中日スポーツ連載4コママンガ「おれたちゃドラゴンズ」のホームページ

ORETACHA DRAGONS JOHGAIBAN

 

 

おれドラ周辺記2004
 

 

 

今年最後の失敗  2004.12.31

 今年の年末は思いのほか仕事が順調に片付いて、昨日あたりから安穏な気分で過ごしております。正月二日が日曜日で,漫画の描きだめをしなくてもいいので、例年より楽な大晦日です。今日はまあ、午後から「セカチュー」を見て、それから「紅白」ということになるでしょう。

 

 

 さてこのあと約1時間かけて、このページの更新をしたところ、何をどう間違えたのか、更新した文書をすっかり消去してしまいました。我ながら大晦日にふさわしい荘厳な良い文章が書けたと思ったのに、とんだ失敗をしてガックリです。大晦日だけに、ミソをつけてしまいました。最後の1勝ができなかったドラゴンズを、とやかく言えませんね。
 とても書き直す元気もありませんが、とにかく言いたかったことは、来年は良い年でありますようにということです。それでは皆さん、良いお年をお迎えください。今度こそ消さんぞ。     

 

 

 

日本シリーズを振り返る  2004.11.2

 ドラゴンズファンの皆様、リーグ優勝おめでとうございました。そして日本シリーズ、残念でした。50年ぶりにシリーズ3勝の壁はクリアしたものの、あと1勝に届きませんでした。
 私もシリーズが終わってから脱力感で、このページも更新できないままになっていましたが、日本シリーズのことに触れないわけにもいかず、月も変わってやっと更新しようかなという気になったところです。

 

 簡単に7戦までを振り返ってみましょう。
 まず第1戦。これは両チームとも固さが目立ったゲームでした。中日では英智のタイムリーエラーだけでなく、相手の石井貴を攻略できなかった打線全体に固さが目立ちました。西武はそんな固さを和田の先制点で解きほぐし、気持ち的に優位に立ってプレーできたのが勝因。シリーズのムードを知っているベテランの勝利と言えます。川上が頑張っていただけに、2安打0得点の打線は残念でした。誤審をめぐっての49分間の中断も、ベテラン石井貴を揺さぶることはできなかったようです。

 2戦目は西武のエース松坂に抑えられるかと思った7回に、立浪の奇跡的な同点3ランが出て、その勢いのまま西武リリーフ陣を打ち崩しました。3回に一旦逆転したあたりはシーズン中の中日の野球でしたが、本来なら負けゲーム。これは本当に奇跡的な勝利だったと思います。

 3戦目も西武に4−0とリードされる苦しい展開のところ、2戦目の勢いで4−6と逆転し逃げ切り体勢に入った7回に岡本が崩れました。1死2塁の場面で落合監督がマウンドへ行き、一度は交代を考えた岡本を続投させました。結果として、四球、死球、右2ベースで2失点、さらに1ゴロ、四球、で2死満塁からカブレラに満塁アーチを浴び4失点、この回、合計6失点で勝負あり。谷繁の満塁弾を、カブレラの満塁弾で返されたあたり、選手のショックはかなり大きいものがあったと思います。
 7回の岡本続投判断について、監督の判断ミスと言われますが、あそこでは岡本に気合を入れれば続投できるという考えは間違いとはいえないでしょう。シーズン中もそんなケースは多々ありました。ただ監督の誤算はブルペンから高橋聡がグラウンドに姿を見せたことでしょう。交代に揺れているベンチの姿を岡本に見せてしまいました。しかしそんなことは逆に発奮材料にして岡本は抑えるべきでした。江夏ならそうしたでしょう。

 4戦目は、このシリーズで中日が初めて先制点を挙げたゲーム。山井の好投も光り、理想的な勝ちゲームでした。
 5戦目は川上が先発。西武・西口との投手戦になりましたが8回を1失点にしのぎ、これも見事な勝ちでした。これで3勝2敗と日本一に王手をかけ、この4,5戦のムードなら日本一も間違いないと誰もが思いましたね。このときの勝利インタビューで監督が目を潤ませたことについて、「あれで選手の緊張感が緩んだ」とか馬鹿なことを言う評論家もいますが、そんなことで気が緩むようなら選手が悪いんです。

