メンテナンスのヒント集

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【掲載ポリシー】
  ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。
  ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。
  ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは
未検証のまま掲載するケースもあります。
  ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。

 

500.Sメータの感度(2) 2013年8月2日
 「56.Sメーターの感度」で、コリンズの標準は100μV入力でS9となるのでSメータの指示が重いと書いたが、これは誤解の様だ。Sライン製造初期の時代は、SGは出力インピーダンスが50Ωより高く、50Ω負荷での測定誤差を防止するために50ΩのPADを使用した。この為に、受信機の入力端に出力される電圧は1/2に分圧され、これを補正するためにSGで2倍の電圧をかける必要があった。これは、受信機の入力端に50μVがかかるセッティングに他ならない。出力インピーダンスが50ΩのSGを使う限りにおいてはセッティングは50μV(−73dBm)となる。因みに、50μVをS9とする標準は1930年にRME(IEEEの前進)で設定された。

 

501.コリンズのアンテナ 2013年8月9日
 コリンズはログペリアンテナやビルボードアンテナを製造していた。詳細はRoclwell Collinsの資料サイトを参照願いたい。

 

502.ノブの化粧直し(2) 2013年8月16日
 「1.ノブの化粧直し」で、靴墨を塗る等の比較的素材を生かす手法を紹介したが、これらの方法では修復不可能な場合はペイントをするしかない。推奨するペイントを紹介する。
  • Rust-Oleum Satin Type 7777 Black
  • Krylon Satin Black

 

503.パーツナンバー検索 2013年8月23日
 米国のパーツナンバー検索サイトを紹介する。 http://www.wbparts.com/index.cfm  右上のPart Searchにパーツに印刷されているパーツナンバーを入力して検索するとパーツの仕様が分かる。例えば、KWM-2AのT3(544-9715-002)、メータ(458-0491-00)等、メーカーのパーツナンバーから検索できる。
 NSNと言われる米国国防省統一部品管理番号から検索出来るサイトもあるので参考の為に紹介しておく。
http://www.dlis.dla.mil/webflis/pub/pub_search.aspx 右のペインにあるNIIN/NSNにパーツナンバーを入力する。

 

504.ペイント(3) 2013年8月30日
 「49.ペイント」でSライン、KWM-2用にSSNで扱っているペイントを紹介したが、この製造元はコリンズ社が採用していたCeder RapidsにあるKlinger Paint Companyだそうだ。貴重なオリジナルペイントという事になる。塗装当初はペイントの強度が出ないが、1ヶ月ほど放置するか低温のオーブンで6時間ほどベークしエナメルを乾かすと強度が出る。電球もしくは赤外線ランプで赤外線を照射してエナメルを焼ければ、つまり焼付け塗装が出来ればベストである。日焼けした色調や50年近く乾燥させた後の強度と同じにはならないが、現在、実現できる最もオリジナルに近い仕上げとなるはずだ。但し、今では海外発送が出来ない様なので、国内で同等品を調達するしかない。

 

505.図面の誤記 2013年9月6日
 コリンズの図面やマニュアルは結構、誤記が多い。例えば、30L-1をAC230Vで使用する時の電源接続図の誤記。これにはSBまで出ている。この為、マニュアル、回路図は全面的に信用せず、実機の状態から正誤を判断する必要がある。それでも確証がつかめない場合は、CCAのArchiveで過去の事例が無いかを調べると良い。今までに発見された誤記の情報はほぼ網羅されていると考えてよい。

 

506.180S-1 2013年9月13日
 180S-1は真空バリコンやローラーインダクターが採用されているT型同調回路で、内部の頑強な作りに魅了される。しかも、KWが扱え値段も思ったよりは高くないのでついつい手を出したくなる。しかし、その用途、特質に注意をすべきである。T型同調回路はロスが大きく、ローインピーダンスをハイインピーダンスに同調させにくい。例えば、3.5MHzのダイポールに7MHzを同調させようとした場合、インピーダンスが非常に高くなり同調が出来ない。また、ローダーインダクターは一般的に高い周波数でQが低く、高調波除去能力に劣っている。これはG3TXQのサイトの測定結果で明らかである。規定より短いアンテナに同調させる用途やフェーズアレイアンテナの様にフェーズを操作する用途に適している。

 

507.516F-2の接続ケーブル 2013年9月20日
 「58.516F-2との接続ケーブル一考」で接続ケーブルの仕様を紹介した。オリジナルの接続ケーブルはコリンズがBELDEN社に特別に作らせた物で、一般的には入手できない。唯一の入手先であるWのRF CONNECTION社のサイトを紹介しておくので参考とされたい。

 

508.コリンズ記念局 2013年9月27日
 Rockwell Collins Amateur Radio Ham Club 主催のCollins 80周年記念イベントが開催されており、記念局が9/21-23、9/28-30 でオンエアしている。コールサインは次の通り。
N0CXX Cedar Rapids, IA
W0CXX Cedar Rapids, IA
W5ROK Richardson, TX
W4CRC Melbourne, FL
W6CXX Tustin, CA

現地時間の9:00 AMから深夜まで運用をしている。

 

509.技術の雄 没する 2013年10月4日
 既にARRLでも周知されていますが、Warren B. Bruene, W5OLYが逝去しました。彼はCCAのメンバーだったこともあり、MLでは彼の思い出話の書き込みが多数されています。それによると、コリンズの技術者であった彼はCMカプラーの発明者であり、Bruene couplerという命名がされています。その他にも有名な開発実績が多数あります。ご冥福をお祈りいたします。

 

510.Audi S-Line 2013年10月11日
 他愛ないトリビア的な話題だが、AudiにはBMWのMスポーツ、BentzのAMGパッケージ等の様な特別チューニング車が存在し、S-Lineと呼ばれている。その写真がwikipediaに掲載されているのでリンクを紹介しておく。
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5a/Audi_grill.jpg

 

511.真空管のエージング(2) 2013年10月18日
 「248.真空管のエージング」でエージングをする意味を解説したが、エージング方法に関してのヒントを紹介する。一般的に4CX1000A等のセラミック管はヒーターを点灯させ内部に発生するガスをゲッターに吸収させてからB電圧をかける手順となるが、ガラス管はこの方法ではダメであるようだ。例えば3-500Zの場合はプレートにDC1000V程の比較的低い電圧をかけた状態でクリッドDC28V程のバイアスを掛けると300mA程のプレート電流が流れ、プレートが赤熱する。クーリングは確実に実施する。一度、赤熱させた後は数時間放置する。セラミック管も慎重派は次の手順でエージングをしている様だ。ヒーターのみに電圧を掛けて20時間程放置。この後、B電圧をかけ、1/3位の入力で5分間程連続送信をする。プレートに電圧を掛けるのが真空管の健康維持の秘訣らしい。

 

512.真空管データシート 2013年10月25日
 真空管メーカーのデータシートをpdf化して公開しているサイトが有る。RCA、Sylvania、GEを始め、米、欧、露の数多くのメーカーのデータシートの総結集とも言える。次のURLを参照されたい。tubebooks.org

 

513.Turnerのマイク 2013年11月1日
 コリンズのマイクはTurnerのOEM品である。Turnerマイクのカタログのサイトを紹介する。SM-1やSM-2やMM-1のオリジナル製品の様なマイクが掲載されていて興味深い。

 

