メンテナンスのヒント集

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【掲載ポリシー】
  ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。
  ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。
  ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは
未検証のまま掲載するケースもあります。
  ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。

 

200.ヒーター電圧 2007年10月26日
 過剰なヒーター電圧が真空管の寿命を短くすると良く言われているが、どれだけ短くなるのであろうか? 10%の過剰電圧により寿命が50%短くなると言われている。これは、一次側の電圧変動に対する警告と取れる。一次側がAC115Vで二次側がAC6.3Vを得ている場合は、一次側の電圧変動が10%(11.5V)ある場合は、二次側も10%の変動があるので警戒電圧となる。日本の場合は、電源電圧はほぼAC100Vと安定しいるので、余り心配は無いが、スライダックスを使っている場合は、くれぐれも電圧に注意が必要だ。

 

201.運用可能周波数 2007年10月26日
 KWM-2Aや32S-3A等は、オプションのCP1クリスタルパックによりゼネラルカバレッジになるが、5.0MHz〜6.5MHzの周波数は送信を避ける様にとマニュアルには注意書きがある。これは、VFOの第2高調波がVIFの周波数に落ちてくるため、スプリアスレスポンスが悪化する可能性があるからである。最近、Wやヨーロッパで試験的に開放された60mバンド(現在のところSPOT割り当てだが)はこの中にあるが、オペレーションは出来るのか? しかし、彼らは盛んにKWM-2A等で実験をしている。運用できない周波数に関して、SIL(Service Information Letter)2-27 が出されており、次の通り変更されている。
  • 5.970−6.000MHz
  • 6.035−6.265MHz
  • 6.200−6.230MHz

この結果、60mバンドでは問題が無い事が判る。

 

202.トリマーコンデンサの分解方法 2007年10月26日
 「123.トリマーのくっ付き」でトリマーがくっ付いた場合の対応方法を説明したが、トリマーの分解方法に詳しく触れていなかったので説明する。

まずは、止めネジを緩め、トリマーを外す(配線の半田は外す必要がない)。トリマーの裏側に中央のピンにはまっているクリップがある。これの端を二本の千枚通しの様な器具で押し、ピンから外す。これにより、センターピンは外れ、トリマーの部品は外れる。外した部品をぬるま湯に溶かした中性洗剤で良く洗う。

 

203.516F-2のアーク 2007年11月2日
 516F-2の高圧が入らなくなり、受信機からアークノイズが聞こえる場合は、516F-2の高圧部から発生しているアークを疑ってよい。原因は種々あるが、高圧整流管のソケットにアークが発生している場合が多い。この場合は、高圧整流管を外すと、こげたアークのパスが見つかるはずである。このこげは炭化したベークなので、清掃しても再度アークを発生する原因となるので、根本的にはソケットを交換する必要がある。どうせ、交換するなら、タイトのソケットを奢りたい。ただ、穴の系やネジ穴の位置が異なり若干の加工を要する場合もある。

 

204.6LC6と12BY7A 2007年11月10日
 我々日本人のJUNK BOXに多数眠っている12BY7Aは果たしてKWM-2等のトライバー管として使われている6LC6の代替となるか? 12BY7Aのフィラメントは12Vであるが、センタータップが出ているので、6.3Vで使える。4番ピン、5番ピンをショートして、6番ピンとの間に6.3Vを加える。特性は似通っている。
  • 6CL6       Ep=250V/Ip=30mA, Esg=150V/Isg=7mA, RL=7.5KΩ, Po=2.8W
  • 12BY7A     Ep=250V/Ip=26mA, Esg=180V/Isg=6mA ,RL=9.3KΩ, Po=6.5W

どなたかトライした方は居ないであろうか?

 

205.周波数測定のヒント 2007年11月16日
 一般的な周波数測定に関するヒントであるが・・・。例えば、PTOの発信周波数を直接測定しようとすると、周波数が変わってしまい、うまく測定できない事がある。この様な場合は、1MΩ位の抵抗をシリーズに入れて測定すればよい。または、2ターン位のピックアップコイルを発信管に巻き測定すればよい。ただ、一般的な周波数カウンターは入力感度が高くないので、プリアンプを使用する必要がある。プリアンプはわざわざ作らなくても、シンクロスコープのVERTICAL出力端子を使えば20dB位のプリアンプになる。シンクロスコープの入力にプローブを使うと、測定器側の影響も少なく出来るので、一挙両得となる。

 

206.PTOのベアリング(2) 2007年11月25日
 「131.PTOのベアリング」で「直径3mm程のアクリル・ベアリング」「Small Parts, Inc. の アクリル・ベアリング (Parts Number : BL-02 , Diameter 1/8") が紹介されている」と説明したが、その後のCCAの掲載で、アクリル・ベアリングではなく、パイレックス・ベアリングである事が指摘されている。アクリル・ベアリングは耐久性に問題があり、長くは使えないそうだ。パイレックス・ベアリングは入手が難しいようで、代替のベアリングの入手方法として、パン切り器のベアリング等が紹介されていたが、とても日本では探し当てそうも無い物だったので、紹介は差し控えておく。やはり、掃除機で根気良く無くした周辺を吸い込み、探すアドバイスがもっとも現実的に思えた。

 

207.30L-1トリビア 2007年12月1日
 30L-1の足に使われているゴムは、前足と後足では材質が異なる。前足のゴムは通常のSラインと同一の材質だが、後足のゴムは、30L-1の重量を支えるために、硬質の素材で出来ている。

 

208.Peter Dahl Co. 2007年12月7日
 緊急報告。今まで、Ham界に多大な貢献をしてきた、Peter W Dahl 社が本年12/31をもって、廃業する事になりました。同社は30S-1やKWS-1等の強化トランスで有名ですが、今後はこれらの供給はどうなるのでしょうか・・・。彼は病床に就いているとの事で、これが廃業の理由だと言われています。Ham界をリードしてきた火がまた消えることになりました。非常に残念な話です。

 

209.Peter Dahl Co.(2) 2007年12月15日
 先週、Peter Dahl が廃業すると報じましたが、既に、その代替の供給先が話題になっていました。そのいくつかを紹介します。

因みに、WZ1M,Grayの住所(FOREST AVE.ORONO.ME)は私のWのメーリングアドレスです(世の中狭いですね)。

 

210.JB−Weld 2007年12月22日
 金属専用の接着剤が紹介されていた。JP-Weldというブランドだ。特に付けにくいアルミの接着に便利なようだ。MLでは、KWM-380のヒートシンクにクラックが入ったがどのように修理したらよいか、という問いに対して、この接着剤が推奨されていた。どんな金属も接着にも利用出来、500°Fまで耐えられるとの事で、案外利用範囲は広い様だ。日本でも入手が出来、自動車部品の修理に使われているようだ。

 

211.75S-3のノイズブランカ 2007年12月29日
 75S-3には専用のノイズブランカ(NB)が無い。この為、どのNBを適用できるかの質問が時々ある。良く言われる方法としては、
  1. ヒースキットSBシリーズのNBを流用:60年代のQSTに記事が紹介されているので、良く言われている方法だが、このNBは探しても見つからず、見つかったとしても値段が高い。効きが悪いをいう人もある。
  2. KWM-2のNBを流用:熱の問題さえ気にしなければ、一つの方法であろう。
  3. ElecraftのkitのNBを流用:適用のために回路的な考慮を要するが、価格も手ごろで、アドバイスも受けられそうなので、トライする価値はある。
  4. コリンズの半導体のNBを流用:見つかればこの方法も有用である。

いずれにせよ、レベル調整ボリウムの取り付け穴をパネル面に開ける必要があり、抵抗がある。ヘッドフォンジャックをつぶし、その穴を使う方法もあるが。

 

212.312B-4のパワーメータ精度 2008年1月4日
 312B-4はディレクショナル・カプラーを使っており、その故、精度は期待できない。スフスケールで20%の誤差を見込む必要があるといわれている。つまり、100Wを指していても、真の値は80W〜120Wの間だ。それでは、これはひどい精度かというと、Bird43も含め、ディレクショナル・カプラーを使っているパワー計の精度はこんなものである。純抵抗のダミーロードを接続したときの精度は向上するので、パワーは純抵抗のダミーロードを接続して測定すべきである(基礎的なノウハウだが)。

 

213.マイク 2008年1月11日
 コリンズにはどのマイクが良いか?マイクは本人の声質と特性のバランスで選択する事は理解しているが、難しい事は言わず、マイクの話題になるとMLは大賑わいになる。
人気はやはり
  • Sure Brothers Model 444 desk mikes
  • Astatic D-104 (を KWM-2A で使う)

意外と人気なし

  • E-V 664

その他

  • Shure 450 Series II Desktop Microphone
  • Shure 522 (を 32S-3 で使う)
  • EV 600E hand mic
  • Turner 95D
  • SM-2 (を KWM-2、S-Line、KWM-1 で使う)

最後に、マイクコレクションのサイトを紹介しておきます。

 