 6戦目。山本昌先発。相手は松坂。プレッシャーに弱い中日としては、本当はここで日本一を決めたかったところですが、初回に山本が1失点。2−1と逆転したものの、6回に和田の2ランを含む3連打で山本が降板。一方の松坂は調子を上げ5回からはノーヒット投球で、中日は攻略の糸口もないまま敗戦。2戦目の負けを教訓に、慎重なピッチングを通した松坂の勝ちでした。

 7戦目。西武は再び石井貴が先発。中日は1戦目と同様に抑えられ、3回まで無安打、結局6回を投げた石井から散発の3安打0得点。西武は3回にドミンゴのボークを指摘し、動揺したドミンゴから5点を奪うと、あとは余裕の戦い。あせる中日には守備の乱れも出て、明暗くっきりのゲームでした。

 

 中日の敗因はいろいろあると思いますが、まずは石井貴に2試合も抑えられたこと。シーズン中にほとんど活躍していなかったベテランの分析に甘さがあったことが考えられます。一応シーズンで14試合70イニング近く投げている投手ですから分析材料はあったはずです。99年のシリーズでやられたダイエー・工藤を想起させられました。
 打者では和田にやられました。打率ではフェルナンデス、カブレラとほぼ同じ、打点ではカブレラ9、和田、フェルナンデス6とほぼ同じですが、先制点など効果的なところでの一発が目立ちました。和田を抑え切れなかったところに、もう一つの敗因があるように思います。

 そしてドラゴンズにとって一番の課題なのは、大一番での弱さです。前例を挙げるのも嫌になるくらい勝負のかかったゲームで負けてきました。大一番で緊張するのは当然のことですが、今回の西武のように経験のあるベテランが投打でリードし、若手が通常の力を出せるムードに変えていく、そういったことが足りない気がします。星野監督時代の積極的なトレードで、生え抜きのベテランが少ないことも一因なのかもしれませんが、ともかく大一番での勝ち方、先制点へのこだわりなど、もう一度研究してほしいものです。
 そしてまた来年、忘れ物を取りに、再挑戦してほしいと思います。  

 

 

 

優勝まであといくつ?  2004.9.3

 いよいよ優勝ですね、みなさん。福留選手の怪我という残念なアクシデントもありましたが、もう間違いはないでしょう。昨日、タイガースに3連勝して勝ち数65勝。あといくつ勝てばいいのか、Vデーはいつなのか。もはや興味はそのあたりに移ってきていると思います。

 

 普通は貯金20が目安といわれますが、そうだとすると80勝60敗。中日は今季引き分けが3ありますから79勝58敗3引き分けというところでしょうか。しかしヤクルトも巨人もそこまで追い上げる力はなく、75勝くらいが優勝ラインになるような気がします。75勝62敗3引き分けで十分じゃないでしょうか。
 75勝するためには、中日は残り27試合を10勝17敗でOK。ヤクルトは18勝12敗。巨人は13勝9敗。中日が残り5割ペースで13勝もすれば、もう完全にギブアップでしょう。

 

 あと10〜13勝で決まるとなると、Vデーはいつなのか。9/3,4,5の広島戦で2勝。7,8,9の巨人戦で1勝。10,11,12の広島戦で2勝。14,15の阪神戦で1勝。18,19,20の巨人戦で1勝。21,22,23のヤクルト戦で2勝。これで9勝ですから次の横浜戦か、その次のヤクルトあたりの可能性が濃厚ですが、残念なのは、これだと浜スタか神宮で胴上げということになってしまいます。
 もうちょっとペースを上げて18〜23のナゴヤドームで決めるか、もしくはペースを落として10/1,2,3のナゴヤドームにするかですが、やはりハイペースでドドドドドっと勝ち進んだほうが盛り上がりますよね。今日から2勝1敗ペースで悲願の地元胴上げを実現してもらいましょう。阻止しようとするヤクルトと壮絶なゲームになりそうで、今からドキドキです。はたして漫画が描けるかなー。

