中日スポーツ連載4コママンガ「おれたちゃドラゴンズ」のホームページ

ORETACHA DRAGONS JOHGAIBAN

 

 

おれドラ周辺記2007
 

 

 

日本一、なれど波高し     2007.11.20

 ドラゴンズが53年ぶりの日本一を成し遂げ、先日のパレードにも55万人の人出だったとか。本当にドラゴンズファンにとっては待ちに待った日本一でした。リーグ優勝は何度か果たしながらも日本シリーズで負け続け、いつしか日本一から一番遠い球団になっていたので、肩身の狭い思いをしていたファンも多かったと思います。

 それにしても今回の日本一に関しては、いろいろと議論がありましたね。思いつくままに振り返ってみたいと思いますが、まずはやはり今年から導入されたセ・リーグのプレーオフ。
 このクライマックス・シリーズのおかげでドラゴンズは日本一になることができたわけですが、これも今後このまま継続するには問題点が多いように思います。よく言われるように、ペナントレースで首位に大差をつけられた3位チームが、たまたま勝って日本一になる可能性もあるわけで、それでは長いペナントレースの重みがなくなるのではという問題があります。
 リーグ優勝の栄冠は獲得できるといっても、今年の巨人のようにリーグ優勝のパレードも、優勝旅行もなしというのでは優勝したのかどうなのか、はなはだ選手が気の毒になります。すでに導入1年目からリーグ優勝の価値がないに等しいことになっています。

 さらにこのプレーオフ制度は、パ・リーグのプレーオフの活況を見て、球団の経営が次第に苦しくなってきたセ・リーグも収入増を目的に導入したものですが、財政的に弱いといわれる横浜、ヤクルト、広島はプレーオフに参加できず、まだ体力のある巨人、阪神、中日の3強がプレーオフの恩恵に預かるという皮肉なことになっています。
 これは今年に限ったことではなくて、この先も3強が資金力にものを言わせて補強すれば戦力の差は埋まらず、プレーオフは常に3強が進出という可能性が高いと思います。

 今回ドラゴンズが日本一になることで、導入の急先鋒だった巨人も現行のプレーオフ制度に不満を感じたに違いなく、それはそれで良かったかもしれません。最強チームを決めるという理念をそっちのけで、収益増の目的だけでシステムを変更したところに問題があったのは確実でしょう。

 

 日本シリーズの戦いで最も議論が白熱したのは、日本一を決めた最終戦の山井投手から岩瀬投手の継投でしょう。
 大舞台で山井投手に完全試合をさせたかったという意見は、どちらかというとドラゴンズファン以外からの声が多かったように感じました。そりゃあドラゴンズファンにしたって山井投手の完全試合は見たかったはずですが、それよりも何よりも日本一なんですね、ドラファンとしては。53年もできなかったという悔しさが強く、そのためには個人の記録は我慢してくれというのが多くのドラファンの気持ちなんじゃないでしょうか。
 外部の人にはその気持ちが理解できず、落合監督への批判もかなりあったようですが、あのまま続投で9回に失点していれば日本一はどうなったか、はなはだ疑問です。わずかのスキから栄冠は逃げていくもので、3年前も3勝2敗で王手をかけながら2連敗した苦い記憶があります。あの場面で落合監督は感情を抑え、批判を受けるのは覚悟の上で、勝負に徹する判断を下した、非常に勇気ある決断だったと思いますね。
 それはただ野球の勝ち負けだけでなく、中日の球団、親会社の内部にも落合監督への批判があって、それを抑える形でオーナーが監督をバックアップしているわけで、落合監督としてはそれに応えるためにも日本一になるのは就任以来の大目標だったわけです。もし達成できなければ、落合監督だけでなく周辺にも影響が及ぶのは組織として当然のことでしょう。そんな背景もあっての日本一だったと思います。かつて三冠王を取ったときに、まぐれと言われた悔しさに3度も取って見せた落合監督ですが、その信念の強さを改めて見た気がしました。