514.PTOドリフト対策 2013年11月8日
 PTOドリフト対策として「23.PTOのレストア」で紹介したWB4HFNのサイトには、PTO内部の温度補償コンデンサ以外のコンデンサ交換、抵抗値が変化した抵抗の交換を解説しているが、PTOを開放する前に、PTOのケーシングを留めているネジを一旦緩め再度締める事を試して見ても良い。これでドリフトが安定した例も報告されている。

 

515.32Sのマイクゲイン 2013年11月15日
 32SでR71が47KΩと68KΩの機械がある。47KΩの機械はV6ドライバーの調整範囲が狭く、マイクゲイン(キャリア)の調整がクリティカルである、この様な機械はR71をチェックし、47KΩであった場合は68KΩに交換すると良い。

 

516.JFK暗殺50周年 2013年11月22日
 50年前の本日、1963年11月22日は米国故ケネディー大統領が暗殺された日である。暗殺後にAir Force One(米国大統領の専用機)がコントロールタワーとSSB交信している録音が米国のU.S GOVERMENT PRINTING OFFICEの音声アーカイブに残っているので紹介する。「大統領が暗殺された。ケネディーが頭を撃たれ額から前のめりに倒れた・・・」と生々しくレポートされている音声が録音されている。U.S GOVERMENT PRINTING OFFICEのページの下部にあるAir Force One Flight Deck Recording にあるリンクからMP3をダウンロードして聞ける。交信にはARC-94が使用されたのであろうか。

 

517.キャビネットの修理 2013年11月29日
 「339.フロントパネルの穴埋め」でフロントパネル修理のヒントを掲載したが、キャビネット修理のヒントが掲載されていたので紹介する。コリンズはパンチングメタルのキャビネット(Perforated Cabinet)を採用されているが穴や切り取られている部分を修理するのは結構難しい。一つの方法として、エポキシ系接着剤(2液タイプ)を使用して穴を埋め、表面を研磨して平らにし、ドリルで穴を開け、ペイントをする。適当なツールとそこそこな経験が有れば、そこそこの仕上げとなる。試してみる価値はある。

 

518.現代のデバイス 2013年12月13日
 現代のデバイスをボートアンカー(真空管の機械)に使うのには注意が必要だ。一般的に、電解コンデンサーは同容量、耐圧でも現代のデバイスは小さく、より使い易いが、抵抗やインダクタは注意が必要だ。抵抗は抵抗値とワッテージで規格を表すが、抵抗の両端に掛かる許容電圧(耐圧)が異なり、新しいデバイスでは耐圧が200Vと低い物もある。これは、現代の半導体回路では十分であるが、真空管の機械では利用箇所によっては不十分である。また、インダクタでも耐圧や許容電流が小さく同様な事が言える。

 

519.R-388 2013年12月21日
 R-388に関する写真やドキュメントが多数、掲載されているサイトが有るので紹介する。興味がある方は見てみると良い。R-388/URR Contract Info Page

 

520.30L-1でWARCバンド 2013年12月28日
 30L-1はジェネカバなので、WARCバンドでのオンエアが出来る事は「374.30L-1でWARCバンドに出る」で紹介した。例えば、18MHzに出るときは21MHzのポジションを使用するが、入力同調回路のバンド幅により各ポジションの利用可能周波数範囲は、そのポジションのアマチュアバンド幅とマニュアルに記載されているので注意が必要である。つまり、21MHzポジションではバンドは約500KHzとなるので、21MHzと18MHzを同時に出ることは出来ない。なお、入力回路をブロードバンドフィルタに改造する手もあり、DK4SX,Uliのページに紹介されている。

 

521.DC110Vのリレー 2014年1月3日
 30S-1や30L-1は送受信切替回路にDC110Vのリレーを仕様している。AC100Vのリレーが手元に有る場合、これを代替として利用したくなるが、利用上の注意点がある。ACのリレーはコイルの交流インピーダンス分を抵抗分に加えて適切な電流を流しているので、単純に置き換えることは出来ない。これをDCで使う場合は、リレーの定格電流(不明ならば100mA位を目安に)を流すために、コイルの抵抗分を補う電流制限抵抗を入れると良い。

 

522.R-390の特殊管の代替 2014年1月11日
 R-390で使用している特殊管である、26Z5W3TF7の半導体の代替がKurt Schmid, DH3PJにより発表されている。興味ある方は参照されたい。

 

523.51S-1の調整棒(2) 2014年1月17日
 多くの機械でバンド切替機構のシールドケースに付いている調整棒が無くなっている。これは、ターレットの調整に欠かせないツールなので、代替品が無いかが話題に上る。残念ながら、Wでも代替品の情報は出てきたためしが無く、代わりに自作方法について論じられている。自作する場合、導電性が無く、硬い素材が適しているとされている。具体的には、グラスファイバーの棒の先を削って、調整に適した形に整形する方法が良い。グラスファイバーは入手しやすく、硬さ的にはむしろ付属の調整棒よりは優れている。

 

524.マーフィーの法則 2014年1月25日
 先日、この様な記事が投稿されていた。KWS-1で20M、15Mの調整が必要となり、プリドライブ6AN5の出力同調回路のC267、C269を調整しようと思ったら、バンドスイッチのウェハーを外さないと調整が出来ない位置に有った。他のトリマーは簡単に調整できる位置にある。氏曰く、これは電子回路のマーフィーの法則で、不具合は手が入り難い所に起こる。確かに・・・。

 

525.コイルのセラミックボビン修理 2014年2月1日
 ボートアンカーに使用されているコイルのセラミックボビンが割れた場合、代替品が無いので接着剤で修復するしかない。では、どの様な接着剤を使用したら良いか。紹介された接着剤にLoctite 1C という製品がある。これは、熱に対して強く、硬化するとセラミックの様な外観り硬度も高い。

 

526.真空管のマニュアル 2014年2月7日
 「512.真空管データシート」で真空管のデータシートが掲載されているサイトを紹介したが、ここでは各社の真空管の取り扱いマニュアルが掲載されているサイトを紹介する。不適切な状態で保存されていた真空管の利用開始時の注意事項等、興味ある内容が掲載されている。Tube Manuals

 

527.チョークコイルの絶縁不良 2014年2月14日
 30S-1やKWS-1のチョークコイルの絶縁不良によりヒューズが飛ぶことがある。この対処療法として、チョークコイルをグランドから浮かせる方法が有るが、この場合、チョークコイルの筺体に高圧が掛かり非常に危険なので、絶対に実施してはならない。改造した本人は以降、十分に注意すると思われるが、次のオーナーはその様な事は知る由も無く、大変な事故に繋がりかねない。

 

528.Why? 2014年2月21日
 今、CCAのMLは「ハムになったきっかけは?」「なぜCOLLINSに魅了されたのか?」に関して述懐する「Why?」と題された話題で盛り上げっている。COLLINS誕生の地である米国のOM達がこもごもに語るこれらの自叙伝を読んでいると、時間を忘れるくらい魅了される。この中で印象的なのは、子供の頃に出会った近所の大人のハムの存在だ。彼ら無くして今の私は無いと誰もが語っている。今はどうであろうか? 全て現地語なのでアクセスし難いと思われるが、語学に堪能な方は是非、読んでみると良い。既に可也の件数が掲載されており、長文のスレッドが多いので、読み応えがある。参考の為に、URLを紹介しておく。これは、CCAのMLの2月分の書き込みをスレッドでソートしたページのリンクで、この中の表題に「Why」が入っているスレッドが該当する。Collins archive in February 2014 soreted by thred

