メンテナンスのヒント集 |
[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-] |
Top > コリンズのメンテナンス > メンテナンスのヒント集 | |
【掲載ポリシー】 ・ 「CCAメーリングリスト」に掲載されている情報を紹介します。 ・ 情報は内容をそのまま翻訳するのではなく、筆者が理解して筆者の言葉で掲載します。 ・ 出来るだけ数多くの情報を「紹介」したいが為に、実験などは未検証のまま掲載するケースもあります。 ・ コリンズの機械の中でポピュラーなKWM-2、Sラインを中心に掲載します。 |
900.30L-1のリレー(2) | 2021年5月8日 |
30L-1の送受信切り替えリレー(K1)の価格が高いので、e-bayで見つけられる代替品の型名を紹介したが、取り付けに加工が必要で、今一つであった。この度、そのまま付けられそうな代替品が紹介されていた。Deltrol
社の100シリーズである。製品カタログへのURLを掲載しておく。 https://deltrol-controls.com/sites/default/files/pdf/data-sheet/100%20Series.pdf |
901.ボートアンカー保護対策 | 2021年5月15日 |
古い機械を末永く使うためには種々の配慮が必要だ。その代表的な対策を紹介する。 ・ 一次側が若干高い場合、一次側のタップを正しく選択する。若しくはレギュレーターを採用する。 ・ 入手困難なスイッチを電源投入時のアークから保護する、サージプロテクターを装備する。若しくは外部スイッチを付ける。 ・ シャーシーにパスコンからACが漏れる事が多々あるのでアイソレーショントランス(複巻トランス)を採用する。若しくはアースを取る。 |
902.電源電圧の例外 | 2021年5月21日 |
最近の米国の電源電圧は高騰によりAC125Vにも達する事があり、コリンズ等のボートアンカーにとっては決して良い環境ではない。ただ、例外も有る。30S-1がそうである。ヒーター、バイアスとも調整可能なので、電源電圧が少々高くてもなんとかなる。但し、高過ぎる場合はリレーに問題が発生する。リレーは電源から直接給電しているからである。物には限度というものが有る。 |
903.51S-1のダイヤルが固いときの対処方法 | 2021年5月28日 |
51S-1はダイヤルに同期してスラグラックやメカニカルカウンターが動いたりするギアトレインがを持っている。この為に、長年の間これらのメカの動きが悪くなり、ダイヤルが固くなる事が有る。極端に固くなると、ダイヤルシャフトに付ているギアがから回りし、ダイヤル滑りが発生する。この原因は概ね次に分けられる。@メカニカルカウンターが固くなる。Aダイヤルシャフトのギアと目盛盤の内歯車の噛み合わせが悪くなる。Bダイヤルメカそのものが固くなる。@、Bはメカを分解して清掃をすれば多くの場合は解決するが、問題はAである。ダイアルシャフトのギアは全面パネルにマウントされていて、目盛盤の内歯車はシャーシーにマウントされている(正確にはシャーシーにマウントされているギアトレインにマウントされている)。これらの噛み合わせが悪くなるのは、多くの場合、全面パネルとシャーシーの固定部の調整ずれないしはシャーシー全体の歪みが原因している。シャーシー全体の歪みを取るには全ての部品を一旦外し、熱を加えなければならず、現実的ではない。この為、一般的には全面パネルとシャーシーの固定部を調整して矯正する。ただオリジナルのままでは調整の余地が無いので、取り付け部のネジ穴を加工し(広げ)、噛み合わせが軽くなる様にする。後戻りが出来ない作業なので、広げては組み上げ、噛み合わせを確認するという作業の繰り返しを続け、良い点つける。Sライン等のダイヤルスリップの調整とは異なり、根気が要る作業である。 |
904.KMW2での5MHzの運用 | 2021年6月5日 |
KWM2やSラインでの5MHz運用は注意が必要である。マニュアルには5MHzの運用は出来ないと書いてあるが、ちゃんと送受信が出来るので、一見問題ない様に思えるが、実はスプリアスレスポンスが悪化している。これが「運用が出来ない」所以である。日本でも5MHzの開放は時間の問題の様に思われる。コリンズユーザーは是非この事を銘記するべきである。 |
905.516F-2のチョークコイル(4) | 2021年6月12日 |
516F2のチョークは巻線の最初と終わりが同じ所に出ていて、しかもラミネート1枚で隔てられているだけである。この為、比較的良くショートする。だからと言って、注意をすればショートを回避できる訳ではないが、高圧がおかしい時にはブリーダーと共にチョークを疑うに十分な理由とはなる。 |
906.ノブの取り外し(3) | 2021年6月19日 |
ノブの取り外しは養生をしたドライバー等の工具をノブとパネルの間に入れてこじると良いと書いたが、力が入らない場合がある。この様な場合のノブ外しに良い工具が有る。車などの化粧モール外し(Auto
trim removal
tool)である。Amazon等で売っている。なお、力を入れすぎてパネルをへこませない様に支点となる所には養生をする事を忘れずに。 https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&fr=wsr_gs&p=trim%20removal%20tools |
907.516F-2のケースの外し方 | 2021年6月26日 |
516F-2のケースは裏面に止めネジ(シャーシー中間、シャーシー後ろの足止めネジ)がある。ケースからシャーシーを出すときに、本体を裏返し安易にネジを外すと重いトランスが付いたシャーシーが脱落し真空管破損などの恐れがある。この為、本体を裏返さずに机の淵などに本体を置いて、ネジがある部分が見える様に本体を机の淵からはみ出させ、ネジを外すのも一つの方法だが、万が一本体が淵から脱落すると顔の上に落ちてきて怪我をする。またネジを取り付けるときの穴合わせに苦労する。そこで良い方法があるので紹介する。本体を裏返し、トランスの上面とケースの間に10mm程の厚さの板を挿入してネジを外し、シャーシーを板の上を滑らせて引き出す。ネジを付ける時はシャーシーを板の上を滑らせながら穴に合わせる。試してみるとその優位性が分かる。 |
908.KWM-380のスピーカーの交換 | 2021年7月3日 |
KWM-380のスピーカーは全面パネルにネジでマウントされているが、ネジの頭がスピーカーグリルの後ろになっていて、下手をするとネジを取る時にグリルの取り外しを強いられる。グリルにはロゴのバッジが付いていて、これを外す必要があり、しかもグリルは強度が弱く、無傷で取り外す事は難しい。グリルは以前はSSNで入手が出来たので、傷が付いた場合はコストが嵩むが交換すれば良かったが、現在は既に入手が出来ない。一方、スピーカーは未だSSNで入手が可能である。スピーカーを止めているナットをどうはずすかがポイントとなる。 |
909.KWM-380のファイナル | 2021年7月10日 |
KWM-380のファイナルはMotrolarのSRF3030P(MRF421)をプッシュで使用しているが、最早入手が難しく、@2万円と高い。少々仕様は落ちるがMotrolarのMRF454が使え、@5千円と値段も手頃である。コレクタ損失はMRF421が100Wに対して、MRF454は80Wと少々落ちるが、通常使いには十分である。ベース電流を調整すれば使える。但しマッチドペアを入手したい。MRF454と同等の仕様でSRF1427があり、これはFT-301、FL-110等に使われていて、マッチドペアの中古はオークションでたまに見る。 |
910.516F-2のトランスの錆 | 2021年7月17日 |