 

 さてペナントレースが大詰めを迎えながら、いま一つ盛り上がらないのは、やはり球界再編の騒動があるからでしょう。9/8のオーナー会議で、おおよその結論が出そうな状況ですが、とりあえず来季の1リーグ化というのは時間切れで実現不可能のようです。
 しかしながら近鉄・オリックスの合併は白紙に戻ったわけではなく、さらにもう1球団削減し5対5の2リーグ制という話も浮上しています。チーム数が減ることには変わりなく、これでは選手会の同意を得ることは不可能でしょう。その場合は9/8以降にストライキという事態になるようです。

 経営を立て直そうという立場も判るし、選手の職場が奪われる怒りも判るのですが、問題なのはこんなギリギリになってバタバタやっている手際の悪さでしょう。1球団が立ち行かなくなって合併し、それで慌てて球界を再編しようと言うから無理があるんです。もう少し長いビジョンでコンセンサスを得てやるべきものでしょう。
 その意味では選手会の合併1年延期というのが1番常識的な言い分のような気がします。1年かけて、しっかりしたシステムを作り上げるほうが将来的にもいいんじゃないでしょうか。1年なら経営努力でチームを継続することも不可能でないでしょうし、他球団から臨時に出資する方法も韓国などでは実際にあったそうです。

 

 どんな形で決着するのかわかりませんが、球界のゴタゴタでドラゴンズの優勝がどうにかなってしまうことだけは困ります。他チームのファンは嬉しいわけはないので、ドラファンが盛り上がって中日の優勝を祝福するしかありません。みなさん、ファンもがんばって選手同様に10%パワーアップして祝福しましょう。  

 

 

 

ホームページの引っ越し  2004.8.3

 前回書こうと思って書けなかったので、今回はいきなり本題から入ります。
 実はこのホームページ、8月末をもって引っ越しいたします。新しいホームページのURLはこちら、 http://www.geocities.jp/kans_can/index.html です。なぜ今、引っ越しなのか。それほど大した意味もありませんが、要は新しいパソコンを買って、そのついでにプロバイダも変えちゃったということです。

 私はパソコンを使い始めて8年目になりますが、仕事柄、絵を扱う関係で、やはりマックがいいだろうということで、ずっとマック一筋でやってきました。しかしながら今さら言うまでもなく、もはやパソコンといえばウインドウズということで、いろいろと不都合なことが出てきました。そこでとうとうわが家にもウインドウズがやってきたわけです。

 

 それにしてもマックとウイン、ずいぶん使い勝手が違いますね。やっと慣れてきましたが、まず最初にマウスの右クリックから戸惑いますね。それからホームページの作り方も違う。私も7年近くホームページをやってきましたので、ウインドウズでも似たようなものだろうとタカをくくって始めたところ、さっぱり判らず呆然自失。一挙にパソコンビギナーに戻った気がして、めまいがしました。
 やっとのことでなんとか作ってみましたが、ソフトの違いなのか、マックで作ったホームページをウインで見たり、その逆の場合に、妙に印象が違って見えて、今までマックで作ったこのホームページをウイン派の皆さんはこんなふうに見ていたのかと、ちょっと驚いた次第です。
 その他のデータもマックからウインへ移動させて、なかなか大変な作業でした。さらに新しいパソコンは無線 LANにしたのですが、その設定もさっぱりわからず、何度かメーカーの優しいお姉さんに聞いてやっと使えるようになりました。

 

 パソコン関係の、こういった作業は本当に判りづらいですね。私もバカではないつもりですが(自覚がないだけ?)、説明書を読んでも、まずその単語の意味が判らないという場合が多々あります。皆さんは本当に使いこなしていらっしゃるのか、設定などすんなりやっていらっしゃるのか、買ったままリビングの置物となっている家庭はないか、非常に興味のあるところです。
 ソフトにしてもCD-Rとか-RWとか、DVD-R、+R、-RW、+RW、-RAMとかもう何が何だか判らない。なぜ統一しないのか、はなはだ疑問です。早く冷蔵庫やテレビ並みに、簡単に使える家電にしてほしいものです。