214.KW-1 for Sale 2008年1月20日
 メンテナンスの話題からは外れますが、コリンズのアマチュア無線機器の最高峰であるKW-1が売りに出されていました。KW-1は50年代のAM/CWの1KW送信機で、生産台数152台という希少さと当時の販売価格の高さから、未だに高値段で取引されています。スタート価格は$30,000だそうです。参考に、KW-1が掲載されているW0VYA,BOBのサイトを紹介しておきます(このサイトの機械と売りに出されていた機械とは関係がありません)。

 

215.パイロットランプ(2) 2008年1月25日
 「80.パイロットランプ」でコリンズに適しているパイロットランプを紹介したが、その後、種々の情報が上がっていたので紹介する。

 パイロットランプを上手につかう上での考慮点は、

  • 物理的な規格(ソケット形状、大きさ):コリンズで使えるランプの物理的な規格は、
    • T-3 1/4 Miniature Bayonet Base
    • G-3 1/2 Miniature Bayonet Base
  • 電気的な規格:チェックが必要な規格は、
    • 電圧(V)
    • 電流(mA)
    • 明るさ(MSCP)
  • 電流配分:電流配分に厳格な51S-1やKWM-2では考慮が必要。Sラインは厳格に考慮する必要は無い。
  • 発熱:熱により周囲の部品が焼ける。特にメーターフェースには注意。丸型のパイロットランプは長さが短く、周囲の部品から熱源を離すことが出来る。但し、丸型のランプの幅はナス型のランプより広い。また、一部のメーカーのナス型のランプは若干長いものがあり、特にメーターランプに使うときは注意が必要。
  • 寿命:規定より10%低い電圧で使うと寿命が10倍延びるといわれている。この意味で、#51を6.3Vで使う場合は、寿命が25倍〜100倍になるといわれている。
  • 明るさ:MSCPで表される規格。

代表的なパイロットランプの規格と特徴は、

  • #44(6.3V, 250mA, MSCP=0.90):コリンズに適切なランプ。初期の機械で使われている。
  • #47(6.3v, 150mA, MSCP=0.50):コリンズに適切なランプ。後期の機械で使われている。#44より発熱量が少ない。
  • #49(2.0V, 60mA, MSCP=0.04):分圧抵抗がないと6.3Vでは使えない。
  • #51(7.5V, 220mA, MSCP=1.0):コリンズで唯一51S-1のメータランプに使われている。一般的には多くの6Vの電源で稼動する業務用のトランシーバに使われている。 6.3Vで使っても十分明るく、発熱量が少なく丸型なので、メーターフェース等に与える熱の影響を少なく出来る。
  • #53(14.4V, 120mA, MSCP=0.75):丸型。モトローラの12Vで稼動する機械に使われている。
  • #711(6.3v, 150mA, MSCP=0.33):規格は#47と同等だが、平均寿命は#47が3,000時間に対して、20,000時間と長寿命。

 その他にも数多くのランプがある。ランプの規格一覧のサイトを紹介しておく。
なお、これらのパイロットランプはMOUSER ELECTRONICS で入手できる。

  ナス型 T-3 1/4 Miniature Bayonet Base    丸型 G-3 1/2 Miniature Bayonet Base

 

216.811Aの嘘と本当 2008年2月2日
 中国製の811Aは、30L-1の様に真空管を水平にマウントする機械で使用すると、グリッドが垂れ下がりやすく寿命が短くなる。これは真実。30L-1に使用する811Aはマッチド・ペアを使用するべき。これは嘘。コリンズはマッチド・ペアを推奨している訳ではない。マッチド・ペアが売られている理由は、売り手にとって付加価値が上がるからであり、本当に必要なケースは一部のアプリケーションに限られる。

 

217.516F-2の115V/230V切替 2008年2月9日
 516F-2の一次側入力電圧はAC115Vであるが、ある期間に製造されたものではAC230V/115Vの切替が出来る。電源トランスに刻印されているパーツナンバーで識別が出来るので調べてみるとよい。
  • part # 662-0434-00  AC115V のみ
  • # 662-0249-010    AC115V/230V 切替

 

218.30S-1のメータ精度 2008年2月16日
 通常はあまり気にしないメータの精度だが、30S-1の様に扱う電力が大きい場合は、表示値が狂うと思わぬ事故を引き起こすので注意を要す。コリンズで多用されているソリッド抵抗は長年のストレスで値が大きくなり、メータの精度を狂わす原因となっている事も見逃せない。

30S-1では、MULTI METER で表示する電圧、電流値を測定し、誤差がある場合は関連する抵抗をチェックする必要がある。最も気になるPLATE VOLTAGE と PLATE CURRENT に関してのチェックのポイントを例示しよう。

  • PLATE VOLTAGE :分圧抵抗器(1MΩ×5本)は値が大きくなり電圧が低く表示される傾向があるので、抵抗値をチェックする。5%以上誤差がある場合は交換する。
  • PLATE CURRENT :1Aの直流電流計の精度を次の手順での検証する。
    • 30S-1の電源を入れずに、外部からPLATE CURRENT 電流計に電流を流し、並列に接続した外部電流計の読みと比較する。SCREEN電源のダイオード・ボードのプラス側〜TB104-3の間に「外部直流電源」、「可変抵抗」、「外部電流計」を直列に接続し、可変抵抗を変化させながら外部電流計の読みとPLATE CURRENT 電流計と読みが一致するかを検証する。

 

219.Peter Dahl Co.(3) 2008年2月23日
 「208.Peter Dahl Co.」で同社が廃業した事を伝えましたが、先日、Harbach Electronicsがトランスの製造ライセンスを買収し、Peter Dahl のブランド名でトランスを MagCap 社に製造委託することが決定したとオーナーのW8CQ、Jeffからアナウンスがあった。トランスを注文した場合は、MagCap 社から直接トランスが送付されてくるとの事である。これは一つの朗報ではないか。

 

220.新しいNB 2008年3月1日
 KWM-2、75S-3用にソリッドステートの新しいノイズブランカが Wynn Works, LLC より発表された。この会社ではその他に、既存の516F-2のキャビネットに入るソリッドステート電源、スピーチプロセッサーを発表予定である。非常に興味深い企画である。

 

221.メインダイヤルが重いとき 2008年3月7日
 ダイヤルが重いときは、まずは、メインダイヤルのドライブ機構をチェックするが、ドライブ機構に問題が無いときは、PTOのマウントのアライメントをすると良い。
  • まず、PTOのハウジングをシャシーに留めているセルフタッピングのネジを緩める。
  • 次にPTOハウジングの背面の留めナット(2個)を緩める。
  • ダイヤル盤が正面パネルと平衡になっている事を確認し、セルフタッピングのネジを留める(水平のアライメント)。
  • メインダイヤルを5回くらい左右に回し、PTOハウジングの背面の2個の留めナットを締める(垂直のアライメント)。
  • この状態で、ダイヤルを回し軽く回るかの確認をする。

 必要に応じて、以上の調整を繰り返すが、改善しない場合は、「23.PTOのレストア」で紹介したPTOの分解掃除が必要である。

 

222.30L-1の上手な利用法 2008年3月14日
 30L-1は筐体が小型で、プレート損失が比較的小さな811Aを使っているために、無理をしないように上手く利用しないとアンプを壊わす羽目になる。上手に利用するノウハウがMLに載っていたので紹介する。
  • アイドリング電流を確認・修正する
  • TUNEメータの0セット調整を正しく実施する
  • 811Aを572Bに交換するのも一つの方法
  • ALCを接続し、ALCのコントロールが効かない場合は、次の安全策を取る
    −RF出力をモニタースコープで監視する
    −エキサイターのドライブ電力は出来るだけ絞る

 

223.51S-1のバリエーション 2008年3月22日
 51S-1は筐体、電源の仕様によりバリエーションがあるので整理してみた。
  • 51S-1:ケース付き、AC115V/230V 一般的な機械
  • 51S-1A:ケース付き、DV28V
  • 51S-1F:ラックマウント型(ケース無し)、AC115V/230V
  • 51S-1AF:ラックマウント型(ケース無し)、DV28V
  • 51S-1B:ケース付き、AC115V/230V、背面に軍用のコネクターBOXが付いている機械

 

224.SSGの出力レベル 2008年3月29日
 基本的な注意事項であるが、例えば、入力インピーダンス50Ωの受信機のアンテナ端子にSSGからの信号を入力する時には、SSGの出力インピーダンスにより受信機に加わるレベルが次の様に異なるので注意を要する。
  • SSGの出力インピーダンスが50Ω:SSGで設定した出力レベルが受信機に加わる
  • SSGの出力インピーダンスがハイ・インピーダンス:SSGで設定した出力レベルの半分が受信機に加わる

 

225.コリンズのカタログ 2008年4月4日
 コリンズのカタログを読み直すと、結構面白いことが書いてある事を発見する。例えば、KWM-2Aのカタログでは、
  • finished with light gray enamel with a simulated leather fromt panel (革張りを模したライトグレー仕上げのフロントパネル) ==> フロントパネルのでこぼこは、革張りを模していた。
  • VIBLATIONS: 2 g at 10-33 Hz AMBIENT HUMIDITY: 0%-90% ALTITUDE: 0-10,000 ft. ==> 軍用も考慮されているので、仕様はここまで決まっている

 

