2003年08月12日 発行

日本一のお線香


《 生産量は、全国の七割 》



淡路島の西海岸にある一宮町は、国生みの神話で有名な伊弉諾(いざなぎ)神宮と共に日本一の線香の町で、一宮町に入るとどこからともなく良い香りが漂ってくる。その生産量は、全国生産量の七割です。
一宮町の線香生産は、嘉永三年(1850年)田中辰三が泉州堺で線香製造の技法に接し原料の杉葉粉を阿波より購入し製造を始めた。

この地に線香製造が根をおろしたのには、
●気候が適していた
●立地条件が良かったため、原材料の搬入と製品輸送に便利であった
●良港を有しながら季節風で出漁できないために、必然的に家内工業を生み出した
●漁家の婦人、農閑期の副業による安価な労働力が得やすかった
などの背景が大きく影響しました。

明治初期に「久盛香」「藤田香」として製造販売するようになってから地盤も固まり、広く各地に知られるようになりました。大正初期には魚水友吉がこれまで使用していた杉粉をやめて、宮崎県近辺特産のタブの木の皮を製粉したホン粉を使用して香料入線香の製造を始め、品質向上と生産増加で販路を拡大しました。
 一宮町観光パンフレットより一部抜粋


 

写真左の機械で原料を十分に攪拌し、銘柄ごとに配合を変えた香料を加え温湯で煉り上げます。それを、写真下の機械で押しだし、約30cmx40cmの円筒形の煉り玉を造り、乾燥しないように包装しておきます。

 

香料
植物性香料
伽羅(きゃら)・沈香(じんこう)・白檀(びゃくだん)・丁子(ちょうじ)・薫陸(くんろく)・竜脳(りゅうのう)・乳香(にゅうこう)

動物性香料
麝香(じゃこう)・海狸香(かいりこう)・霊猫香(れいびょうこう)・竜涎香(りゅうぜんこう)

液体香料
ジャスミン・スズラン・ロ−ズ・バイオレット

 

煉り玉を巣金と呼ばれる長さ、およそ60cmx5cmx1cmの金具の穴から、そうめん状に押し出し乾燥用の板にうけます。

 

出来たお線香は乾燥場で、一週間から10日ほど掛けてゆっくり乾燥させます。

 

 

曲がったり、折れた物がないか検査をしながら、結束し、熟成期間をおいて出荷されます。

 

椨(たぶ)という暖地に自生するクスノキ科の常緑高木です 別名をイヌグスともいい 樹皮を粉末にしたものが線香を固める糊剤に用いられる。

 

伽羅(キャラ) 
香木中の香木、香りの帝王、梵語tagara(多伽羅)の略で(伽羅)。 
生成も材質も沈香と同じだが沈香よりも、さらに、いわく云いがたい美しいかおりがする。


一宮町には沢山の会社があります。
その中で今回は、薫寿堂http://www.kunjudo.co.jp/さんの工場を見学させて頂きました。

お香づくり教室 ”自分のかおり”をつくってみよう。
工場見学の後、ご希望の方はお香づくり教室を開きます。工場見学の記念に、世界でたった1つ、オリジナルインセンスをつくってみてはいかがですか。
 

アクセスまっぷ  

所在地:兵庫県津名郡一宮町多賀1255-1
神戸淡路鳴門自動車道津名一宮インターを出たら左折して6分
駐車場:無料

淡路島の国道28号線(津名港)の交差点を津名一宮IC方面に曲がる インターを越えると程なく 伊弉諾(いざなぎ)神宮(地元ではいっくうさんの愛称)です。越えるとすぐに薫寿堂さんが右手に見えてきます。」