 

529.プレートトランス保護 2014年2月28日
 終段管のプレート回路障害時に高価なプレートトランスをどう保護するか。時代に応じた対策が講じられている。KWS-1では高圧回路にHVB-1という高圧ヒューズを入れていた。最も確実な方法だが、その後に入手困難となり、30S-1ではプレートトランスの一時側に汎用品の1Aヒューズを入れた。プレート回路障害時にまずは整流管がその衝撃を吸収し、トランス一次側のヒューズが切れる設計となっている。30L-1ではプレート回路に10Ω2WのR11、R12を入れ、切れる事により保護回路としている。

 

530.フィルター・カバー(2) 2014年3月7日
 75S-3Bに装備されているフィルター・カバーの目的は「44.フィルター・カバー」で紹介したとおり電源トランスのフラックス除去だが、効果を高める為に、高μの鉄、ニッケル合金で出来ている。カバーが遺失している機械もあり、レプリカが無いかを探している人も居ると思うが、残念ながら無い。この為、現在CCAメンバーが米国の金属加工メーカーとレプリカが作れないかを検討している。実現したら発表したい。ただ、実際のハムの大きさは運用に差し支えない程度で、開発時の目標値をクリアする事が目的だったと言われている。

 

531.811Aと811 2014年3月15日
 811Aは811の改良型で、811のプレート損失が45Wに対して811Aは65Wある。更に重要な相違として、プレートの構造がある。811のプレートは薄いので、規格を超え使用し赤熱した場合、穴が開きやすい。これを改良したのが811Aでプレートにフィンが幾つも付けられている。これにより赤熱輻射が発生し熱を逃がす効果を発揮し、赤熱時にもある程度の時間を耐えられる様になる。CETRONやRCAの811Aはこのフィンが多数付いているが、中国製の811Aやロシア製の物は、プレートに付けられた折り目をフィンとしている。この構造は生産コストが抑えられるが十分な赤熱輻射が生まれず、赤熱に弱いと言われている。この指標として使われるのが短時間耐性プレート損失で、米国製の811Aは200Wで60〜100秒耐えるのに対して外国製のものは200Wで15〜20秒であった。短時間でチューニングを行えば外国製の物でも使えると思われる。ただ、米国製の811Aは水平利用に絶える構造である点も注意すべきである。これらをまとめると、30L-1では811は使用できない。また、余裕を持ちプレートタッチによる事故防止のために可能なら米国製の811Aを使用すべき。詳細はW8JIのサイトを参考とされたい。

 

532.KWM-380用メモリーボード(2) 2014年3月21日
 「419.KWM-380用メモリーボード」で現代のチップを使用したメモリーボードをW4AX、Mackが開発、販売していると報じた。修理部品として、バッテリーが劣化したメモリーボードの代替として、WARCバンドに出るバージョンアップ版として利用価値は高い。しかし、部品入手の問題より、数週間前に彼から絶版のアナウンスがあった。今後、はどうしたら良いのか。メモリーだけなら代替品がMOUSER ELECTRONICS(日本語で購入可能)から入手が可能である。部品番号「511-M48Z0215PC1」で同サイトから検索すると良い。半導体は足が速い・・・。

 

533.30L-1の811A(2) 2014年3月28日
 「335.30L-1の811A」でマッチド・ペアは使用する必要は無いがメーカーは揃えたほうが良いと書いた。これに関して少し具体的に補足してほく。30L-1の811Aは規格ぎりぎりに使用しているので、特性が大きく異なる特定の1本に負荷が偏った場合、致命的になる可能性がある。簡単なテストでこれを避けることが出来る。1本だけ811Aを差し15Wくらいでドライブし出力が大きく異なる物がないかを調べる。もしくは、ドライブを掛けずにアイドル電流を測定する。正確ではないが、実用的なテストにはなる。

 

534.30L-1の電源スイッチの保護 2014年4月4日
 30L-1の電源スイッチは壊れると交換が大変である。しかし、特にAC115Vで使用時は電源投入時のラッシュカレントが大きく接点の持ちが心配となる。この対策として、コンセントを差し込むだけで、ラッシュカレントを防止するAmeritronのICP-240という器具が紹介されていた。他の機械でも利用が出来そうだ。

 

535.コリンズの価格(3) 2014年4月11日
 「113.コリンズの価格」「283.コリンズの価格(2)」で当時の価格や現在の価値に変換した価格を紹介したが、過去の価格を現在価値に変換できる米国労務省のサイトが有るので紹介する。
例えば、1960年のAllid Radio のカタログ価格を変換すると下記の通りとなり、それなりの価格に変換されている。
  • 32S-1 $590.00  ⇒ $4,662
  • 75S-1 $495.00  ⇒ $3,911
  • 516F-2 $105.00 ⇒ $829
  • 312B-4 $185.00 ⇒ $1,461

 

536.30L-1の上手な利用法(2) 2014年4月18日
 30L-1は改造記事が多々あり、ヒントの中でも「4.30L-1における572B」、「289.30L-1アップグレード・プロジェクト」等、多々紹介した。方や「222.30L-1の上手な利用法」で30L-1を上手に使用する方法も紹介した。過日、30L-1に572Bを使うことや改造することに疑義を呈した書き込みが有った。その趣旨は次の通りである。

マニュアルには30L-1の限界や正しい利用方法に関して明確に記述されている。マニュアル通りに使用すれば、811Aは可也長期間持つはず。30L-1は811Aベースで設計されているので、572Bを使用した場合、IMDが劣化し得策ではない。設計者である Gene Senti は自分がどの様な設計を行ったかは良く知っているはず。アンプは全ての部品構成をトータルで設計しているので、個々の部品の優劣で良否を判断すべきではない。572Bや新しいダイオードボードやトランスを使用した機械は最早、30L-1と言えるだろうか?

最後の件は意見が分かれると思われるが、572Bの利用に関しては考えさせる所がある。

 

537.30S-1の電源フィルタ 2014年4月26日
 M0GHQ、MaxからCCAのMLに次の投稿があった。
「30S-1でスタンバイ時の電源電圧がCW:2800V、SSB:3900Vと可也、高い。これは、30S-1の電源フィルタ回路が60Hzを前提に120Hzに同調されているからで、50Hz地域で使用した場合、これを100Hzに同調させればこの現象は解決する。0.05μF、5KVのコンデンサをフィルタコンデンサ(C206、0.15μF)に並列に接続したところ、CW:2200V、SSB:3000Vとなり、満足できる結果となった。」
心当たりがある、50Hz地域に在住の方は試してみると良い。

 

538.6BF5の熱(3) 2014年5月2日
 「13.6BF5の熱」で熱対策の為に6AQ5Aを使う事を紹介したが、6BF5の負荷インピーダンスは6AQ5Aの半分である等、回路変更が伴うので積極的に使う気にはならない。そもまま差し替えたらどうなるだろうか? WのOMが実験し、それなりに使えた結果を得たという事なので、早速、実験してみた。音量を上げると歪っぽい音となるが、小音量では問題なかった。因みに、75S-XはDCで使わない限り各真空管のヒーターがパラに接続されているので、ヒーターの問題も発生しない。簡単に実験できるので試してみると面白い。また、W1VD、JAYのサイトでは6BF5と6AQ5のF特と歪率の測定結果が掲載されている。これによると、6AQ5の歪率は0.125Wで聴取上、気になりだす10%を上回る事がわかる。因みに、十分な音量で聞く為には0.5W位までは見ておきたい。グリッドバイアスを−7〜−6V(現状:−12V)にすると歪率が改善するので、1番ピンとアース間に360KΩ程度の抵抗を入れると良い。直ぐ戻せるので試す価値は有る。

