Title9-3.GIF (2758 バイト)                個人的読書記録             

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 『DEATDH−死とは何か』 シェリー・ケーガン著 2019.07読了 日サブタイトルにあるように著者のイエール大学での23年間の講義録。人の身体は機械と同じ死ねば終わりで、身体とは別に永遠に生きる魂などはない、という物質主義に近い立場。極論を展開しながら、中庸で結論するギミックにも思える。
 『武器になる哲学』 山口周著 2019.07読了 日50章で50人の哲学者を取り上げ、人、組織、社会、思想の四つの大分類の中で各哲学者の主な論説を紹介している。ビジネスマン向き。エドワード・デシ「予告された報酬は創造性を毀損する」。ミハイ・チクセントミハイのポジティブ心理学におけるフローモデルなど。
 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(上・下) ウォルター・アイザックソン著 2019.05読了 パトロンへの売り込みに「絵も描けます」が、象徴している。人物の動きや表情描写の筋肉の研究のために解剖学や頭蓋骨の研究をした。光学、機械工学、水力工学、軍事技術、幾何学、舞台芸術などに精通。興味の広がりが作品を少なくした、とも言われるが、そのような広がりが『モナ・リザ』という人類史上の傑作を生んだともいえる。著者は『スティーブ・ジョブズ』も著しているノンフィクションライター。
 『GAFA−四騎士が作り変えた世界』 スコット・ギャロウエイ著 2019.05読了 グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの現状を丁寧に批判的に書いている。実用のためであるなら、もう少し簡潔にできないか。
 『日本国紀』 百田尚樹著 2019.03読了 神話の時代から天皇を中心にこの国の成り立ちを綴っている。この国の成り立ちのすばらしさを知ってもらいたいということか。しかし、現代になると特定新聞社に対する批判が展開されており、タイトルを脱線して、自己主張の展開になっている。
 『ホモ・デウス―テクノロジーとサピエンスの未来』(上・下) ユヴァル・ノア・ハラリ著 2019.03読了 神や来世と同様に国家や企業も共同幻想である。その統治が複雑になり、そこにAIが入ってきて、AIを使いこなす層とそれに使われる層に分かれる。意識を持たないアルゴリズムが既知のデータ処理課題のすべてにおいて意識を持つ知能をいずれしのぐことができる。そのとき我々サピエンスは何を失うのか。
 『サピエンス全史―文明の構造と人類の幸福』(上・下) ユヴァル・ノア・ハラリ著 2019.01読了 歴史という形式をとった文明評論。視点の新しさ、マクロな捉え方に驚かされる。ネアンデルタール人が200万年生きたのに対して、ホモサピエンスは約20万年。それだけ急速に知能、文明を発展させてきた。そして、虚構を共有しうる「認知革命」、「農業革命」、「科学革命」を担ってきた。現代人が人生に見出す意義も、中世の人々が見出した死後の世界における意義と同様妄想である。
 『ギリシア人の物語』(全3巻) 塩野七生著 2018.10読了 有史の初期の頃を綿密に史実にあたり、著者ならではの洞察で生き生きと描いている。バイタリティを尊敬するが、アレクサンドロス大王を描いてやり切ったのか、「調べ、考え、それを基にして歴史を再構築していくという意味での“歴史エッセイは、この巻を最後に終えることに決めた」とのことである。
 『世界史』(上・下) ウイリアム・H・マクニール著 2018.08読了 大きくは、四大文明から紀元前500年まで、そこから紀元1,500年まで、そして、その後現代まで、に分けている。文化、宗教、民族、そして近代に到っては技術、文明、経済による“征服”が積み上げらていることを感じられる。
 『薔薇の名前』(上・下) ウンベルト・エーコ著 2017.04読了 ストーリーは簡潔ながら、歴史的、宗教的な背景の描き出し方、文章の荘重(難解)感、そして、それらがあいまって抗えない喪失感へ。
 『サラバ!』 西加奈子著 2015.02読了 周囲からの迷惑を避け、様々なことに踏み込まないばかりに行き詰まり、自分の人生の生き方を見失う。そんな自分を取り戻すために少年時代を過ごしたエジプトへ行き、再会を通じて自分を取り戻そうとする。
 『胡蝶の夢』 司馬遼太郎著 2015.01読了 徳川幕府が崩壊しようとしたとき、それは江戸身分制社会の崩壊でもあった。伊之助という異端者を通してその旧体制の矛盾や滑稽さを映し出している。「(松本)良順にせよ、伊之助にせよ、関寛斎にせよ、のちにやってくる社会の知的な祖であることはまちがいないが、その無意識的ともいえるかれらの営為がのちの社会にとってどれほどプラスであったかということになるとまことに混沌して・・・」。
 『超訳 般若心経』 境野勝悟著 2013.11読了 観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空度一切苦役。自然の中に菩薩が在ることを観よ。自分のエゴを捨て、心のやすらぎを得るための修行をせよ。人生の輝きを見つけ、五つの苦悩のたねを頭からなくす。さすれば、一切の苦役を吹き飛ばすことができる。
 『天佑なり』 幸田真音著 2013.10読了 首相などが続けざまに暗殺される中、老いて引退した後も要請されて七度も蔵相に就任し、毅然と軍部の増長と戦った。そういう政治家にとって、軍部の戦いは宿命だった。
 『幕末史』 半藤一利著 2013.05読了 明治維新から西南戦争を権力闘争として描いた。薩長が幕府徳川家と会津藩を、下層武士階級が士族階級を、天皇を中心とした中央集権派が封建派を、非征韓派が征韓派を武力と策略で倒した。著者は西南戦争に際して、山県有朋が「統帥権」を確立し、国の基本骨格ができる前に、軍優先国家の道を選択したことを重く見ている。。
 *** ***著 20**.**読了 *****。
『国家の品格』