226.リキャップKIT 2008年4月11日
 「177.リキャップ」でその有効性を紹介し、「171.電解コンデンサの交換」で厄介な3セクションコンデンサの再生、調達のノウハウを紹介した。Wでリキャップに必要な全ての電解コンデンサ(3セクションコンデンサも含む)を廉価で販売しているOMが居る。価格の一例を紹介する。
  • 32S-1          $25.90
  • 75S-1          $29.90
  • 75S-3/3A    $29.90
  • 75S-3B/C    $25.90
  • 32S-3          $29.90
  • KWM-2      $29.90
  • 516F-2        $29.90 

送料は一律 $11。在庫の有無、上記以外の機種のKITの有無に関しては問合せが必要。

問合せ先:Chuck  K1TLI
       
508-965-7400
       274 Fruit St. Mansfield, MA  02048
       scorebrd@verizon.net

 

227.SC-301 ステーション・コンソール 2008年4月19日
 KWM-2のステーション・コンソールとしてSC-301なる機械が59年にコリンズのカタログ上で発表された。516F-2のフロントパネルを取り外し、そこにマウント出来るように設計されている。搭載機能は、KWS-1のアクセサリーである312A-2と同様な、
  • ローテータのプリセットコントロール
  • 24時間電気時計
  • アンテナ切替機

しかし、生産を支えるだけの需要が見込まれず、実際には2台のプロトタイプが出回ったのみであった。現在、市場にはKK5IMが作成したレプリカが出回っている様だ。

 

228.電源のバリエーション 2008年4月25日
 SラインやKWM-2の電源のバリエーションを整理してみた。
  • 516F-2:一次がAC115Vの最も一般的な整流管を使った電源。
  • 516E-1:一次がDC12Vの半導体電源。
  • PM-2:一次がAC115VのKWM-2にマウントできる半導体電源。デューティーサイクルが低いSSB向け。
  • MP-1:一次がDC12Vのモービル用に設計された半導体電源。516E-1の後継機。

 

229.RCAコネクター(2) 2008年5月3日
 「39.RCAコネクター」で意外な良い特性を紹介した。この特性を裏付ける様なしっかりした構造のコネクターを見かけるが、この類のコネクターはオーディオ用のコネクターで、センター・ピンの長さが短い物が多いので注意を要する。センターピンが短いと無線機の背面ですぐにコネクターが外れるという問題が発生する。安いRCAコネクターで十分である。(写真の中で、左:オーディオ用RCAコネクター、右:安いRCAコネクター)

 

230.30L-1ダイオードボード(3) 2008年5月9日
 「72.30L-1のダイオード」 「108.30L-1のダイオード・ボード(2)」で紹介したが、新たな供給先が紹介されていたので、今一度整理して紹介する。
  • Yves (Steve) Pautard, WN4I
    5833 Dryden Road West Palm Beach, FL  33415
    (561) 689-8819
    E-mail:
    wn4i@arrl.net
  • Rod Murray, K1RODI
    17418 E. San Marcus Drive Fountain Hills, AZ  85268
    (480) 836-1246
    E-Mail: k1rod@arrl.net
  • Chuck Costa, K6CVC
    8139 Sunset Ave.
    Suite 209 Fair Oaks, California 95628
    (800) 892-9429

    E-Mail: sales@radiomerchant.com

 

231.Sライン満足度調査 2008年5月16日
 1981年3月にHam Radio誌がSライン、KWM-2の満足度調査を実施した。Sラインの結果を紹介する。210名のオーナーから回答を得た。10段階評価で満点10を付けた人の割合が高かった点は、
  • 品質:74%
  • 信頼性:70%
  • 耐久性:65%

これは驚く高さである。

「Sラインの良い特徴は?」との問いに対しては(一部、10段階の評価項目とダブるが)

  • 信頼性:45%
  • 安定性:27.5%
  • 受信機の性能:17.5%
  • ダイヤルの正確さ:15%
  • 明瞭な音質:15%
  • その他(選択度、信号の品質、保守のし易さ、200HzのCWフィルタ、同調のしやすさ、耐久性、感度、広い周波数カバー範囲、リセールバリュー、サービスマニュアル、TVIが無い点)

どれも頷ける内容である。

 

232.Sライン満足度調査(2) 2008年5月24日
 「231.Sライン満足度調査」でSラインの評価が高い点を紹介したが、ネガティブな評価も紹介しておく。

悪い特徴として挙げられた点

  • 全くなし:55%
  • PHONEプラグを使っている点:17%
  • 200KHzのバンド幅:14%
  • 真空管の交換が必要:12%
  • チューニングに時間がかかる(トランジスタの機械と比較して):11%
  • RITが無い:10%
  • その他(VOXの不安定さ、AGC特性、28-30MHzのカバレッジが不完全、半導体ではない事、周波数のオフセットによりCW運用時に不便、パーツが高い、値段が高い、リレー)

問題を抱えている点

  • 全くなし:43%
  • 真空管(不良発生):23%
  • 小さな部品の交換:13%
  • その他(AC電源、リレー、VOX、アライメント、ドリフト、AGC)

コリンズの弱点として頷ける。ただ、「チューニングに時間がかかる」、「真空管の交換が必要」、「小さな部品の交換」は、裏返せば手が掛かる故に楽しめる点として考えられないだろうか?

 

233.ALC 2008年5月30日
 30L-1、30S-1と最新式のトランジスタの送信機のALCのつなぎ方、効能に関しての議論があった。

 ALCのインターフェース基準は無い。このため、送信機が要求するALC電圧はまちまちで、この状態でどんな組み合わせでも適切な動作を期待する事は無理である。30L-1と30S-1のALCはコリンズの送信機と組み合わせたときに最適な動作をする様に設計されていることは言うまでも無い。送信機にあわせ、動作電圧を変換するインターフェースを作成すれば良いが。

 では、ALCはつながなくても良いか。ALCの大きな目的はオーバードライブ防止なので、ドライブ電力の適切な管理すれば問題は無い。

 一方、ALCをつながないとスプラッターを撒き散らすという意見もあったが、オーバードライブ防止が主たる目的なので、ALCループの動作開始時ではスプラッターは防止できない。むしろ、スピーチプロセッサーを適切に設定する事や、モニタースコープでエンベロープのピークが潰れていないかを監視する方が賢明と言えよう。

 スピーチプロセッサーは送信機の動作条件により動作点が変わり、最適な動作点を得るためにはバンドを切り替える毎に再設定が必要である。この事を実践している人はどの位いるであろうか?非常に面倒な操作となるので、使わない方が無難であるという意見が出た。

 モニタースコープは、RFピックアップ回路が付いているSB-610やSM-220が良いと紹介されていた。レスポンスが遅いALCメータとは異なり、リアルタイムで監視が出来るので、非常に有効だと評価が高い。

 究極にはスペアナであろうが、ここまで投資する合理性は無いとの意見もあった。

 

234.黄ばんだトリムリング(2) 2008年6月6日
 「151.黄ばんだトリムリング」で、紫外線で黄ばんだプラスティック・トリムリングはレストアが出来ないと書いたが、サンドペーパーで磨き、良い結果を得た旨の書き込みが有ったので紹介する。
  • 400番位のサンドペーパーで白い下地が出るまで磨く
  • 1500番位のサンドペーパー(若しくはコンパウンド)で、仕上げ艶を出す

以前、紹介したとおり、この黄ばみはプラスティックの変質が原因なので、レストアには変質部分を削る必要がある。レストア後も紫外線にさらされると再び黄ばみが発生するので要注意。

 

235.TUBE PULLER 2008年6月13日
 真空管の引き抜き器具調達に関する情報が紹介されていた。部品が立て込んでいる中から真空管を引き抜く時の必需品。

 

236.30S-1の電源(2) 2008年6月20日
 「115.30S-1の電源」で必要となる電源の仕様に関して説明したが、電源の接続方法に関して熱い議論が展開されていたのでそれをまとめて見た。30S-1の電源は次の4Wで接続する。
  1. 230V Hot@
  2. 230V HotA
  3. Neutral
  4. Ground

「3.Neutral」に関しては、Hot@ないしはAとの間で115Vを得る為の物である。「4.Ground」に関しては、シャーシ・アースの為である。NeutralとGroundを接続しGroundを設けないケースを見かけるが、これは非常に危険である。NeutralはHotから流入してきた交流が電源側に戻る経路で、これが理想的な状態であればGroundは無意味となる。しかし、現実にはNeutralが接触不良を起こすケースがあり、この場合は電源側に戻るエネルギーの経路は、Neutralの代わりに、「同軸ケーブル〜タワー」であったり、「マイク切替器〜他の無線機〜Ground〜Neutral」であったりする。リニアの様な大電流が流れる機器がこの状態になった場合は、火災も起きる可能性があり、またその経路で電位を持っている部分に触れた場合は感電する。よって、特に30S-1の様な機械では必ず4Wを使うように推奨されている。日本では、Groundがないコンセントが多いので、この場合は3W+筐体アース(背面のアース端子に接続)を取ると良い。但し、不用意にアースを引き回すと、RF的な問題を起こすので、フェライトコアでRFトラップを設ける等の考慮をする必要がある。