トランスの錆がひどい場合は見栄えが悪いばかりではなく、放置するとトランスのコア間に錆が侵食し磁気損失が大きくなる。どの様なケアをすれば良いのであろうか? まずは表面のさびを柔らかめの金属ブラシで落とす。この時に削ぎ落した粉がコアの間に入らない様に吹き飛ばしながら作業をする。この後、Rust-O-leum等の錆止めペイントを塗布する。 |
911.AGCの障害対応 | 2021年7月24日 |
AGC(AVC)の障害対応は厄介だ。フィードバックループになっているので、問題の切り分けを進めて行くと元の場所に戻ってしまう。このため、問題の特定には時間がかかり、効率的に進められる王道はなく地道に進めるしかない。ただ点をポイントとしてアプローチすると、幾分、早く特定が出来るかもしれない。
|
912.受信機のレストア | 2021年7月31日 |
可成り一般化した主題だが、今一回、75A-4の様な古い受信機のレストア方法に関して復習をしたい。この類の機械は感度が悪い、ハムが出る、AGCが上手く効かない等の種々の問題を抱えているケースが多い。この場合、これらを改善する前に、ペーパーコンデンサー、電解コンデンサー、シルバード・マイカコンデンサーを交換して、稼働環境を整え、その後に問題になる部品を切り分けする事をお勧めする。勿論、これらの症状が無くても交換するのが良い。 |
913.真空管のシールド(2) | 2021年8月7日 |
真空管のシールドに関する詳しい文献があるので紹介する(英文)。シールド効果だけではなく電圧による寿命の変化や温度の変化等のデータも掲載されている。 https://www.pearl-hifi.com/03_Prod_Serv/Coolers/PEARL_Tube_Coolers.pdf |
914.30L-1のALCが効かない | 2021年8月14日 |
30L-1にKWM-2等の純正ラインを繋げているにもかかわらず、ALCが効かないことがある。勿論、KWM-2は単体でALCが効いている状態は確認している。30L-1にはALC調整の手順があるが、これも効果はなし。30L-1の電源ユニットが最近の新しい物に交換されていないでしょうか? 30L-1のALC電圧は811Aに掛かる高圧電圧を均等化する抵抗(R2〜6、13)から分圧して作られているが、あるボードではこれらの値をカスタマイズしており、その結果、ALC電圧が低くなり、ALCが効かなくなる。思わぬ所に落とし穴が潜んでいる。電源ボードを使用するときには十分注意が必要である。 |
915.51S-1の調整棒(3) | 2021年8月21日 |
代替品がなく、木やグラスファイバーを削る等の自作をするしか無かったが、ベストマッチの工具が見つかった。日本のエンジニア社製のDA-74が良い。セラミック製なので丈夫で細く長い先端なので、ターレットのコアに十分届く。AMAZONで容易に入手できる。 Amazon | エンジニア セラミック調整ドライバー -0.4×1.3mm DA-74 | 電工ドライバー |
916.KWM-380のファイナル(2) | 2021年8月28日 |
KWM-380はファイナルにSRF-3030Pを使用しているが、既に生産中止となっており入手のハードルが高い。 ドライバーはMRF-426を使用しているが、これも入手が難しく代替品に頼るしかない。CCAのMLでは次のトランジスターを代替として使った例が報告されている。これならハードルは高くない。 ・ MRF-475 ・ 2SC1969 |
917.コリンズのマイク(2) | 2021年9月4日 |
コリンズのマイクSM-1、SM-2の仕様のおさらいしたい。 SM-1:ハイインピーダンス。ダイナミックマイク。F特:100−3500Hz。出力:−53dB。5feetのカールコード付き。ショックマウント付きベース。 SM-2:ハイインピーダンス。ダイナミックマイク。F特:200−3500Hz。出力:−53dB。5feetのカールコード付き。ショックマウント付きベース。60°の角度調整可能。 ほぼ同じ仕様で、特質する特性もない一方、形(趣)が可成り異なるので、志向で選ぶものか。 |
918.30L-1の電源スイッチ(3) | 2021年9月11日 |
30L-1の電源スイッチは投入電流が大きく壊れやすい部品の一つだが、代替部品もなく壊れると厄介である。OAKスイッチと同様に保護の為に種々の方法が考えられているが、ユニークな方法があるので紹介する。(半分ジョークが含まれているが) https://www.youtube.com/watch?v=hE1KXwAKhxg |
919.電源コードのカラーコード | 2021年9月18日 |
コリンズに使用されている3芯の電源コードは、黒:ホット、白:ニュートラル、緑:アースとなっている。これが決まった背景について(トリビアだが)紹介する。昔はホット、ニュートラルは裸線が陶器のスタンドオフ碍子に固定されていて、ショートしない様になっていた。そして、ホット側は安全の為に黒いゴムの被覆を被ったワイヤーを使用する様になった。その後、ホット、ニュートラル共に被覆線を使用する様になり、ホットはそのままに、ニュートラルは白を使う様になった。 |
920.コリンズのスピーカー(3) | 2021年9月25日 |
コリンズに使用するスピーカーはどの様な物が良いか。5’×7’の楕円スピーカーは皆ネジ穴が同じ位置なので、どのメーカーのものでもフィットする。或る方が、BOSEのスピーカー(100Hz〜18KHz)を75S3のスピーカーとして使ったが、オリジナルと変わりは無かったそうだ。またDSPを使ってもf特としては変わりは無いようだ。75S3のf特(300Hz〜3KHz)を考えると、フィットさえすれば、どんなスピーカーでも良く奢る必要はなさそうだ。 |
921.真空管のシールド(3) | 2021年10月2日 |
ST管の時代は外部誘導をシールドする為にシールドケースが使われた。その後、MT管の時代となり、真空管ケースのシールド効果が良くなり、主に軍用機では真空管の脱落防止の為に、ソケットにツイストして止める銀色のシールドが使われるようになった。ただこのシールドは熱を反射するために内部に熱が籠り、真空管の放熱という点では課題が有った。その後、IERCが黒体輻射効果を利用した放熱効果に優れたシールドケースを発表して、熱の課題を克服した。ご存知の通り、真空管は過剰な熱で寿命が短くなるのでこの熱の問題は重大だ。放熱はB電圧やヒーター電圧より注意すべきという人もいる。 |
922.KWM-380のダイヤルタッチ | 2021年10月9日 |
Sラインのダイヤルタッチの調整は「221.ダイヤルが重いとき」で説明したが、実はKWM-380のダイヤルタッチも調整ができる。エンコーダー内部には調整レバーが有る。また、この調整レバーには板バネが連動しているが、これを外すと、日本の機械みたいで軽いタッチとなる。CWの運用等で10Hz単位でチューニングするモードを使う場合はこの方が使いやすい。ローバンドのSSBの様に等間隔で各局が出ている場合は、1KHzステップでチューニングするモードを選び、タッチはむしろオリジナルの方が使いやすい。但し、この調整はエンコーダーを開放する必要があり一般的ではないが。 |
923.製造年月(3) | 2021年10月16日 |
1962年製の機械にオーバーホール完了のタグが付いていて、5331と記載されていた。以前説明した年月コードで言うと、53年31週目?? 実は、JANコードで記載されていて、それは65年331日目という意味であった。これを知らないとあらぬ誤解をする。 |
924.ノイズブランカ(3) | 2021年10月23日 |
KWM-2やSラインのノイズブランカを以前紹介したが、今一つ効きが悪いという言葉を耳にする。当時のノイズの大勢は自動車からのパルス性ノイズで、こられのノイズブランカはそれを排除する目的で設計された。ところが、今日のノイズはモデムはインバーターやレーダーのノイズが大勢を占めており、これらの成分が異なるからだ。この為、多様なノイズに対応するためにDSP処理が開発された。レガシーのノイズブランカもその希少価値で値段が高いので、効果を求めるなら、その値段でDSPのノイズ処理装置が買える。どうするかは価値観の問題だと思うが。 |
