法人税・益金
堀内勤志税理士事務所
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更新日:2016年4月16日
益金の額
益金算入
  1. 資産の販売等の額
売上の計上基準については、企業会計上では「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。ただし、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積もり、これを当期の損益計算に計上することができる。 」としています。これを「実現主義の原則」といいます。
法人税法は「実現主義の原則」のもと法人の任意の取扱いにゆだねることはせず、収益の計上時期を定めています。それは次のようになります。また、収益の額は、取引において収受する対価になります。
  1. 棚卸資産
棚卸資産は、商品等の引き渡した日が計上時期になります(「販売基準」)。ただし、棚卸資産の引渡しの日がいつであるかについては、毎期継続適用を条件として、その種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日となります。安易に計上基準を変更した場合には租税回避行為と判断される場合もあります。
  • 出荷した日(出荷基準)
  • 相手方に納品した日(納品基準)
  • 相手方が検収した日(検収基準)
  • 相手方において使用収益ができることとなった日(使用収益基準)
  • 検針等により販売数量を確認した日(検収基準)   等
  • 委託販売については、原則は受託者がその委託品を販売した日。ただし当該委託品についての売上計算書が売上の都度(週、旬、月単位で一括して作成している場合でも継続して行われている場合は該当)作成され送付されている場合において、継続してその収益を当該売上計算書の到達した日とすることができる。
  • 特例:長期割賦販売等については、「延払基準」の方法によることもできる。
  1. 請負
請負は、建設のように物の引渡しを伴うものは「その物を引渡した日」、技術指導のように物の引渡しを要しない役務の提供については「その役務提供の全部を完了した日」に収益を計上するものと、設計監理のように両者にまたがるものもあります。
  • 物の引渡しを要する契約にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日(原則、「完成引渡基準」)。または完成部分を引き渡した日(「部分完成基準」)。特例:工事進行基準。
    建設、造船その他これらに類する工事の場合、継続適用を要件として、その種類及び性質、契約の内容等に応じた日として合理的であると認められる次のような日による。
    • 作業を結了した日
    • 相手方の受入場所へ搬入した日
    • 相手方が検収を完了した日
    • 相手方において使用収益ができることとなった日等
  • 物の引渡しを要しない契約にあってはその約した役務の全部を完了した日(原則、「役務完了基準」)。または部分的に収益金額が確定した日(「部分完了基準」)。
    • 作業を結了した日
    • 相手方の受入場所へ搬入した日
    • 相手方が検収を完了した日
    • 相手方において使用収益ができることとなった日等
  • 土地、建物等の売買、交換又は賃貸借(以下、「売買等」という。)の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額は、原則としてその売買等に係る契約の効力が発生した日。
     ただし、継続して当該契約に係る取引の完了した日(同日前に実際に収受した金額があるときは、当該金額についてはその収受した日)とすることができる。
  • 設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術役務の提供を行ったことにより受ける報酬の額は、原則としてその約した役務の全部の提供を完了した日。
     ただし、次の場合にはその支払を受けるべき報酬の額が確定する都度その確定した金額をその確定した日
    • 報酬の額が現地に派遣する技術者等の数及び滞在期間の日数等により算定され、かつ、一定の期間ごとにその金額を確定させて支払を受けることとなっている場合
    • 例えば基本設計に係る報酬の額と部分設計に係る報酬の額が区分されている場合のように、報酬の額が作業の段階ごとに区分され、かつ、それぞれの段階の作業が完了する都度その金額を確定させて支払を受けることとなっている場合
  • 運送収入の額は、原則としてその運送に係る役務の提供を完了した日。
    ただし、運送契約の種類、性質、内容等に応じ運送収入に係る収益の計上基準として合理的であると認められるものにより継続して適用することができる。
    • 乗車券、乗船券、搭乗券等を発売した日(自動販売機によるものについては、その集金をした時)にその発売に係る運送収入の額を収益計上する方法
    • 船舶、航空機等が積地を出発した日に当該船舶、航空機等に積載した貨物又は乗客に係る運送収入の額を収益計上する方法
    • 一の航海(船舶が発港地を出発してから帰港地に到着するまでの航海をいう。)に通常要する期間がおおむね4月以内である場合において、当該一の航海に係る運送収入の額を当該一の航海を完了した日に収益計上する方法
    • 一の運送に通常要する期間又は運送を約した期間の経過に応じて日割又は月割等によりその運送収入の額を収益計上する方法
なお、販売代金や請負代金等が事業年度の終了の日までに確定していない場合でも、同日の現況によりその金額を適正に見積らなければなりません。 見積額と実際額が違った場合は、実際額が明らかになった事業年度で修正処理します。
  1. 資産の無償譲渡・低廉譲渡
企業会計では、金銭等の授受がないので会計処理はなされませんが、法人税法では法人の所有資産を第三者(その法人の役員又は使用人を含みますが、完全支配関係にある法人との取引については除かれる場合があります)に無償又は低廉な価額で譲渡しても、その譲渡によって収入すべき金額は、その法人の収益として益金の額に算入すると同時に、その金額を相手方に対して 贈与したものとされ、それによって生じた損失は原則として寄附金となります。この場合、その相手方が法人の役員又は使用人の場合はその者に対する給与(賞与)となります。
※  よって、この取引は「確定した決算」には反映されませんので申告調整することになります。
  1. 資産の無償譲受
法人が第三者から資産を無償で譲受たり、債務の支払を免除されたりした場合には、その資産をもらった時の時価に相当する金額や免除された債務の金額に相当する経済的利益の額を収益に計上することになります。ただし、完全支配関係にある法人との一定の取引については「益金に算入しない」ことになっています。
益金不算入
  1. 資産の評価益
会社法や企業会計では資産の帳簿価額は、原則としてこれを取得するために要した金額を基礎とする「取得原価主義」が採られています(会社法431、会計規則5①)。よって法人が資産の評価換えを行い評価益を計上しても、法人税法上は原則として評価換えがなかったものとし、その評価益は益金に算入しません。
  1. 還付金等
法人税や都道府県民税・市町村民税は、会計上は利益のマイナス項目として処理されますが、法人の所得を課税標準として課税され、その所得から支払うものなので、課税所得の計算上は当期利益に加算することになります(「損金不算入」といいます)。
  このように納付しても法人の費用・損失にならない支出が過誤納により還付された場合、会計上は雑収入等として処理されることになりますが、課税所得の計算上は逆に当期利益より減算することになります(「益金不算入」 といいます)。
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