 

539.75SのAF段のテスト 2014年5月9日
 「538.6BF5の熱(3)」で6AQ5の歪率改善のチューニング方法を紹介したが、実施時にはF特や歪率を測定したくなる。外部からトーンを入れるのには、背面に有るJ10 (CW SIDETONE)を使用すると便利である。AF段に直接信号が注入できる。

 

540.30S-1のブロワーの取り外し 2014年5月17日
 30S-1のブロワーの外し方がCCAの機関紙Signalに掲載されている。そのpdf版のCCAのサイトに掲載されているので紹介する。4頁〜8頁を参照願いたい。Signal Second Quarter 2010 (容量:9MB)

 

541.コリンズ業務用送信機のカタログ 2014年5月23日
 コリンズ業務用送信機のカタログとマニュアルが掲載されているサイトを紹介する。1937年〜84年のものでコリンズ以外、RCA等のメーカーのものも掲載されていてる。   http://www.americanradiohistory.com/Archive-Catalogs/Equipment_Catalogs_Collins.htm

 

542.IERCシールド 2014年5月30日
 「46.真空管のシールド」でIERCのシールドは熱放射に優れていると紹介した。IERCのシールドはオークションでも売られているが写真では大きさが良く分らない。KH6GRT、PETEのサイトにはシールドの袋等に印刷されている製品番号から大きの規格が参照できる一覧が掲載されていて大変重宝する。

 

543.IMHO 2014年6月6日
 IMHO(In my humble opinion)、「私のつたない意見として・・・」と言う意味で米国人が良く使う、米国人らしからぬ控えめな言い回しだ。それはともかく、コリンズの改造に関して次の趣旨の書き込みを良く見かける。コリンズの技術はシステムとして見るべきである。ある部分の性能が他の技術と比較して見劣りする物であっても、コリンズの技術者はトータルバランスを考えて巧妙に設計している。コリンズの技術に魅せられ愛用する者が、コリンズの技術を否定するかの様に改造に走るのは、技術者への冒涜のみならず自己否定ではないか。ドレークのMLを読むと、日々「ドレークを初めて使います。どのSherwoodの改造からすればよいでしょうか?」とか「PTOを外してDDSを組み込みたいのですが、手順を教えてください」の様な書き込みを目にする。我々コリンズ愛好家もこうなりたいでしょうか? IMHO、「それ」はコリンズのオーラと魅力その物ではないでしょうか?

 

544.EMP 2014年6月14日
 若干オフトピックとなるが、EMPをご存知ですか? EMPとはコイルに高電圧を掛けた時に発生する非常に強い磁場で、これが発生すると半導体の機械は即座に破壊される。人体には全く影響はないと言われているが、現代の社会基盤であるエレクトロニクスが全て破壊され、社会機能が麻痺する危険性がある。真空管の機械は影響を受けないため、コリンズのMLでは「EMP攻撃に備えSラインを使おう」等々、議論されていたが、そもそも電力の供給は大丈夫なのか・・・?

 

545.312B-4のパワー計調整(2) 2014年6月22日
 「409.312B-4のパワー計調整」でトリマでも校正方法を紹介したが、コリンズの製造工程で実施されていた根本的な校正方法を紹介する。パワー計の読みを最適値にする為にR3、R4、R5、R6を交換する手順となっている。K0DAS、Rod Blocksomeのページで紹介されている。

 

546.KWM-2の送受信の周波数(2) 2014年6月27日
 「45.KWM-2の送受信の周波数」で改善方法としてツエナーの挿入を紹介したが、具体的な解説が載っている記事があるので紹介する。CCAのSIGNALのバックナンバーのページに掲載されている。

 

547.コリンズのドキュメント 2014年7月4日
 サービスマンが使用するKWM-2、30L-1、312B-4等のテクニカルマニュアル(部品一覧、回路図集)がN5GX、Danの好意で公開された。通常のマニュアルには掲載されていないPTO内部の部品配置等、詳細な情報が得られる。N5GX、Danのページの「DOCS LINKS」から、TO_31R2-4-183-3_Dec_63.pdf」、TO_31R2-4-183-4_April_64.pdf」 を参照されたい。ダウンロードして保存しておけば、保守時に役立つと思われる。

 

548.コリンズのパワー調整 2014年7月11日
 KWM2やSラインの送信パワー低減方法に関する掲載があったので紹介しておく。
  1. 単にマイクゲインを下げる。この場合ALCは効かず、リミッティングアンプ等で音声入力を制限する必要有り。
  2. PAのDISABLEジャンパーを外す。但し、出力はmWオーダーとなる。
  3. PAのDISABLEジャンパーの変わりに抵抗を入れスクリーン電圧を下げる。出力を制御できるが、同時にバイアス電圧を変更しないと動作点が変わり歪が発生する。電源のバイアスVRを調整し変更すると−70Vを利用している他の部位で問題が発生する可能性がある。
  4. LOADを調整してパワーを下げる。PAは設計上のロードラインで稼動しなくなるので歪が発生する。
  5. 終段管を1本とする。電力は10W〜50Wに制限できるが、中和、バイアスの再調整(改造)が必要となり、ALCは効かなくなる。
  6. 送信機はそのまま使用し、出力アッテネータを挿入する。歪やALC稼動等の問題は全く無い。

アッテネータ以外の方法は意外に問題があり、改造なしには使えそうにも無い。

 

549.KWM-380のダイオード 2014年7月19日
 KWM-380のフロアノイズ低減方法として、内部に多用されているダイオードをHPのPINダイオード(5082-3081)に交換する対策が紹介されていた。とはいっても、相当数に上るので、信号パス上の効果がある部分だけを交換すると良い。その一覧をHiro、AD4EDがCCA MLに発表しているので紹介する。とは言っても、61本の交換が必要となる。
<Filter board>
 CR1,2,16 (Fl1 2.2KHz) CR3,4,17 (Fl2 opt2 360Hz) CR5,6,18 (Fl3/A1)
 CR7,8,19 (Fl4 opt3 140Hz) CR9,10,20 ( Fl5 opt1 1.7KHz)
<Noise blanker board>
 CR1,2,3,5,6
<Receiver-Exciter board>
 CR800,801,802,803,804,805,806,807
 CR100,101,102,103,104,105,106,107
 CR108,109,110,111,112,113,114,115
 CR116,117,118,119,120
 CR700,701,702,703
 CR500,501,502,503,504,505,508,509

 

550.マイクインピーダンス変換トランス 2014年7月25日
 コリンズの機械にはハイインピダンスのマイクを要求されるが、最近のマイクを使いたい場合はインピーダンス変換トランスを使用する。MOUSERで安いインピーダンス変換トランスがあるので紹介しておく。PARTS NUMBER42TM117-RC。単独で買うと$2.74に対して送料が2千円ほど掛かるので、他の部品が必要になったときに一緒に買うと良い。

 