925.過渡電流保護(2) | 2021年10月30日 |
30L-1の入手困難な電源スイッチ保護の為に、過渡電流保護装置を入れるのは一考すべきとの意見が書き込まれた。曰く、30L-1は電源投入と共に高圧が立ち上がり、フィラメントも熱せられるが、過渡電流保護装置を挿入する事により、このバランスが崩れ、高圧が早め投入され、811Aに悪影響を及ぼすという事だ。CCAの技術分野をリードするBill Carnsがこの様に述べている。同氏は、コリンズの設計を信じよとも述べている。一方、年月を経た機械なので少しでも機械への負担を減らすために必要という意見もあり、この議論が延々とされていた。さて、あなたはどちらを取るか? |
926.新刊SSBの歴史 | 2021年11月6日 |
K5EF、Nick Tusa氏が執筆したSSBの歴史に関する本が出た。近年この類の新刊は非常に珍しい。同氏は卓越したコリンズのレストアラーで、その氏が書いた本なので興味深い。AMAZONで購入できる。 |
927.30L-1電源スイッチ代替品 | 2021年11月13日 |
30L-1の電源スイッチは入手が困難だが、代替品がある様なので紹介しておく。但し、全くの互換か、若干の加工が必要かは不明である。この点はチャレンジが必要かお知れない。次のURL先を参照願いたい。https://www.carlingtech.com/sites/default/files/documents/Tippette_Details_%26_COS.pdf |
928.30L-1の寄生振動 | 2021年11月20日 |
「616.30L-1のスプリアス」で中波帯の問題について、問題ないレベルと記載したが、再度問題提起がされていたので紹介する。800KHz付近に発生する寄生振動で、負荷により大きく変動する。この問題は全ての30L-1で発生の可能性があり、無入力状態でも発生し、10Vp-p位のレベルがある。中波ラジオを近づけるとノイズが聞こえる。発生状況や解決方法は、2013年Q4のSIGANALのP28に詳しく掲載されている。URLを下に掲載しておく。Q4 2013 #72 Proofpac_1 for 9x12_52p.pub (collinsradio.org) |
929.811Aの水平マウント(3) | 2021年11月27日 |
「565.811Aの水平マウント(2)」の言い換えになるが、中国製の811Aは論外として、RCA製の811Aも1番ピン、4番ピンが垂直になる様にマウントしないと、グリッドが垂れてプレートタッチを起こしやすくなる。30L-1のソケットはRCAの811Aを使った場合はにその様になる方向で付いているので問題ない。これはRCA以外の811Aを使う時には注意が必要であることを意味している。 |
930.ラックマウント | 2021年12月4日 |
51S-1にはLTV社製のG133というエアボーン仕様機が有る。黒いパネルに色形が異なるつまみが付いているラックマウント型の機械である。同様にKWM-380にもTeledyne社製のエアボーン仕様機がある。ここまで凝らなくてもKWM-380をラックマウントタイプに出来るキットが有る。純正のAC-2808は入手が難しいが、NOVEXCOM社の製品が現行品として入手できる。KWM-380以外にも多くの機器のラックマウントキットが製造されている。同社のサイトを見てみると良い。 |
931.KW-1の現状 | 2021年12月11日 |
コリンズファンにとって、夢の存在であるKW-1の現在の取引価格が$2,500〜$5,000であるのをご存じであろうか? 既に、$10,000超のボートアンカーである時代は過去の事となっている。その背景には、 ・ 重動かせなく、保管場所に困り、簡単には売れない ・ 老齢化したかつての熱狂家にとって、高電圧の機械は既に扱いにくい ・ そもそも熱狂家がだんだん亡くなり少なくなっている ・ 今日の機器はブラックボックス化しているので、メンテナンス技術を持っている人が少なくなっている。 ・ メンテナンス部品の入手が難しくなっており、保守コストが上昇している これらはなにも、KW-1だけに限った事ではなく、ボートアンカー全体に言える事である。 |
932.クリスタルの調達先(7) | 2021年12月18日 |
「753.クリスタルの調達先(5)」で紹介した、ドンピシャのコリンズのクリスタルが注文できるAF4Kは残念なことに亡くなってしまった。しかし、W8DASがその事業を買収し、「AF4K Crystals」として商売を始めた。この為、以前の様にクリスタルを調達できるようになった。オーダーは次のサイトから。 AF4K Crystals (af4k-crystals.com) |
933.受信音の歪み | 2021年12月25日 |
過去に75S-1、51S-1、KWM-2の受信音が歪みっぽい、AGCが良くかからない、と言った症状が出た場合のアプローチを紹介したが、現実はそう簡単には行かない。そこで、もっと一般的な対策を紹介する。仮にAGC電圧が適正に発生していれば、それが有効に利用できていない。コリンズの機械はRF段、IF段にAGC電圧を帰還させて増幅度を制御しているが、ここの真空管のグリッドにリークが有る場合は、高インピーダンスのAGC回路の電圧が適切に増幅度を抑えられない。この為に、強力な信号で後段がオーバーフローして音が歪みっぽくなる。つまり、このケースでは真空管を交換する事により対処できる。時定数回路の部品やカップリングコンデンサーを疑う前に真空管を交換してみる。この対策は思いの外、勝率が高い。 |
934.KWM-2でCW運用時の注意点(6) | 2022年1月1日 |
「567.KWM-2でCW運用時の注意点(4)」でトーン回路の歪みを抑えれば不要輻射の問題はクリアできる記載したが、実は簡単な事ではない。例えば歪率1%THDで−40dBc、0.1%THDで−60dBcとなる。0.1%THDとなると低価格低周波オシレーターのレベルである。これを真空管で実現するのは難しい。 |
935.30L-1のパラ止め | 2022年1月8日 |
30L-1のプレートに入っているパラ止め(100Ω2W、6ターンの16AWG鈴メッキ線)の代替品として、ソリッド抵抗を使うべきと言われている。高周波回路における不要なロスを抑えるために当然の様に聞こえるが、今更わざわざ高いソリッド抵抗を使うのも面白くない。巻線抵抗は論外だが、例えば金属皮膜抵抗はどうだろうか? 金属皮膜抵抗は既定の抵抗値を出すために抵抗体に溝を掘るので、インダクタンス分が無視できないと場合が有るが、果たして100Ωを出すための溝の影響は大きいのか? これをVNAを使い科学的に検証した方がいた。結果、大きな違いはないとの事であった。実用上も問題は無いとの事であった。 |
936.30L-1の電源スイッチの代替品 | 2022年1月15日 |
30L-1の電源スイッチは代替品が無いので、工夫の必要が有る事や接点が壊れたときに実施する保守の方法を紹介したが、修理不能となった場合はどうしようも無かった。ところが、ほぼそのままフィットするスイッチが見つかった。本体の改造は不要で、スイッチの取り付け金具の穴位置を合わせる簡単なアダプターを作成すれば良さそうである。Carling Technologies社のTIGK50-1C-BL-Cという型番のスイッチである。勿論、接点や容量は問題ない。以下のリンク先のページから参照されたい。 Tippette_Details_&_COS.pdf (carlingtech.com) |
937.5R4 | 2022年1月22日 |
