着して、メーターの針が引っかからない様に注意が必要。 |
20.洗浄剤(2) | 2006年11月4日 |
「9.」でSimple Gleenを紹介したが、先日CCAのMLでSeling社のCP-43という製品が話題になった。98年のコリンズ・カンファレンスでK0BSによって始めて紹介された製品で、その後、W5MC等が実際に使った体験を元に、有用性を語っている。この製品は産業用のアルミ洗浄剤で、油汚れやヤニに効果があり、50%に稀釈して使うと、Simple Greenやアンモニアの様に、シルクスクリーンを傷める恐れもなく、汚れが非常によく取れるそうだ。上記のリンクから入り、Products>Chemical>Solvents/Degreaser>3頁目J-298(CP-43) で製品の情報が見れる。但し、日本で入手出来るかは不明。 |
21.BRISTOL レンチ | 2006年11月4日 |
コリンズの機械をメンテナンスする上で、必須のツール。日本ではお馴染みの六角ネジに似た、菊型をした独特のネジを外すツールで、ノブやPTOの分解、スラグラックの調整等に使う。柄がついたXcelite社の製品が有名(エフアール・ラジオラボ等で入手可)だが、その他にもL型の簡易な製品も有る。 |
22.機械のリスタート | 2006年11月4日 |
長期間使用していない古い機械に電源を入れる作業は、非常に気を使う。一般的にはスライダック使い、電源電圧の50%位から、様子を見ながら徐々に電圧を上げて行く方法を採る。ただ、非常に古い機械のリスタートをする時は話が別だ。電解コンデンサが劣化している前提で対応する必要があり、通常の手順で電圧を掛けて行くと、コンデンサのリークにより他の部品まで傷める事となる。電源を投入する前に電解コンデンサを全て交換するか、電解コンデンサの再成形を試みるか。再成形は、全ての真空管を外して外部からDC電圧を加え、日単位の緩い速度で電圧を徐々に上げて行く、非常に根気が要る仕事だ。それでも、最終的にハムが取れない時は関連のコンデンサは交換する事となる。 |
23.PTOのレストア | 2006年11月4日 |
重いメインダイヤルの改善、PTOのドリフトの改善に関する記事が、以前、KK5IM Jim Miller のページに掲載されていたが、ある時無くなっていた。写真付きで解りやすい記事だったので、残念であったが、先日、偶然にWB4HFNのサイトに掲載されているのを発見した。一見の価値がある。 |
24.Fuse | 2006年11月4日 |
突入電流が大きくなる、516F-2、30L-1等のヒューズには、スロー・ブロー型ヒューズを使うこと。 |
25.メータのガラス | 2006年11月12日 |
メータのガラスの固定が緩まり、動いてしまう場合が有る。これは、ガラスを止めている、メータ内部の金属リングが動いてしまった事が原因である。これを修理する手順は次の通り。
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26.シール剥がし | 2006年11月12日 |
機械に軍の銘盤が付いている場合が有る。これを綺麗に剥がす為に、色々な剥離材が紹介されているが、中でも「GOOF OFF」という製品はペイントを傷める事が無く剥がせるので、多くの支持を得ていた。日本で買えるかは不明だが、調べてみる価値は有る。因みに、私は銘盤を剥がした後にアルコールを使い、ペイントを傷めない様に、根気良く接着剤を取り除いた。 (※)有機溶剤を含む製品は海外発送をしない場合があります |
27.30S-1での4CX1500B | 2006年11月18日 |
30S-1で4CX1000Aを4CX1500Bに挿しかえる事がたまに話題に上がる。両者は同一のパッケージに入っているために、差し替えが可能である。4CX1500Bは4CX1000Aと比較し、グリッドが丈夫に出来ており、500W余分なプレート損失を扱う為にフィンの密度が高いが、30S-1で1500Wを得る為にはスクリーン電圧を上げる他に、@ブロワーを風量の大きい物に交換する、A電源トランスを1500Wに耐えられる物に交換する、といったインフラの対応無しには無理がある。30L-1に572Bを使う議論を思い出す。 |
28.接点復活剤 | 2006年11月18日 |
DeoxITはWで有名なCaig社の接点復活材の商品名であるが、この商品をどうこう言うわけではない。接点復活材、一般に言える事だが、ロータリースイッチにむやみに吹きかけるとウエハーのベークを傷める。特に、高圧がかかる部分は、埃が接点復活材を吸収してウェファー上に定着してショート回路を形成し、更にショートによりウエハーが炭化してショート回路が定着する。こうなると、最早このウェファーは交換をするしかない。 |
29.6GM6 | 2006年11月18日 |
75A4で、フロントエンドに使われている6DC6を6GM6に挿しかえる改造が良く話題になる。6GM6に挿しかえると、感度が上がりS/Nが向上すると言われている。なお、完璧を目指す場合は、ゲイン配分の変更に伴うAGCの改造を実施する必要がある。75S3では如何なものか? |
30.アルミ・インレイ交換 | 2006年11月19日 |
つまみに付いているアルミ・インレイ(化粧盤)は長年経過するとくすみが出て、見栄えが悪くなる。幸い、交換部品が入手出来るが、交換時に古い物をどう外すかが問題となる。つまみ中央のへこみに丁度はまる形なので、ナイフ等をインレイとつまみの端の間に挿入し、インレイを剥がそうとしてもなかなか刃が入らない。また、インレイが接着剤で頑丈に着いている場合もあり、無理に刃を入れようとするとつまみの端が欠けてしまう。一つの方法として、インレイの中央にドリルで小さな穴を開け、そこに千枚通しを入れ剥がすと良い。つまみの中央は若干傷付くが、最後には新しいインレイで隠れてしまうので、問題がない。何よりも、無理な作業により、つまみの露出部分を傷付ける事を避けられる。 |
