BFJ (ブリティッシュジャズ=英国ジャズとほんの少しのニュージーランドジャズ) ホームページ コンテンツ#15 トレバー・ワッツ −英国ジャズのマイナーレーベル I−

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[本ページの最終チェック日 : 2017/12/1]



(2008年8月4日アップロード)

トレバー・ワッツ
−英国ジャズのマイナーレーベル I−


これまでの「マイナーレーベルシリーズ」は、文字通り、レーベルを「単位」にというか、各マイナーレーベル別にその作品を紹介してきたわけだが、今回は趣向を変えて、一人のミュージシャンが様々なマイナーレーベルでリリースした作品を、「レーベル縦断」という形で取りまとめて紹介することにしたい。

新趣向のトップバッター(後が続くかどうかは分からないけれど)は、 TREVOR WATTS トレバー・ワッツである。彼の楽歴を中心としたキャリアについては、手っ取り早いところでは、例によって「ヨーロッパ・フリー・インプロビゼーション」サイト* のトレバー・ワッツのページ、あるいはワッツ自身のホームページ** を参照してほしい。
*http://www.efi.group.shef.ac.uk/ --- **http://trevorwatts.whistlingmule.com/

トレバー・ワッツをここで取り上げることにしたのは、前コンテンツでワッツのリーダーグループ、アマルガムの諸作を紹介していて、様々なレーベルからリリースされている当グループの作品を、レーベルごとにバラバラに紹介していては、グループ活動の全貌が見えにくくなってしまうのではないかと感じたからである。もう一つの理由は、ワッツの自主制作のカセットテープが何本か手元にあるのだが、これらについては、これまでほとんど紹介される機会がなかったようなので、ここでまとめて披露しておきたいと思ったことによる。

本コンテンツでは、様々なユニットによるワッツのリーダーアルバムと、ソロ、デュオ作品などを紹介する。ワッツにとっては長年の相棒だった、ジョン・スティーブンスのリーダーグループ、 SME スポンティニアス・ミュージック・アンサンブル名義の諸作については、スティーブンスとのデュオ作品を含めて、今回は取り上げていない。また、メジャーレーベルからのリリース作品が一部含まれていること、本サイトの別コンテンツにおいてすでに紹介済みのものを再度取り上げていること、90年代以降にリリースされたCD作品なども紹介していることを前もってお断りしておく。なお、ワッツがレギュラーメンバーあるいはサイドマンとして演奏に参加した作品は、これら以外にも多数あることは言うまでもない。

それでは、ワッツの最初のリーダーグループ、アマルガムの作品から紹介することにしよう。

《 AMALGAM 》

アマルガムは、「ヨーロッパ・フリー・インプロビゼーション」のサイトによれば、1967年から1979年までの13年間にわたり活動した。デビューアルバムは1969年の録音だから、結成から2年後の作品ということになる。その音楽志向は、 SME などに比べるとロックやフォークなどの要素を取り入れた「フュージョンな」ものだった。メンバーについても、当初は盟友ジョン・スティーブンスをはじめバリー・ガイ、ジェフ・クラインなど生粋の(フリー?)ジャズミュージシャンが在籍していたが、のちにはロックやフォークの出身者が目立つようになった。
当方所有のアマルガム作品は10枚で、録音順に以下に示す。これらのうち、1〜8は、過去のコンテンツで紹介済みだが、改めて一覧にしておこう。各アイテム末尾の [ ] 内の数字は、紹介済みの「コンテンツ番号」−「アイテム番号」である。

1. PRAYER FOR PEACE (TRANSATLANTIC TRA 196) (1969) [ #2-85 ]
2. PLAYS BLACKWELL AND HIGGINS (A 002) (1972, 73) [ #2-100 ]
3. INNOVATION (TANGENT TGS 121) (1974) [ #7-1 ]
4. ANOTHER TIME (VINYL VS 100) (1976) [ #14-1 ]
5. MAD (SYNTOHN VR 20.020) (1976) [ #14-1 アネックス ]
6. SAMANNA (VINYL VS 104) (1977) [ #14-5 ]
7. DEEP (VINYL VS 108) (1977) [ #14-9 ]
8. CLOSER TO YOU (OGUN OG 528) (1978) [ #10-33 ]
9. OVER THE RAINBOW (ARC 01) (1979)
10. WIPE OUT (IMPETUS IMP 47901) (1979) (4枚組ボックス入り)