 

 さて来季のドラゴンズはというと、リーグ優勝も果たして日本一連覇を、とファンは言いたいところですが、なかなか難しい問題もあります。
 まずは福留選手のFAでしょうね。選手として常に上を目指したい気持ちも判りますが、球団としても対応できる限界があるのも事実です。すでに選手年俸総額は巨人と並ぶほどになったものの、しかし観客動員は阪神、巨人についで第3位。これは球場の規模の影響もあって、東京ドームの5万5000人収容に対し、ナゴヤドームは4万500人で、甲子園の5万人にも及びません。しかも満員になる試合は数えるほどで、そんな状況ではスター選手を引き止めるために突出した年俸を払うのは難しいと言わざるを得ません。看板選手の流出は残念ですが、新しい選手を育てながらチーム力を維持していくという方法しか手はなさそうです。

 いろいろと問題はありますが、それでもプロ野球が面白いのは、そんな背景事情を忘れさせるような、きらめくプレーを見せてくれるからでしょう。今年もずい分素晴らしいプレーがありました。冬眠の熊が巣穴で木の実をむさぼる様に、このオフはそんなプレーの一つ一つを思い出しながら、来年の球春を待つことにしましょう。
 まだ五輪日本代表で汗を流している選手もいますが、ひとまず選手の皆さん、お疲れ様でした。  

 

 

 

政治漫画を描いてみた     2007.9.2

 またまた農水大臣が不祥事で辞任。まあ今さら驚きもしませんが、さすがに怒りは感じますねー。
 そんなときどうするかというと、関係省庁やマスコミにメールをする人もあるかと思いますが、私なんぞは政治マンガを描いたりしますね。別に仕事の依頼があってのことではないので、どこに掲載されるということもないんですが、まあ自己満足というか、怒りの自己昇華というか、とにかく描かなきゃおさまらないという気になるわけです。
 描き上げてみて気に入ったりすると、どこかで使ってもらえないかとも思うんですが、まあなかなか機会もなくて、仕方がないから今回はホームページで載せてみました。

 

 農水大臣ということで米作にひっかけてみたわけで、中日新聞にも似たような趣旨の漫画が載っていました。
 政治漫画というのは、なかなか難しいですね。アイデア面の難しさというよりも表現面での難しさで、特に新聞掲載の場合はかなりデリケートな問題があって、野球漫画以上のハードルがあるんでしょうね。
 この漫画でも、自殺した大臣をこういう表現でいいのかとか、いろいろ意見はあるでしょうね。そうしたハードルを越えるために、あいまいな表現にしていくと結局面白くないものになってしまうし。

 

 政治漫画というと思い出すのが、以前、中日新聞にも描いていらっしゃった千葉督太郎さんです。筆で描いたようなタッチで、必ずしもきれいな絵とはいえませんが、かえってそれが悪い政治家のきたならしさを表すような効果もあって、非常にインパクトのある風刺漫画を描いていらっしゃいました。あんな味のある絵を描きたいものです。
 とにかく絵というのは文章よりもインパクトが強く、それだけパワーをもっているわけで、描き手は心して描かなきゃいけないだろうし、また政治の不正を批判するには大きな力になるから、的確で良質な政治漫画を描く使命があると思いますね。
 そんなことで、どこかで私の政治漫画、載せてもらえませんか。  

 

 

 

儲かるのかプレーオフ   2007.7.13

  独走していた巨人も足取りが重くなり、2位ドラゴンズと1ゲーム差。Bクラスの阪神やヤクルトも徐々に借金を減らして上位との差を詰めつつあります。やっぱり、こうでなきゃ面白くありません。