31.Peter Dahl | 2006年11月19日 |
Peter W Dahl社は米国のカスタムメードのトランスメーカーとして、米国のコリンズ愛好家はもとより、ハム仲間の間で有名だ。516F-2、75S-X、30L-1、30S-1、KWS-1等の各部トランスを作っている。事故によりトランスを焼失してしまった場合や老朽化によりレアショートを起こしたトランスを交換する場合は、格好の部品調達先となる。中には、30S-1の日本向け仕様のトランス(200V/100V 50Hz)もある。一見の価値ありだ。 |
32.Sメータのドリフト | 2006年11月19日 |
時間と伴にSメータの0設定がドリフトする場合がある。無信号時のSメータがS3を指している場合、マイナスに振り切る場合等、症状は色々だが非常に気になるものだ。これは多くの場合、電解コンデンサの劣化やIFの真空管の特性変化による症状と思われるが、原因の特定がなかなか面倒である。75S-1、2、3限定であるが、簡単にこの症状を解消する方法を紹介する。2nd IF AMP(6BA6)のカソードとグランドの間にダイオードを挿入する。ダイオードに逆電圧をかけて定電圧特性を利用する事により、Sメータのドリフトは見事に消える。これは、あくまでも対処療法として考えて欲しい。 |
33.メータの保護 | 2006年11月26日 |
コリンズの受信機に電源投入する時に、Sメータが振りきれ大きな「カチン」という音を立てる。特に、75A4はその代表例に挙げられる。これは、正常な動きである事は誰しも知っているが、それでも機械が古くなるとメータが壊れないかと心配になる。この対処策として、メータ端子の間に、互いに逆接続(Back to back)したダイオードを1対挿入すると、電圧制限がかかり、この「カチン」を緩和することが出来る。 |
34.MOV | 2006年11月26日 |
516F-2で電源投入時にヒューズが切れるときがある。特に、整流管をダイオードに交換する改造をした場合には、これが顕著に発生する様だ。この対応策として、電源入力側(AC115V)に電源サージ・プロテクタとして用いられるMOV(Metal Oxide Varistor)を入れると良い。150V位の規格の物を、電源ライン間とグランドの間に入れる。 |
35.製造年月 | 2006年11月26日 |
「18.」でシリアル番号と製造年月の対応表を紹介したが、シリアル番号は改ざんされる場合もある。その検証手段として、部品に刻印されている製造年月が使える。これにより、機械の製造年月が或る程度は想定が出来る。その一例を挙げると下記の通りとなる。
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36.MOV(2) | 2006年11月26日 |
「34.」で516F-2の保護について紹介したが、ここでは30L-1を保護する改造を紹介する。30L-1は811Aを水平に配置している為、粗悪な玉を使うとグリッドがダレてプレートとタッチし、トランスを焼損する場合がある。プレート回路のトランスの巻線は、保護の為にヒューズの役目をなすR17、R18が挿入されているが、グリッドバイアス回路の巻線には保護回路がない。この為、グリッドバイアス回路とグランド間に150V程度のMOVを挿入し、上記の事故が発生した場合の保護の役目を担わせる。 |
37.51S-1でHiFi | 2006年11月26日 |
51S-1は良い音を出す機械だが、600Ωのライン出力を使い、ステレオのライン入力に接続して使うと更に良い音が期待出来る。ステレオのスピーカーが使えるので当然の事だが。ボリウムで出力レベルが調整出来るので使いやすい。 |
38.51S-1キャビネット | 2006年11月26日 |
ラックマウントの51S-1が安く売られているが、後でキャビネットが欲しくなる。しかし、51S-1のキャビネットは入手が難しく、値段が高い。こんな時には、KWM-2のキャビネットを流用すると良い。51S-1のキャビネットはKWM-2と30L-1とサイズが同じで、Sラインとは異なる(Sラインは小さい)。30L-1のキャビネットは、後部の切り欠きが51S-1用に改造するにはそぐわない。KWM2のキャビネットなら、後部の切り欠きが左右対象に空いていて、この中央を繋ぐように切り欠く事により、51S-1で使える様になる。 |
39.RCAコネクター | 2006年12月1日 |
コリンズの機械はRF出力にRCAコネクターを使っており、これをM型やBNC型コネクターに交換する改造を良く見る。しかし、実はRCAはRFに適している。200Wまでの電力なら問題無く扱え、1.2GHzまでならN型コネクターとほぼ同等な特性を有している。驚く無かれ、UHFでの特性測定の結果、次の順番で特性が良い。
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40.電源電圧 | 2006年12月1日 |
コリンズの機械は、電源電圧AC100Vでは上手く働かないので、ステップアップ・トランスやスライダックを使用して、AC115Vを得る事は基本的な知識である。しかし、昇圧電圧が高すぎる場合は、ヒーター電圧がAC6.3Vより高くなり、真空管の寿命を極端に短くするので、十分な注意を要する。現在、米国では送電効率を高める為に、地域によっては電源電圧が昔の115Vに対して120V以上となる場合があり、これが古い真空管の機械を使う際の頭痛の種となっている。 |
41.Black Beauty | 2006年12月1日 |
黒雪姫・・・ではなく、コリンズの機械によく使われいてる、黒いペーパー・コンデンサの事。絶縁材が紙の為、老朽化が激しく、絶縁不良が起こりやすい。Black Beauty は即座に交換すべき。これに対して、Orange Drop と呼ばれる、オレンジ色のフィルム・コンデンサがある。これは、絶縁材がポリプロピレンかマイラーで、安定かつ長寿命である。 |