 

 いろいろと試行錯誤はありましたが、そんなこんなで我が家の新しいパソコンライフが始まりました。処理速度が格段に早くなったことと、ノートパソコンで移動が自由なこと、またインターネット料金を定額制にしたことで、使い勝手がずいぶん自由になったようです。私の場合、パソコンの中の冷却ファンの音が結構気になる質なのですが、その音が小さいのもありがたいです。
 TVチューナーも内臓しているので、机の脇において野球中継を見ながら仕事をしています。録画と再生が同時にできる機能があり、気になるシーンをさかのぼって見ることもできて、マンガを描くのに重宝しています。パソコン操作に気をとられて、マンガに集中できないのが困りものですが、そのうちマンガの質の向上にも役立ってくれることでしょう(それはマンガ家の腕次第か?)。

 ということでホームページの引っ越しの件、みなさま、ブックマークの変更など、よろしくお願いします。またメールアドレスも変更になります。トップページの新しいアドレスのほうへお寄せください。  

 

 

 

変革いろいろ  2004.7.5

 前回は政治関連のことを書きましたが、いよいよ今度の日曜は参議院議員選挙です。選挙権のある方は選挙へ行きましょう。
 政治というと、なんだか固苦しくて嫌なイメージを持っている人もあるでしょうが、結局は自分の生活周辺をより快適にする行為なんです。観葉植物を買ったり、新しい電化製品を買うのと同じように、気に入った党を買えばいいんです。

 普通のショッピングとちょっと違うのは、より多くの支持を得た党の政策が日本中に無理強いされるわけで、たとえば自分の気に入ったカーテンがあったとしても、多数意見が別のカーテンが良いと言えば、それを使わなければいけないわけです。だからセンスの良い党が選ばれないと困った事になります。カーテンなんかどんな柄でもいいやというノーセンスな人なら良いのですが、敏感なセンスの人にとっては非常に苦痛な状態を辛抱しなければなりません。またノーセンスな人は往々にして無投票が多く、それはそのまま現状に賛成という一票になるから困ったものです。ときどきは日に焼けた古いカーテンを取り替える、センスに敏感な有権者になりましょう。

 

 政治も変革のときですが、プロ野球界もまた近年にない変革の波に揺れています。近鉄が球団運営の困難からオリックスと合併することになり、パ・リーグが5球団になることから、セパを統合する1リーグ制へと議論が進んでいます。カードを組みやすくするために、さらにもう1球団を減らし10チーム、さらには8チームという声も聞こえます。

 現在の日本のプロチームは、たしかにいろいろと問題がありますが、一番の問題は財政的にチームを運営できない球団が増えてきているということです。これを解決しないと、どんなにリーグを改編しても同じことでしょう。
 よく言われる解決策としては、テレビ放映権料を野球機構がプールし各チームに均一に分配する方法です。これには巨人が反対していて「自由競争の国でなんでそんなことをしなきゃいかんのだ」とオーナーは言っていましたが、その自由競争の先進国のアメリカでは、すでに機構が一括プールしていると聞きます。そのオーナーは最近では「巨人のことだけを考えているわけにはいかん」と言って1リーグ制を進めているようですが、結局はこの放映権を手放したくないための1リーグ制なのではないでしょうか。
 本当に球界のことを心配する気持ちがあるのなら、この世の最後の大仕事として放映権を手放す英断を下せば、「あの人はいろいろ言われたけど、やっぱり最後は野球界のことを思ってたんだねえ」と、一気に評価が変わると思うんですが。

 

 このところ近鉄の買収に名乗りを上げるベンチャー企業が登場して、選手会もファンも、現状のチームがそのまま維持できるならと、買収に賛同し署名運動などを繰り広げています。これに対し経営側は、すでに規定路線ということで合併を進めています。たしかに経営的なことは内部の者にしか判らないこともあるでしょうが、それにしてもファンの賛同を得られない合併は、はたしてチームのためになるのか疑問です。自分の応援していた選手の半分をばっさり切り捨て、新しい強いチームができたとしても、ファンは手放しでは喜べないでしょう。

 