9は、AMMに長く在籍したフリーインプロビゼーションのギタリスト、キース・ロウを迎えた当グループの(たぶん)9枚目のアルバムで、ワッツの自主レーベル ARC からの第1作。ARCレーベル は2000年代初頭まで活動し、10枚のアルバム(うち8枚がワッツのリーダー作)をリリースした。10は、1979年のツアーを記録したLP4枚組の箱入り大作。コンテンツ#14でも書いたとおり、当方は、5の "MAD" LPを本作の予約特典!として入手した。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

01. - Amalgam-Prayer For Peace ***** 02. - Amalgam-Plays Blackwell And Higgins ***** 03. - Amalgam-Innovation ***** 04. - Amalgam-Another Time ***** 05. - Amalgam-Mad

06. - Amalgam-Samanna ***** 07. - Amalgam-Deep ***** 08. - Amalgam-Closer To You ***** 09. - Amalgam-Over The Rainbow ***** 10. - Amalgam-Wipe Out


《 MOIRÉ MUSIC, DRUM ORCHESTRA, ETC. 》

1980年代に入って、ワッツは2つのバンドを新たに立ち上げる。 モアレ・ミュージックとドラム・オーケストラである。のちに、2つのバンドは合体して活動を行ったり、モアレ・ミュージック・トリオ、モアレ・ミュージック・グループなど様々なユニットを派生した。ここでは、これらのバンドの作品をほぼ録音順(録音データ不明の作品あり)に取りまとめて紹介する。

11. TREVOR WATTS MOIRÉ MUSIC - UNEXPECTED PLEASURES (ARC CASS/05) (1982, 86) (カセットテープ)
82年と86年の演奏をカップリングしたカセットテープ。82年の演奏は当グループの最初期の録音か。ロル・コックスヒル、ラリー・スタビンス、ベルヤン・ウェストンなどが参加する10人程度のバンド。

12. TREVOR WATTS DRUM ORCHESTRA - BURUNDI MONDAY (FMR CD198-0206) (1983) (CD)
2006年にリリースされたドラム・オーケストラのアルバム。ムマディ・カマラとナナ・ツィボーという2人のアフリカ出身者のパーカッションをフィーチャー。

13. TREVOR WATTS' MOIRÉ MUSIC (ARC 02) (1985)
リリース順にいうと、モアレ・ミュージックのデビューアルバムとなる85年の作品。ロル・コックスヒル、ベルヤン・ウェストン、アーネスト・モスレなど参加。

14. TREVOR WATTS MOIRÉ MUSIC SEXTET - SAALFELDEN ENCORE (CADILLAC SGC 1015) (1986)
CADILLACレーベルからリリースされた小編成バージョンのモアレ・ミュージックの作品。

15. TREVOR WATTS MOIRÉ MUSIC - WITH ONE VOICE (ARC 03) (1988)
ライアン・キャロルのボーカルが入ったモアレ・ミュージックのアルバム。

16. TREVOR WATTS' MOIRÉ MUSIC - DRUGA GODBA '89 (DRUGA GODBA DG 007) (1989) (カセットテープ)
旧ユーゴスラビアでのライブを収録したカセットテープ。

17. TREVOR WATTS DRUM ORCHESTRA - LIVE 1989 (ARC CASS/04) (1989) (カセットテープ)
アフリカ勢3人(うち、2人がパーカッション)、英国勢3人からなるドラム・オーケストラのライブ盤。

18. THE ORIGINAL TREVOR WATTS DRUM ORCHESTRA - DRUM ENERGY! (HI 4 HEAD HFHCD 006) (1989) (CD)
昨年暮れにリリースされたドラム・オーケストラのアルバム。たぶん、17をCD化したもの。

19. DRUM ORCHESTRA - ROCK AGAINST RACISM GIG AT THE PIG (レーベル名・規格/番号なし) (カセットテープ)
反アパルトヘイト運動を支援する目的で製作されたらしいライブアルバム。

20. TREVOR WATTS' MOIRÉ MUSIC DRUM ORCHESTRA - LIVE IN LATIN AMERICA VOL.1 (ARC CD 06) (1990) (CD)
モアレ・ミュージックとドラム・オーケストラの合体バンドのデビューアルバム。ベネズエラとメキシコでのライブ録音。アフリカンドラムス奏者5人をフィーチャー。
[ 2013年8月21日追記 ] このほど、FMRより再発CD化された (FMR CD357-0513) 。