516F-2の高圧整流にも使われている5R4にはバリエーションがある。5R4GBがスタンダードである。5R4GYBは5R4GBよりケーシングのガラスが肉厚になっている。5R4WGBは背が高く上部が平たくなっている強化型である。その他、5R4GYA、5R4GA、5R4GY等もあるが、どれも516F-2には使える。但し、5R4WGBは背が高い故にケースを外さないと真空管を外せなく不便である。5U4は5R4より極間のギャップが狭く、中圧整流用となる。 |
938.516F-2のスピーカー(2) | 2022年1月29日 |
一般的に電源にスピーカーを内蔵する製品が多く、この様な形態は理に適っている。この為、516F-2にアフターマーケットでスピーカーを内蔵するケースも多い。トランスによりスピーカーを取り付けるスペースが限られていたり、スピーカーのマウント方法が悩ましいなどやり難い点もあるが、工夫次第では綺麗に付けられえる。スマートに取り付ける方法がCCAの機関紙SIGNALに掲載されているのでURLを掲載しておく。参考にされると良い。
http://www.collinsradio.org/wp-content/uploads/2015/05/516F-2-Front-Panel-Backing-Replacement.pdf |
939.クリスタルの調達先(8) | 2022年2月5日 |
AF4Kが亡くなり、事業は他の人が継承しているが、クリスタルの調達先を模索する動きが続いている。
|
940.コンデンサーのESR | 2022年2月12日 |
電解コンデンサーは等価直列抵抗(ESR)が低いほど性能が良いとされているが、516F-2や30L-1に使うコンデンサーはESRを低い物を選んだ方が世のか? この様な質問がCCA MLに寄せられた。結論としてはESRは問題ない。確かにESRやESL(等価直列インダクタンス)が低いコンデンサーはフィルターコンデンサーとして優秀と言われているが、これは低電圧のリップルが大きい回路でその性能を発揮する。516F-2や30L-1に使うコンデンサーは、それよりむしろ、耐熱性が良い物を使うのがキーポイントとなる。例えば、85℃よりは120℃の方が良い。 |
941.BRISTOLレンチ(3) | 2022年2月19日 |
747.BRISTOLレンチ(2)ではXceliteの他にNation Wide Radioの廉価な物を紹介したが、その他にスプラインレンチという星形のレンチが使え様だ。スプラインレンチならAMAZONで沢山売っている。どれが合うかが分からないが、手持ちの物が有ったらトレイしてみるのも良いのではないか。 |
942.送受信切り替えリレー | 2022年2月26日 |
KWM-2、32S-X、30L-1に使われている送受信切り替えリレーは共通である。壊れた場合はSSNで未だ入手出来るが@$85と高い。その代替品がある様だ。次のサイトを探してみると良い。 http://www.HenryRadio.com https://www.rfparts.com/ka11dg-110v.html |
943.コンデンサーの調達先(2) | 2022年3月5日 |
年々調達が難しくなっている耐高圧コンデンサーの調達先がまた紹介されていた。次のサイトを覗いていると良い。 WJOE Radio Antique Radio Film Capacitors for Sale (tuberadios.com) |
944.接点復活剤(4) | 2022年3月12日 |
スイッチの接触不良、ボリュームのガリなどに魔法の薬として接点復活材を塗布していないであろうか? 以前にも記載した通り、コリンズで採用している接点は腐食しにくい素材で作られているので、汚れを落とすだけで接点は復活する。接点復活材はベークの接点支持材を痛める。ボリュームのガリは接点復活材を使うとかえってボリュームを痛める。DeoxitでもD5(接点用)、F5(ボリューム用)と製品がはきり分かれている。薬剤は効率的な作業には不可欠だが、用法に十分に注意する事が必要だ。 |
945.接点復活剤(5) | 2022年3月19日 |
Deoxitを代表に取り、接点復活材の製品バリエーションの説明をする。スプレータイプのDeoxitをスイッチ全体に吹きかけることは慎むべきで、綿棒に染み込ませて接点を拭くのが良い。この方法だとスプレータイプではなくても良いので、ボトルに入っている製品を選ぶと良い。またDeoxitD5はDeoxitの含有率が5%の製品に対して、含有率が100%のDeoxitD100というボトルタイプの製品である。DeoxitG5という金メッキの接点専用の製品もある。51S-1のターレット等の清掃に良い。また前回記載したボリューム用の清掃材DeoxitF5という製品もある。またボリュームのガリ防止剤としてはDeoxit FaderLubeという製品もある。これは放送業界向けに開発された製品の様である。 |
946.30L-1へ期待すべきこと | 2022年3月26日 |
30L-1で600W出るとか700W出たとか言う話を耳にするか、そもそも30L-1は出力500Wで設計されたアンプである。KWM-2で120W出たとか140W出たとか言っている人が居たとしたら「それはプレートのディップをしっかり取り、IP=230mAで使うべき」と指摘したくなると同じである。事実、30L-1は出力が550Wを過ぎたあたりから急激にIMDが悪化する。もしそれ以上の出力を望むなら30S-1を使うべきである。次のCCAのサイトいけいさいされている記事を参考にされたい。 Microsoft Word - What to Expect from a 30L-1 Amp_5th w_FIGS Final.docx (collinsradio.org) |
947.抵抗(3) | 2022年4月2日 |
ソリッド抵抗(Carbon Composition Resistor)の誤差はカラーコードで示されている(無印20%、銀10%、金5%)。コリンズで使用されているソリッド抵抗 の誤差は通常20%、選別されたものは10%である。5%誤差で使いたいので、抵抗値を測定して選別して使う話を聞くが、これは間違えである。ソリッド抵抗は20%誤差をターゲットとして製造されており、この中で10%以下の物を選別して10%以下として出荷されていた。ソリッド抵抗は既に製造後年数が経過していて、これらの製品で5%以下の物が有ったとしても、誤差が少ない方向に抵抗値が変化したに過ぎない。 |
948.32S-3のフィルター、BFOクリスタルキット | 2022年4月9日 |
https://www.inrad.net/home.php?cat=168 |
949.30L-1の電源ケーブルの固定ブッシング | 2022年4月16日 |
30L-1の電源ケーブルがシャーシー内に取り込まれている部分に、ケーブルを固定するブッシングがある。これはストレインリリースと言い、ケーブルに引っ張られ配線が内部で断線しない様にする役目をなす。ケーブル交換時はこれを外し、新しいケーブル(14AWG×3芯)を挿入しシャーシーに差し込むが、これがなかなかの労作業となる。下手をするとブッシングを壊す事もあり、そもそも前のオーナーが諦めてブッシング無しでケーブルを差しこんでいる機械もたまに見かける。この様な場合は代替品が欲しくなるが、オリジナルはHyco社の製品であり、Wに注文すれば入手が可能である。そこまで拘らないのであれば同等品が国内でも見つかる。モノタロウあたりで「ストレインリリーフ」とキーワード検索をすると、何種類か候補が出てくる。 |
950.KWM-2のミュート | 2022年4月23日 |
KWM-2の受信機をミュートする方法が有るのを知っているだろうか? 75S-X等の受信機は背面にMUTE端子があり、これを使ってミュートが出来るが、KWM-2にはこの端子はない。その方法は、シャーシー上部にあるノイズブランカ用の端子J20、J21を使う。これらは通常は内部で相互接続されているが、これらを切り離し、送信時にJ20をグランドに落とし、受信時に相互接続をする様にリレーで制御する。 |