 

237.KWM-2でRTTY 2008年6月27日
 コリンズのカタログを見ると、KWM-2A can be used for RTTY when used 516F-2 Power Supply and external cooling air are employed. (KWM-2Aは516F-2と組み合わせ、外付けの冷却ファンを使用すれば、RTTYに使用することが出来る) と書いてある。ここで解る事は、
  • 516F-2はRTTY運用にも耐えることが出来る。(PM-2では容量不足)
  • 外部冷却ファンと書いてあるがオプションは設定されていない。(KWM-380ではオプションあり)

 

238.TUBE SOCKET EXTENDER 2008年7月4日
 真空管の電圧等の測定時に、部品の奥に見える端子にテスターリードをアプローチして当てると言ったやり難い作業を強いられるケースがあるが、便利なツールが有るので紹介する。真空管用延長ソケット(TUBE SOCKET EXTENDER)がそれである。真空管を外し、延長ソケットを差込み、延長ソケットに真空管を差し込む。延長ソケットに付いている端子にテスターリードを当てれば、電圧等が測定できる。Surplus Sales of Nebraska等で売っている。

 

239.KWM-2/2A のマニュアル 2008年7月11日
 KWM-2/2Aは1959年11月に生産を開始して1982年に終了するまでに、数々の回路変更がされ、マニュアルも9版に及んでいる。マニュアルの選択方法は、所有している機械の製造年月日に合わせたマニュアルを1冊、最新のマニュアルを1冊が理想である。最新のマニュアルは、RockWell International 9th edition, 15 Jan '78 でCCAのマニュアルのページ掲載されている。マニュアルの他に、空軍で発行されていたトレーニング用教材もある。入手して見るのも楽しそうだ。
  • TO 31R2-4-183-2 Service Manual
     対象機器:KWM2A, 30L-1, 30S-1 and accessory equipment.
     発行日  :1 July 1973, Changed 10-29 Nov 1985
     備考   :Published by the Secy. of the Air Force. 164 pages
  • T.O. 31R2-4-183-WC-6 Preventive Maintenance Routines
     対象機器:KWM-2A, 30L-1 and 30S-1
     発行日 :1 Dec 1963, Changed 10 Nov 1967 This includes Performance
     備考   :Routines, Alignment or Adjustment Procedures and Servicing Routines and schedules. 114 pages

 

240.エレキー 2008年7月18日
 32S-XやKWM-2でエレキーを使うときには、容量に注意が必要である。30V、数mA位でキーイングをするが、最近のエレキーでは容量不足で壊れる可能性がある。簡単なトランジスタのキーイング回路を付加すればよいが、昔の真空管式のキーヤーはどうであろうか? 有名なものでは、Hallicrafters HA-1 や HA-4 がある。今でもe-bayあたりで入手が可能である。

 

241.インスタントレタリング 2008年7月26日
 自作をした時にインスタントレタリングにお世話になるが、レストアでも大切なアイテムとなる。インスタントレタリングには次の種類がある。@一文字ずつプリントするレタリング。Aよく使う単語が予めセットされているレタリング。Aは全体が綺麗にコンパクトに仕上がるのが魅力だ。入手先がだんだん少なくなってきている。以下に入手先を紹介しておく。

Wには他にも販売店が有ると思うので、興味が有る人は decal や lettering で検索してみると良い。

 

242.異色の組み合わせ 2008年8月1日
 32S-X送信機と51S-1受信機を組み合わせたいと言う質問があった。両者はIFが異なるので、トランシーブは非現実的だ。そうなると、興味が失せるが、@32SのREC ANT.端子より51S-1の受信アンテナを取る、AMUTEをつなぐ、と言った実利に基づいた回答を聞くと、つい「なるほど」と頷いてしまう。第三のケーブルとして、51S-1の600Ω端子から32SのVOX端子をつなぎ、アンチVOXを機能させるアイディアも出てきて、思ったよりも奥が深い。

 

243.中和はいつ取る 2008年8月8日
 「ファイナル交換時には、必ず中和を取る必要は有るか?」という質問に対して、「Yes.何故ならば、セットの中和を取り直す良い機会だから」という回答。ファイナルの特性の差異を云々する前に、たまには中和を取るべきとの示唆で、頷ける回答である。

 

244.パイロットランプ(3) 2008年8月15日
 「80.パイロットランプ」、「215.パイロットランプ(2)」でパイロットランプを紹介した。変り種のパイロットランプが紹介されていたので、再度紹介する。コリンズでスタンダードな#47に種々の色を付けた、ピンボールマシン用のランプ。色付きにするキャップもある。ドレークの緑色の照明を見ると魅力を感じるが、邪道と言わずに雰囲気を変えるのも良いのでは?

 Pinball Life

 

245.送信機とリニア接続 2008年8月22日
 古い送信機またはリニアと新しい送信機またはリニアとの組み合わせは難しい。新しい送信機+古いリニアの場合は、新しい送信機のリレー接点容量に注意。接点の耐圧が低く、昔のリニアで使われている高いリレー電圧を扱うには問題がある。例えば、30L-1はキー電圧が170Vに対して、IC-756ProVは接点耐圧が16Vである。この場合は、トランジスター等で作るインターフェース回路が必要となる。古い送信機+新しいリニアの場合は、新しいリニアがQSK機能を備えている場合は、古い送信機のリレーのチャタリングによりリニアが複数回オンオフされ、保護回路が働く場合がある。この場合は、リレーのチャタリングを防止するコンデンサ+抵抗のダンピング回路を付加する必要がある。

 

246.KWM-2の真空管代替品リスト 2008年8月29日
 KWM2の真空管の代替品リストがBill,K5GCWにより提供されていた。彼の情報にJim,KB6GMの補足を加え掲載する。これは、あくまでも急場しのぎの利用に留めるようにとコメントされていた。
Tube # Location Tube Configuration Substitute
6AZ8 V1, V3, V4 Medium-Mu Triode - Semi remote Cutoff Pentode None Listed
6U8 V2, V11, V12, V13 Medium-Mu Triode - Sharp-Cutoff Pentode 6EA8 6GH8
6AU6 V301 Sharp-Cutoff Pentode 6136 6HS6 7543
12AT7 V5, V6 High-Mu Twin Triode 12AZ7
6BN8 V14, V15, V16 Twin Diode - High-Mu Triode 6BJ8
6DC6 V7 Semi remote-Cutoff Pentode 6HQ6 6JH6
6EB8 V16 High-Mu Triode - Sharp-Cutoff Pentode 6GN8 6JT8 6LY8
6CL6 V8 Power Pentode 6677 6197
6146 V9, V10 Beam Power Pentode 6146A 6146B 8298 8298A

 なお、参考の為に真空管データベースとして有名なBill,NJ7Pのサイトを紹介しておく。

 

247.30S-1のドアロックの外し方 2008年9月5日
 鍵が掛かったままの30S-1をたまに見かけるが、次の方法で開けられるそうである。パワーコンパートメントの後方に、516F-2を搭載時にケーブルを出す穴があるが、ここから長い棒を差し込み、鍵の引っ掛かりを押し込んで鍵を開ける。その後は、ネジ止めの鍵を取り外してしまえば良い。

 

248.真空管のエージング 2008年9月12日
 長期保存されていた真空管を使用する前に、+Bをかけずにヒーターを点灯させエージングをすると良いと言われている。何故か? 
  1. 電極表面に付着している分子や、内部の浮遊ガスで真空度が低下する。これを、ゲッターで吸着除去するため。ゲッターは、高温になると活性化される。 
  2. 古いタイプの真空管の様にフィラメントが露出しているタイプは、フィラメントがだれている可能性が有るので、正規の姿勢でフィラメントを加熱して、フィラメントの姿勢を正すため。

通常は、「1.」の目的で実施するが、主に問題が発生するのは、高電圧を使っている送信管だと言われいてる。その中でも、セラミック管は、エンベロープのセラミックから発するガスを考慮する必要が有り、この方法が有用と言われている。受信機や低レベルの送信部に使われている真空管は余り気にしなくても良い。6146は微妙? 保存期間や真空管の個体差による差異もある。

 

249.Price List 2008年9月19日
 Wにおけるコリンズ機器の市場価格の一覧表が紹介されていた。日本の市場価格と比較すると、概して3割ほど安い。ただ、レアな32S-3Aが余り安くなく、重い516F-2、30S-1、30L-1が相当安いのは頷ける。

 

250.テフロン・ワッシャー 2008年9月27日
 75A-4のメインダイヤルユニット等に使われている、Teflon® (注)ワッシャーは何処で入手出来るか?下記の会社が紹介されていた。(PTFE washer で製品を検索)

(注) Teflon®DuPont社の登録商標で、一般的にはPTFE。

 