21. TREVOR WATTS MOIRÉ MUSIC DRUM ORCHESTRA - A WIDER EMBRACE (ECM 1449) (1993) (CD)
ECMからリリースされた上記バンドのセカンド。

22. TREVOR WATTS MOIRE MUSIC TRIO (INTAKT CD 039) (1995) (CD)
3人編成になったモアレ・ミュージック・トリオのデビュー作品。

23. MOIRÉ MUSIC TRIO - MAY 1996 (レーベル名・規格/番号なし) (1996) (カセットテープ)
24. MOIRÉ MUSIC GROUP - JAN 1997 (レーベル名・規格/番号なし) (1997) (カセットテープ、第1面のみ)
この2本のカセットテープは、プロモーション用か何かかと思う。後者はパーソネル不明。この手のカセットテープは他にもあるかもしれない。

25. TREVOR WATTS MOIRE MUSIC GROUP - LIVE AT THE ATHENS CONCERT HALL (ARC CD 08) (1998, 99) (CD)
モアレ・ミュージック・グループ名義のデビュー作品。98年のアテネでのライブ録音だが、1曲だけ北京!での99年のライブが収録されている。

26. MOIRE MUSIC - LIVE IN KARLSRUHE (FMR CD232-0307) (1998) (CD)
昨年リリースされた98年ドイツ録音のライブアルバム。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

11. - T.Watts Moire Music-Unexpected Pleasures ***** 12. - T.Watts Drum Orchestra-Burundi Monday ***** 13. - T.Watts' Moire Music ***** 14. - T.Watts Moire Music Sextet-Saalfelden Encore ***** 15. - T.Watts Moire Music-With One Voice

16. - T.Watts' Moire Music-Druga Godba '89 ***** 17. - T.Watts Drum Orchestra-Live 1989 ***** 18. - The Original T.Watts Drum Orchestra-Drum Energy! ***** 19. - Drum Orchestra-Rock Against Racism ***** 20. - T.Watts' Moire Music Drum Orchestra-Live In Latin America Vol.1

21. - T.Watts Moire Music Drum Orchestra-A Wider Embrace ***** 22. - T.Watts Moire Music Trio ***** 23. - Moire Music Trio-May 1996 ***** 24. - Moire Music Group-Jan 1997 ***** 25. - T.Watts Moire Music Group-Live At The Athens Concert Hall

26. - Moire Music-Live In Karlsruhe


《 その他の作品 》

他のバンド名義の作品及びソロ、デュオ作品などを紹介する。

27. TREVOR WATTS STRING ENSEMBLE - CYNOSURE (OGUN OG 526) (1976) [ #10-31 ]
コンテンツ#10で紹介済み。

28. KATRINA KRIMSKY, TREVOR WATTS - STELLA MALU (ECM 1199) (1981)
米国生まれの女性ピアニストとのデュオ作品。クリムスキーは、現代音楽とジャズの両分野で活動するベテランで、多数のアルバムをリリースしている。

29. TREVOR WATTS, PETER KNIGHT - REUNION (HI 4 HEAD HFHRCD 007) (1999) (CD)
英国フォーク界のメジャーグループ「スティーライ・スパン」のメンバーだったバイオリニスト、ピーター・ナイトとのデュオ作品で、本年?リリースされた。ナイトとは、モアレ・ミュージック、ドラム・オーケストラ時代からの長い共演歴がある。

30. TREVOR WATTS & THE CELEBRATION BAND (ARC CD 010) (2001) (CD)
ワッツが、ワールドミュージックを意識して結成したニューバンドのデビューアルバム。

31. TREVOR WATTS & VERYAN WESTON - 6 DIALOGUES (EMANEM 4069) (2001) (CD)
フィル・ミントンやロル・コックスヒルとの共演でも知られる、フリージャズのベテランピアニスト、ベルヤン・ウェストンとのデュオ。ウェストンはモアレ・ミュージックのメンバーであった。

32. TREVOR WATTS, JAMIE HARRIS - ANCESTRY (ENTROPY STEREO ESR 016) (2004?) (CD)
セレブレーションバンドのメンバーであるパーカッション奏者、ジャミー・ハリスとの共演第1作。