 それにしても今年のペナントレースで、どうも緊迫感が感じられないのは、やはりプレーオフがあるからじゃないでしょうか。
 ペナントレース1位チームがリーグ優勝とはいうものの、日本一になれればそっちのほうが良いわけで、私などはドラゴンズが巨人に5ゲームも離されても「2位ならプレーオフがあるからいいや」と妙にのんびりした気分で構えているわけです。これが例年通りのシステムなら、5ゲームも離れたらデッドゾーンぎりぎりで、血圧も上がりっぱなしになるところ、とりあえず歯の詰め物が取れるくらいのことで収まっています。
 ファンの健康のためには良いのかもしれませんが、もう少し緊迫感があってもいいように思います。昨日の横浜スタジアムなども、ベイスターズが3位にいながら1万人を割る観客で、雨模様とはいいながら、もう少し熱くなってもいいんじゃないでしょうか。
 観客数アップ、収益アップのために導入したセ・リーグのプレーオフですが、今年1年の収支がどうなるのか、はたして各球団アップするのか、今から興味深いところです。

 一番好ましいプレーオフの形を想像すると、ペナントレースを終えた結果、非常に僅差で優勝が決まって、「これはいくらなんでも悔しい。本当に強いのはどっちなんだ。短期決戦で勝負しろ!」ということで、もう一度やって勝負をつける、そんな状況が心情的にもっとも納得できる形じゃないでしょうか。
 だからプレーオフをやるにしても、上位チームが非常に僅差になっていることが望ましいですね。最初からプレーオフを想定して、2位3位確保という戦い方では、ファンとしても熱くなれません。

 

 さて、私の近況を報告しますと、TOPICSでも紹介しておりますが、6月上旬に母と兄と私の3人展というのを催しました。新聞などにも取り上げていただいたせいで、これがなかなかの盛況で、雨模様の天気でしたが、ずい分遠方からも見に来ていただきました。誠にありがとうございました。
 私の場合、作品作りに加えて額も手作りですので、制作にほぼ1ヶ月ほど費やしました。

 それが終わって6月下旬には、毎年秋に開催の犬山のアコースティックコンサートが、今年はこの時期に開催とのことで参加してきました。こちらもかなりの人出で、過去最高の200人ほどにはなっていたんじゃないでしょうか。僕らはオリジナル曲が多くて、定番フォークを期待していたお客さんにはウケがイマイチだったようですが、まあとにかく楽しかったです。

 その後は地元の中学校でカルチャー講座というのがあって、ギターやフラダンスや太極拳、パソコンなど授業以外のいろいろな講座を生徒が受講するんですが、そこで4コマ漫画の描き方というのを指導してきました。
 私も特に勉強して覚えたわけじゃなくて、理論も何もないんですが、絵を描くというよりは発想の仕方というようなことを主体に、お話をしてきました。多分いつも楽しんで漫画を読んでいる子供たちでしょうが、作る立場になるとこんなに大変だということが体験できたんじゃないでしょうか。
 7月にはまた一つライブ出演があって、ほかには地元商店街の関係でプロジェクトが進行中。さらに秋にもう一つ大きな仕事ができました。これも追々紹介していきたいと思います。

 

 今年は妙に忙しくて大変ですが、多分今年はこんな星回りなんでしょう。せっかく求められるのであれば、可能な限りはお応えしていこうと思う今日この頃です。    

 

 

 

なんだか忙しい日々   2007.5.7

 ゴールデンウィークも終わって、またいつもの日常がもどって来ました。
 プロ野球も開幕して1ヶ月がたち、巨人が首位、意外なことに横浜が2位、中日は首位から3ゲーム差で3位と、まずまずの位置につけている状況です。開幕前は首位独走のような高評価でしたが、そんなに簡単にはいきませんね。