 私は個人的には1リーグでも2リーグでも、12球団でも8球団でも構わないと思っています。要はやり方次第で、プロ野球選手の人口が減ってしまうというのであれば、チームの保有選手数を増やせばいいことで、たとえば8球団でも1チーム105人にすれば球界の総選手数は現在と変わりません。1、2、3軍で保有選手を30、35、40人としてそれぞれリーグを作り、2、3軍は1軍がゲームを行わないような土地でゲームを行い、できればそこに本拠地を置く。そうすればそれぞれ性格の違うリーグができ、ビッグプレーを見たい人は1軍戦へ行き、草野球感覚で楽しみたいファンは自分の町の2、3軍のゲームを楽しむ。アメリカの現状に近いものが出来るかもしれません。またチームの保有選手数が増えれば、競争が激しくなり1軍のプレーの質も向上するのではないでしょうか。1、2、3軍を同一企業が保有できれば、それに越したことはありませんが、経営的に苦しいとなれば3軍はその地方の企業体に株主になってもらい独立採算制にする。これもアメリカの独立リーグのようなものでしょう。
 もちろんこれは放映権の問題をクリアし、ファンの賛同を得られたならばというのが大前提です。

 

 まあ野球にしろ政治にしろ、ファンや国民の意見を無視したまま改革をしても、必ずそれは失敗に終わるに違いありません。我々にとって大切なのは、そんなやり方は受け入れられないという意志表示をすることです。声を上げることです。皆さん、選挙は必ず行きましょう。

 さて今回、本当はこのホームページの変革について書くつもりでしたが、前段の話が膨らんでしまいましたので、また次回ということにいたします。わが家のパソコン事情も変革の波に洗われているのです。

(付記)この文章を更新した2日後に、西武・堤オーナーがよく似た1リーグ構想を発表して驚きました。決して盗用ではありませんので念のため。  

 

 

 

来たれ年金維新!  2004.5.31

 このところ年金問題が大きな話題になっていますが、みなさん、どうお考えでしょーか。おそらく現状のままでいいという意見の方は、年金の甘い汁を吸っている寄生虫を除けば、ほぼゼロに近いのではないでしょうか。そして現在、国会で審議中の政府の年金改正案で満足と言う方も、まずいないでしょう。

 私も性格が単純なほうですから、テレビなどで年金の不正流用などの報道を見るたびに腹が立って、思わずこんなイラストを描いてウサを晴らしたりしております。
 詳しいことは知らないのでトンチンカンな意見かもしれませんが、今回の改正案というのは、財源が乏しくなってきたので、とりあえず保険料を上げ給付額を減らそうということなのでしょう。これは人口比率の変化から見ても、今後避けられないことだと誰もが判ります。しかしそれをやる前に、年金の樽からチョロチョロと盗み出している悪いネズミたちを始末して、余計なことに使われないようにすることが先決でしょう。

 

 なぜそれができないのか。国会の議論を聴いていても、小泉さんの説明は「今のままでいいんですか?」だし、野党も「撤回しろ」の一点張り。追及するにしても、もう少し理論的でないと、それこそ瓢箪で鯰を押さえるようなものです。
 小泉さんは三党合意に基づいて協議会を作り、年金の一元化に向けて新しい制度を検討するといいますが、今回の改正でルールを変えると、将来に一元化するときに計算が余計に面倒なことになるのではないでしょうか。結局は「保険料を増やしたい、給付額を減らしたい」そのために今回の改正案を何が何でも成立させたいということでしょう。

 

 こうなってくると、国に年金、つまりは老後の生活保障を求める意味があるのかということになってきます。個人個人で貯蓄し運用して、老後のために蓄える。それでいいんじゃないでしょうか。なぜそれを国にやってもらわなくてはならないのでしょうか。個人よりうまく運用してくれるのならともかく、ダラダラとどこかへ流れていってしまうのでは話になりません。