33. TREVOR WATTS - WORLD SONIC (HI 4 HEAD HFHCD 004) (2005) (CD)
これは珍しいワッツのアルトサックスソロ。

34. TREVOR WATTS AND JAMIE HARRIS - LIVE IN SAO PAULO, BRASIL (HI 4 HEAD HFHCD 005) (2005) (CD)
32に続くジャミー・ハリスとのデュオのセカンド。ブラジル、サンパウロでのライブ録音。

35. TREVOR WATTS, GIBRAN CERVANTES, JAMIE HARRIS - MUTUALITY (FMR CD197-0206) (2005) (CD)
ワッツとハリスが、大型の自作弦楽器?を演奏するメキシコ人を迎えたトリオ作品。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

27. - T.Watts String Ensemble-Cynosure ***** 28. - K.Krimsky, T.Watts-Stella Malu ***** 29. - T.Watts, P.Knight-Reunion ***** 30. - T.Watts & The Celebration Band ***** 31. - T.Watts & V.Weston-6 Dialogues

32. - T.Watts, J.Harris-Acestry ***** 33. - T.Watts-World Sonic ***** 34. - T.Watts And J.Harris-Live In Sao Paulo, Brazil ***** 35. - T.Watts, G.Cervantes, J.Harris-Mutuality


(2008年8月)



[ 追補1. (2009年5月27日アップロード) ]

a. TREVOR WATTS - THE DEEP BLUE (JAZZWERKSTATT JW 084) (2008) (CD)
マルチトラック録音によるワッツのソロ作品。サックスのほかパーカッション、ピアノ、シンセサイザーを演奏する。エスニック調の曲などもある。2008年8月から12月の録音。2009年5月リリース。

[ 追補2. (2010年7月1日アップロード) ]

b. AMALGAM - PRAYER FOR PEACE (NOBUSINESS NBLP 16) (1969) (P2010)
本文のアイテム1で紹介した1969年録音のアマルガムのデビューアルバムが、ハワード・ライリーの最新作などもリリースしているリトアニア!のレーベルから、ジャケ違いのアナログ盤で再発された。メンバーの一人、ベーシストのジェフ・クライン(昨年11月逝去)に献呈される旨のコメントが記載されている。

[ 追補3. (2011年6月20日アップロード) ]

c. TREVOR WATTS & VERYAN WESTON - 5 MORE DIALOGUES (EMANEM 5017) (2011) (CD)
タイトル的には本文のアイテム31の続編となるウェストンとのデュオアルバムがリリースされた。全編2人のインプロビゼーション。2011年6月リリース。

[ 追補4. (2012年7月11日アップロード) ]

d. TREVOR WATTS & VERYAN WESTON - DIALOGUES IN TWO PLACES (HI 4 HEAD HFHCD 010D) (2011) (2CDs)
今度のウェストンとのデュオアルバムは、カナダ及び米国でのコンサートのライブ録音からなる2枚組。

[ 追補5. (2013年3月19日アップロード) ]

e. VARIOUS MUSICIANS - JUST NOT CRICKET! THREE DAYS OF BRITISH IMPROVISED MUSIC IN BERLIN (NI-VU-NI-CONNU PRODUCTIONS NVNC-LP 001/004) (2011) (4LPs)
トレバー・ワッツのリーダーアルバムではなく本コンテンツの対象アイテムとはならないのだけれど、「ブリティッシュジャズファン」、「即興音楽ファン」必携?の作品にしてはディーラーサイトを含め、国内サイトでは今のところほとんど紹介されていないようなので、ワッツの演奏が聴けることでもあり、ここで取り上げることにしたい。
2011年10月に、ベルリンのレストランも併設されているらしいイベントスペースで3日間にわたって開催された、16人のブリティッシュ・インプロバイザーによるコンサートの演奏を4枚のLPに収録したライブアルバムである。リリースは本年2月。
リリース元の紹介記事の表現を借りれば、「異なる4世代のミュージシャンによるユニークなラインナップ」となるが、ベテランから若手まで幅広い世代のミュージシャンたちからなる様々なユニットによる演奏が収められている。本サイトでおなじみのミュージシャン(当然「年長組」ということになるが)をあげれば、トレバー・ワッツの他、スティーブ・ベレスフォード、ロル・コックスヒル、フィル・ミントン、エディー・プレボストあたりか。その他にはコンテンツ16で紹介しているマシュー・ボーンの名前もある。
各ユニットの構成などについては、スリーブ写真をクリックして参照のこと。