42.Copper Caps | 2006年12月8日 |
516F-2のソリッドステート化は、ラッシュ電圧の発生と電圧が高めになる短所がある。Weaber Speaker社のCopper Capsはこれを補ったソリッドステート・ディバイスである。スタート時の電圧の立ち上がりに1秒程のディレイを持たせ、整流出力電圧を、整流管とほぼ同等にしてある、とても興味有るデバイスである。 |
43.スクリーン・セーバー | 2006年12月8日 |
メンテナンスのノウハウとは関係ないが、コリンズ他のスクリーン・セーバーがダウンロード出来るサイトを紹介する。AI7R,Daveのサイトにある。 |
44.フィルター・カバー | 2006年12月8日 |
75S-1、3はフィルターがシャーシーの下部にマウントされているが、75S-3Bはフィルターがシャーシーの上部にマウントされている。このため、電源トランスのフラックスの影響を受けるので、フィルター・カバーが装着されている。たまに、これが無い機械があるが、この場合CWの受信音にハムが混入して音が濁る。不幸にしてフィルター・カバーが無い75S-3Bを入手した場合は、リプロダクションのフィルターカバーを購入するか、自分で工作して作る事となる。 |
45.KWM-2の送受信の周波数 | 2006年12月8日 |
KWM2では送受信の周波数が数十Hz動く。これは、PTOの6AU6の+B(150V)が送受信で数十V変化してしまうのが原因である。これを改善する為に、+Bに150V2W程度のツエナー・ダイオードを挿入すると良い。 |
46.真空管のシールド | 2006年12月16日 |
真空管に使われているシールドケースの放熱効果についての考察が議論されていた。@ツイストロックが付いてシールドケースが1層の物、Aアルミ製で真空管に密着する、シールドケースが2層の物がある。@はOEMケースと呼ばれで、真空管から発せられた熱を間接的にシールドケースで受け、シャーシに伝える事で熱を逃がす。AはIERCケースと呼ばれ、真空管のガラスに接触する事で熱を受け、2層間にあるコルゲート状のヒートシンクで発生する空気の対流により熱を逃がす。この為、IERCケースの方が熱放射において優れている。また、黒色のシールドケースは、黒体放射により熱放射効率が高いと言われている。シールドケースはこの他に、静電遮蔽の目的やショックにより真空管が外れない目的に使われる。ただ、シールドケースをかぶせると、ケースとの間の静電容量により、回路のチューニングがずれるので、注意を要する。 |
47.30S-1の3分間タイマーリレー | 2006年12月16日 |
30S-1では+B印加に3分のディレータイムを設けている。なぜ、3分という長い時間設定なのだろうか? これは、旧タイプの30S-1では水銀整流管866を使用していたので、そのウォームアップに相当の時間が必要であった為である。整流管が3B28に代えられたモデルでは、4CX1000Aのウォームアップ時間を考慮すれば良い。この為、タイムディレー機構のK202を、オリジナルの115NO180(180秒タイプ)より115NO120(120秒タイプ)等に変更している場合が有る。因みに、私はOMRONのH3CR-A8という半導体のディレータイム可変型タイマーリレーを使用している。これは、8ピンで115NO180のソケットが使える。なお、ピンアサインは異なるので若干の配線の手直しが必要だ。 |
48.イリダイトのシャーシー | 2006年12月16日 |
コリンズの一部の機械を見ると、エアボーンやミリタリー無線機と同様に、シャーシーにイリダイト処理が施されている。KWM-2AやSラインでは、後期の機械にこの処理がされており、イリダイトの金色のシャーシーは後期の機械の代名詞の様な扱いをされれいる。イリダイト処理は、化成処理によりアルミの表面に酸化膜を形成する耐食処理で、酸化膜はあまり強固ではないが、比較的低コストであるため、暴露部での使用を考慮しない無線機のシャーシー等に良く見られる。 |
49.ペイント | 2006年12月23日 |
以前はコリンズのキャビネットの色調を出す為のペイント調合のノウハウが語られていたが、最近ではSurplus Sales of Nebraskaや国内ではエフアール・ラジオラボで完全にマッチする物が調達出来る様になった。それでも、日焼けした古い機械は色調が若干変わり、時としてマッチさせる事が難しい場合が有る。ペイントが新しいにも拘わらず、色調がマッチしない場合は、再塗装を疑った方が良い。再塗装は、賛成派、反対派と種々の議論がある。再塗装を試みる場合は、下地処理を残す為にオリジナルのペイントを剥がさずに行う方が良いと言われている。若しくは、下地処理を行うかだ。ペイントの仕上げは、1週間ほど時間をかけペイントの強度を上げた後、自動車用のコンパウンドで磨くとよい。ただし、あまり光沢を出し過ぎると不自然さが出てくるので要注意。 (※)有機溶剤を含む製品は海外発送をしない場合があります |
50.811Aの水平マウント | 2006年12月23日 |
30L-1は811Aを水平にマウントするので、使用する811Aには注意が必要だ。下手なメーカーの811Aを使うと、使用しているうちにグリッドがダレて内部ショートを起こし、部品を焼損する。多くの場合はプレート電源回路の保護抵抗R17、R18で済むが、最悪の場合は電源トランスを焼いてしまう。これを未然に防止する為には、水平マウントを考慮された811Aを使う事だ。RCA、Cetron、Silvaniaといった米国製の811Aは心配には及ばない。Sventlanaの811Aも問題無いと言われている。中国製の811Aは注意を要する。私は、中国製の811AをCetronの物に交換した。交換する場合は、マッチド・ペアの811Aを使う事は言うに及ばない。 |
51.真空管の総取り替え | 2006年12月23日 |
