鎌倉 昔工藝

火縄銃の研究

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火縄銃各部の名称

火縄銃の鑑定

砲術演武



和時計の研究

江戸期の和時計

和時計の復元

和時計の精度

和時計の動作
用途

軍用・射的用・猟用(百姓威筒・鹿追鉄砲・猟師筒)

番筒(足軽筒・御貸鉄砲)・持筒(侍筒・士筒)

形式

小筒(細筒・長筒・並筒)・中筒・大筒

注、太さにより小筒→中筒→士筒→大鉄砲との分類もあります。

火縄銃は鉛弾の重さ(匁)で分類されますが、各境界も曖昧です。

短筒・馬上筒・狭間筒

火矢筒(棒火矢・石火矢)・塵砲(散弾銃)・気砲(風砲・風銃)

変わり鉄砲(槍鉄砲・十手鉄砲・矢立鉄砲・脇差し鉄砲・煙管鉄砲)

連発式・早込式(早打ち銃)

古式銃の発火機構

火縄式・管打式・雷汞式・燧石式・鋼輪式・歯輪式・差火式(指火式)・空気式など

火縄式を火縄銃と、管打式を管打銃と言い、併せて古式銃と言います。

管打銃には江戸末期の国産品(含む火縄銃改造品)もありますが、多くは江戸から明治への戦乱期に欧米から輸入された物です。アメリカ南北戦争期は銃器の改良が著しく、武器商人により古い時代遅れの管打銃が大量に輸入されました。そのため、日本には欧米の各種管打銃が現存しています。

系統

國友・堺・日野・薩摩・土佐・阿波・讃岐・伊予・紀州・長州・備前・肥後・肥前平戸・米沢・仙台・その他

特徴

銃身:口径・長さ・断面形状(丸・八角など)・巻張法・目当て・尾栓頭・火蓋・楔・象嵌など

台: 形状(特に台株部)・材質・飾り金具・芝引き金など

カラクリ:形式(バネ形式など)・火挟みなど

価値

同じ武具である刀剣・甲冑には国宝や重文が多いのに、火縄銃にはほとんど有りません。また、刀剣・甲冑には古くから専門の研究者がいて、銘(製作者)により価格に大きな差があります。さらに、刀剣・甲冑には製作技法や修理技法の専門書が有り、現代でも技を伝承する職人が存在します。

火縄銃の世界はこれらと全く異なり、ほとんど何もありません。江州の國友藤兵衛(一貫齋)が書いた「大小御鐵砲張立製作控」などが有るのみです。銘により価格が左右されないため、刀剣・甲冑に多い偽名や後銘が少ないのが幸いです。現在は象嵌や飾り金具で価格が左右されていますが、これらは銃としての本質的価値とは無関係です。

状態

火縄銃の保存状態は、一部の博物館に収蔵されているものや、心ある人に大切に扱われてきたものを除くと概して悪いと言えます。

近年に国内で発見され新規に登録されたものは、それまで非合法の銃器として物置等に隠蔽されてきたためか、台の虫食いや筒の錆・部品の欠落などが多く見受けられます。

里帰り品は外国のコレクターに大切に扱われてきたものでしょうが、良質な銃の里帰りは少なく、欠落部品の海外での修理も掟に沿わない形状の物が多く見られます。

日本における古式銃修理の専門家は非常に少なく、従って専門家の手にかかる火縄銃はごく一部です。大多数は修理の手が入っていないか、骨董屋などが少しでも高く販売するために行ういい加減な素人修理や、銃砲店が行う射撃目的の修理です。

古式銃は、文化庁に登録された美術品であり、数少ない江戸時代の文化遺産です。従って、原形の姿を損なうような修理・改造は行ってはならず、時代考証に基づく修復を心がけるべきと考えます。



小筒・國友筒 江州國友藤兵衞重恭

國友藤兵衛 九代目(1778〜1840年) 一貫斎

全長:1088mm 重量:3880g 筒長:815mm 口径:4匁8分   二重ゼンマイカラクリ





小筒・小諸藩 中村四五太夫正綱

全長:1162mm 重量:3780g 筒長:812mm 口径:4匁8分  特殊カラクリ



射的筒・堺筒 地鉄鋼巻張・・・  (摂州 井上関右衛門)

全長:1239mm 重量:2160g 筒長:910mm 口径:2匁3分   平カラクリ



小筒 國友吉治作

全長:1303mm 重量:3455g 筒長:998mm 口径:3匁   外記カラクリ



和製管打銃無銘

全長:1299mm 重量:3190g 筒長:1002mm 口径:1匁8分   管打ちカラクリ



ミニエーライフル TOWER1867

全長:1247mm 重量:3240g 筒長:838mm 口径:14.8mm   パーカッションロック



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