BFJ (ブリティッシュジャズ=英国ジャズとほんの少しのニュージーランドジャズ) ホームページ コンテンツ#5 JAGUAR −英国ジャズのマイナーレーベル B−

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(2007年4月26日アップロード)

JAGUAR
−英国ジャズのマイナーレーベル B−


これまで、本サイト上のコンテンツで掲載するアイテムは、すべて自己で所有していることを第1の条件としてきた。すなわち現物を手に取ったことがあり、少なくとも(最低でも)1回は聴いたことがあるものを紹介してきたわけだ。

マイナーレーベル紹介シリーズの第3弾は、JAGUARレーベルを取り上げるが、確認できた次の7タイトル中、赤字の3タイトル(リストの2,4,6)は未所有(未見)であることを最初に告白しておこう。ただし、「未聴」ということになると、2タイトル(4,6)になる。その理由は後述。

リリースリストは次のとおり。

1. HOWARD RILEY - SOLO IMPRINTS (CS1) (1972,73) (カセットテープ)
2. BECK, MATHEWSON, HUMAIR TRIO - ALL IN THE MORNING (JS1) (1972) (カセットテープ)
3. GYROSCOPE - ONE, TWO, THREE ... GO! (JS2) (1974) (カセットテープ)
4. MAJOR SURGERY - SAINT VITUS DANCE (JS3) (カセットテープ?)
5. JOHN TAYLOR SEXTET - ...FRAGMENT (JS4) (1975) (カセットテープ)
6. LANDSCAPE - THURSDAY 12TH (JS5) (1974,75) (カセットテープ?)
7. GORDON BECK - ONE FOR THE ROAD (JR101) (1976) (LP)


JAGUARは1972,3年頃から数年間程度活動したレーベルらしい。英国ジャズを代表するピアニストの一人、ゴードン・ベックが中心となって主宰したようだ。特色はカセットテープによるリリースが主体だったことで、リリース順にいうと最後の1タイトルのみLPで発表された。カセットが選ばれた理由は製作経費の問題であろうか。

1は、タイトルどおり、ハワード・ライリーのソロピアノアルバムである。ソロとしては、たぶん、記念すべき第1作目ではないかと思う。

2は、ゴードン・ベック、ロン・マシューソン、ダニエル・ユメールのトリオ。’Gordon Beck Discography’と称するウェブサイトによれば、このカセットリリースがオリジナルらしい。普通、オリジナルといわれているのは、'JAZZ TRIO' のタイトルで同年にリリースされた伊DIRE盤で、もちろんLP仕様(コンテンツ#2参照)。のちにユメール名義で仏MUSICAからも再リリースされている。私も「音」についていえば、「再発盤」ですでに聴いている。というわけで、「未見」ではあるが「未聴」ではない。

次は3である。ジャイロスコープというと、1968年録音のゴードン・ベック・トリオのアルバムタイトルが思い出されるが、ここではグループ名として使われているようだ。ベックをリーダーとするクインテットである。マシューソン、トニー・レビンに、フランク・リコッティー、スタン・スルツマンというラインナップである。英国ジャズファンにとっては、はなはだ興味深いメンツが揃っている。CD化を希望したい。

未聴の2作品は後回しにしよう。

5は、ジョン・テイラーの作品の中では、もっとも知られて(聴かれて)いないものの一つであろう。クリス・ローレンス、レビン、ケニー・ウィーラー、クリス・パイン、スルツマンとのセクステットである。これまた、「はなはだ」、といっていいメンバーではある。ここでのテイラーは、エレクトリックピアノもやっている。これもCD化を大いに希望しておこう。

7は、唯一のLPで、たぶんJAGUARの最終リリースだと思う。ベックのソロ作。多重録音による作品で、アコースティックとエレクトリックのピアノのほか、リングモジュレータ等を使用した電子音楽風の演奏も聞かれる。95年にベックにより「セルフリメイク」されている。

さて、未聴の2作品である。他の本レーベルの作品の多くが英国ジャズ界の有名どころがラインナップされた、比較的「オーソドックスな」ジャズアルバムであるのに対して、この2作はかなりマニアックなジャズロックバンドの作品である(らしい)。

4は、テナーサックスのドン・ウェラー率いるメジャー・サージェリーのたぶんデビュー作。このバンドは77年に以下に示す第2作をリリースしており、この時のバンド構成は、ウェラーと、ギター、ベース、ドラムスからなるピアノレスのカルテットであった。

a. MAJOR SURGERY - THE FIRST CUT (NEXT 1) (P1977)

このバンドには、ゴードン・ベックが参加していたクインテットの時期もあったようだが、JAGUAR盤にベックが参加しているかどうかは確認できていない。ちなみに、フィリップ・ルノーの『ブリティッシュ・ジャズ・カタログ』(1995年)によればベックを含めたクインテットによる演奏とされ、一方、前記ウェブサイト、 'Gordon Beck Discography’ には、この作品はリストアップされていない。

なお、ウェラーは、オーソドックスなテナープレーヤーとして、コンボやビッグバンドによるリーダーアルバムを何枚かリリースしており、英国ジャズマンらしいバーサタイルなミュージシャンのようである。

6のランドスケープは、80年代にテクノポップのバンドとしてメジャーデビューを果たし、ヒットメーカーとして成功を収めたグループで、このカセットがデビュー作と思われる。JAGUAR盤の内容はわからないが、本カセットのリリース後、メジャーデビューの前に自主製作された次の2枚のEP盤から察するに、たぶんジャズロックをやっているように思う。

b. LANDSCAPE - U2XME1X2MUCH (EVENT HORIZON EVE137) (1977) (7インチEP 33RPM)
c. LANDSCAPE - WORKERS PLAYTIME (EVENT HORIZON EVE139) (P1978) (7インチEP 33RPM)


この2枚は明らかにジャズロック志向であるが、エレキを多用したサウンドはユニークで、メジャーデビュー時の変貌を伺わせないこともない。バンドはエレクトリックサックス、アルトフルートのジョン・ウォルターズをリーダーとし、エレクトリックトロンボーンとリズムセクションからなるクインテットであった。

EPリリースの翌79年には英RCAからメジャーデビューを果たすが、このときは同じメンバーながら、当時流行のシンセサイザーの音を前面に打ち出したテクノポップ、シンセポップ? のバンドに生まれ変わっていた。その後、80年代の前半にかけて、3枚のアルバムとヒット曲を含む多数のシングル盤をリリースした。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

01. - H.Riley-Solo Imprints ***** 02. - Beck,Mathewson,Humair Trio-All In The Morning ***** 03. - Gyroscope-One, Two, Three...Go! ***** 04. - Major Surgery-Saint Vitus Dance ***** 05. - J.Taylor Sextet-...Fragment

06. - Landscape-Thursday 12th ***** 07. - G.Beck-One For The Road


aa. - Major Surgery-The First Cut ***** bb. - Landscape-U2XME1X2MUCH ***** cc. - Landscape-Workers Playtime


(2007年4月)



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