551.516F-2のソリッドステート化(2) 2014年8月1日
 「83.516F-2のソリッドステート化」でK6MAYの改造記事を照会した。今回はその他として、Jim Garland、W8ZRの改造記事のページ、現在、進行中の516F-2内蔵ボード開発プロジェクトのページ(Barry、W0IY)を紹介する。このボードはダイオードによる過渡電圧を抑え、一次側の過渡電流から本体の電源スイッチを保護するリレーも内蔵し、元の真空管ソケット等もそのままにするので、オリジナルに戻せるのが特徴である。

 

552.32S-3のレベルダイヤ 2014年8月8日
 32S-3の各ステージのレベルダイヤグラムがCCAのマニュアルのページに公開された。これは32SシリーズやKWM-2で、チューニングしてもグリッド電流が余り出ない等のトラブルシューティングに参考となろう。リンクは次の通り。http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2012/04/32S-3-RF-Typical-Voltage-Table.pdf

 

553.851S-1A 2014年8月15日
 851S-1はHF-80シリーズで唯一チューニングノブが付いている受信機で、アマチュアの機械ライクな作りとなっているので存知の方も多いと思われる。そのバリエーションをご紹介する。851S-2は1Hz単位でチューニングが出来るバージョン。851S-1Aは周波数表示が液晶となり、付加機能が追加されている。但し、プロトタイプのみが作られた。HF-80のコレクターであるJim、WA3CEXのサイトにそれらの写真が掲載されている。中でも、851S-1Aの写真は珍しく、外見が851S-1とは可也、違っているので目を引く。

 

554.注油 2014年8月23日
 レストアで注油は重要な作業であるが、どの様な油を使用したらよいだろうか。例えば、コリンズの業務用送信機233Dの保守インストラクションでは、オートチューン機構に使用する油はSocony-Vacuum Oil Company 製の Gargoyle Artic C Light を使用するように指定されている。この油は低温でも粘性が低く良好な潤滑が期待できる。また、どの場所であろうとも動物性、植物性の油は使用してはいけない事が明記されている。古い時代のしかも特定の機械に書かれたインストラクションであるが、注油の基本について極めて示唆的だと言える。

 

555.CCA準会員 2014年8月29日
 この度、CCAの非メンバーに向けて準会員制度が発足した。会費は不要で、登録するだけでCCAサイトの会員専用のページが見られるようになる。
非会員の方は登録をしてみてはどうか? 
登録方法はCCAのトップページのNEWS FLASHを参照願いたい。

 

556.宅急便のパッキング 2014年9月5日
 CCAのMLでは宅急便配送のトラブルの報告が絶えない。何故か。配送センターでは行き先別にベルトコンベアが乗り換えられるが、この時の落差が最大3フィート(90cm)あるという。例えば、パッキングが不適切な30L-1に811Aをつけたまま3フィートの高さから落下させたらどうなるだろうか? 日本の宅急便業者のベルトコンベアの落差はこれ程あるかは別として、いくら配送担当者が注意を払って扱ったとしても、配送の工程全般に注意を払って貰っているかは疑問が残る。アルミフレームはトランスの重さで曲がる、大型真空管はショックで割れやすい等の注意点を十分に意識したパッキングをするべきである。

 

557.821A-1 2014年9月12日
 HF-80シリーズの機械を連想させるこの型番を知っている方は余り居ないと思うが、VOAに使われていた250KWのAM送信機(終段4CV100000C)の型番である。カルフォルニアで廃棄される予定だったが、CRHG(Collins Radio Heritage Group)というCCAとAWA(Antique Wireless Association)の合同グループが昨年末、VOAに保存のオファーを行いそれが実現した。AACLA(Arthur A Collins legacy Association)の協力を得てこの度、レストア・プロジェクトが完了した。機材は送信機以外にスタジオセット等、総重量は22ton。New York Bloomfield にあるAWA Musiam に展示される予定である。写真と経緯詳細はCCAのサイトで。

 

558.ワイヤー 2014年9月20日
 KWM2Aの後期の機械はテフロンワイヤー(PTFE)を使用されているが、PTEFは「486.テフロンワイヤー利用時の注意」で書いた通り、外圧が掛かると変形し内部のワイヤーがむき出しになる可能性がある。これを改善した素材にETFEがある。PTFE同様のフッ素樹脂で、耐熱性、耐食性に優れていて、航空機やレーシングカーのハーネスに使用されている。Tefzel Wire で検索すると関連情報が得られる。因みに、種々のフッ素樹脂の情報はこちらを参照されたい。

 

559.51S-1のAGC時定数(2) 2014年9月26日
 「129.51S-1のAGC時定数」で紹介したSSBが聞きやすい時定数にする改造では4.7μFのノンポーラのコンデンサーを使うが、これがなかなか無い。これに限らず容量が大きいノンポーラコンデンサーが欲しいときは、電解コンデンサー等の極性がある同容量のコンデンサーを、プラスとプラスを接続する様に、直列接続することにより得られる。この場合、無論、容量は1/2となる。

 

560.KWM-2のリレー 2014年10月3日
 KWM-2のリレーをオープンタイプから密閉型に交換するSBがある。これをする場合、従来のリレーに配線されていた沢山の配線を一旦、外してリレーソケットの密集している端子につける必要があるが、これが可也、大変な作業となる。そこで、プリント基板を使用して、配線をその周囲に付け周辺の若干の部品を基盤にマウントすると、整理された配線となる。詳細は写真で。

 

561.30L-1電源の初期投入 2014年10月10日
 オークション等で購入した、いつ電源を投入したか分らない30L-1に安全に電源を投入する方法を紹介する。
  • 811Aに問題が無いかをチェックする
  • 電源にスライダックを接続し、出力端子、入力端子に50Ωのダミーを接続する(自己発振のリスクを下げる)
  • スライダックの目盛を0にして電源を入れ、ゆっくりと50〜60Vまで電圧を上げる。この時に煙やアークが発生しないかを注意深く確認する
  • この状態で数分放置するが、FANが回っていることを確認する(FANが回らないとFANに負荷がかかり焼損する恐れがある)。回らない場合は手で羽を回してやると良い。
  • 問題が発生しない場合は徐々に10Vずつ電圧を上げる。電圧を上げるに従い、プレート電圧が上がることを確認する。
  • 10V上げる度に10〜15分放置し、コンデンサーを慣らす。プレート電流は0であることを確認する。
  • 規定電圧になった時点でプレート電圧が1800〜2000Vである事を確認する。
  • この状態で、Relayプラグをショートして送信状態にし、アイドリング電流が150〜170mA流れることを確認する。この時にプレート電圧は若干下がる。
  • これを確認した後、電源を切る。この時に5〜10秒で電圧が0に下がるはず。これでブリーダーが正常である事が確認できる。即座に0になる場合は電解コンデンサーが不良、0になる時間が掛かる場合はプリーだー抵抗が不良。

 

562.硬いスイッチの修理 2014年10月17日
 古い機械でロータリースイッチやボリュームが硬く回らないのは多くの場合、グリス等が硬化しているのが原因である。この対処方法の一つとして、シャフトをヒートガン等で熱してWD-40等を吹きかけ洗い流すと良い。これで当分は問題がなくなる。出来れば裏側からも同様な作業をすれば恒久対策となる。

 

563.KWM-2等のアイドリング電流の問題 2014年10月25日
 KWM-2やSラインでアイドリング電流が規定の40mAに下がらない場合がある。PAの同調ずれでこの様な現象が発生する事があるので、次の手順で同調点に近い状態にセットしてから確認するとよい。
  • 3.6MHzバンドにする
  • EXCITER TUNING を目盛2にする
  • PA TUINING を目盛3にする
  • MIC GAIN を反時計回りに回しきる(0)