 つまりは今の年金の制度が間違っているんです。現役世代が同時代の高齢者を支えるというのは双方の人口比率が一定であるときに限って平等になるわけで、時代と共に比率が変われば歪みが出て来るのは当然です。やはり自分が払った分に見合う年金を受け取るというのが、誰が考えても当然の姿で、それならば誰からも文句は出ないでしょう。
 国に年金をお願いしたい人は保険料を納める。自分で老後のことは何とかするという人は保険料は納めない。また保険料についても、年金を多くもらいたい人は多く払い、少なくていい人は少額を払う。そういう選択が出来る制度なら、もっと良いでしょう。
 そういう形にするために、ここらで一度、払い込んだ分を国民に返してチャラにして、あらためて年金を始めたい人は払い込むというように「年金維新」をやってもらいたいものです。

 どんな形になっていくのか判りませんが、今の自民党政府では、なかなか納得のいく制度はできないでしょう。私も今までは税金だと観念して年金も払ってきましたが、さすがにちょっと考えますね。ちなみに私も未払い期間ありのクチです。20年前の学生時代の話です。追及するほうがおかしいでしょう、ねえ小泉さん。    

 

 

 

落合野球は超合理的確率野球  2004.4.12

 待ちに待ったペナントレースが開幕しました。現在のところドラゴンズは9試合を戦い5勝4敗とまずまずの戦いぶりで、阪神、巨人、横浜とともに首位に並んでいます。

 この9試合で、まず驚いたのが川崎投手の開幕先発でしょう。落合監督は1月3日に川崎先発を決め、本人にも電話連絡をしていたといいます。「このチームを変えるために必要だった。川崎も生き返ったし、チームにとっても自信になった」とゲーム後に監督のコメントがありました。結果は1回1/3を投げ被安打5四死球3、失点5で降板。
 たしかにこのショック療法で川崎投手の眠っていた闘争本能を引き出すことは、ある程度できたかもしれません。移籍後3年間、一度も1軍のマウンドに立っていないわけですから、感覚が鈍るのも仕方ないことでしょう。2軍戦では見られなかった鬼気迫る表情が垣間見られたことは、一応評価してもいいでしょう。もしもこれで川崎投手が先発陣へ復帰できれば、大きな戦力となるのは事実です。

 

 しかし、ひねくれ者の私は少々別の解釈をしてしまいます。つまり開幕戦で広島がエース黒田を先発させるのは95%くらいの確率で間違いない。これを攻略して勝つのはかなりの困難が予想されるわけで、実際に開幕ほぼ1週間前の3/25のオープン戦での黒田投手との対戦では、5回を投げたうちヒットはリナレス選手の1本だけ。見事に抑えられています。

 この攻略が難しい黒田に対し、川上あるいは野口を先発させても勝てる確率は良くて50%でしょう。それならば勝つ確率の高い2人を黒田にぶつけず、2、3戦目で手堅く勝ちを拾おうとしたのではないでしょうか。結果的には1戦目はリリーフ陣が好投し、終盤に打線が黒田投手をとらえ、奇蹟的な逆転勝利。2戦目、3戦目は野口、川上で勝って3連勝と、最高の形となりました。

 これは4/9の阪神戦初戦にも言えることで、相手のエース井川に対し、中日は中5日で野口でいけるところを敢えてバルガスを当て、2戦目に野口を回しました。このときはバルガスが4回途中に危険球で退場となり、井川に完封負け。2戦目の福原も打ち崩せず連敗となりました。
 いろいろな要因の兼ね合いから結果の出方は違いますが、仮に野口ー井川、川上ー福原、バルガスー下柳と当てた場合、1、2戦を勝つ確率はやはり良くて50%。3戦目のバルガスも未知数で3連敗の可能性も十分あります。それよりはバルガスー井川、野口ー福原、川上ー下柳のほうがまだ2、3戦目のどちらかで少なくとも1勝はできるでしょう。

 落合監督の考え方は、勝つ確率の高いほう、高いほうへ判断を下してお膳立てをする、そんな采配のような気がします。4/10の試合で2ー3とリードされている8回裏に岩瀬投手を投入したのも、1点差ならまだ勝つ確率が高いという判断でしょう。私としても非常に納得のいく岩瀬投入でした。

 

