ブリーダー
「ブリーダー」とひとことに言ってもさまざまなものです。
それぞれの犬種に貢献するショーブリーダーやプロブリーダーから、販売目的で産ませている販売業者や、バックヤードブリーダー(いわゆる素人繁殖)、ペットブリーダー、初めて子犬を産ませて売ってブリーダーという人、自称ブリーダー、なんちゃってブリーダーもいます。
「ブリーダー」って簡単に言っていますが、一生懸命頑張ってきた人間にとってはそんなに簡単に口に出来るほど安い言葉ではないことを知っていただきたいと思います。
「ブリーダー」の本来の意味は、繁殖家、飼養者という意味です。
辞書をひくと、「breed」という単語には、さまざまな意味があります。
「品種」、「系統」、「飼育する」、「品種改良する」、そして...「仔を育む」
そう、「ブリーダー」は、「仔を育む者」として、それぞれの犬種を扱うにはそれなりの知識や、ポリシーがなければいけないと思うのです。
特に遺伝疾患の問題等や、掛けあわせによる不都合、犬種の向上を目的にしていないブリーディングはあるべきではないとも思いますし、改良していくべき点を把握しそれに向かって試行錯誤しながら行い知識も経験も豊富なブリーダーがブリーダーといわれるブリーダーではないかと思います
血統書があることと繁殖に適していることとは全く違うことなのです。
血統書のある犬を繁殖すれば、必ず血統書を取ることはできますが、血統書とクオリティーとは別物です。
クオリティーとはどれだけスタンダード(犬種標準)に沿っているかということです。
犬は一度に複数の子犬を出産しますが、それぞれ長所や欠点を持っており、そこにクオリティーの違いがあります。
純血種の犬を繁殖するということは、そのスタンダードを守るということです。
ブリーディングという英語の正しい訳は、「育種」、種を育てるという意味ですから、特定の種を正しく育てようという姿勢のない人、スタンダードを無視した繁殖業者や、不勉強なアマチュアブリーダーには、ブリーダーと名乗って欲しくないという声もあります。
それぞれの犬種には、犬種標準(スタンダード)という理想像を目指して改良に改良をかさねてきた歴史があります。
血統は熱心なブリーダーからブリーダーへと受け継がれて、それぞれの犬種の種を守り、育ててきたのです。
それぞれの犬種が本物でなければ、それぞれの犬種の本当の魅力は味わう事はできないということだけは心に留めておいてください。