この事は、アイドリング電流調整時には予め同調点(と思われる)所にセットするのが好ましい事を意味する。
なお、これでアイドリング電流が調整できない場合は6146等、部品を疑う必要がある。

 

564.Sラインのグリスアップ 2014年10月31日
 先日、CCAのMLに「Sラインの何処にグリスアップをしたらよいか?」という質問が投稿されたが、誰も回答が出来なかった。それに対して、或るOMが「皆、分らなくて答えないんじゃないよ」と投稿していた。彼、曰く、「Sライン、KWM2はR390や51S1とは異なりメカ部分が殆ど無く、グリスアップが必要なのは、PTO内部、ロータリースイッチのディテントベアリング、スラグラックのベアリング位である。PTO内部のグリスアップはPTOの分解が必要で、心臓手術をする位の注意いが必要である。ロータリースイッチのディテントはほんの一滴のグリスで良い。スラグラックは分解後、全トリマ再調整が必要である。この様に、注意と或る程度のテクニックが必要なため、利用上の大きな支障が無い限りはグリスアップはしないほうが良い。まかり間違えても、メインダイヤル機構にグリスや油を差してはならない。」 但し、私同様メンテナンス自体を楽しむ向きはこの限りでは無いが。

 

565.811Aの水平マウント(2) 2014年11月14日
 「50.811Aの水平マウント」で30L-1に使う811Aは水平マウントを考慮されたものを使うべきと書いた。中で最も注意すべき811Aは30L-1にマウントした時にプレート構造物が水平になってしまう製品である。これだと、グリッドにダレが生じた時に容易にプレートにタッチしてしまう。この様な811Aは垂直マウントのアンプにのみ使うべきである。見分け方は次の通り。太い足2本(又は細い足2本)を結んだ線がプレートと平行になる製品を選ぶ。ソケットはこれらが垂直になる様にマウントされている。これを知っていれば、アンプに挿した時に慌てずに済む。

 

566.KWM-2でCW運用時の注意点(3) 2014年11月22日
 「140.KWM-2でCW運用時の注意点」でKWM-2は低周波トーンでCWを発生しているのでスプリアスに注意が必要と書いたが、少し補足しておく。メカフィルの通過帯域は300Hz〜2.4KHzなので、1500Hzのトーンを使用していて、2倍のスプリアス(3KHz)がフィルタ帯域に入らないようにしている。後期のKWM-2はトーン周波数が1750Hzに変更され、スプリアスマージンを稼いでいる。ただ、これはゼロインした時に、相手局のトーンが1750Hzで聞こえるので少々オペレーションがやり難い。これを1000Hz位にしたい所であるが、スプリアスの点でNGである。32S3でトーンを使用しなくなった理由が分る。因みに、可也マニアックだがこの様な解決方法もある。
http://tinyurl.com/ksychgs

 

567.KWM-2でCW運用時の注意点(4) 2014年12月6日
 「566.KWM-2でCW運用時の注意点(3)」でトーンをオペレートしやすい位に低くすると2倍のスプリアスがメカフィルの帯域内に落ち込むのでNGだと書いたが、DBMは2次のIMDを低減し、更に低歪のトーンオシレータを使用すれば十分に実用になるCWを発生させることは出来る。低歪のAF発信器を使用してスプリアスを見ながら周波数を変えてテストし、希望の周波数を決めれば良い。

 

568.30L-1のチューニング 2014年12月12日
 30L-1には便利なMULTIMETERが付いていて、これが0を指すようにすると適切なチューニングが取れる。この原理は、入力による電圧(正方向)と最大出力によるディップ点の電圧(負方向)が丁度0になる様に予めメータ回路を調整すると、同調が取れた時点でメータは0を指示するので、入力が変化しても出力がリニアに変化するので、これによりメータは0をキープする。ただ、この回路には欠点がある。電圧を発生するダイオードの周波数特性により、周波数により0の位置にずれが生じる。この為、MULTIMETERは使わず、出力最大になるようにIPディップを取り、しかも規格(IP=600mA)以内とする事(概ねエキサイター出力60W)で使うのが最も良いとされている。

 

569.451S-1 2014年12月20日
 451S-1(SN#002)の美品がe-bayに出されている。いくら美品でも、即決価格は邦貨で3百万円と余りにも高い。この受信機はHF(KWM)-380を受信に特化し、それに従いパネルレイアウトもアレンジしたもので、受信回路はそのままHF-380の物を利用しているので、いわば、HF-380より送信回路を外した機械となる。では何故、これ程に高いのか? それは、この機械の希少性にある。どのくらい希少かと言うと、10台しか生産されておらず、これを含め、次の4台だけの所在が判明している。@Rockwell Collins Museum in Cedar RapidsARockwell Collins Ham Club、BJim Stitzinger, WA3CEX、C本機。本機は、独コリンズのラボでヨーロッパ、アフリカ地域のプロモーション用として使用され、この後、2008年に現在のオーナーであるW4JNに売却された。もう少し451S-1の生い立ちに触れておくと、この機械は、HF-80シリーズが生産された後、HF/KWM-380とそのプロユースに特化したHF-280が生産された時に生産された。因みに、同じ系列の型式名称である851S-1はHFシリーズとして生産されたので、この451S-1とは縁もゆかりも無い
誰がこの機械の名誉ある次のオーナーとなるか?

 

570.ボートアンカーのソフトスタート 2014年12月27日
 30L-1のソフトスタートが議論されていたがその要否はともかく、そこで紹介されていたHarbach Electronics 社の製品に目を引いた。これは電源投入時のラッシュ電流を抑えてくれる機能があるので、アンプのみならずボートアンカーにとっては大変に優しい製品である。

 http://harbachelectronics.com/shop/misc/ss-100-universal-soft-start-module/

 

571.D-104とコリンズ 2015年1月2日
 現代においては既にD-104は高音が強調された硬い音の代表格の様な扱いを受けているが、1930年代よりコリンズユーザーにこれ程長く親しまれたマイクはないであろう。参考のために、1930年代の宣伝広告が掲載されているリンクを紹介しておく。ノスタルジアに浸ることが出来るであろう。長くコリンズをしまっていた人も、きっともう一度、使いたくなると思う。  http://www.qsl.net/n2ffl/astatic.jpg

 

572.30L-1のFUSEホルダー(2) 2015年1月9日
 30L-1FUSEホルダーのキャップが無い事が稀にある。ツイストロックの方式なので、FUSEが入ってないと落ちやすい。国内では代替品が見つからないが、Cooper Bussmann社の製品が使えそうだ。ALLIED ELECTRONICS社のサイトで入手が出来る。

 

573.トランス代替品 2015年1月16日
 「219.Peter Dahl Co.(3)」でPeter Dahl のトランス製造を Hammond Manufacturing が引き取ったと報じ、暫くはコリンズ用トランスの代替品(その他の機械用のトランスも多数ある)の調達は何とかなりそうだ。同社のページを見ると、マニュアルには載っていないトランスの仕様が掲載されているので、特に巻き直しを頼む場合には参考になる。 http://www.pwdahl.com/PWD_HamCatalog.html#Collins

 

574.CCA準会員(2) 2015年1月23日
 「555.CCA準会員」で会費無料の新制度とその特典に関して説明したが、この度、準会員向けに機関紙「Collins Column Magazine」がe-mailで配信される事となった。準会員でも可也楽しめそうだ。登録方法はCCAのトップページのNEWS FLASHを参照願いたい。

