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日本列島の地殻構造と地震


日本列島のプレート構造

  日本列島はユーラシアプレートと北米プレートという二つの陸プレートと、太平洋プレートとフィリピンプレートという二つの海プレートがかみ合った、複雑な地点に位置しています。
図の中の矢印はプレートが押している方向を表します。太平洋プレートは年間10cm程度西に、フィリピンプレートは年間5cmほど北に進んでいると考えられています。 
太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込む海溝を日本海溝と呼び、そこでの大きな滑りが東日本大震災を引き起こしました。
 フィリピンプレートが北米プレートに沈み込む海溝を相模トラフと呼び、そこでの大きな滑りが過去に元禄関東地震や大正関東地震などを引き起こしています。
 フィリピンプレートがユーラシアプレートに沈み込む海溝を南海トラフと呼び、過去に南海地震、東南海地震、東海地震などを引き起こしています。
 海溝で起きる大きな滑りは大きな津波を起こす原因になります。 
(図は『絵で見る日本列島の誕生』より引用)

プレート収束境界での地震モデル

 陸プレートと海プレートの境界に強い固着域(アスペリティ)があるとそこに長い時間のストレスが蓄積して、ある時一気にそれが崩壊して滑るため海溝型の巨大地震を起こすと考えられています(図の@)。アスペリティが大きいとエネルギーが大きくなり、巨大な津波を起こします。 
 (筆者はアスペリティをプレート接合面で凸面と凹面が組み合わさってプレートの動きを局部的に止めている状況と考えています。)
 東日本大震災では巨大なアスペリティの崩壊(凸)部分の崩壊)が連鎖したと考えられていて、ある報告では滑り量は60mあったと推定されています。
 南海地震と東南海地震が歴史的にしばしば連動しているのは西側と東側にあるアスペリティのどちらかが崩壊して滑ると、もう片方も強いストレスを受けてすぐに崩壊して滑りを起こすためと考えられます。
 海洋プレート上ではそれ以外の場所でも断層があって規模の小さい地震を引き起こしていると考えられます。

  陸プレート内部で起こる震源の浅い地震は直下型地震と言われ、逆断層、横ずれ断層の前後で滑りが起こることによると考えられています。(図のA)
 阪神淡路大震災、熊本地震などは直下型地震の典型で、エネルギーが小さくても震源が10数kmと浅くて近いため、狭い範囲で破壊的な被害をもたらします。
 (図は『絵で見る日本列島の誕生』より引用)