「メンテナンスのノウハウ」にも書いたが、CCAでも議論が有ったので、改めて書くこととした。やはり、真空管の総取替えは慎むべきである。既に、真空管市場は品不足のために混乱しており、特性が類似している真空管が型名を変え可也出回っている様だ。6CB6が6DC6として出まわっている話は有名だが、これは洒落にならない。何が良い真空管だか判らない状態で、真空管を総取り替えするのは、如何にリスクがあるかは容易に想像出来るだろう。機械の思わぬ性能低下を引き起こしてしまう。部品は悪くなったら交換するのが良い。 |
52.30L-1の取り扱い | 2006年12月29日 |
今更、特筆すべき事でもないが、電力のハンドリングに余裕が無い30L-1の様なデスクトップ型リニアアンプでは重要な利用上の注意事項なので、取り上げてみた。
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53.メーターの大振り | 2006年12月29日 |
32S-1などに使われているSimpsonのメーターが大振りをして、見難い場合が有る。この場合は、1000μFくらいのコンデンサをメータに並列に接続すると、動きが落ち着く。これによる、メータの誤差は発生しないとの事。 |
54.75S-3のAGC時定数 | 2006年12月29日 |
75S-1から75S-3になり、AGCの時定数が変えられる様になったが、FAST/SLOWのリリース時間に殆ど差が無く、SLOWでも決してSSBに適しているとは言えない。これを改善するために、@AGC時定回路のコンデンサの値を大きくする、AAGC電圧のロード抵抗を小さくする、いずれかの方法が取られている。@はC137(0.47μF)に並列に適当なコンデンサを追加する(一例として、1μF Non-Polar型)。AはR88(680KΩ)に並列に適当な抵抗を接続する(一例として、68KΩ)。@の改造は、AGCのアタックタイムが遅くなる欠点があるので、抵抗で調整するAの改造の方が良いと言われている。私はR88に220KΩの抵抗を並列に接続して、好みの定数を得ている。 |
55.WARCでの運用 | 2006年12月30日 |
KWM-2Aや75S-3C等、クリスタルバンクが2系統有り、既存のアマチュアバンドを犠牲にすること無しにWARCバンド用のクリスタルを装備できる。但し、各バンドポジションにより同調範囲が有るので、これに準じてWARCバンドを装備する必要がある。
なお、Sラインをトランシーブ接続した場合は、セパレートで送受信しても、トランシーブで送受信しても、バンド水晶は1個で良い。 |
56.Sメーターの感度 | 2006年12月30日 |
コリンズはSメータの振れが悪いと言われるが、これはメータの感度が低く押さえられている為だ。つまり、国内の機械ではSユニット1つが3dB間隔で目盛が振られているが、コリンズでは4dB間隔で目盛りが振られている。この基準の違いがメータを重くしている理由である。 |
57.QSK | 2006年12月30日 |
SラインやAラインでQSKを試みる考察が議論されていた。QSKを実現する為には、第一にキーイング速度に追従できるリレーと、送信波の切れが良い事、受信機のAGCのリカバリーが早い事等が要求される。これを、元来QSKを前提に設計されていない機械に求めるのは難しいが、QST誌等で適用する為の改造記事が載っているとのこと。どの様な要素技術があるかは確認していないが、調べてみると、現代の機械で当たり前の様に使っているQSKの要素技術を垣間見る事が出来るだろう。下記の記事を参考にされたい。
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58.516F-2との接続ケーブル一考 | 2006年12月31日 |
接続ケーブルは本体に付いているので通常は気にする事は無いが、延長ケーブルを作ったり、PM-2との接続ケーブルを作るときには、使うケーブルの仕様について悩む。次の基準を参考にすると良い。耐圧:1000V程度。太さ:16〜18AWG (1.27mm2〜1.00mm2)の10芯シールドケーブル。次の理由でシールドケーを使う事が好ましい:@リターン電流を流す為の補助路。A万が一ケーブルに亀裂が入った場合に、高圧に触れるのを防止。B外部ノイズ源からの静電遮蔽。フィラメント6.3V用に2本の芯線を使う。グランド用に3本の芯線を使う。 |
59.PRESELECTORの銅バンドの修理 | 2006年12月31日 |
スラグ・ラックの可動部に銅バンドが使用されているが、経年変化でこれが折れる場合が有る。この銅バンドの材質はベリリューム銅なので、修理方法としては、@半田付けをする、A新たに作成する、が考えられる。小さなクラック程度なら半田付けで直せるが、ベリリューム上の酸化膜を除去するのが厄介である。これは、酸を使って除去する。完全に折れてしまった場合は、DIYショップ等でベリリューム銅のバンドを買ってきて、加工すると良い。テンション・スプリングを通す穴は、ハトメで補強する。この手順は、K5MIL、Billのサイトで詳しく説明してある。 |
60.性能改善情報 | 2006年12月31日 |
コリンズ社では、性能改善速報であるSB(Service Bulletins)や性能改善報告書であるSIL(Service Information Letter)を出し、性能改善情報を周知していた。前期の機械を入手した場合は、これらの情報により回路をアップデートすると、思わぬ性能アップにつながる場合が有る。中でも、KWM-2のAGC特性の改善であるSB8a、b、cはその改善効果が大きい事で有名である。これらを収録したものが、CRAのSB・SILのサイト若しくはCCAのSB・SILのサイトに掲載されているので、参考にすると良い。 |
61.SラインでAM | 2007年1月1日 |