 

575.Sメータの指示誤差(2) 2015年1月30日
 「475.Sメータの指示誤差」で誤差が大きくなった場合の対処方法を掲載したが、そもそものリニアリティーはどうなのか? この問いに答えたのがW5QN,DONである。彼は75S-XのSメータのリニアリティーを改善、担保する回路を開発、数十ドル程度で配布している。回路、写真等の情報は2012Q1のTHE SIGNALを参照願いたい。興味がある方は彼にコンタクトして配布回路の在庫の有無を確認すると良い。

 

576.KWM-380のトレーニングテープ 2015年2月6日
 KMW-380の保守担当者を養成する為のテープ(画像なし)がある。既に保守サービスを行っていないので、この様なテープを聴いて修理の参考としたいものだ。そこで、CCAはサイトに一連の研修用テープを公開している。URLは次の通り。
http://www.collinsradio.org/cca-collins-historical-archives/the-equipment-of-collins-radio/the-s-word-or-solid-state/kwm-380-self-study-course/

 

577.30S-1のチョークトランスの唸り 2015年2月13日
 30S-1のチョークトランス(L202)はかなり唸る。中にはブザーが鳴る様な音を出す物さえある。これは、電流容量に余裕が無い為で、30S-1の欠点のうちの一つである。唸るトランスの対策としては、電流容量が大きいPeter Dhalのトランスに交換するか、トランスの下に防振ゴムを敷くかである。私自身は後者の対策をしてある程度効果を上げている。ただ、何れにせよトランスの固定ネジを外す作業には苦労する。

 

578.コリンズのキャビネット 2015年2月20日
 リプロダクションのキャビネットと言えば、Advanced Optics Limited 社を以前の紹介したが、その他にもNationwide Radio 社がある。ここでは、516F-2のキャビネット以外にも、「38.51S-1キャビネット」入手が難しいと書いた51S-1や30L-1、51Jと言った他では入手が難しいキャビネットも扱っている。

 

579.516F-2の高圧フィルターコンデンサー 2015年2月27日
 516F-2の高圧フィルターコンデンサー(C1)は不良になっていることが多い。交換部品として推奨されるのは、スチコン、ポリカ、マイラーで、耐圧が1200V以上あるもの(例えば、オレンジドロップ)。避けるべきは、安い金属蒸着フィルムコンデンサーや容量変動が大きいディスクコンデンサー(一応、共振回路なので)。近年、高耐圧のこれらのコンデンサーは値段が高く入手が難しくなっているが、オーディオ関連の部品を扱っている所なら未だ入手可能である。

 

580.516F-2のソリッドステート化(3) 2015年3月7日
 516F-2を半導体化をした場合は、275Vが高過ぎ問題となる。800Vは少々高くても大きな問題とはならない。この場合の対応方法は、75〜150Ω 20Wの抵抗を275V回路のチョークの前に挿入し電圧を下げるか、トランスのセンタータップに50Vのツエナーダイオードを挿入するかとなる。抵抗の発熱を考慮しながら取り付け場所を決めるのはなかなか厄介なので、後者に軍配が揚がるか。

 

581.D-104の上手な使い方 2015年3月13日
 ASTATICのD-104はコリンズの真空管式の機械との相性が良いとされている。それは、入力インピーダンスが高いからである。D-104のアンプ入りバージョンであるシルバーイーグルに関し、真空管式の機械との相性を問題視する人も居るが、内蔵アンプのレベル設定を次の様に行えば上手く使える
  1. アンプのレベル調整ボリュームを最小に絞っておく。
  2. 送信機のマイクゲインを通常使うマイクの設定位置にする。
  3. 通常の声のレベルで話した時のレベルをキープ出来る様にアンプの調整ボリュームを上げる。

 これ以上を求める人は、世の改造記事を参考にされると良い。

 

582.51S-1のアンテナ 2015年3月20日
 51S-1は51JシリーズやR390と異なり、アンテナトリマーが無いのでアンテナには注意が必要である。50Ω不平衡を十分に意識する必要がある。例えば、1/4λの整数倍の長さとなったロングワイヤーは高インピーダンスとなり、ミスマッチによるロスが非常に大きくなる。これを避けるために、マッチング範囲が広いカップラーを使用すると良い。プリセレクターの役割も成し一挙両得といえる。

 

583.電源電圧と機械の性能 2015年3月27日
 米国では電源電圧が当時の電圧より高いが、これが機械の性能にどう影響を及ぼすかを調べた書き込みが有った。AC123Vを115Vにすると、Sメーターの読みが6dB下がるが、感度は変わらない。出力は変わらない。機械の温度が10℃下がる。多分、機械の寿命が延びる。高い電源電圧を下げたくなる理由が良く分る。

 

584.516F-2の高圧フィルターコンデンサー(2) 2015年4月3日
 「263.516F-2の高圧チョークの謎(2)」で「516F-2のチョークコイル(L1:8H)にはC1(0.05μF)が並列に接続されていて計算上の共振点は250Hzだが、120Hzに共振し、電源のレギュレーション向上を目的としている」と説明した。高圧回路はチョークインプットの整流回路となっているが、チョークでこの様な電源周波数との共振回路を作るとチョークを小さく出来、ブリーダーに消費させる電力を小さく出来る。これを50Hz地域で使用した場合、共振周波数が変わるので、レギュレーションが悪くなるだけではなく、これらの部品にストレスを与えることとなる。ただ、直ちに問題が発生する訳ではなく、部品の耐用年数が短くなるくらいに考えれば良いと思われる。因みに、50Hz地域での計算上のC1の値は0.068μFとなる。

 

585.CCA Web サイトリニューアル(3) 2015年4月10日
 CCAから新しいサイト開設のアナウンスが有った。
  1. CCAメンバーのシャックと紹介をするサイトを開設。http://collections.collinsradio.org/
  2. Face Bookのページを開設。Face Bookの友達を見つけるのフィールドにcollins collectors associationと入れ検索する。

 

586.バラモジ(4) 2015年4月17日
 今まで何回かKWM-2や32S-Xに使われているバラモジFairchildのFA400)の代替品に関して紹介して来た。これらを実装するときには、各ダイオードに温度異が出来ないように、ガラス等の基板上に接着して実装すると良い。実装のノウハウも重要だ。

 

587.コリンズのマイク 2015年4月25日
 コリンズのマイクとして、SM1、2、3、280、MM1等があるがこれらはマイクメーカーのOEMだ。
  • SM-1   Turner model 95D    CPN 097-5944-000
  • SM-2   Turner model 57D    CPN 097-5946-000
  • SM-3   Telex model  ※     CPN 099-3288-000  ※ 仕様書にmodelの記述無し
  • SM-280 Telex model 752     CPN 020-0261-010
  • SM-281 Telex model NC751   CPN 020-0261-020
  • MM-1   Turner model SR90D  CPN 097-5945-000

 

588.30L-1の入力回路の調整 2015年5月2日
 30L-1の入力回路の調整は意外に気を使う。サイズが大きいのでマイナスドライバーを使いたいが、金属なので調整がずれるので使えず、コアにフィットするプラスティックの調整棒を探す必要がある。サイズは9/32"幅、0.055"厚。次の製品が使える。

いっそのこと、木を削り作ると言う選択肢もある。

 