藤原正彦著

2006.02読了 日本が西欧の植民地にならなかったのは、我々の先人が品格を持っていたから。それを自由、改善等米国主導の方式によって失うべきではない。
『容疑者Xの献身』

東野圭吾著

2006.02読了 直木賞受賞作ミステリー。
『モンゴルvs西欧vsイスラム』

伊藤敏樹著

2006.02読了 13世紀のモンゴルの西征とそれに対応しようとするイスラム世界と西欧の動きを丁寧に追っている。
『ローマ人の物語XIV キリストの勝利』

塩野七生著

2006.01読了 コンスタンティウス帝はキリスト教振興策を進めるが、次のユリアヌスにより一時的に停滞するが、やがて神が皇帝に世俗権力を与えるという形でその地位を確立していく。
『神の発見』

五木寛之著

2006.01読了 仏教(浄土真宗)に造詣の深い五木寛之とカトリック司教との対談。浄土真宗とカトリックを比較しながら双方の似ている点などの意見を交換している。
『名僧たちの教え』

山折哲雄/末木文美士著

2005.12読了 日本仏教の流れを概説したもの。名僧のおおらかな言動を知って、日本仏教への認識を新たにさせられる。
『空海の風景』

司馬遼太郎著

2005.11読了 最澄と同じ遣唐使船で唐に渡った空海。対象的な存在ながら、空海はそのたぐい稀な才能により密教を伝承し、最澄らと対立しながらも、仏教を一歩進める役割を果たす。
『キリスト教は邪教です〜現代語訳アンチクリスト』

ニーチェ著/適菜収訳/講談社+α新書

2005.10読了 キリスト教の一神教としての問題を指摘。その弟子たちがユダヤ教祭司階級に対抗し、その後の聖職者階級が支配するための宗教であるというニーチェの『アンチクリスト』をわかりやすい言葉で訳したもの。
『靖国問題』

