目の奥で火花が散ったような感覚とともに、直腸に熱いものが注ぎ込まれる。
「くぅううんぅぅ!!!」
 なりふり構わずに将門は、声をあげた。
 尻をこじ開けられる慣れない感覚。腹筋に力を込めるものの蔦とは違う柔らかい暖かな女の感触と甘い匂いに負けた。
 弛緩したその部分に、女の指が入り込む。
「……こ、殺してやる!」
 直腸内部を撫でまわされているというのに、腹の奥がずくずくと疼く。



「杏珠よ。害はないだろうな」
「大丈夫ですよ。あたしだって、イドリースに飲まされたことありますから」
「おぬしも飲んだのか。どのような心地がするのじゃ」
「そりゃ、もんごいコトになりますよ」
「もんごい……とは?」
 桔梗は、小首をかしげてみせた。
 そうしていると、童女のようで愛らしい。まさか夫を怪しげな術によって雁字搦めで縛りつけ、尻の孔まで嬲るようには見えない。
 それも処女ゆえの残酷さか……。
 将門は、桔梗を大切にするあまり、これまで指一本触れなかった己を悔いた。
「でも、普通に飲むんなら臓器で濾過されるけど、直腸粘膜はそのまま吸収しちゃうから……どうなるか分かんないんですよね」
「それでも、大事ないと申すか」
 初めて、桔梗が不安げな声を出したが、もう遅い。
 まったくもって“大事ない”どころではなかった。



「あたしの時は、指と十字架と、たぶん大人の玩具的なモノでなんとかなったと思うんですよ。イリアは、最後に触手まで使ったけど、アレは別にいらなかったです」
「必要ないのに、なぜコレを使うのじゃ。大人の玩具とはなんじゃ?」
「ツッコんできますね……桔梗の前。そうですね……えっと」
 ブツブツと言いながらも、手を休めることはない。
 杏珠は、屹立した男の陽根に手を添え、絡みつく蔦の巻きひげごと擦りあげた。
 乱暴にしごくので、皮膚に張り付いた巻きひげの吸盤が引き千切られる。
「あぐぅ!」
 女の手に握りこまれた器官がどくどくと脈打つ。
 欲が出口を求めて荒れ狂っている。

「は……なっ、せ……下衆な傀儡子が」
 異様な感覚に膝ががくがくと震える。
 肛を貫かれ、直腸内部を撹拌された。
 その刺激にまたしても将門は、声を上げずにはいられない。