589.ダイヤルコード(2) 2015年5月8日
 「183.ダイヤルコード」でダイヤルコードの代替品について紹介した。コリンズは製造段階ではコードが付いた状態でシャフトをマウントしていると思われ、これを修理する事は簡単ではない。事実、KWM-2や32S-Xの修理でバンドスイッチのコード交換が最も難易度が高い。運悪く修理が必要になった場合は次のコツを覚えておくと助かる。コードの長さはオリジナルと正確に同じである必要がある。テンション機構が無いからである。使用していると若干伸びるので伸び幅を考慮し短めに取り付けたい。但し、なかなか上手く行かない。コードを取り付けた後に両端のプーリーに遊びが無いかを確認する。遊びが有るとバンドスイッチのポジションが正確に定まらなくなる。コード取り付け時はバンドスイッチを回転限界のポジションにして動かなくするとやり易い。

 

590.メインダイヤル機構の保守 2015年5月15日
 「366.PTOのクリスアップ」や「564.Sラインのグリスアップ」でメンテナンスで使用するグリスや注意点を書いた。中にはグリスアップをしてはいけない部分もあり、その一つが歯車状の白いプラスティックギアー(Fiducial Gear)である。プラスティックゆえ、グリスに含まれている溶剤が長い年月を掛けてギアーを蝕み、歯が異常に磨耗する。彼らがUnobtainium(入手困難な部材)と呼ぶギアーを傷めない為にもギアーを含めたメインダイヤル機構はクリーンしておくのが最良の保守だとの結論だ。あえて保守をするなら、ギアーを分解し、アルコールか石鹸水で汚れや油分を除去して十分に乾燥させると良い。 

 

591.電解コンデンサーの再生 2015年5月22日
 「171.電解コンデンサの交換」「290.電解コンデンサについて」で電解コンデンサーは低電圧から徐々に印加電圧を上げると再生可能と書いたが、そのメカニズムについて説明する。電解コンデンサーはアルミニューム等の酸化皮膜の絶縁体に蓄電するが、長期間使用しないと酸化皮膜が劣化する。この段階で規格の電圧を掛けると劣化部分に電流が流れ、そこに熱が発生し、更にその熱により酸化皮膜の劣化が加速度的に進み、終にはコンデンサーが破壊される。低電圧を印加することにより酸化皮膜が再生されると言われており、破壊を回避する事が出来る。なお、劣化度合いにより再生可否は左右される。

 

592.Dayton Hamfest 2015 2015年5月29日
 今年もDaytonの季節がやってきた。K4NYW,Nickが会場で撮影した数々のボートアンカーの写真が彼のサイトにアップされているので紹介する。 http://www.virhistory.com/ham/dayton-15.htm

 

593.Arthur Collinsの肉声 2015年6月6日
 Arthur Collinsの肉声の録音がアップされた。彼は公の席では余りスピーチをしなかったので貴重な録音である。しかしながら、ウィットのセンスもあるようだ。http://www.collinsradio.org/arthurs-voice/

 

594.コリンズ メンテナンス ページ 2015年6月13日
 今年のデイトンでコリンズメンテナンスページをCCAのサイトに開設するとのアナウンスがBill Carns,N7OTQからあり、この度、公開された。このページはSignal MagazineやSBから抜粋された一般的なメンテナンスのノウハウ、機器毎のメンテナンス、改造記事の集大成で、今後も内容を充実してゆくとの事。INDEXが付けられているので見やすい。まずは、実際のページを確認していただきたい。 http://www.collinsradio.org/rx/

 

595.30S-1のチューニング 2015年6月20日
 CCAのMLで以前、QSTに掲載された正しい30S-1のチューニング方法が紹介されていたので掲載する。一般的な4極管アンプのチューニング方法なので衆知の事とは思うが、おさらいの為に・・・。まずは、タンク回路を同調点に追い込む。この時にLOAD、PLATEつまみを調整して少ないパワーから徐々に調整するのがアンプを壊さないこつである。この点で若干LOADを減らす(LOADつまみを目盛を減らす=バリコンの容量を大きくする)。この時にスクリーングリッド電流を監視し、電流値が0かややマイナスとなる点に合わす。ここがIMDが最も良いとされる調整点となる。

 

596.30S-1のチューニング(2) 2015年6月27日
 「595.30S-1のチューニング」で紹介したチューニング方法の他に、W4FMX、Grayが提唱しているプレート電流より反応が鋭いスクリーン電流で調整をする方法がある。始めは少ないドライブ電力でPLATEでスクリーン電流がピークになる様に調整し、LOADでスクリーン電流が減少するように調整する。この時にLOADは増える。ドライブ電力を増やし再びPLATEでスクリーン電流のピークに調整し、LOADでスクリーン電流を減少させる。これを繰り返すとLOADが徐々に増え規定出力に達する。この時に、スクリーン電流は0かややマイナスである事。因みにCCAのMLには、40KW送信機の4CX5000Aを使用したエキサイターの調整方法も全く同じだったと、送信局の技術者の証言が掲載されていた。

 

597.30S-1のチューニング(3) 2015年7月4日
 30S-1のチューニングに関して紹介して来た。このアンプの生い立ちや特性を良く理解する事で、意味が良く理解できるだろう。これらが掲載されているCCAの機関紙であるSignal Magazine の記事のリンクを紹介するので興味がある方は読んでみると良い。http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2012/04/Tuning-the-30S-1.pdf

 

598.リレーの接点不良対策(2) 2015年7月11日
 「268.リレーの接点不良対策」で種々の接点磨きの方法を紹介した。ただ、リレー接点はデリケートなので、出来ればWD40の様なアルコール系のクリーナーを紙に染み込ませて根気良く磨く事を薦める。ロータリースイッチの接点も同じである。密閉型の様に物理的な清掃が出来ない場合は、抵抗を介して接点に12〜28Vの電圧を掛けて接点に付着した汚れを飛ばす事で清掃が出来る。但し、他の回路に影響を与えないように、また、リレー接点容量を超えないような電流値を選ぶ事が必要だ。この方法は受信回路の様な微小電流を扱う場合は有効である。微小電流回路では汚れの層が余り厚くないためこの方法で十分に清掃が可能である。

 この内容を詳細に説明しているW8JIのサイトを紹介しておく。

 

599.コリンズのメカフィル生産終了? 2015年7月17日
 去る7/7にRockwell Collins から次のメッセージが顧客に対して発信された。メカフィルは消えるのか?

"Rockwell Collins - Filter Products has been producing the Mechanical Filter
since the 1950s. Over the past several years, we have seen a dramatic
reduction in demand for these filters. Due to this and other economic
reasons, Filter Products will be announcing a last time buy to all of our
current customers. This email is an attempt for us to understand the impact
this will have on your business and to understand what the final demands may
be for Filter Products. We would like to have your input prior to making a
formal announcement of a life time buy in the near future.

Please review this message with your management and team for the potential
impact a life time buy would have on your business and respond to this email
no later than July 31, 2015. We will interpret no response as not having an
impact on your business.

Please forward this message to anyone in your organization that may be
impacted by this notice.

Thank you.

--

Thomas Sanders / Manager, Facilities
Rockwell Collins Inc., 14192 Franklin Ave., Tustin, CA, USA
Phone: 714-929-3971 / VPN: 829-3971 / Fax: 714-929-4011
thomas.sanders@rockwellcollins.com"

 

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