高橋哲哉著/ちくま新書

2005.09読了 国家の装置として機能した靖国神社の歴史的背景とその論理を解説し、A級戦犯を分祀しても、宗教を超越した慰霊施設を造っても、同じことであることを主張。不戦の誓いを確立することがこの問題の克服の方法であるとしている。
『ローマ人の物語XIII 最後の抵抗』

塩野七生著/新潮社

2005.09読了 ディオクレティアヌス帝は、蛮族などの外敵から帝国を守るため四人の皇帝で分割統治することを考えるたが、そのアイデアは長くは続かなかった。再び帝国を統一したコンスタンティヌス帝は統治の道具として、キリスト教を振興することを選択した。
『花まんま』

朱川著/

2005.08読了 40年前の大阪あたりを舞台に、郷愁を背景としたソフト・ホラー。
『日露戦争スタディーズ』

小森陽一・成田龍一編著/紀伊国屋書店

2004.10.18読了 日露戦争に関わるさまざまなテーマについて各専門家が執筆。国民の忘却と国家の操作によって、勝利が国運を傾けることになる。
『ダヴィンチ・コード』(上下)

ダン・ブラウン著/角川書店

2004.09.26読了 聖杯伝説を題材とした歴史ミステリ小説。ダヴィンチの「最後の晩餐」から、キリストを現実世界の王とし、その血統を守る流れが存在するという説明により、新たな歴史的な事実を知った。
『アフター・ダーク』

村上春樹著/講談社

2004.09.19読了 自分を閉ざした少女が、ある夜の出来事から、新しい自分を見つけるきっかけを得る。きっかけが性と暴力であることが村上ワールドであり、よりそのエッセンスが抽出されている。
『竜馬がゆく』(1〜5巻)

司馬遼太郎著/文芸春秋

2004.09.16読了 司馬遼太郎氏の初の連載小説。幕末の坂本竜馬を描いた傑作。参考図書「竜馬がゆく」参照。
『逆説のユーラシア史』

杉山正明著/日本経済新聞社

2004.08読了 副題「モンゴルからのまなざし」とあるようにとかくヨーロッパ や中国などから悪者扱いされている遊牧民族を中心に遊牧文明が果たした役割などについての著作。
『1421 中国が新大陸を発見した年』

ギャビン・メンジーズ著/ソニー・マガジンズ

2004.08読了 ヨーロッパ人よりも早く明の鄭和の大艦隊が、その探検行により新航路、新大陸を発見していたという仮説。 参考図書「1421」参照。
『明治という国家』

司馬遼太郎著/日本放送出版協会

2004.07読了 幕末という時期に明治という国家の礎をつくった人々についての司馬氏の講演録。参考図書「明治という国家」参照。
『菊一文字』

吉川英治著/レグルス文庫

2004.07読了 近藤勇の幼なじみでありながら、新撰組への誘いを断り、勤王運動に身を投じた水木辰馬。近藤は一度は水木を逃しながら、やがて二人の宿命の時が・・・他「玉堂琴士」。
『ローマ人の物語XII 迷走する帝国』

塩野七生著/新潮社

2004.04読了 22人の皇帝が廃立した3世紀。ローマ帝国にはササン朝ペルシアという外的な脅威が現れたが、それ以上に内部の制度的な疲労が出始め、改革しようとすればするほど迷走を始めることとなる。参考図書「ローマ人の物語XII」参照。
『坂の上の雲』(1〜6巻)

司馬遼太郎著/文芸春秋

2004.01読了 日露戦争について、陸軍で騎兵隊を育てた秋山好古と、独自の戦術で日本海海戦を勝利に導いた秋山真之の兄弟を中心に描いた。参考図書「坂の上の雲」参照。
『菜の花の沖』(1〜6巻)

司馬遼太郎著/文芸春秋

2003.12.19読了 淡路の漁村をでて蝦夷へ行き、一代で大商人となり、ロシアに連行され単身外交を行ってきた高田屋嘉兵衛を描いた江戸期日本の海洋冒険小説。参考図書「菜の花の沖」参照。
『ルネサンスの女たち』