951.30L-1のアップグレード(2) | 2022年4月30日 |
既に50年近く経過した30L-1を今後も快適に使用するためにお勧めの性能改善が紹介されていた。 ・Signal Q4 2013 に紹介されているハイバンドにおける不安定な動作の改善 ⇒参考資料 ・プレートタッチからのトランス保護 ⇒「442.30L-1プレートタッチ保護」参照 ・Yang Kim の基盤を使用したトランジスターエキサイター対応の低電圧キーイング ⇒参考資料 ・良好な811Aが入手できない場合は572Bで代替する (中華製の811Aを使うくらいなら572Bを使うべし) Bill Carns / N7OTQ が書いた性能改善に関する記事 ⇒リンク先 30L-1開発物語+性能改善 ⇒リンク先 |
952.機器の共用 | 2022年5月7日 |
過日この様な事例紹介があった。30L-1をKWM-2とSラインで共用して使っている。共用のノウハウとしては、 ・ リレー回路はパラ接続で問題ない。片方の送信機のリレーが閉じたときだけ30L-1は送信状態になりもう片方には影響がない。 ・ 受信機のスピーカーは500Ωラインパラに繋げば同時に複数の受信音を聞ける。但しスピーカーを十分な音量で鳴らすための仕組みは必要 ・ ALCは時定数回路があるのでパラ接続は出来なので、スイッチで切り替える レアなケースだが何かに応用は出来そうだ。勿論、 W8ZR Station Pro IIの様な機械を使えば何も考える必要はなくパーフェクトに使えるが。 |
953.電源電圧安定装置(2) | 2022年5月14日 |
日本では余り電源電圧変動が問題にならないが、例えば、柱上トランスから遠い家庭でリニアアンプにAC100Vを使う場合は電源電圧が大きく変動し、PTOの周波数変動等の問題が発生する場合が有る。この場合は電源電圧安定化装置を使いたくなる。この様な負荷変動に伴う急峻な変動を抑える安易な電源電圧安定装置がある。トランスコアの飽和領域を使い、入力電圧の変動による出力電圧を小さくしている。その原理が書かれたサイトがあるので、興味がある方は覗いてみるとよい。 ⇒UST社サイト(英語) ⇒パワーサイエンス東海社サイト(日本語) |
954.コリンズパーツの調達先 | 2022年5月21日 |
コリンズのパーツは日に日に調達が難しくなるので、一か所でも多く調達先を知っているとよい。これより、CCLのMLではよく調達先が紹介される。 RF Connectionもその一つである。11ピンコネクター、キャビネットの足、93Ωの接続ケーブル等、使える部品も多い。 |
955.真空管の再生 | 2022年5月28日 |
デッドストックの真空管は真空度の問題で再生(Reconditioning)が必要で、これを怠り安易に実機に使用すると思わぬ事故が発生する事は周知の事実である。ヒーターだけを長時間点灯させる簡易な方法もあるが、再生の進行度合いもモニターしながら再生が出来る手順がある。PA0FRI RECONDITIONING TUBESを参照されたい。真空管ごとの測定値が掲載されているので大変に分かりやすい。高価な出力管やアンプ等を守るために是非、活用して頂きたい。 |
956.トランスの修理 | 2022年6月4日 |
トランスの修理と言っても、我々が出来るのは限られたケースだ。レアショートを起こしたトランスを諦め新品(有ればの話だが)を手配する前に修理出来るケースもあるので、トライしても良い。トランスの巻口や、上層の巻線のショートは割と簡単に修理が可能である。トランスを分解、巻線を解きながらショートが無くなれば、その周辺にショートしている部分が存在する。よく見ると、擦れや熱で絶縁体の被膜が痛んでいるはずである。そこに熱収縮チューブを被せ補修する。可成りのコスト削減となろう。 |
957.516F-2のトランスのバリエーション | 2022年6月11日 |
516F-2の電源トランスには、一次側、二次側の巻線の違いから次のバリエーションが有る。( )内はタップの数。 ・ 一次:115V ⇒0V,115V (2) ・ 一次:115V、230V ⇒0V、115V、0V、115V (4) ・ 二次:275V、800Vが独立巻線 ⇒1000V、0V、1000V 425V、123V(バイアス用)、0V、425V 0V、5V 0V、5V 0V、6.3V (13) ・ 二次:275V、800Vが同一巻線 ⇒1000V、425V、123V、0V、425V、1000V 0V、5V 0V、5V 0V、6.3V (12) 二次側の275V、800Vが独立している巻き線はCollinsオリジナルのトランスで、同一の巻き線はPeter Dahleのトランスである。 これらを組み合わせると各トランスのタップの数が分かり、トランスを入手した時のタップの解明に役立てることが出来る。 ・ 一次:115V、二次:275V、800Vが独立した巻き線 Collinsオリジナル(15) ・ 一次:115V、230V、二次:二次:275V、800Vが独立した巻き線 Collinsオリジナル(17) ・ 一次:115V、二次:275V、800Vが同一の巻き線 Peter Dahle (14) ・ 一次:115V、230V、二次:二次:275V、800Vが同一の巻き線 (16) なお、各タップの線の色は過去から踏襲されていると言われているので、これも判断材料となる。 |
958.Heil Soundが売却された | 2022年6月18日 |
アマチュア無線用のマイク製造で有名なHeil
Soundが売却されました。新たなオーナーの下で事業はそのまま継続されるみたいである。詳しくは次のリンク先の同社のアナウンスメントを参照されたい。 https://heilsound.com/press/heil-sound-announces-new-owners/ |
959.抵抗(4) | 2022年6月25日 |
コリンズで使用されるソリッド抵抗(Carbon Composition Resistor)だが、今や製造していないのでデッドストックを使用する事となる。誤差が仕様から大きく外れてしまう場合もあるが、大きな原因として湿度が考えられる。この様な場合は、抵抗をオーブンに入れ湿度を飛ばすと仕様内に戻ると言われている。ある人のテスト結果によると9割は成功したとこ事である。この割合の真偽は別として、やって見る価値はありそうだ。 |
960.OAKスイッチ(6) | 2022年7月2日 |
OAKスイッチの代替品を幾つか紹介したが、そもそもOAKスイッチを直せないか。OAKスイッチのレストアに経験が豊富なWのOMによると、スイッチの接点に問題があるよりスイッチのバネに問題があることが多いとの事。そうなると、直すのは難しいか。スイッチがカッチっと入らなくなったら、危険信号となる。W4RRDがOAKスイッチの代替となるキットを発売しているとの事。やはり代替品に頼った方が良いのか。 |
961.51S-1のLine出力 | 2022年7月9日 |
51S-1の低周波出力回路は、トランジスタのAFプリアンプ以降、4Ωライン、600Ωラインの2系統に増幅回路が分かれる。双方とも2段増幅回路を持つ。1st増幅段は12AX7を採用、4Ωライン、600Ωラインで共用をしている。4Ωラインの2ndには6FB5を採用していて、出力トランスでunballanceの600Ωと4Ωを取っている。600Ωラインの2ndには6AK5を採用していて、出力トランスでバランス型に変換している。この回路の出力レベル調整はAF GAINの中央のボリュームで調整でき、出力レベルがメータで測定できる。さすがプロ仕様だけに、凝った作りになっている。 |
962.Knurled Nuts 外し | 2022年7月16日 |