 前のコラムでも書きましたが、今年のドラゴンズの一番の不安点は先発投手陣で、川上、山本昌をのぞくと、勝ちを計算できない若手に負う部分が多すぎるのが心配でした。朝倉、中田は一応の実績はあるものの、まだまだ経験が浅く安定感に不安があります。さらにその他の若手は未知数で、しかもこの若手から2人はローテーションに加わってもらわないといけないわけで、それが非常に難しいところです。
 川上がアクシデントで登録抹消になったこともあり、2週間近く先発投手に勝ち星がつかず、どうなることかと思いましたが、小笠原が出てきたことで連敗も止まり、さらに川上の復帰で借金生活への歯止めがかかって、なんとか今の位置をキープしています。また平井がもどってきたことも大きく、やはり経験と実績のある選手は、安定感が違うなと感じます。
 こうした選手が7割、8割いて、あとを未知数の若手が担当するという比率が一番良いのですが、この先、どうなっていくんでしょうね。最終的にはチームの総合力の勝負になって、ドラゴンズもさらに浮上していくとは思うんですが。

 

 さて私といえば、今年は開幕に合わせて地元の市民団体の主催で漫画展を開いていただいて、結構準備でバタバタしましたが、多くの皆さんのおかげでずい分盛況に催すことができました。中日新聞や中日スポーツでも紹介してもらったおかげで、遠方から来ていただいた方も多かったようで、本当にありがたいことです。
 地元のショッピングセンターでの展示でしたが、他の店舗でも使いたいということで、現在もまだ展示が続いています。6月くらいまであちこち回る予定のようなので、お近くの方は見ていただけたらと思います。店舗などはTOPICSにてご確認ください。

 

 また4月の終盤に、これは趣味の話ですがアコースティックコンサートを主催しまして、こちらもなかなか段取りが大変でした。出演は高校の同級生ばかり5人で、マイク2本だけの簡単なコンサートでしたが、同級生のほか一般のお客さんも予想外に入っていただいて、30ほど用意したイスも足りなくなるほどでビックリしました。
 やっぱりこの年代の人はフォークに深い思い入れがあるんだなあと再確認した次第です。ちょっとオリジナル曲が多くて、定番フォークを期待していた方には申し訳ない気もしましたが、女性の方は懐メロよりオリジナルが聴きたいという意見が多く、このあたりも興味深いですねー。男性は過去に、女性は現在、未来に生きているのでしょうか。

 これらのことに付随して、いろいろと細かい用事もあったりと、最近は近年にない忙しさでしたが、やっと一息というところです。
 また6月に今度は油彩画と書道の展覧会を予定していて、これから急いで作品を作ろうというところです。さらに例年なら秋にやっていたコンサートが6月になったということで、そちらの練習もやらなくちゃと、なんだか仕事以外のところで忙しい毎日です。

 通常ヒマな私にしてみれば、こんなに行事が集中するのも珍しくて、これも何かの思し召しだろうと思っていますが、なんとか頑張ってこなして、今年後半はゆっくり大工仕事でもやろうかなと思ってます。  

 

 

 

あっという間に開幕目前   2007.3.21

 更新をさぼっていたら、あっという間に開幕間近になってしまいました。
 さて今年のドラゴンズはどうなんでしょうね。オープン戦は現在最下位で、いろいろと不安の声が聞こえてきますが、この時期、勝敗をあれこれ言っても意味がないでしょう。選手もオープン戦で打っても報酬が出るわけでもないので、そりゃ本気で打ちませんよ。
 井端選手のようにサービス精神の旺盛な選手は打ってくれますが、レギュラーが確定している選手は、普通は目慣らしと相手投手の観察、そして審判のストライクゾーンの確認が主目的でしょう。結果を出さなくても平気なドラゴンズのレギュラー陣は、私にはかえって頼もしく見えます。

 

 打線について心配があるとすれば、新たに加わった李、中村紀選手の存在です。新戦力が打線に加わると落ち着くまでに多少の時間がかかるもので、うまく回ればいいんですが、打てなかったりするとその混沌が長く続きます。ウッズ選手が加入した1年目などもそのパターンで、期待した大砲が不振続きで、期待が大きかった分だけ混乱が長引きました。
 当初、落合監督も今季はアレックスに代えて李選手を加えるだけの変更を考えていたはずですが、急きょ中村紀選手も入ることになり、これが予定外の打線変更になりました。チームが上手くこの波紋を吸収できるか、新たな打線構成で自分の役割をいかに早く把握できるかがポイントのように思います。