251.FP-200 2008年10月3日
 YAESU FT-200の電源であるFP-200がコリンズの電源として使えるとの情報を得たので、早速、回路図を見て検証してみた。
  • 高圧:DC600Vだが、電源トランスの二次側タップを460V⇒600Vに変更するとDC780Vほど得られる。平滑コンデンサの耐圧要確認。
  • 中圧:DC300Vなので、負荷が掛かるとDC275Vに近くになると推定できる。
  • バイアス:−DC100Vで調整ボリウムが無い。調整ボリウムを付ける必要あり。
  • ヒーター:電源トランスのAC6.3Vのタップをシリーズに接続してAC12.6Vを得ている。これをパラレルに接続すればAC6.3Vが得られる。
  • スピーカー:11Pコネクタより外し、RCAコネクタをつけたケーブルを取り付ける。
  • 中圧2:DC150Vが出ているが、使用しないので、取り外す。
  • 11Pコネクタ。コリンズに合わせ、ピンの割付を変更する。

以上により、AC100Vで使用できるスピーカー付きの電源が出来ると推定できる。但し、電源容量を検証していないので、この点は要検証である。

 

252.9ピンコネクター 2008年10月10日
 312B-5で使われている9ピンのミニチュアコネクター( 9 Pin Amphenol Plug 86CP9 )は入手が困難である。Wでの供給先だが、紹介する。

 

253.PTOのベアリング(3) 2008年10月17日
 「206.PTOのベアリング(2)」でPTOのベアリングは探し難いと書いたが、KF6BC(Robert Jefferies)が、彼の仕事の関係で、合成サファイヤのボールを作成したとの書き込みが有った。オリジナルのパイレックスより更に強度がある素材で、今だけの入手のチャンスと思われる。現在、ベアリングで困っている方、今後のストックと考えている方は次の彼のメールアドレスにコンタクトするとよい。  jefferis@antelecom.net 

 

254.オートチューナー 2008年10月24日
 180L-2や180L-3といった古い機械式のオートチューナー(旧式ATU)をトールトラの送信機で使う場合のノウハウが掲載されていた。180L-2や180L-3ではなくても、その他の旧式ATUでも応用が利くので紹介する。旧式ATUは、反射波を検出して、それが最小になるようにサーボを制御して同調を取るので、反射波が増加すると保護回路が働き出力が抑制される送信機と組合すと上手く働かない。この場合は、送信機とチューナーの間にアッテネーター(PAD)を挿入すると良い。例えば、6dBのPADを挿入すると、アンテナ側のSWRが無限大でも反射される高周波電圧は1/2となるので、VSWRは3となり、なんとかチューンが取れる範囲となる。

 

255.KWM-2の簡易的な感度調整方法 2008年11月1日
 マニュアルに沿って感度調整をすれば良いが、次の手順で簡易的にかつ実益的に調整が出来る。
  • ノイズレベルの信号を受信する。
  • 上蓋を開け感度調整ボリウムを左に回しきり、感度を最低にする。
  • 感度調整ボリウムを徐々に上げて行くとそれに伴い受信音量が大きくなる。
  • ある時点で受信音量が余り変わらなくなる。これが調整点。
  • この後に、Sメータの0調整を実施する。

多くのKWM-2では、受信感度調整を最大にしているので、RFゲインを少し絞った点の方が受信音が良いという現象を呈しているが、この場合は、受信感度を再調整した方が良い。

 

256.KWM-2のAGCボード 2008年11月7日
 KWM-2のV15(6BN8)AVC/プロダクト・ディテクターを半導体化し、アクティブフィルターでヒスノイズを軽減し、AGCのリリース時間を長くし、無信号時のノイズを抑える試みが紹介されていた。インストール方法は、6BN8を抜き、このボードを差し込むだけ。興味がある方はSM5DDAのページを参照願いたい。トップページ上部のリンク(Media)のリンク先では、このボードを使用したSメータの振れとノイズが軽減された音の様子が分かる画像が見られる。

 

257.30L-1のFANの代替品 2008年11月14日
 30L-1のクーリングFANの代替品を探しているとの質問があった。誰も代替品の回答はしていない。理由は、30L-1のFANは十分に空気を動かしていない? ブック型FANを取り付け、十分に空気を動かす事が推奨されている。オリジナリティーに拘りたい場合は、内蔵のFANはそのままにして、上部にブック型FANを乗せれば良い。確かに、811A×4本の熱は凄まじく、夏は上部に触る事が出来ない。ただ、コリンズはそれも見越した設計をしていると思うが。これは、老朽化が進んだ30L-1には酷な評価であろうか?

 

258.Fiducialウィンドウの取り外し方 2008年11月22日
 KWM-2やSラインのダイアルウィンドウに垂直の赤い基線が付いているが、これをFiducialウィンドウを言う。掃除の為にこれを取り外す時には注意が必要である。紫外線による変質でプラスティックがもろくなっていてクラックが入りやすい。これを安全に取り外すノウハウが紹介されていた。
  • 1mm程度の薄さの硬いボール紙を準備し、細長く切る。(2cm×5cm)
  • Fiducialウィンドウ周りの、PTO、ダイヤル機構、Fiducialウィンドウ留め金具、Fiducialウィンドウ回転プーリーを外す。
  • Fiducialウィンドウと前面パネルの間にボール紙を、右の方向からFiducialウィンドウを固定しているナイロンのハブの方向へ差し込む。左の方向から同様にハブみ向けてボール紙を差し込む。
  • 更に、右のボール紙と前面パネルの間に別のボール紙をハブの方向に向け差し込む。左の方向からも差し込む。
  • この状態で、後から差し込んだボール紙をハブの方向に少し力を加えながらハブの方向に差し込んで行くと、あるところで「パチン」という音がして、Fiducialウィンドウがナイロンのハブから外れる。

少々まどろっこしい方法だが、確実に、Fiducialウィンドウを壊さずに外す事が出来る。

 

259.516F-2の高圧チョークの謎 2008年11月29日
 516F-2のチョークコイル(L1:8H)にはC1(0.05μF)が並列に接続されている。これは、120Hzに共振し、電源のレギュレーション向上を目的としているとマニュアルに解説されているが、計算上の共振点は250Hzになる。この謎を解くべく、種々の憶測がML上で展開されていた。
  • L1は実は8Hが二重巻きにされていて、16Hである。
  • L1のストレーキャパシタンスがC1に並列に加わり、共振周波数を下げている。
  • L1はインダクタンスが電流により変化する挙動を示し、高負荷時に120Hzに共振するようになる。

しかし、明解な説明は出来ていないまま、このスレッドは現在も続いている。

516F-2のマニュアルの「4.Circuit discription」を読むと、高圧電源のレギュレーション向上のメカニズムが次の様に解説されている(主旨)。

  • 高圧のレギュレーション向上回路としてL1・C1、C2・C3・C4がある。
  • L1、C1は軽負荷時には120Hzに対して比較的に高インピーダンスを呈する。
  • 負荷が高くなるに従い、L1に流れる電流が増加し、L1のインピーダンスが低下する。この結果、共振点が変化し120Hzに対するインピーダンスが低下する。
  • この状況下でのリップル除去はC2・C3・C4が担う様になる。
  • 60Hz以外の電源を使用する場合は、C1を取り外す。

やはり、120Hzに共振している事を前提とした記述となっている。更に、「60Hz以外ではC1を取り外す」という気になる記述がが更に出てくる。50HzではC1を取り外した方が良いのか? 回路図を良く見ると、NOTE2に「60Hz以上で」との記載があり、頷けた。516F-2は50Hz〜400Hzまで使えるのだ。

誰がこの謎を解明してくれるのか、行方を見守りたい。

 

260.KWM-2でCW運用時の注意点(2) 2008年12月5日
 「140.KWM-2でCW運用時の注意点」でKWM-2のCWは、USBに1,350Hzのサイド・トーンを注入する方式を使っているのでサイドトーン周波数を変更する場合は注意が必要と書いた。原理的に抱えているこの方式の問題点として、逆サイドやキャリアのヌルにも気を使う必要がある事である。SSBではあまり気にならないキャリアもスペクトラムが狭いCWでは目立つ。下手をすると、「3点で送信していますよ」と言われかねない。これは、32S-1、32S-2でも同じで、これらの機械はSSB用と割り切った方が良さそうだ。どうしてもCWをやりたいのなら、キャリア注入を行っていて、キャリア・ヌルや逆サイドとは無縁の32S-3、32S-3Aを使う方が賢明である。

 

261.リキャップKIT(2) 2008年12月12日
 「226.リキャップKIT」でChuck  K1TLIを紹介したが、WEBで注文できる供給先が紹介されていた。規模が小さい会社なので余り時間が経つと品切れの恐れがあるので早めに調達しておいた方が良い。

32S-1、32S-3、75S-1、75S-3、KWM-2、51S-1、75A-4 等、多様だ。一般に入手が難しい3セクションコンデンサも含まれている。値段は一部を除き、$40前後と手ごろだ。

 

262.映画の中のコリンズ 2008年12月20日
 コリンズが出て来る映画でMLが盛り上がっていた。話題に上がっていた映画の題名を紹介しよう。
  • The Glass Bottom Boat.
    主演 Doris Day 1966年。 S-line が出てくる。
    この中に出てくる局は、この映画にも出演している
    Authur Godfrey所有のアマチュア無線局(K4LIB)。
  • Contact
    主演 Jodi Foster 1997年。 KWM-2が出てくる。
  • Airplane
    主演 Robert Hays 1980年。 75A-4、R-390Aが出てくる。 http://home.comcast.net/~bipi/ap.html