AMに根強い人気が有る米国では、SラインでAMを出す改造が話題に上る。BFOを注入する改造が一般的である。バンドが混んでいる日本では余りAMは人気が無いが、参考の為に32S-1、3の改造記事が載っているWB7DYW、Dutchのサイトを紹介しておく。 |
62.コリンズのスピーカー | 2007年1月1日 |
コリンズの機械にはスピーカーが付いていない(KWM-380は別だが)。SラインやKWM-2のスピーカーとしては、312B-3スピーカーや312B-4ステーション・コンソールがあるが、516F-2電源ユニットと伴に並べると、場所も食うし値段も高い。このため、516F-2にスピーカー・ユニットを組み込む改造が良く行われる。アルミ板の真中をスピーカーの形状にくりぬきスピーカーをマウントすると、マウントネジが見えない。アルミ板は、パンチングメタルとネジで伴締めする。アルミ板は目立たなくする為に黒く塗るか、後期型の516F-2同様、黒いフェルト紙をパンチングメタルの後ろに貼る。これで、完璧な外観に仕上る。ただ、電源トランスのフラックスにより、スピーカーにハム音が入る欠点がある事と、516F-2は筐体がパンチングメタルで出来ているので、音が抜けて低音が不足気味になり、音が余り良くない。やはり、専用のユニットにはかなわない。因みに、312B-3と312B-4とでは、奥行きが深い312B-4の方が音が良い。コリンズで使われている楕円型スピーカーは、エフアール・ラジオラボ等で容易に入手できる。 |
63.マニュアル | 2007年1月1日 |
コリンズのマニュアルがCCAのマニュアルのページで閲覧できる。ここの素晴らしさは、種々の年代のマニュアルが掲載されているので、自分の機械に合わせたマニュアルが閲覧できる。 |
64.リプロダクション | 2007年1月2日 |
コリンズの部品のリプロダクションがあるが、場合によっては重宝する。
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65.リプロダクション(2) | 2007年1月2日 |
一般には入手が難しいリプロダクションもある。例えば、30S-1のドア・スクリプト。ドアの下部に付いているので、例えば掃除機で引っ掛けて折ってしまう事がある。現在、誰がストックを持っているかは分からないが、以前はDave Knepper W3ST、Chuck Rippel WA4HHG が扱っていた。私は、数年前にDaveより分けてもらったことが有る。 |
66.MCN | 2007年1月2日 |
シリアル番号と伴に、機械の製造年月を推定するのにMCN(Manufacturing Control Number)がある。MCNは製品の品質管理に使われる番号で、上市された製品に101より付番され、番号が飛ぶ事は殆どない。シリアル番号はシールやネジ止めの銘板に刻印されるが、MCNはシャーシやユニット品に直接スタンプで刻印される。この為、製造年月の新旧の判断材料としてはシリアル番号より信頼性が高い。 |
67.75S-3BのSSB音質改善 | 2007年1月3日 |
日本の受信機と比べ、75S-3BやKWM-2は受信音が歪っぽく聞こえる。KWM-2はこれを改善する為に、SB-8bというオフィシャルな改善対策があるが、75S-3Bにはオフィシャルなアナウンスメントが無く、コリンズ愛好家の中で、以下のような種々の対策が講じられている。@「54.75S-3のAGC時定数」で紹介した、AGCのリリースタイムを長くする改造を実施する。Aプロダクト・ディテクターV8A(6EA8)が歪みを発生しているため、この対策としてL16(100μH)に330Ω・1/2Wの抵抗を並列につなげる。BC33(220pF)に220pFを並列に接続し、容量を2倍にする。以上により、だいぶ音が滑らかになる。 |
68.30S-1のサーマルリレー | 2007年1月3日 |
30S-1には、万が一のブロワー故障によるパワー管の焼損を防止する為に、サーマルリレー(K102)が装備されている。たまに、これが無い30S-1が有るが、特殊な部品なので今となってはこれを見つける事は難しい。通常の運用には支障が無いが、出来たら安全の為に装備したい。EIMACの仕様によると、4CX1000Aのアノード・コアの最大耐熱温度は250℃で、常用運転状態での許容温度は160℃と考えると良いとの事。この仕様をベースとして、代替品を探せば良い。Portage Electric Products, Inc. という米国のサーマルリレーのメーカーが紹介されていたが、残念ながら具体的な型番の紹介は無かった。 |
69.KWM-2のALC | 2007年1月3日 |
KWM-2のALCのゼロ設定が不安定になり、送信時無入力でも指示がマイナスになったり、プラスに大きく振ったりすることが有る。以前、KWM-2の電解コンデンサを総取り替えして、Sメータのゼロ設定の不安定さは改善したが、ALCの問題は改善しなかった。以下にALC周辺回路のチェックポイントを紹介する。
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70.宅急便利用の常識 | 2007年1月4日 |
米国ではUPS等の宅急便で機械を送った時のダメージのクレームが後を絶たない。日本ではそれ程多くは経験しないので、荷物の取り扱いが丁寧なのだろうか? それでも、最低限の対策は実施すべきで、特にコリンズの機械は、シャーシやケースがアルミ製なので、他の機械と比べてダメージを受けやすいので、次の注意が必要である。
その他の機械は余り問題は無いが、米国との宅急便はこれ以上の注意が必要か? |
71.リプロダクション(3) | 2007年1月4日 |
更に入手する難易度が高いリプロダクションがある。30S-1のフロント・ドア・キー。キーが無かったり、壊されている機械が多く、欲しい人は多いと思うが入手できない。私は、米国の某OMにお願いして、作ってもらった事がある。メッキされていない物で、真鍮色だが、ピッタリと同じ物であった。既に手持ちは無くなっている。 |