マイクをパネルにマウントするギザギザのナットをKnurled Nutと呼ぶが、これを外すときには専用工具であるKnurled Nut Deiverを使用しないと、必ずナットのギザギザを傷つける。場合によってはフロントパネルも傷つけてしまう。Knurled Nut Driverは以前はRF Radioで売っていたが(「82.MICジャックのナット」で紹介)、現在は他のソースから調達する必要がある。ただ、ネットで検索すると沢山製品がヒットする。1本千円程度の物から1万円以上する物もある。是非持っていたいツールの一つである。お勧めは、StewMac社のGC9358(1/2 inch)。Collinsのマイクプラグに合う大きさである。その他にトグルスイッチに合う大きさのGC9359(5/8 inch)がある。調達先は個人輸入となるがネットで検索すると探せる。なお、日本でも調達出来るが可成り高い。 |
963.ハムの切り分け | 2022年7月23日 |
ハムの切り分けは厄介だ。電源、アース、誘導、等。方向性を決める一つの方法がある。ハムが120Hzの場合は電源である。60Hzの場合は真空管のフィラメントとカソードのショートを疑う。これ以降は地道に疑わしい部分を潰すしかない。 |
964.PEPアダプターとPTOロック | 2022年7月30日 |
利用価値があるこれらの供給元が紹介されていた。PEPアダプターは312B-4に使え、PTOロックはSラインやKWM2に使える。 次のサイトから情報が得られる。 ・ PTOスタビライザーの情報 ・ PEPアダプターの情報 ・ 写真 |
965.CCA MLのアーカイブ | 2022年8月6日 |
以前のCCA ML(メーリングリスト)はテキストベースだったが、過去の投稿をキーワード検索が出来るアーカイブがあった。ところが、MLがバージョンアップされ、HTMLベースとなり画像も挿入できる様になったが、検索機能が廃止され、過去の投稿も検索が出来なくなった。こうなると、CCA MLの膨大な英知の資産を失う事となる。これに対して、CCAでは今までの投稿のDBをダンプして、テキストベースで次のURL先に公開した。フラットデータなので若干使いにくい点はあるが、工夫をすれば何とか使える。なお、このデータをダウンロードするためには、最低限CCAの準会員(登録のみ)になる必要がある。 https://groups.io/g/cca/files/Old%20Archive/2000-December.txt なお、蛇足であるがCCA準会員になれば、月単位となるが、Groupsで過去の投稿は見ることが出来る。 |
966.516F-2のリキャップ(2) | 2022年8月13日 |
516F-2のリキャップは未だ「345.516F-2のリキャップ部品入手先」で紹介した様な部品調達先より入手できるが、割高なので自分で部品を入手する事も考えても良い。この時に問題となるのは一つの筐体に複数のコンデンサーが封入されている電解コンデンサーである。勿論、これに拘る必要はないが、製造しているメーカーもある。ドイツのF&T社製である。同軸型だけではなく、ブロックコンデンサーもあり探せば32S-3のフィルターコンデンサーにも使えそうな物が有るかも知れない。フィルターコンデンサーは値段が張ってもしっかりしたメーカーの物を使うべきである。粗悪品はESRが高く、リップル除去効果が薄い。F&T社のコンデンサーはオーディオの世界では有名で、若干値段が張るが十分なESRが見込める。 |
967.D-104の代替エレメント | 2022年8月20日 |
「84.D-104」で紹介したHeil Soundから出ているエレメントの代替品が進化したようだ。従来はHC-5にインピーダンス変換トランスの組み合わせであったが、新しい製品はHC-5.1という型名で、インピーダンス変換トランス、D-104のマイクヘッドに内蔵するときに使用するインシュレーターも付属している様だ。詳しくはカタログを参照されたい。 HC-5.1 Catalog Heil Sound Page |
968.516F-2のコンデンサー部品番号 | 2022年8月27日 |
Gaylord,WB7ODD
が516F-2のコンデンサーをMouserから調達する際の部品番号一覧表を作成してCCAに提供してくれたので紹介する。 |
969.スピーカーのインピーダンス(3) | 2022年9月3日 |
コリンズはスピーカーインピーダンスをなぜ8Ωではなく4Ωにしたのかに関して、既に紹介した理由以外の解釈が出てきた。低周波アンプは、スピーカーのムービングコイルによる逆起電力のフィードバックにより、出力波形が歪む。アンプの出力インピーダンスが低ければこの度合いが低くなるので、アンプ設計上で有利となる。この為、他の要素も考慮に入れ可能な限り低く設定したと推測できる。なかなか奥が深い話である。 |
970.Sメーター調整のノウハウ | 2022年9月10日 |
KWM-2や75S-XはSメータ調整時に、IFゲインボリュームでSメータの振れの調整し、Sメータゼロボリュームで無信号時のSメーター0の位置を調整する。ただ、これらは相互に影響しあい、例えば、ゼロ調整後に−73dBmの信号でS9になる様にゲイン調整した後、無信号にするとゼロの位置が動いてしまい、なかなか上手く行かない。これは次の様に調整すればスムーズに出来る。まず、無信号時でゼロ調整をし、−73dBmの信号でS9となる様に「Sメーターゼロボリューム」で調整をする。次に無信号で「IFゲインボリューム」でS0に調整をする。一旦、ゼロ調整した後に、調整するボリュームを反対にすると、ゼロの指示、信号強度の指示の調整を収束させることが出来る。なお、SSGが無い場合は、良く調整された機械の場合は7MHzでキャリブレーターを発信させS9+20dBにすると、大まかなSメーター感度の調整が出来る。あとはお好みで(実際にバンドを聞いた状態で)Sメーター感度を調整すればよい。 |
971.Sメーター調整が上手く行かない場合 | 2022年9月17日 |
前項で、Sメーター調整のノウハウを説明したが、これで上手く行かない場合はSメーター回路の故障を疑う必要がある。例えば、KWM-2の場合、IFアンプであるV1B、V3Bのスクリーングリッドに生ずる電圧差でSメーターが稼働する。RF GAINを絞り切った時に、双方のスクリーングリッドには200Vの電圧が掛かっているはずである。RF GAINを最大限に上げたときに、R147(68kΩ)とR121(Sメータゼロボリューム)の接合点(メーターのマイナス端子と同じ)には130Vに電圧が掛かっているはずである。Sメーターがフルスケールの時にはメーターには1mAの電流が流れているはずである。これらを基準として問題点を追うと良い。 |
972.KWM-380のコンピューター制御 | 2022年9月24日 |
KWM-380には6802というモトローラーのマイクロプロセッサーが内蔵されているので、外部コントロールをしたくなる。「832.KWM-380コントロールインターフェース」では、外部キーパッドインターフェースを使い、キー入力をエミュレートするハード経由でコマンダーのアプリを稼働させるシステムの情報を提供した。テクニックがある方ならArduinoを使いインターフェースを作れるのではと思われる。その他、CommCatというアプリを使った例が紹介されている。ただKWM-380からは設定周波数情報を外部出力する機能が無いので、ロガーで設定した周波数情報でKWM-380の周波数を設定するという一方向だけの制御となる。 |
973.KWM-2Aの大使館、軍での利用 | 2022年10月1日 |
現在、CCAのMLで表題に関する過去のストーリーが、種々のOMから語られている。メイン通信機のバックアップとしても使用され、いざという時に確実に稼働する事が期待されていた。これらを読み改めて感じることは、重要な用途で、最前線でも使われており、それだけ信頼性が高い機械であるという事。 KWM-2Aに付いたクーリングFANを目する時にある種のちぐはぐさを感じるのは私だけでは無いであろう。 |
974.マイクプラグ | 2022年10月8日 |