 

263.516F-2の高圧チョークの謎(2) 2008年12月27日
 516F-2のチョークコイル(L1:8H)にはC1(0.05μF)が並列に接続されていて計算上の共振点は250Hzだが、「120Hzに共振し、電源のレギュレーション向上を目的としている」とマニュアルに解説されている。この謎をめぐり、種々の議論がML上で展開されている。有力な説としては、「L1はインダクタンスが電流により変化し、高負荷時に120Hzに共振するようになる」である。

 全てのコアに使われている素材が同様な挙動を示すわけではない。ケイ素鋼はACの磁束密度の変化により、インダクタンスが大きく変化し、トランスに適した方向性電磁鋼はインダクタンスが15倍も変化する。この様に、静特性では語れない特性が存在する事が謎を生んだ原因であった様だ。

 

264.30S-1のパワーアップについて 2009年1月2日
 「27.30S-1での4CX1500B」や「139.30S-1のブロワー」で30S-1に4CX1500Bを使い、パワーアップを図る方法に関して書いたが、次の様な意見も有ったので、参考の為に紹介しておく。

4CX1500Bはスペック上4CX1000Aの1.5倍の電力をハンドリングできるが、バイアス電圧の変更、電源の増強、ブロワーの増強をしても、問題は残る。フィンの数が多く密集している1500Bは、例えブロワーを増強して風量を増やしても、層流が乱され(空気の流れが円滑に行かない様)、効率的な冷却は望めない。その為、30S-1の冷却システムでは4CX1000Aを使う事を薦める。

保険として4CX1500Bを使う事も如何なものか、という判断か?

 

265.OAKスイッチ(2) 2009年1月9日
 SラインやKWM-2の電源スイッチ「OAKスイッチ」は特殊で、「74.OAKスイッチ」で紹介した入手先が未だあるものの、消耗品なので保護する試みがたまに紹介される。スパークキラーやリレーを使い、小改造をするのが一般的だが、機械内部には全く手を付けずに済ます方法が紹介されていた。市販のスパークキラー付き電源コントローラーを外部に付ける方法である。パネル面をリペイントしてレタリングを入れ直し、非常にスマートに仕上がっている。リンク先の画像を拡大してみた頂きたい。KWM-2などのポジション名称がなかなかイケている。

(By Bill, K5MIL)

 スパークキラー付き電源コントローラー

 

266.映画とTVの中のコリンズ 2009年1月16日
 「262.映画の中のコリンズ」でコリンズの機械が出てくる代表的な映画を紹介したが、そのアップデート版+コリンズが出来来るTV番組のリストが紹介されていた。それにしても沢山有るものだ。

(By Floyd Soo, W8RO)

  • “Crazy in Love,” 1992 (made for TV), Holly Hunter, Gena Rowlands ? Opening shot of the movie, shows a complete WE S/Line being used to report local WX.
  • “Father Goose,” 1964, Cary Grant ? Post WW2 receivers and possibly transmitters at base.
  • “Glass Bottom Boat,” 1966, Doris Day, Arthur Godfrey, Rod Taylor ? S/Line, A/Line, KW-1 appear in several scenes! Reputed to be Godfrey’s personal Collins gear!
  • “Contact,” 1997, Jodie Foster ? Young Ellie Arroway, played by Jena Malone, is a ham that uses a KWM-2 to make her first contacts!
  • "Apocalypse Now," 1979, Marlon Brando, Rob’t Duvall, Harrison Ford, Martin Sheen ? Capt. Willard (Sheen) is having dinner with a couple of officers in a trailer-house that has what looks to be a KWM-2A sitting on top of a 30S-1 in the background.
  • "Where The Buffalo Roam," 1980, Bill Murray - Features a scene where what appears to be a S-1 line is used to guide a light plane in for a landing on an improvised strip.
  • “Hawaii Five-O,” 1968-1980 (TV), Jack Lord ? Some scenes included a KW-1 in the background.
  • “Primary Colors,” 1998, John Travolta, Larry Hagman - Features a shot of Libby Holden (Played by Kathy Bates) in the “shack” of her “electronics expert” friend that has a KWM-380 flanked by some S-line 'boxes' that are only visible from the rear. (Maybe a 30L-1 and 51S-1 (?), along with a HRO-500?)
  • “Goldfinger,” 1964, Sean Connery, Honor Blackman - There is a shot (maybe two) where the Round Emblem (meatball) logo is clearly visible on the VHF Nav/Com antenna on top of the fuselage of the JetStar that Bond uses for transportation.
  • “PT-109,” 1963, Cliff Robertson ? Collins TCS appears in parts of the movie.
  • “Mission Impossible,” 1966-1972 (TV), Martin Landau, Steven Hill, Barbara Bain, Greg Morris, Peter Lupus - Several pieces of Collins gear have appeared on different episodes. (Some receivers may have been used as transmitters…)
  • “Sky King,” 1951-1959 (TV), Kirby Grant, Gloria Winters ? S/Line may have appeared on some later episodes.
  • “Them,” 1954, James Arness, James Whitmore, Edmund Gwenn, Joan Weldon, and Fess Parker - Collins A/Line appears in parts of the movie.
  • “Never Say Never Again," 1983, Sean Connery, Barbara Carrera, Kim Basinger - During a fake fire drill board a ship, 007 sneaks into the radio room to send a message using a Rockwell Collins KWM-380.
  • “Phenomenon," 1996, John Travolta, Robert Duvall ? One of the characters is a ham and uses Collins gear in a scene.
  • "Memphis Belle," 1990, Matthew Modine, Harry Connick, Jr., John Lithgow - Thanks to their trusty Collins BC-375 transmitter (which you don’t see much of) and BC-348 receiver, a B-17 crew flying their 25th mission make it back to England.
  • “The Boys in Company C, “ 1978, Stan Shaw, Andrew Stevens, James Canning, Michael Lembeck, Craig Wasson - US soldiers in Vietnam find a VC radio installation that featured a KWM-2.
  • “Airplane,” 1980, Leslie Nielsen, Lloyd Bridges, Robert Stack, Peter Graves - Has a scene in a control tower showing a 32V series transmitter and 75A series receiver.
  • “The Final Countdown,” 1980, Kirk Douglas, Martin Sheen, Charles Durning, Ron O’Neal, and Katharine Ross - A KWM-2 and SM-2 (and possibly a 312B-4) are used in the radio room of the carrier Nimitz.
  • ”Black Sheep Squadron” (aka "Baa, Baa Black Sheep"), 1976 ? 1978 (TV), Robert Conrad, Simon Oakland, Dana Elcar ? Reports of either an ART-13 or TCS appearing on the show. (If anyone has details, please contact me!)
  • “Torn Curtain,” 1966, Paul Newman, Julie Andrews, Peter Lorre, Lila Kedrova ? Reports of either 30S-1s or KWS-1s appearing in the radio room of the ocean liner. (Again, if anyone has more details, please contact me!)
  • "The Aviator,” 2004, Leonardo DiCaprio, Alec Baldwin, Cate Blanchett, Kate Beckinsale, Alan Alda ? A Collins A/Line appears on the flight deck of the Spruce Goose.
  • “Return of the Black Stallion,” 1983, Kelly Reno, Vincent Spano ? there is an ART-13 seen in the PanAm Clipper.
  • “The High and the Mighty,” 1954, John Wayne, Robert Stack ? there is an ART-13 seen in the aircraft John Wayne is flying.

 

267.コリンズのスピーカー(2) 2009年1月23日
 312B-3に内蔵している楕円形のスピーカーの代替品が販売されている。これらは、サイズとインピーダンスが純正品(Jensen社)と同じだが、コーンやマグネットの構造や素材が新しい物で、従って音が違う。純正品は、最早、旧型となり入手が出来ない。参考の為にJensen社のサイトを紹介しておく。

 

268.リレーの接点不良対策 2009年1月30日
 接点不良の対策として、「143.リレー磨き」で接点を磨く素材を紹介した。それを補足しまとめると、
  • 紙やすりは絶対に使わないこと。例え1000番の目が細かいものでも、接点を磨耗させる。
  • ベストは名刺に接点復活材をしみ込ませ丁寧に接点を磨く。
  • 接点磨きという専用工具もある。参考の為にMCM Electronics社製品サイトを紹介しておく。
  • ピカールもOK?