72.30L-1のダイオード | 2007年1月4日 | ||
30L-1は製造から年月が経っているため、電源回路のコンデンサを交換しないと、フルパワー時に高圧の電圧降下が大きくなる。また、整流ダイオードの焼損も心配になる。WN4I、K1RODがコンデンサと整流ダイオードのアップグレード・ボードを販売しているので、メールをして問い合わせすると良い。問い合わせ先は次の通り。
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73.Eldico | 2007年1月7日 |
一寸一休みして、メンテナンスの話題ではありませんが・・・。日本では馴染みが浅い、Eldicoというブランドがある。米国のRELという無線機メーカーの製品で、USAFがMARS整備計画を推進していた時の無線機調達で、Collinsと並んで入札をしたメーカーである。Eldicoは価格的には有利であったが、総合評価で既に政府へ納入実績があったCollinsが落札し、第二候補として採用された様だ(米国政府の規定では、必ず第二候補を立てる必要があった)。しかし、米国政府は、この2社の性能の均一化を要望しており、Collinsの仕様が政府仕様としてEldicoに流されたと言われている。この為、Edlicoの機械はCollinsの機械と似通っているといわれている。仕様が流された事の真偽はともかく、下記のリンクのEldicoの機械は一見の価値ありだ。R-104/T-102はSラインに似ており、SSB-100Fは75A-4とのコンビネーションの送信機といったところか。 |
74.OAKスイッチ | 2007年1月7日 |
SラインやKWM-2の電源スイッチは、ロータリースイッチの後部に、電源をON-OFFする接点ユニットが取りつけられている。これは、OAKスイッチと言う部品だが、これにより516F-2をリモートでON-OFFするため、投入電流が大きく接点の傷みが早い。以前はこれが手に入り難かったために、外部に別のスイッチを取りつけたり、516-2にリレーを組み込み、投入電流を回避したり、スパークキラーを入れたりして、スイッチを保護していた。最近は、エフアール・ラジオラボ、ハムズオフィス、Surplus Sales of Nebraska等で入手出来るので、あまりこれらの保護対策は話題に上らなくなった。 |
75.FAN | 2007年1月7日 |
コリンズの機器は、元々かなり高温になっても性能に問題がない設計になっているが、既に老朽化が進んでいる為に、FANにより温度のストレスから保護する事が好ましい。FANの装備方法には種々のバリエーションがある。
いずれの方法でも良いが、ポイントは、
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76.Tube Checker | 2007年1月12日 |
果たして、Tube
Checkerは買う価値があるか?そんな議論が延々と繰り返されている。 Tube Checkerには、簡易タイプと高機能タイプがある。簡易タイプはヒーター断線、内部ショートやエミッションの目安が分かる程度である。高機能タイプ、例えばHickock 533/539, TV-2, TV-7, USM-118等は、gmが測定でき、真空管のボケ状態の尺度として使える。ただ、あくまでもgmは静的特性なので、例えば或る機械はgmが50%低下しても性能に影響は無いが、或る機械は10%低下すると影響が大きいという具合に、機器への影響は実機で判断するしかない。そこで、その程度の測定機に高い投資をするより、差し替え用の真空管を揃えておいた方が利口だという意見も少なく無い。少なくとも、ヒーターの断線やエミッションの推定なら、外観(ヒーター点灯、ゲッターの状態)で判断が出来る。 その反面、Tube Checkerに肯定的な意見もある。障害箇所が限定されているケースでは、真空管の差し替えで切り分けるのが早いが、広範囲の切り分けをする場合は、差し替えでは結果が見えなくなるケースも多い。そこで、Tube Checkerで測定したgmという尺度で、障害箇所を追い込んで行く手法を使う。もちろん、最終的には静的特性(gm)にだけ頼れない局面も多いが、回路の抵抗値で故障箇所を追いこんで行く手法と同様の考え方が出来る。この為には、良好に働いている機械の真空管のgmを予め測定しておき、故障が発生した時に測定したgmと比較し、その変化より良否を推定する。他に、マッチド・ペアを探す時のgm測定機としては有効で、オーディオマニアの方は良く使う。 この様に、利用方法を限定し、利用技術を適切に備える事により、Tube Checkerは投資価値がある物になると言えるのではないか。 |
77.7543 | 2007年1月12日 |
PTOに使われている6AU6の産業用バージョンでハムが少ない7543という真空管がある。後期のSラインでは6AU6の代わりに採用されている。実際に入れ替えてみても違いが判らなかったが、なぜか差し替えている人も多い。一度試してみては如何か。 |
78.シルクスクリーンのレタリング | 2007年1月12日 |
Sライン等のパネルの文字は、シルクスクリーン技法で印刷されている。シルクスクリーン印刷は大量印刷には向かないが、コストが安く、印刷面が平坦ではなくても印刷が出来るので、機械のパネル面の印刷には向いていると言える。古くなった機械の塗装の傷みは、タッチアップでなんとか修復出来るが、擦れた文字の修復は難しい。この場合は、全塗装をしてシルクスクリーンを施してくれるサービスを使うと良い。日本では、エフアール・ラジオラボで実施してくれる。大切なコリンズの機械を長らく愛用する為の一手段と言えよう。 |
79.縮み塗装 | 2007年1月19日 |
75A-4などの
St. James Gray
の機械は、縮み塗装(塗装面にしわがある塗装=Wrinkle
Paint)が施されており、再塗装は出来るのか?