 エースには今シーズンをまかせるという意味で開幕投手に指名するとか、先発投手は中5日で回さなければいけないとか、投手交代は投手コーチが行かなければいけないとか、勝ちゲームでなければストッパーは投入できないとかという、決まり事のようになっていることでも意味がなければ変えればいい。もっと合理的で勝つ確率が高い方法があればそちらを選択するという、柔軟な精神が落合監督には見られます。

 就任時に言った「見てる人にはつまらない野球になるかもしれません」という言葉は、合理的に淡々と勝つ確率の高い道をひたすら選択するという、そういう意味で「つまらない」という表現になったかもしれませんが、野球を知り尽くしている達人が、どうすれば試合に勝てると考えているのか、それを知ることが素人としては非常に興味深く「おもしろい」と言えます。これからもひとつひとつの局面で、監督がどんな判断を下すのか、楽しみに見ていきたいと思っています。  

 

 

 

ジャビットは我が掌中にあり  2004.3.11

 いろいろと話題の多かった沖縄キャンプを打ち上げ、ドラゴンズはオープン戦で各地を転戦しています。6勤1休で代表されるハードなキャンプを乗り越え、はたしてどれだけ力をつけたかとファンは楽しみにしていたことでしょう。それがオープン戦9試合を消化した現在、成績は2勝7敗。オープン戦とはいえ、やはりファンは好調ムードに浸りたいもの。「どうしたドラゴンズ」という声があちこちから聞こえています。

 落合監督は「オープン戦は勝ち負けにこだわらない。全部負けてもいい」と冷静なコメント。胸の内は明かしませんが、やはりできるだけ若手に1軍のゲームを経験させたいというところでしょう。シーズン中で勝敗を気にせず若手を起用できるのは消化試合しかありません。それよりもオープン戦のほうが、まだ緊張感があります。
 1軍での1試合は2軍の30試合に相当するくらい得られるものが違うと思います。オフの間のトレーニングを欠かさず、さらにキャンプを乗り越え、ある程度の成果を見せた若手たちへのご褒美として、今の時期に出場の機会を与えている。そう考えればファンも勝敗を気にせず、オープン戦を見られるのではないでしょうか。辛い練習をさせてオープン戦が始まれば若手は2軍では、あまりにもかわいそうです。

 

 さらにもうひとつ考えられるのは、点を入れるのにはどうしたらいいのかということ。各打者がそれぞれに打っているだけでは点も入らないし、相手投手も攻略できない。そういうことを教えているのではないでしょうか。
 やはりエース級の相手投手を攻略するには、チームとして徹底して狙い球を絞ることも必要だし、得点するにはバントや盗塁、エンドランという作戦も欠かせない。ヒットコースに狙い打つことも必要になってきます。そういった要素の重要性を教えるために、あえて落合監督はサインを出さずにいるような気もします。
 これまで中日打線が効率よく得点できなかったのは、打者各人の力量はさておき、そういったチームとしての攻撃が徹底できていなかったということじゃないかと思います。同じような軽量打線でも効率のいい攻撃をするヤクルトとの違いは、その徹底の差ではないでしょうか。

 とにかく、オープン戦の勝敗をあれこれ言うのは、少なくとも立浪、福留選手が打線に加わってからでいいでしょう。今は各選手の仕上がりをチェックする段階で、チームとしての戦い方をうんぬんする時期ではないと思います。まだ監督はサインもほとんど出していないのですから。一般のファンは仕方ありませんが、OB解説者まで今の段階で不安、批判を口にするのは、いかがなものかと思います。

 

 さて今年のペナントレースはどうなることでしょうか。やはり中日、巨人、阪神の戦いになるのでしょうか。横浜も若手打者が伸びてきて大魔神も復帰しました。ヤクルトもあなどれません。阪神はルーキーと新外国人が目立っているくらいで、あまり恐くなさそうです。やはり最大の敵は戦力豊富な巨人でしょう。いろいろとトラブルは聞こえてきますが、いざ試合になれば仕事をする一流選手ぞろいです。出足が良ければ独走という恐れもあります。
 しかし私はきっと中日がつかまえてくれると言う予感があります。なぜなら最近、私、ウサギをつかまえました。どこからか我が家へ紛れこんできたようで、地元紙に告知文を掲載してもらいましたが、いまだに飼い主は現れずです。これはおそらく中日がジャビットをつかまえる予兆ではないかと、ひとりワクワクしている私です。こうなったらツバメに鯉に虎も、見つけ次第つかまえてやります。  