リレーはソレノイドに可動部が到達する少し前に接点がメイクする様に設定すると良い。この場合、接点同士が微妙にバウンドして擦れ合い、表面の酸化膜が破れ、接点不良がおき難くなる。

 

269.ダイオード 2009年2月6日
 コリンズのメンテナンスで良く出てくる代替品のダイオードの規格をまとめてくれた。覚えておくと非常に便利である。

(By Bob Hardie, W5UQ)

  • 1N4001= 1A 50V Standard Rectifier
  • 1N4002= 1A 100V Standard Rectifier
  • 1N4003= 1A 200V Standard Rectifier
  • 1N4004= 1A 400V Standard Rectifier
  • 1N4005= 1A 600V Standard Rectifier
  • 1N4006= 1A 800V Standard Rectifier
  • 1N4007= 1A 1000V Standard Rectifier

 

270.バイアス電流 2009年2月13日
 RCAのデータシートによれば、6146A(×2)をAB2で動作させるバイアス電流は、プレート電圧750Vの場合で22mAとなっている。コリンズの設計者はリニアリティーを重視し、これより動作点をA級寄りの40mAとしてAB1で動作させている。リニアアンプを繋ぐと、歪率は劣化する。因みに、30L-1はAB2で、30S-1はAB1で動作している。この場合は、トータルの歪率改善の為に、よりA級寄りの50mAが推奨されている。更には、送信機とリニアアンプの間のケーブル長を22.5ftとして、フェーズシフトによりALCの効きとリニアリティーを改善している。以上の動作条件を遵守する事が重要である。

 

271.真空管ソケット清掃のアイディア 2009年2月20日
 真空管ソケットを清掃する良いアイディアが紹介されていた。接点復活材やアルコールを使用して清掃するのが一般的であるが、ソケットの小さな穴をどう清掃するか。歯間ブラシが良いようだ。「I字型歯間ブラシ」でWEB上を検索すると沢山の製品がヒットする。サイズはSSS〜LLまで有る様だが、一番小さなSSSが良いのか? 歯間ブラシに接点復活材を染み込ませ、ソケットを磨く。

 

272.バインディングの紐 2009年2月27日
 「109.コリンズ結び」でバインディングの手法を紹介したが、ここでは、コリンズがバインディングに使用している蝋引きされた紐の調達先を紹介する。オリジナリティーに拘る向きは参考にされると良い。

この他、「McMasterCarr(イエローページの類)で調べる」、「デンタル・フロスを使う」というアドバイスもあった。

 

273.レンチの種類 2009年3月6日
 コリンズの様な米国の機械をメンテナンスしていると、度々、レンチの米国名称に出くわす。以下に整理しておく。
  • Bristol Wrenches  コリンズのノブ等に使われている、菊型のネジ用
  • Hex Wrenches    六角ナット用
  • Spline Wrenches   通常のナット用のスパナ
  • Phillips Wrenches   プラスドライバー
  • Straight Wrenches   マイナスドライバー

 

274.高圧整流管のソリッドステート化についての一考 2009年3月13日
 「103.高圧整流管」で、30S-1やKWS-1で使われている高圧整流管、866Aや3B28(DCX4/1000)のソリッドステート化(SS化)について紹介したが、先日、CCAの編集長であるN7OTQ、Bill Carnsより、ソリッドステート化に慎重になるようにとの意見が寄せられていたのでその要旨を紹介する。

SS化は30S-1では未だ容認できるが、KWS-1では控えるべきである。KWS-1の高圧部は余裕を持った部品を使用しているが、既に年月が経過しており老朽化が激しい。特に、チョークトランスや高圧トランスではコンパウンドに小さな亀裂が入っていると思われる。KWS-1の修理を多数経験している私(N7OTQ)とDennis Brothersは、SS化をしたKWS-1は、これらのトラブルが多いとの事で一致した認識を持っている。

30S-1や516F-2でも同じ事が言えるのでは? SS化は「クイックスタート」や「無故障」でメリットがあると言われるが、整流部だけがクイックスタートしても意味は無く、周辺部品にダメージが発生しては意味が無いと感ずる。それよりも、老朽化した周辺部品へのストレス回避の方が有益と感ずるが・・・。

 

275.30L-1のFANの修理 2009年3月20日
 先日、我が30L-1のFANのローターがFANのハウジングの内部に当たり異音を出し始め、MLにヘルプを求めたら、修理やFANの調達先に関する多々のレスポンスがあったので紹介する。
<FANの調達>
  • SSN で調達できる。パーツナンバー:col-547-3702-00
  • W7KSG、J ALLEN CALL が代替品を提供可能 
  • W7KSG、J ALLEN CALL がMuffin FANとマウントアダプターを提供可能 (オリジナルより風量が多い)
  • W7KSG、J ALLEN CALL が修理をしてくれる

<FANの修理>

  • 軸受けを止めているリベットの頭をドリルで壊し、軸受けを取り外し、メンテナンスが可能。メンテナンス後は20mm程のネジで軸受けを止める。

なお、W7KSG、J ALLEN CALLから支援を受けたい方は当方まで。

 

276.6U8’s & 6EA8(2) 2009年3月28日
 141.6U8’s & 6EA8で6U8の代替品として6EA8を推奨した。6GH8も使えるようだ。確かに、6EA8は6U8や6U8Aに比べて寿命が数倍長いと言われている。但し、32S-1/2、KWM-2で使用されているトーン・オシレータに使用すると発振不要を起こすので、ここだけには使用しないのが定石の様だ。

 

277.RCAコネクター(3) 2009年4月4日
 「39.RCAコネクター」でRCAコネクターの特性の良さを紹介したが、なぜコリンズはRCAを使用したのか。コリンズの元エンジニアに尋ねた人が居る。史実として伝えておく。
  1. 当時、入手できるコネクターの中で最適だったから
  2. コリンズでは大量に在庫があったから
  3. アートが使えと指示したから

 

278.カラーコード 2009年4月10日
 クリックするだけで、抵抗のカラーコードの値が読めるサイトがあるので紹介する。

 カラーコードサイト

 

279.メーターの照明改善 2009年4月18日
 メーターの照明が暗いときはランプを明るいものに交換すれば良いが、熱の問題がある。メーター内部(針の上部)に白か光沢がある素材を張ればメーター内部が均一に明るくなる。素材は、ラミネートされたアルミホイル等が薄くてよい。白いペイントを施すのも良い。メーターの分解方法は、「25.メータのガラス」を参照願いたい。

 

280.接続ケーブル(3) 2009年4月24日
 「17.接続ケーブル」「125.接続ケーブル(2)」でSラインの接続ケーブルは、良質のRG58/Uを使うのが良いと書いたが、次のような意見もある。トランシーブ時のドライブ不足を補完する為には、負荷を下げられる、容量が小さいケーブルを使うと良い。例えば、RGA62/Uは92Ω、44pf/m。因みに、RG58/Uは53.5Ω、94pf/m。インピーダンスは問題はない。

 

281.312B-4のスイッチ修理 2009年5月2日
 312B-4、5のFunctionスイッチ等で使われているスイッチのシャフトが折れる場合がある。この修繕のヒントが載っていたので紹介する。テーパー状の薄い真鍮板をスイッチのシャフトの両側から挟むような形で半田付けする。これで、結構しっかりするとの事。ダイスで先端にネジを切りノブをねじ込めるようにする。シャフトに銀のペイントを塗り仕上げると良い。

 

282.バラモジ(2) 2009年5月9日
 「136.バラモジ」でKWM-2や32S-Xに使われているバラモジ(FairchildのFA400)の代替品を紹介したが、その続編が掲載されていたので、紹介する。
  • ショットキーダイオード:1N5817 or 1N5711。スイッチングスピードが速く適している。1N5711は内部雑音の低さで優れている。
  • 高速スイッチングダイオード:1N4148 or 1N9141N4148でも周波数が低ければ何とか利用可能。
  • ゲルマニュームダイオード:1N34A or 1N60 or IN270IN270 は最も適している代替品。
  • 電源用シリコンダイオード:1N4007 は使えない。

 

283.コリンズの価格(2) 2009年5月15日
 メンテナンスの話ではないが、コリンズ機器の価格の考察をしてみた。
  74年 79年 85年
75S-3C $1200 $3390 -
KWM-2A $1760 $3992 -
30S-1 $3467 - -
KWM-380 - $2995 $6995
物価指数(※) 0.4 0.5 0.7

※:2008年の物価を1とした各年代の物価

当時の為替レート($1=74年:300円、79年:220円、85年:200円)で円価換算し、物価指数を勘案して現在価値に直すと下表の通りとなる。

  74年 79年 85年
75S-3C 90万円 149万円 -
KWM-2A 132万円 176万円 -
30S-1 260万円 - -
KWM-380 - 132万円 200万円
  • 初めの表($建て)で見ると、量産終了後の75S-3C、KWM-2A、KWM-380は大幅に価格が上昇していることが判る。
  • 30S-1は量産をしている割には高いリニアアンプである。
  • KWM-380の価格を現在価値に直すとIC-7800の約2倍となる。
  • 日本円で見ると、KWM-380を除いたこれらの機器の現在の中古市場価格は1/10ほどである。

さて、如何見ますか?

 

284.Megaコレクション 2009年5月22日
 ものすごい規模のコレクションです。メンテナンスは出来るのでしょうか?