St. James Gray
の Wrinkle Paint は入手できないそうである。その代わりに、黒の Wrinkle Paintを下地に塗り、その上から軽く St. James Gray のペイントを塗ると、良い結果が得られたと報告されている。馴染みが余りない
Wrinkle Paint の塗り方を紹介しておく。
【参考】
(※)有機溶剤を含む製品は海外発送をしない場合があります |
80.パイロットランプ | 2007年1月19日 |
パイロットランプを選ぶ時には注意が必要である。DCでの使用を考慮したKWM-2や51S-1はヒーター回路で巧みに電流配分をしており、規格以外のパイロットランプを使うと配分が狂い真空管のヒーターに負担が掛かる。標準品は#44(6-8 volt 0.25 amp 2 watt)である。Sライン等であまり神経質にならなくて良い場合は、消費電流(発熱)が少ない#47を使うと良いとのアドバイスもある。 |
81.エンブレムのペイント | 2007年1月19日 |
エンブレムのペイントが色あせるとリペイントしたくなる。リペイントの素材に関する情報は、
等、種々飛び交っている。これは、エンブレムによって(WE、RE、RC)、くすんだ赤、真紅、オレンジ掛かった赤、と種々の「赤」があるからである。某氏曰く、「コリンズはコーポレート・カラーに対する意匠登録には無関心であった様である」。また、日焼けにより色落ちしている場合も有り、結局は自分の目で一番合うペイントを探すしかない様である。 (※)有機溶剤を含む製品は海外発送をしない場合があります |
82.MICジャックのナット | 2007年1月27日 |
マイク・ジャックやヘッドホン・ジャックのナット(Knurled Nuts = きざみ付きナット)を緩める際には、フロントパネルを傷つけない様に相当に気を使う。この様な時には、専用のナット回しを使うと良い。エフアール・ラジオラボで扱っている。その他、トグルスイッチレンチと称して販売しているツールもある。 |
83.516F-2のソリッドステート化 | 2007年1月27日 |
この改造に関しては、「15.Tubestar」に書いた通り注意が必要である。つまり、@整流管はフィラメントが温まる間にゆっくりと電圧が立ち上がるソフトスタートだが、ダイオードは電圧が即座に立ち上がる。Aダイオードは整流電圧が高めに出る。この解決策として「42.Copper Caps」という製品を紹介した。ただ、手軽に出来る、ダイオードと降圧抵抗を組み込む改造が一般的な様である。低圧に関しては、200Ω25Wの降圧抵抗を入れ、送信時の電圧を規定のDC275Vに調整すべきだとの意見が一般的であるが、高圧に関しては、DC800Vに対して少々高くても、スクリーンバイアスが規定通りで過剰なプレート損失を強いなければ、むしろSSBでのダイナミックレンジの点で有利となるため、あまり神経質になる必要は無いとの意見もある。つまり、高圧回路に入れる降圧抵抗は省略出来る。ただ、SSBでは電流が相当大きくスイングされ、それにつれ負荷インピーダンスも大きく変動するので、+Bのレギュレーションが悪化し、この結果、IMDが悪化するのではと思うが、この点には余り触れられていない。参考の為に、John May、K6MAYの改造記事のサイトを紹介しておく。なお、コリンズも SIL(Service Information Letter)1-76 で、516F-2の半導体化に触れている。ここで見られる回路図には、高圧回路、低圧回路伴に、降圧抵抗は見られない(CCAのSB・SILのページ参照)。 |
84.D-104 | 2007年1月27日 |
ASTATICのD-104は、米国のコリンズファンには根強い人気がある。アンプが内蔵していない前期のものは、カートリッジの適合インピーダンスが非常に高く(500KΩ〜4.7MΩ)、トランジスタの機械で使った場合は、高音が強調され過ぎるが、真空管の機械に使った場合は低音まで出たメリハリの良い音を出す。ただ、エレメントが劣化すると低音が出なくなり、その魅力は無くなる。つい数年前まではASTATICで交換カートリッジを販売していた様だが、今ではオークションで入手するしかない。オリジナルのカートリッジの代替品としては、次の製品が紹介されている。
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85.32S-3のロードプラグ | 2007年2月2日 |
32S-3は、トランシーブ時に内蔵のバンド発振出力をターミネートするロードプラグが付いている。これが無くなっている場合は、100Ω1/2Wのカーボン抵抗をRCAプラグに半田付けして作成すると良い。 |
86.ノブの白いポインター | 2007年2月2日 |
「1.ノブの化粧直し」で触れたが、ノブの白いポインターの化粧直しは、一番手軽に機械の顔を引き締められるレストア方法なので、詳しく手順を説明する。
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87.セレン整流器 | 2007年2月2日 |
516F-2でDC−55Vのバイアス電圧を半波整流しているのは、懐かしいセレン整流器である。経年変化により特性が悪化するので、バイアス電圧がおかしい場合は真っ先にこの部品を疑い、問題がある時は、1000V1A位のシリコンダイオードに交換すると良い。この場合、オリジナルの部品は残し、片方のリード線を外して中継端子として使うと良い。 |
88.3セクションのフィルタコンデンサ(2) | 2007年2月9日 |
「5.3セクションのフィルタコンデンサ」で入手が難しくなったので、最近のコンデンサを中に入れると、外観を損なわずにレストアが出来ると紹介したが、この様子の写真がW5OC、Daveにより紹介されていたので、参考とされたい。 |
89.LEDランプ | 2007年2月9日 |
コリンズのパイロットランプはT-3 1/4 #44 という規格で、「80.パイロットランプ」でも紹介した。近年、この規格のLEDランプが売り出されている。Data Display Products という会社で扱っている。日本での扱いは不明である。 |
90.半田付けテクニック | 2007年2月9日 |