 それに関連して今季の打線ですが、現在のところ李選手を1番においた打順が続いています。この李1番にも、いろいろと心配する意見がありますが、これも打席経験を多くするための暫定的なものだと思います。あまり結果も出てないので、李選手については7番あたりに置いてプレッシャーの少ない環境で慣れさせてはという意見が多いようです。
 私もそれには反対しませんが、別の観点から上位打線に置いたらどうかと思っています。というのもウッズ選手が好不調の波が大きく、昨年も後半こそ大活躍でしたが前半は外角の変化球に三振しチャンスをつぶすシーンを幾度となく見ました。

 たしかに長打は魅力ですがもう少し確率の高い打者がその前で点を取り、プレッシャーの少ないところでウッズ選手に大量点を取ってもらうほうが勝つ確率が高いのではないかと思うのです。ということはどんな打線かというと、荒木、井端、李、福留、ウッズという並びになるわけです。李選手があまりに不調が続くようであれば、荒木、李、井端、福留、ウッズとして、つなぎ役に徹してもらうこともあるでしょう。
 今のところオープン戦で、荒木選手を9番に置き、李、井端、福留、ウッズという打順になっていますが、荒木選手を1番に繰り上げれば、そのままこの打順になります。
 6番以下は森野、中村紀、谷繁、投手ということで問題ないでしょう。4番ウッズというのを落合監督が動かしたくないと思うのであれば実現しませんが、どうなりますことやら。開幕が楽しみです。

 

 打線よりも心配があるとすれば投手陣だと思うのですが、先発は川上、山本昌のほか、安定した投手が見当たりません。平井、朝倉、中田、佐藤充といった実績のある投手が不調。若手の長峰、佐藤亮が頑張っていますが未知数です。
 中継ぎは右が岡本、中里、鈴木、バレンタイン、Sラミレス、左がグラセスキ、小林、高橋というあたりが1軍メンバーだと思います。ここも外国人に頼る部分が大きく、また中里がどれくらいの期間投げられるか、不安な要素は数々あります。こちらもどうなりますことやら、です。まあ不安も含めて、楽しみな今シーズンですね。

 

 私も今月は妙に忙しくて、大きなものとしては開幕に合わせてマンガ展を催すことになって、その準備で今、あたふたしているところです。
 またTPICSでもお知らせするつもりですが、私の住んでいる愛知県江南市の「まちづくり市民会議」という団体の企画で、なんでも江南市で活躍している人を内外に紹介するという目的で、第1回目として私を選んでいただいたということらしいです。ほかにも江南市出身ではフィギュアスケートの中野友加里選手やソフトバンクホークスの和田投手などもいて、随時取り上げていく予定とのことで、私とずいぶん知名度が違うのに大丈夫かとも思いますが、予行演習もかねて、まずは私が選ばれたような感じです。
 昨年の「おれドラ」の4コマを中心に、一部着色して80点以上を飾る予定で、単行本が出版できない代わりに、こんな形でもファンの方に見ていただければ喜ばしいことだと思っています。

 ほかにも私にしては珍しく行事が立て込んで、冬眠から覚めた熊のように目をパチパチしている状況です。うまくこなしていけるか心配ではありますが、まあなんとかなるでしょう。活気あふれる春三月です。  

 

 

 

新年ですが残念   2007.1.22

 ちょっと遅すぎますが、明けましておめでとうございます。年賀状をいただいた方も、いただけなかった方もありがとうございます。
しかし年賀状というのはむずかしいですね。ずっとお付き合いのある人には迷いもなく出せますが、微妙なお付き合いの方っていますよね。仕事関係でも昨年は顔を合わせたけど、今年は一度も会わなかったなあという人などには出していいものか、出すと返って失礼になるんじゃないかとか、いろいろ考えて結局出さないでいると向こうから来たりして。逆に考えた末に出した人からは来なかったりと、この気まずさを解消する方法はありませんかねえ。