 

285.ターナーMICROPHONE 2009年5月30日
 SM-3等のコリンズのマイクの製造元、ターナーマイク鰍フ歴史が読めるサイトを紹介する。

 

286.メカニカルフィルター 2009年6月5日
 コリンズの中古のメカフィルの供給元に MAX-GAIN SYSTEMS,INC がある。Sライン等でおなじみのFAタイプは無いが、YタイプやZタイプ等を廉価で販売している。中でも、F 500 Y 60 は、51S-1のAM用フィルターとして最適で、価格も$49とリーズナブルである。

 

287.75A-4のノブ 2009年6月12日
 Dakawareのオールドファッションのノブが利用できるとの書き込みが有った。どの位似ているかは不明だが、HPの写真を見る限りではよく似ている様だ。一度トライする価値はありそうである。

 

288.KWM-2のQマルチ 2009年6月19日
 KWM2のQマルチと言ったら、Bob Waters のQマルチが有名だが、HeathkitのGD-125というQマルチが使えるとの掲載があった。このQマルチは別筐体の汎用的なアクセサリーなので、IFが455KHzの機械ならKWM2に限らず応用できる。たまに、e-Bayに出されているのを見かける。

 

289.30L-1アップグレード 2009年6月26日
  • 古いコンデンサー、ダイオードをガラスエポキシ基板にダイオード、コンデンサーがマウントされたダーオード・ボードに交換する。「230.30L-1ダイオードボード(3)」を参照。
  • トランスを新しい物に交換する。「209.Peter Dahl Co.(2)」参照。
  • 出力管を交換。811A、572Bでも良い。「4.30L-1における572B」
  • ごろ音が出てきたFANを交換。「257.30L-1のFANの代替品」
  • キャビネットをペイントしなおす。

以上、締めて$500。でも、30L-1は新品の様になる。

 

290.電解コンデンサについて 2009年7月3日
 「22.機械のリスタート」で長い間使われていなかった古い機械に電源を投入する手順について書いたが、これは主に電解コンデンサーの不良から発生する部品の焼損を防ぐためだ。これに関して新たな議論があったので紹介する。
  • 機械のリスタートで電源電圧を徐々に上げる方法は万能ではない。電解コンデンサーの経年変化は次の2パターンがある。
    • 電解液が乾燥した場合 ⇒ 電源電圧を徐々に上げても効果は無い
    • 極性が消滅する場合 ⇒ 主に古いタイプの電解コンデンサで発生する現象で、電源電圧を徐々に上げると有効
  • 古くなった電解コンデンサーのケアの方法は、DODのサイトにMIL SPECとして掲載されている。(「171.電解コンデンサの交換」を参照)
  • MIL SPECでは電解コンデンサーの耐用年数は15年とされているが、実際には50年近く使える例もある。ただ、大切な機械にダメージを与えないための予防保守の観点から早めの交換が望ましい。
  • 電解コンデンサーのリーク電流の目安は、電力損失で100mW以下がよい。(200Vで500μA以下)
  • リーク電流が測定できる便利なコンデンサーアナライザーがある(Sencore Capacitor Analyzer)。値段が高いが中古市場でも入手が出来る。

 

291.フィラメント電圧に注意 2009年7月10日
 「40.電源電圧」で、Wのハムが直面している、高い商用電源電圧への対策について照会した。ヒーター(フィラメント)電圧の昇圧は「200.ヒーター電圧」で紹介をした通り、シリアスな影響をボートアンカーに与える。この対策の為の製品まで登場している。Young Kim の30L-1のフィラメント電圧降圧キットである。7V以上となるフィラメント電圧を抵抗により6.3V以下にするというものである。我々も、ステップアップトランスやスライダックによりAC100Vを115Vに変換しているが、変換電圧には気を配りたいものである。高くても低くても製品の性能を発揮できない。本ヒントでも「185.電源電圧の簡易昇圧方法」でその一例を紹介しているので参照願いたい。

 

292.黄ばんだトリムリング(3) 2009年7月17日
 「151.黄ばんだトリムリング」「234.黄ばんだトリムリング(2)」で、黄ばみの取り方を紹介したが、なかなか取れないのが実態である。イギリス人を中心として、パソコンのプラスティックケースの黄ばみを取る試みがなされよい結果が得られたそうである。過酸化水素を中心成分とした薬剤で、未だそのプロジェクトは進行中である。良い結果が得られたら、プラスティックトリムリングにも適用できそうである。興味が有る向きは次のサイトを参照されたい。

 The Retr0birhgot Pcjtre

 

293.メーターの修理 2009年7月25日
 「134.メーターの引っ掛かり」、「172.曇ったメーターのガラス」等でメーターのメンテナンスに関するノウハウを紹介しているが、手先が器用で目が良い方でない限りはメーターを壊すリスクが伴う。メーターの修理業者を紹介するので、参考にされたい。但し、Wなので送料との見合いだが、高価なNOSのメーターを買うよりは安く済むと思われる。

Eldad Benary
The Sound Company
129 George sickle Road Saugerties, NY 12477
eldad@hvc.rr.com
845 246-2466

 

294.SYNCの使い方 2009年7月31日
 32S-Xの電源スイッチが付いている切替スイッチ(FREQ CONTROL)にSYNCというポジションがある。これは本来、送受信機をセパレートで使うときに送受信周波数を同期させる為に使う。別の使い方として、自分の電波のモニターが出来る。送受信周波数を同期させ、その後に受信機にヘッドホンを差し受信音を聞くと、綺麗に自分の電波のモニターが出来る。マイクの音の調整には至極便利である。

 

295.日本コリンズKWM-2Aの謎 2009年8月7日
 先日、機会あって日本コリンズのKWM-2Aを入手した。製造番号が若い製品だ。昔のCQ誌の宣伝に載っていたKWM-2Aは同調目盛りが太く、日本コリンズ社作成のオリジナルマニュアルの写真も太い製品だが、入手したKWM-2Aは同調目盛りが細い。バンド切替表示のカバーを外すと、前面パネルにバンド表示のシルクスクリーンが残っており、明らかにKWM-2からの改造品である事がわかる。日本コリンズはKWM-2のパネルと使い、KWM-2Aを作っていたと聞いたことがある。同調目盛りが太く、日本コリンズと謳っている製品をオークションで見た事があるので、全製品がこの生産方式を採っていたわけではないのか?真贋のほどは如何か??

 

296.日本コリンズKWM-2Aの謎(2) 2009年8月14日
 その後の調査で判った事だが、一説によると、日本コリンズで生産された500台のKWM-2Aの内、約400台はKWM-2のフロントパネルを使用していた様だ。従って、同調目盛りが細く、前面パネルにバンド表示のシルクスクリーンが残っているのも頷ける。中には、KWM-2Aオリジナルである、同調目盛りが太い前面パネルに交換する向きも居られる様だが、コリンズの生産の歴史を忠実に保存する意味で、有るがままにして置くのが良いのではと考えるのは私だけであろうか・・・

 

297.メーターの引っ掛かり(2) 2009年8月22日
 「134.メーターの引っ掛かり」で、改善方法を紹介したが、先日この方法ではどうしても直らない事例があった。よくよく調べたら、メータの照度改善の為にメータケースの内側にはめてある筒型の白いプラスティック板が原因である事が判明した。これは、新しいSライン、KWM-2A、51S-1のメーターに使われている。これは一枚のプラスティック板を筒状にしてあり、切れ目がある。この切れ目の前後はよく見ると、若干ながらケースの内側から盛り上がる形で、更に内側に突出している。メータ針のピボットに対して反対側には、ピボットを中心にバランスをとる為の短い尻尾がついている。これはメータケーシングに対して可也ぎりぎりに稼動している。これが、白いプラスティック板の盛り上がりに当たっていた。改善方法は、単にプラスティック板を切れ目が上か横に来るように取り付ければ良い。分からないと結構改善に苦労する事例である。

 

298.ウェイト・ノブ(2) 2009年8月28日
 「149.ウェイト・ノブ」で、ウェイト・ノブを作る為のヒントを紹介したが、やはり手ごろなのは、釣具のオモリを使用することだ。中でも、スパイク型オモリという、ドーナツ状のオモリがある。ノブ背面に接着するために、片面のスパイクを削り平面にする必要があるが、形がよくノブにフィットしているので都合が良い。一つでは重量感があまり得られないので、2個を使うと良い。

 

299.ヤニの除去 2009年9月4日
 「9.洗浄剤」、「20.洗浄剤(2)」で機械を洗浄する時に使う洗浄剤に関して紹介したが、先日、ヤニ落としのお奨めの方法が話題として掲載されていたので紹介する。
  • 「409」を1対1の比率でアンモニアと混合したものが良い。これをスプレーして30秒後に水洗いする。
  • Simple green」か「409」が良い。但し、「Simple green」は耐食処理されていないアルミを腐食するので注意。
  • Krud Kutter」が良い。刷毛でぬり、水で洗い流す。
  • Super Clean」を2倍に水で薄めたものを使う。スプレーし数十秒後に水で洗い流す。擦る必要はない。ペイントにダメージが無いかの確認をする。
  • Scrubbing Bubbles」が良い。浴槽洗浄剤なので塗装等を傷めない。
  • Windex」が良い。塗装等は傷めない。
  • Dawn」食器洗いが良い。500mlのぬるま湯に茶さじ2杯分を使い、スプレーする。擦る必要は無い。塗装等に問題はない。
  • Spray-Nine」が良い。塗装は問題ないが、プラスティックに使用するのは避けている。
  • 業務用の洗車と同様な手法がTektronixでは、かつて真空管の測定機に使われていた。

最近は、日本でも入手可能なものが多々有るので試してみるのも良い。

 

  [目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]