 

 

 

お湯割りからロックへ  2004.2.2

 年が明けて早1ヵ月。どうも毎年1月はなんだかんだと忙しくて、このコーナーの更新ができないまま過ぎていくのが恒例となってしまいました。まあ大した用事もないのですが気忙しいというところでしょうか。確定申告の書類も提出して(私は還付申告なので早めに出せるんです)、ホッと一息というところで本日、更新しているところです。

 

 ドラゴンズの春季キャンプも始まりました。監督が打ち上げていた方針どおり、初日から紅白戦が行われ、今朝の中日スポーツにはその模様が4ページにわたって掲載されています。川上投手がシーズン中と同じくらい力投したのをはじめとして、各選手が監督の期待どおりの動きを見せたようです。

 この紅白戦の目的は、基礎的な体つくりの段階は自主トレで完了しておいて、チームとしての練習は実戦的な段階からにしたいというものだと思います。当然といえば当然のことで、ことに最近ではメジャーの調整法などを見聞きする機会も増えて、そういった形に変えていこうという落合監督の意志が感じられます。

 

 監督が就任した直後に「このチームは今まで、あんまり練習してなかった」という意味合いの発言があって私は少々ヒヤッとしたのですが、確かにキャンプを1日中見学していると、まったりとした時間を過ごしている選手も中には見受けます。その選手なりの調整ペースなのかもしれませんが、それがベテランだったりすると周囲の若手にまで、そのまったりが伝染して「おい、おい、君たちがそんなペースじゃいかんだろ」と見ている方としては心の中でつぶやいたりしているのです。若手が伸びなければベテランはいつまでも安泰で、すっかりベテランの思うツボなのですが、それではチームが死んでしまいます。もっと効率的なやり方があるんじゃないかと素人ながら頭を悩ませたりするのですが、マスコミの報道を見聞きする限りでは、そんなマイナス面の報道はほとんど出て来ません。プラス面を取り上げたほうがファンも喜ぶし、シーズンへの期待も大きくなるため、そういった傾向に走りがちです。

 

 落合監督は今まで解説者として現場でそういった状況を見てきて、「これじゃあかん」という考えでいたのでしょう。自分が現役のときはもっと練習して、だからそれ相応の結果も出すことができた。このチームを強くするにはと考えたとき、あの秋季キャンプの「終日打撃練習」になったのだと思います。監督にとっては決して異例の練習メニューではなく、かつて自分がこなしてきた普通の練習なのでしょう。

 そして春季キャンプでは、チームとしての勝つための練習が行われます。それがどんな練習なのか、まだ公表されておらず、コーチ陣もキャンプ直前まで何も聞いていなかったようですが、それはキャンプ初日の紅白戦以上にインパクトのあるものじゃないかと私は期待しています。できれば他球団に知られぬように非公開にしてほしい気もしますが、そんなわけにもいかないので、マスコミのみなさんにはあまりドラゴンズの情報を報道しないようにお願いしたいくらいです。

 合理主義者の落合監督がどこまでチームを変えられるか、そしてシーズンの成績に結びつけられるか、私は今年はそこに注目したいと思っています。ポイントは監督の考え方をコーチがどこまで徹底できるかのような気がします。監督の指示を、妙にオブラートに包んだような曖昧なものにして選手に伝えたり、理解を示そうと選手の肩を持つような態度をすると、監督の改革もうまく進まないでしょう。その点だけが唯一心配なところです。

 

 まあ、何だかんだと書きましたが、結局言いたいことは「シーズンが待ち遠しい」ということです。これまで湯で割っていた泡盛を、昨夜はキャンプ情報を見ながら、久しぶりに水で割って飲みました。早く暖かくなって野球が見たいものです。  

 

 

 

 

 

 

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