Sラインなどのマイクプラグに使用されているPJ068型プラグは、先端が真鍮の物もある。高級感があり利用している方も多いと思うが、時間の経過とともに真鍮が腐食して接触不良が発生する。これを防止するために、先端を磨いた後に接点スプレーを塗布しておくと長い間接触不良が発生しない。試してみると良い。 |
975.Western Electricが真空管増産 | 2022年10月15日 |
Western
Electricは言わずと知れたWの名門真空管メーカーである。今でも同社が生産するオーディオ用真空管は高値で取引がされている。この度、300Bの増産がアナウンスされ、同時に他の製品の再生産も検討されている。これに先立ち、Webサイトで再生産してほしい真空管のマーケットリサーチがされている。詳しくは下記のURL先を参照されたい。 |
976.LEDライトのノイズ | 2022年10月22日 |
コリンズの受信機の様な古い機械はノイズブランカが搭載されていない物が多く、最近のLEDライトによるノイズには手を焼く。LEDライトはLED部分よりむしろ電源部から発するノイズが大きい。生産コストや電力消費を抑えるために、SMPS(スイッチング電源)を使用しているが、ご存知の通りこれはノイズの元凶である。ただノイズ対策の為にSMPSをケースに収めノイズ対策をしてる製品もあり、この様なLEDライトは機器を近づけない限りはノイズが気にならない。短波受信機を使う我々はLEDライトの選び方に気を付けたい。 |
977.ARC-210 | 2022年10月29日 |
コリンズ・アエロスペース社がARC-210という航空機用のSDR無線機を発表した。外見はART-13似である。テクノロジーは日々進化をしているが、デザインは長く生きる物である。 https://news.satnews.com/2022/06/13/collins-aerospace-brings-next-gen-sdr-to-five-eye-and-nato-nations/?mohide=true&mc_cid=e544b826bc&mc_eid=2baa52c7f4 |
978.ケースの外し方(2) | 2022年11月5日 |
「680.ケースの外し方」でケースの外し方のノウハウを説明したが、これでもトリムリングの内側に傷をつける場合が多い。傷を絶対に避けたい場合は、フロントパネルの四隅にテフロンテープを張り養生をするとよい。滑りが良く強いので失敗なく出来る。 |
979.32S-Xトランシーブ時のチューニングずれ | 2022年11月12日 |
75S-Xで受信感度を最大にPRESELECTORを調整しても、32S-Xのドライブが最大にならない経験をしてるのではないか。これは、75S-Xの局発出力はバッファー回路が無いので、32S-Xとの接続ケーブルの負荷で、単体でのOCSトリマの調整点がずれるからである。これを防止するためには、OCSトリマ調整時に、32S-Xに接続したままで実施すると良い。なお、VFO出力はバッファー回路が挿入されているので、この様な事はない。 |
980.OAKスイッチ(7) | 2022年11月19日 |
今となっては入手困難なOAKスイッチを守るために、リレーを付けたり、半導体化したりする人が居る。ただ実は、OAKスイッチの故障理由の多くは、スイッチ内のバネが折れる等の機械的な故障である。この為、これらの改造をしてもスイッチを動かす限りにおいてはOAKスイッチの故障を完全に避ける事は難しい。 |
981.KWM-380用メモリーボード(3) | 2022年11月26日 |
ボードに搭載されているメモリーにはバッテリーが仕込まれていて、それ故不揮発性になっているが、バッテリーが劣化するとデータが揮発してしまう。こうなると周波数を変えられなくなる等の障害が発生する。こうなるとメモリーを交換するしかないが、ディスコンとなっているので入手が難しい。「532.KWM-380用メモリーボード(2)」ではMOUSERで調達できると記載したが、RSコンポーネンツでも調達が可能であるようだ。半導体は足が早いと記載したが、この様な重要な部品は在庫があるうちに調達しておきたくなる。 |
982.3セクションのフィルタコンデンサ(5) | 2022年12月3日 |
3セクション、4セクションのフィルターコンデンサ(電解コンデンサ)を作成している会社がWにある。次のサイトからオーダーが出来る。若干ハードルは高いがどの様なコンデンサーでもオーダーが出来るので、コリンズ以外にも応用できる。 Request Quote - Hayseed Hamfest LLC – HAYSEED HAMFEST LLC |
983.SM-3のディスク | 2022年12月10日 |
マイクのSM-3は音が余り良くないと言われているが、もしこもった音がする場合はマイクエレメントの収納部分を分解して調べた方が良い。ロゴが書いてあるマイクの先を取り、真ん中に穴が開いた真鍮の円盤が中に入っているだろうか? マイクの出力を上げるためにこの円盤を取り去ってしまうケースがあるが、これをするとこもった音になる。この円盤で周波数特性を調整している様だ。 |
984.部品劣化の調査 | 2022年12月17日 |
部品交換の考え方は、@壊れた時に交換する、A壊れる前に予防保守として交換する、の2通りある。後者の場合、全てを交換するのは甚だ非効率なので、交換する基準が欲しい。抵抗の場合は、コリンズはマニュアルに真空管のピンを基準とした抵抗値を示しているので、これから大きく外れた場合は周辺回路を調べ、問題の抵抗を特定する。電解コンデンサーの場合は、問題となるのはリークであるが、測定するためには個々のコンデンサーを外す必要が有るので、大きな労力を伴う。ただ、これを怠ると周辺部品への負荷によるダメージが広範囲に及ぶ事もあるので、年数が経たものは交換した方が良い。カップリングコンデンサーは、後段のグリッド電圧が正規のマイナス値を超えている場合は交換したほうが良い。 |
985.電源コネクター選択時の注意 | 2022年12月24日 |
516F-2やPM-2の11ピンの電源コネクターを交換する時や、エクステンションケーブルを作成するときにメスのコネクターを選ぶときには注意を要する。プラスティックのフードは外径が大きくKWM2等に合わない物も有る。金属製の物は問題ない。位置決めをするセンターピンのキー(でっぱり)のガイドが付いていない物もある。 |
986.51S-1の中波受信 | 2022年12月31日 |
51S-1は筐体が小さい為に、中波の混信除去能力に課題が有る。これを解決するために、55G-1というアクセサリーがあるが、希少であるが為に、もう一台51S-1が買えるくらいの投資が必要となる。一説に、55G-1の回路は数千円で実現できると言われているが、回路図を見ると頷ける。中波帯のプリセレクターではなく、中波帯からの感度抑圧防止ならAMノッチフィルターが使える。ネットで検索するとSDR用の物が多々ヒットする。但し、通過帯域には注意が必要である。 |
987.30L-1における572B(4) | 2023年1月7日 |
30L-1では811Aを572Bに差し替えると余裕が生まれるため、これを試す人も多い。811Aはチューニング時に直ぐに赤熱し気を遣うので、無理をしなければ一つの選択肢といえる。しかし、572Bを選択するときには注意が必要である。811Aや572Bは真空管の向きを決めるピンがソケットのベースに付いている。あるメーカーの572Bはこれが811Aより長く、30L-1のソケット周りのシャーシーに当たり、真空管が挿せなくなる。不幸にしてその様な572Bを買ってしまった場合は、ピンを削るしかない。このピンは30L-1では役を成していないので削っても問題は無いが、出来ればこの様な無駄な手数を掛けたくないものである。 |
988.75S-X受信音の歪み | 2023年1月14日 |