 携帯電話のバッテリー残量表示みたいに、もうそろそろお付き合いがないと次の年賀状は失礼しますよーというような合図をどこかにいれるとか。それも失礼か。でも印刷の年賀状で直筆のコメントがないと「あっ、そろそろかな」という合図のような気もしますねえ。私は不精で印刷文面だけでほとんどの方に送ってしまいますが。なにか良い考えはないものでしょうか。

 

 さて新年早々で恐縮ですが、ちょっと悲しいお知らせをしなければいけません。メールで何人かの方から「おれドラ」の2006年版の単行本発売について問い合わせをいただておりますが、どうやら発売は難しい状況となっております。お一人お一人に事情を返事するもの大変なので、ここに書かせていただきます。

 2005年版は99年優勝版「Vだ!連覇だ!日本一だ!」から6年ぶりに、出版元のご好意により出版することが出来ました。関わってくださった方たちも熱いドラファンばかりで、細部の作業に至るまでこだわりをもって作り上げることが出来て、作者としても嬉しい限りという一冊が出来上がりました。
 ただ、あまりに良いものが出来たという自己満足が強すぎたのでしょうか、販売ルートに関して中日新聞販売店での注文販売という形にして、書店へ流通させることをしなかったために、読者の方の目に触れる機会が少なく、予想していたほど販売数が伸びないという結果になりました。細かく言いますと制作、流通費はクリアできたものの、書店へ流通させない代わりに広告宣伝に力を入れた、その広告費の一部が回収できなかったということです。
 もっと爆発的に売れる作品ならばどんな販売形式にしても売れるのでしょうが、そこまでパワーがあるマンガでもないので、それに一度新聞紙面で読んでいただいているものでもあるので、よっぽどお好きな方ではないと買っていただけないということもあるのでしょう。本当にドラゴンズが好きでマンガが好きなコアなファンの方には、非常に支持していただけるのですが、そのほかの方には見向きもされないという極端な反応があるようです。

 書店ルートに流さなかったのも、あまり大きな売り上げが見込める本でもないので、流通経費を節減するという意味もあってのことですが、そのほかにおそらくこの本の読者はドラゴンズファンで、ファンが集まるところで売れば効率が良いだろうという考えがあってのことでした。
 ドラファンが集まるというと、もちろんナゴヤドームで、当初はドームの売店で販売していただく計画だったのですが、どうもその許可が得られずに結局断念することになりました。

 出版元とドームの折衝で、私は直接聞いてないので正確には言えませんが、本を置くスペースがないのと、販売の手間がかかるという理由だったようで、いまだに何だかよく理解できない気分です。漏れ聞く話ですと、他のメーカーなども新しいドラグッズを開発してドームで販売してもらうように交渉するんですが、許可されずお蔵入りというグッズも結構あるようです。それでいつも良く似たグッズばかりなんですねえ。
 ファンの好みも多様化しているはずで、それをうまくキャッチして新しい商品を回していけばドームや球団の収益も上がるはずですが、余分な仕事はしたくないということでは時代に逆行していると言われても仕方ないでしょう。

 

 あまりこんなことを書いていると、負け犬の遠吠えみたいなので止めますが、ファンサービスとか球界改革とか言われても、選手や現場の第一線の方たちが汗をかいて何とかしようとしているだけで、上のほうの組織はまだまだ太平の眠りをむさぼっているという感じなのかもしれません。

 そんなことでどうやら今年は単行本でお目にかかることは出来そうもありません。期待してお待ちいただいていた方々には本当に申し訳ありませんが、また作品にパワーをつけて、どんな形でも売れるような、ウチでもぜひ売らせてくれといわれるようなマンガにしようと思っていますので、これに懲りずに引き続きご声援をお願いいたします。        

 

 

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