帳簿書類の不備
堀内勤志税理士事務所
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更新日:2015年11月23日
帳簿書類の備付、記録又は保存がなされていなかった場合の取扱い
帳簿書類の備付、記録又は保存がない場合の所得税,法人税における取扱いはどうなるんでしょう。
〇 帳簿書類の備付、記録又は保存がなければ、法人及び個人事業等の青色申告の承認の取消になります。
 また、消費税の納税義務者で一般課税の事業者の場合は、仕入控除税額の控除が出来ません(消費税法30条7項、8項、9項及び10項)。
◇ 所得税
青色申告の承認を受けた居住者につき次の1及び2の場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に掲げる年までさかのぼつて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、その居住者の当該年分以後の各年分の所得税につき提出したその承認に係る青色申告書は、白色申告書とみなす。
よって、純損失が生じている年ではその損失金は繰り越すことは認められず、青色専従者給与は必要経費不算入等が認められないことになります。
  1. その年における不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は、その業務に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が財務省令で定めるところにより、その業務につき帳簿書類を備え付けてこれに不動産所得の金額、事業所得の金額及び山林所得の金額に係る取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない(第150条第1項)。・・・取消となる年は、備付、記録かつ保存をしていない年
    税務調査の場合には、帳簿書類が不備の場合は、推計課税が行われることになります。
  2. その年における上記1.に規定する帳簿書類について必要があると認めるときは、青色申告の承認を受けている居住者に対し、その者の不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務に係る帳簿書類について必要な指示をすることができることになっているが、この税務署長の指示に従わなかつたこと(同条2項)。・・・取消の対象となる年は、指示の対象となった年
推計課税とは、その者の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその者の各年分の各種所得の金額又は損失の金額を推計して課税することをいいます。ただし、各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額及び山林所得の金額並びにこれらの金額の計算上生じた損失の金額について青色申告書を提出している場合はできないことなっています。
 法人税
青色申告の承認を受けた法人につき次の1.又は2.のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、1.又は2.に記載する事業年度までさかのぼつて、その承認を取り消すことができることとされています。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その法人が提出した青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、白色申告書となります。
欠損金が生じている場合は、その欠損金は繰り越すことが出来なくなります。
  1. その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が第126条第1項の財務省令で定めるところの帳簿書類を備え付けてこれにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならないと規定するところに従つて行われていないこと(第127条1項他)・・・取消の対象となる事業年度は、備付、記録又は保存が行われていない事業年度
    税務調査の場合には、帳簿書類が不備の場合は推計課税が行われることになります。 
  2. その事業年度に係る帳簿書類について納税地の所轄税務署長は、必要があると認めるときは、青色申告の承認を受けている法人に対し、上記1.に規定する帳簿書類について必要な指示をすることができるとされていますが、その指示に従わなかつたこと(第127条2項他)・・・取消の対象となる事業年度は、その指示の対象となった事業年度
推計課税とは、法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合には、法人の提出した青色申告書に係る法人税の課税標準又は欠損金額の更正をする場合を除き、その法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税につき更正又は決定をする場合にあつては、連結子法人を含む。)の財産若しくは債務の増減の状況、収入若しくは支出の状況又は生産量、販売量その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその法人に係る法人税の課税標準(更正をする場合にあつては、課税標準又は欠損金額若しくは連結欠損金額)を推計して行うことをいいます。
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