Sラインの受信機である75S-X(1,2,3、3A、3B、3C)は受信音が歪みっぽいと言われる。「67.75S-3BのSSB音質改善」ではその改善方法について説明したが、その他にRod Sherwoodが発表しているBFOのインジェクションレベル(注入電圧)の低減が上げられる様だ。この事が過日CCAのMLで論じられていた。興味がある方はやってみると良い。 |
989.LEDランプ(2) | 2023年1月21日 |
コリンズでよく使われている#44等のバヨネット式のランプの代替として、最近はLEDランプを使う人もいて、ここでも紹介をしている。ただ初期のLEDランプはPIV(耐ピーク逆電圧)低いので、AC6.3Vで使用すると壊れる場合があるので注意を要す。その場合は整流してDCを印加すれば良いが、最近のLEDランプに代えた方が早いか。 |
990.コリンズの現状 | 2023年1月28日 |
Collins社の事業はRockwell Internationalに買収され、航空機分野の航行機器、無線機器製造部門は、その後United Technologiesとなった後にRaytheon Companyに買収され、Raytheon Technologie内のCollins Aerospace divisionとして生き残っている。過日、同社同部門の2022年Q4の収支報告がされ、売上$5.6B(前年同月比15%増)、$741M(前年同月比64%増)と堅調だ。無論、現在はアマチュア無線とは無縁だが、コリンズの技術が生きている事業が健在であることは喜ばしい。 |
991.75S-1のノイズブランカー | 2023年2月4日 |
75S-1には136A-1というノイズブランカーがあるが、入手困難な上に改造が大変だ。現代の半導体技術を活用し、無改造でも搭載できるノイズブランカーをWynn Works, LLCというWの会社が出している。興味がある方は次のサイトのマニュアルを参照されたい。連絡先も掲載されている。 |
992.30L-1の高圧整流回路の闇 | 2023年2月11日 |
30L-1の高圧整流回路の平滑コンデンサー、ブリーダーが搭載されている基盤は、スペースの関係で全6個のコンデンサーの内、4個が裏に搭載されていて、2個がブリーダー抵抗7個と共に表に搭載されている。このため、2個のコンデンサーはブリーダーの熱を可なり受け、色が変わっている物も見かける。ケミコンにとって最大の敵は熱で、一般的に温度が10°上がることで寿命は1/2になると言われている。それ故これをデザインのミスとさえいう人もいる。この改善のためにアフターマーケットの整流回路ボードを試すのもよい。現代の部品は小さいので、熱的にも余裕を持った設計ができている。アフターマーケットのボードの調達先は既に「72.30L-1のダイオード」「108.30L-1のダイオード・ボード(2)」「230.30L-1ダイオードボード(3)」「808.30L-1ダイオードボード(4)」で紹介しているので参照願いたい。 |
993.真空管の代替 | 2023年2月18日 |
「246.KWM-2の真空管代替品リスト」で代替可能な真空管リストを記載したが、本文にも記載した通り、あくまでも緊急避難的な使用に限った方が良い。過日もCCA MLで、真空管番号が異なるにはそれなりの理由があり、まったく同一のものではないとの注意喚起があった(但し12AX7AとECC83等の同一規格と謳われている物を除く)。この相違が時には動作に影響を及ぼす。例えば、初期のKWM2などで6146Aの代わりに6146Bを使うと中和が取れず、51S-1ではヒーター電流のバランスが崩れるような代替品を使うと、全真空管の寿命を縮める、等。特性の相違が回路に及ぼす影響について吟味せず、単にリストだけで代替をするのは乱暴である。AラインやSラインの時代の真空管は未だ入手可能なので、正しい真空管を使うべきである。今後入手し難くなったとしても、どれだけの頻度で探す苦労をしなくてはならないかを考えると、あえて代替品を使う理由は見当たらない。 |
994.リレー使用上の注意点 | 2023年2月25日 |
リレーにはAC用とDC用が有るのをご存じだろうか? ACはゼロに復帰する瞬間にコイルが磁気を失い接点がバタついてしまうので、消磁タイミングを遅らせるためにコイル上部に金属リングが付いているものやリレーコイルの中点にダイオードが繋がっているものなどがある。このため、DCリレーはACでは使えない。逆にACリレーをDCで使えない事はないが、消磁タイミングが遅れることによる弊害に注意する必要がある。 |
995.古い電源のコンデンサーに注意 | 2023年3月4日 |
電源の平滑コンデンサーが古くなるとリーク電流が多くなり、増加量の二乗に比例した熱損失がトランスに発生する。電源トランスは単価が高く、ダメージが発生すると代償が高くつく。また、過度な容量の平滑コンデンサーも投入電流が過大となり、トランスに良くない。またこれらはトランスだけではなく整流管にもストレスをかける。例えば、平滑コンデンサー容量が過大な時、コンデンサーがピーク電圧に達するまでの時間が長くなり、この間に流れる電流が許容時間を超える(例えば、5Y5の規格は2.2A、0.2秒)。このため、古い平滑コンデンサーはさっさと交換した方が賢明で、かつ正しい値を採用すべきである。 |
996.メーターの読み | 2023年3月11日 |
メーターの読みは大切である。特にIP電流の読みはファイナルに掛かる負荷を監視する重要な役割をなす。この測定値がおかしいと感じたら次のように確認ができる。機械の電源を切り、カソードからグランド間にDC電源を接続して、200mA流した時にメーターが200mAを指示するかを確認する。この値の誤差が大きい場合は、カソードからメーター回路に接続されている抵抗(KWM-2の場合はR191:1KΩ)の値を調整する。通常はカソードからグランドに接続されている抵抗(KWM-2の場合はR109:12Ω)の値が大きくなり、指示電流値が低くなるので、R191にバラに抵抗を加えて調整する事となる。因みに、この状態ではIPを流しすぎになるので、要注意である。 |
997.機器納入時のチェック | 2023年3月18日 |
ジャンク、状況不明の機器、稼働する機器。程度の差で確認項目が異なるが、どの程度の機器でも絶対外せない確認項目の一つとしてFUSEがある。間に合わせで入れたFUSE、溶断防止で入れたFUSE等、規格(容量、電圧)外のFUSEが入っている場合は思わぬ惨事を引き起こす可能性がある。FUSEは最後の砦なので、くれぐれも確認を怠らない様にすべきである。 |
998.クリスタルの代替品 | 2023年3月25日 |
年々クリスタルの入手が難しくなっているが、これを解消するプログラマブル発振器がRUN
Technologyから発売されている。1〜125MHzの間の自由な4波を発振出来、、最大5Vp-pの発生が可能なので、真空管機器にも適用が可能。TCXOなので、周波数安定度が良く、入手しにくいバンド水晶の代替として注目されている。周波数はDigiKeyに発注しROMに書き込んでもらう。下記のURL先を参考にされたい。 RAN Technology Four Channel Oscillator Board Kit – HAYSEED HAMFEST LLC |
999.クリスタルテスター | 2023年4月1日 |
クリスタルの発振確認や発振周波数の確認ができるボードが売られている。以前は簡単な発振回路を作り、その出力を周波数カウンター等で確認していたが、これらがオールインワンで組み込まれている。日本のamazon等でも中華製製品を入手できる。完ぺきではないが、一台あるとアクティビティーの良否、発振周波数の確認ができ便利である。 Amazon.co.jp : クリスタル発振テスター |
[目次] [1-99] [100-199] [200-299] [300-399] [400-499] [500-599] [600-699] [700-799] [800-899] [900-999] [1000-]