日本童話名作集
昭和36年、私が小学二年生の時、母にねだって買ってもらった本です。420円というのは、当時としてはかなり高価だったと思う。今の小学生に読めるか分かりませんが、あと10年もすれば、この本はこの世から消えてしまうと思いタイプしました。うまくすると、あと20年くらい生きられるかもしれませんので、残りもできるだけタイプするつもりです。私の書く文章に句読点がやたら多いのは、この童話のせいかもしれません。
はじめに 坪田譲治
『幸福(しあわせ)』 島崎藤村
「しあわせ」は貧しい貧しいなりをしました。誰かに聞かれたら、自分は「びんぼう」だというつもりでした。
『古い時計』 島崎藤村
「コンチワ、コンチワ、コンチワ」と、時計が柱の上でなっていました。この時計は、古い古い時計でした。
この話は読んではいけない物語だそうだ。
70年代、差別的な悪書ということで、『ちび黒サンボ』とともに葬られた。カルピスのラベルも変わった。
この時代、あまりにも多くの言葉が日本語から抹殺された。
臭いものにはフタをして、見えなければ、聞こえなければ、それは存在しない。
この世は事もなく、ハッピー・ハッピーってか?
『野ばら』 小川未明
大きな国と、それよりはすこし小さなくにとがとなりあっておりました。
『ガラスの中のお月さま』 久保 喬
ガラス工場のガラスの窓から、お月さまがさしこみました。
『赤いろうそくと人魚』 小川未明
北方の海の色は青うございました。あるとき、岩の上に女の人魚があがって、あたりのけしきをながめながらやすんでいました。
なんというさびしいけしきだろうと、人魚は思いました。
これから生まれる子供に、せめても、こんな悲しい、たよりない思いをさせたくないものだ・・・。
『泣いた赤鬼』浜田 廣介
赤鬼は、だまって、それを読みました。二ども三ども読みました。戸に手をかけて、顔をおしつけ、しくしくと、涙をながして泣きました。
問い合わせをして、受付Noをいただいたのですが、その後、連絡がないのでUpしました。問題がありましたら受け入れます。