塩野七生著/新潮社

2003.11読了 生まれた時代と生まれた家ゆえに、大変革期に巻き込まれ、それを切り拓いた女性たち。参考図書「ルネサンスの女たち」参照。
『マキャベッリ語録』

塩野七生著/新潮社

2003.10読了 フィレンツェの政治思想家マキャベッリの著述した文章を抜粋し、君主篇、国家篇、人間篇に分けて、列記したもの。参考図書「マキャベッリ語録」参照。
『神の代理人』

塩野七生著/新潮社

2003.10読了 15〜16世紀ルネッサンスのローマ法王を中心にイタリアの政治とキリスト教会の活動とジレンマを描いている。参考図書「神の代理人」参照。
『ルネサンスとは何であったか』

塩野七生著/新潮社

2003.08読了 ルネッサンスの起源から、その終焉までをそれを担った都市ごとに紹介し、また芸術面だけでなく、この時代の背景となる政治情勢を解説している。参考図書「ルネサンスとは何であったか」参照。
『わが友 マキャベッリ』

塩野七生著/新潮社

2003.07読了 ルネッサンスのフィレンツェを守るため東奔西走したが、メディチ家の復活とともに追放される。ルネッサンスの終焉を洞察した「君主論」を著した政治思想家。参考図書「わが友マキャベッリ」参照。
『チェーザレボルジアあるいは優雅なる冷酷』

塩野七生著/新潮社

2003.07.17読了 ローマ法王を父に持ち、枢機卿となるが、僧衣を脱ぎ剣を持ち、武力で支配領域拡大を目指したルネッサンスの風雲児。参考図書「チェーザレボルジアあるいは優雅なる冷酷」参照。
『海辺のカフカ』(上下)

村上春樹著/新潮社

2003.04.25読了 “偉大なるマンネリ”とは、その書評。
『ブッシュの戦争』

 

2003.04.09読了 2001年9月11日米国同時多発テロ発生から、米国がビンラディンおよびそれをかくまうアフガニスタンを攻撃し、陥落させるまでの経緯と米国首脳部内部での思惑とかけひきなど。
       
 『教養としてのギリシア・ローマ』  中村聡一 著/東洋経済新報社  2021.12.24読了  一読後、続けて再読。
 『頼朝と義時』  呉座勇一 著/講談社  2022.01.23読了  NHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の元時代考証者(SNS舌禍事件で更迭)。ドラマの予習となり、また、『吾妻鏡』が北条寄りのストーリーになっていることを学ぶ。
 『世界哲学史II-古代II世界哲学の成立と展開  納富信留 他 著/ちくま新書  2022.01.30読了  プラトンの哲学がキリスト教の教理、理論の構築に貢献した、ことは発見。イスラム教、仏教、儒教、ゾロアスター教、マニ教などの成り立ちも解説されている。
 『生涯弁護人』  弘中惇一郎著/講談社  2022.02.23読了  サブタイトルは、事件ファイル@村木厚子 小沢一郎 鈴木宗男 三浦和義 A安部英 カルロス・ゴーン 野村沙知代 である。弁護側から見たものであり、100%真相を描いているとは限らないが、検察の危うさ、恐ろしさを改めて認識した。
 『歴史というもの』  井上靖著/中央公論社  2022.03.01読了  井上靖没(1991年)後30年記念出版企画。随筆、司馬遼太郎や松本清張との座談会、講演会などの再編集。司馬遼太郎との対談で島崎藤村『夜明け前』に言及しており、島崎藤村を読み、馬籠へ旅行するきっかけとなった。
 『筑紫哲也「NEWS23」とその時代』  金平茂紀著/講談社  2022.03.12読了  
 『夜明け前』  島崎藤村著/新潮社  2022.09.11読了  
 『破戒』  島崎藤村著/新潮社  2022.10.11読了  
 『女のいない男たち』  村上春樹著/新潮社  2022.10.25読了  

 

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