古い機械では、酸化した半田、古いフラックス等で汚れたターミナル、腐食したターミナル等の悪条件があり、半田付けがやり難く、特別なテクニックが必要となる。 古い部品を取り外し新しい部品を取りつける場合は、まず半田吸い器を使って酸化した半田を完全に除去する。半田が残って部品がなかなか外れない場合は、半田が固まる前にリード線を揺すりながら部品を外す。ターミナルに付着した古いフラックス等の汚れはアルコールなどで清掃し、腐食した部分は紙やすり等で磨く。次にターミナルと新しい部品のリード線に予備半田をする。部品は絡げ配線をしてしっかりと取りつける。コリンズではリード線を270度絡げるのが標準だが、この角度は、部品を確実に固定でき、かつ取り外し易い。最後に適当な量の半田を与え部品を固定する。 ターミナルにアクセスし難い場合や、ターミナルを壊す恐れがある場合は、古い部品のリード線を残して部品を切断し、そこに新しい部品のリード線を絡げて半田付けすると良い。 |
91.コリンズ博物館 | 2007年2月17日 |
メンテナンスの話題からは外れるが、コリンズ社のアンテナファームや過去の製品が展示されている、コリンズ博物館の写真がW8JI、Tomのサイトに載っているとの紹介があった。 |
92.30L-1の電源の極性 | 2007年2月17日 |
30L-1はヒューズと貫通コンデンサがラインの片方にだけ付いているので注意が必要である。ヒューズが付いていない方をACラインのホット側に接続した場合で、コールド側の貫通コンデンサが劣化しシャーシに電源電圧がリークした場合は、電源を切ってもアースを通じてリターン電流が流れてアンプが切れなくなる。更にこの場合、何らかの原因でヒューズが切れても、アースを通じてリターン電流が流れてアンプが切れず、アンプに致命的なダメージを与える恐れがある。また、アースを付けていない場合は感電する。コンセントの幅が広い方(コールド)は必ず端子番号4か5に接続すること。 |
93.Fuseの溶断 | 2007年2月17日 |
516F-2等でどうしてもヒューズが飛び、問題箇所を特定出来ない場合がある。この場合は、516F-2にシリーズに60W位の白熱電球を繋ぐと良い。電球が眩く発光する場合は1次側に問題がある。電球がほのかに発光する場合は、2次側に問題がある。2次側の問題を切り分ける時には、電源トランスのストレスを緩和できる。 |
94.固まったコア | 2007年2月23日 |
IFTのコアが固まって動かなくなった時は、ドライヤーで暖めてプラスティックの調整棒でゆっくりとまわす。コアが回らなくても絶対に無理をせず、気長に暖めてまわすのがコツ。万が一にコアが割れて取り除く時は、コアに丁度はまる六角レンチを指し込み回す。この場合も無理をしない。無理をすると、コイルが巻いてあるケーシングまで割ってしまう。コアの代替品を探す場合は、μが異なると同調できないので、同調できるものを選ぶ事となる。 |
95.51S-1の調整棒 | 2007年2月23日 |
51S-1はRF同調回路、バンド発振回路のコイルパックがロータリー形になった特殊な形をしている。このコイルはターレットと呼び、バンド切り替え部の奥まったポジションで調整をする。この為に細長い特殊な調整棒が付属しているが、殆どの51S-1はこの調整棒が無くなっている。調整棒が無いと調整が出来ないので、自作する必要があるが、木を削り作るか、プラスティックの調整棒の先を適当な大きさに切り作る。後者の方がが簡単で強度もある。 |
96.クリスタルのドリフト | 2007年2月23日 |
SSBで音域が高音や低音に偏っている場合は、BFOの周波数が変わっているか、メカフィルの特性が変わっている事が原因である。BFO発振のクリスタルは、経年変化で低い方に偏る傾向がある。この場合は、BFO回路に数pFから数十pFのコンデンサを入れ(KWM2の場合はV11:6U8Aの2番ピン)、ある程度は調整できるが、余り大きな値のコンデンサを入れると発振は止まってしまう。この限界を超えた場合はクリスタルを交換する必要がある。BFO発振の周波数が問題無い場合は(周波数の測定ポイントは、クリスタルの足ではなく、発振出力とする)、メカフィルの特性カーブが変わってしまった事が原因である。メカフィルは価格が高いので、交換する前に特性を測定したい(スペアナ+スイープ・ジェネレータかオシロ+SSGで点々法で測定)。BFOクリスタルやメカフィルはオークションで中古を探しても良いが、オリジナリティーに拘らなければ、性能が良い新しいデバイスがインラッド社で売られているので、利用する手もある(種々のバンド幅が選べる)。あるいは、国内製のフィルターを使う手も有るが、これは JG1XLV 荒井氏のサイトを参照されると良い。 |
97.M-RCAアダプター | 2007年3月3日 |
SラインやKWM-2ではアンテナコネクターにまでRCAを使っているが、その特性に関しては「39.RCAコネクター」で述べた通りである。しかし、機械のコネクターをM型に交換しないまでも、アダプターを使いわざわざ特性が悪いM型コネクターを使うのを目にする。通常、M型コネクター側には5D等の太いケーブルが接続されていて、柔軟性に欠き、不必要な力をRCAのメス側に与える。RCAのメス側は機械的に弱いのでケーブル外れ易く、また最悪の場合はRCAのタイトの絶縁体を割ってしまう。コリンズ社の設計に従い、良質のRCAプラグ+良質のRG58/Uを使うのがベストであろう。 |
98.BRISTOL SCREW | 2007年3月3日 |
「21.BRISTOL
レンチ」でレンチを紹介したが、ノブのネジ、つまり
BRISTOL SCREW が無くなった時の調達先を紹介しておく。なお、近年、米国内でも調達が困難になって来たとの事なので、日本国内での調達先は調べていない。
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99.30L-1のグリッド抵抗 | 2007年3月3日 |
4本の811Aのグリッドに入っているR22〜24(47Ω)のソリッド抵抗は、長年の熱により値が変わることが多い。交換する場合は、ソリッド抵抗は避け、抵抗値の変化が小さい金属被膜抵抗を使うと良い。金属被膜抵抗は、セラミックの上に形成された金属被膜にらせん状に溝を掘り、抵抗値を変えているため、高周波ではRFCとなると言われていたが、最近の物はL分が比較的低く、HFでは殆ど問題にはならない。米国ではやはり、Allen Bradley か IRC の製品が人気がある様だ。 |
[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]