[ 追補6. (2013年4月25日アップロード) ]

f. BARRY GUY NEW ORCHESTRA (SMALL FORMATIONS) - MAD DOGS (NOT TWO MW 902-2) (2010) (5CDs) (LPスリーブ仕様パッケージ)
追補5に続いて、ワッツのリーダーアルバムではないのだけれど、ワッツを含むヨーロッパのインプロバイザーをメンバーとする様々なユニットによるジャズ祭での演奏を収録したライブ盤がリリースされたので紹介したい。CD5枚組というボリュームもすごいし、何よりその5枚のCDをLPスリーブ仕様のパッケージに収めたというのがユニークだ。
各ユニットの構成などについては、スリーブ写真をクリックして参照のこと。

[ 追補7. (2013年8月21日アップロード) ]

g. TREVOR WATTS CELEBRATION BAND - LIVE IN MACEDONIA (FMR CD351-0513) (2004) (CD)
本文アイテム30に続く「セレブレーションバンド」の演奏がこのほどCD化された。2004年のマケドニアにおけるライブ録音。現地ミュージシャンを含む欧州混成バンドはエスニック風味もちょっぴり感じさせるダイナミックな演奏を披露している。

[ 追補8. (2014年2月19日アップロード) ]

h. TREVOR WATTS, ET AL. - HEAR NOW (FMR DVD5-1013) (2012) (DVD)
ワッツの新作がDVDによりリリースされた。本DVDは2つのパートからなっており、40分あまりの初めのパートは、ワッツの「語り」と、その間に随時挟まれるライブ映像で構成されている。語りについては、私のヒアリング能力ではここで紹介することは不可能だが、ワッツ自身の言によれば、「インプロビゼーションとその実践」について語ったものである。ライブ映像の方は2種類あり、一つはベルヤン・ウェストンとのデュオ、もう一つはこれにベースとドラムスが加わったカルテットの演奏だ。いずれの画像もまことにクリアで、ワッツの躍動するような演奏ぶりや、フリーインプロビゼーションの熱気を鮮烈に感じ取ることができる。続くパートは、60分ほどのウェストンとのデュオの演奏が収録されているが、この部分に映像がないのは残念といえば残念(静止画像はあり)。演奏はいずれも2012年の録音である。

[ 追補9. (2014年10月10日アップロード − 10月28日更新) ]

i. TREVOR WATTS - VERACITY (FMR CD377-0714) (2014) (CD)
本年6月録音のワッツのニューアルバムはアルトソロのインプロビゼーション。リリカルな演奏が印象的だ。

(2015年8月4日追記)
今日受け取ったワッツのメールには、本作は長年にわたり自分が開拓してきたものの集大成である、というようなことが書いてある。

[ 追補10. (2014年12月9日アップロード) ]

j. BARRY GUY NEW ORCHESTRA (SMALL FORMATIONS) - MAD DOGS ON THE LOOSE (NOT TWO MW 925-2) (2012) (4CDs) (LPスリーブ仕様パッケージ)
追補6で紹介した f の続編のようなアルバムがリリースされた。2年後の同じジャズ祭でのライブ録音で、参加メンバーもトレバー・ワッツを含めて前作と全く同様。今度はCD4枚組となり、同じくLPスリーブ仕様のパッケージだ。各演奏ユニットのメンバー構成などについては、スリーブ写真をクリック。

[ 追補11. (2015年7月25日アップロード) ]

ネット上で、ワッツが共同名義となっている未見(取りこぼし)の作品を2つ見付けた。当面、両アルバムとも入手の見込みは立たないが関連サイトの情報により概要を紹介しておこう。
[ 出所 : http://www.met-x.be/en/home-2.html     http://for-tune.pl/en/   ( いずれも 2015年7月25日閲覧 ) ]

k. MISHALLE/WATTS/DRAME  FOLIBA & MAROCKIN' BRASS - 11 SONGS (MET-X A-SHAMS 1060) (P2010) (CD)
数年前にベルギーでリリースされていたらしいアルバム。大編成のバンドの演奏で、リリース元の紹介に " Gnawa Jazz " とあるので、おおざっぱに言えば、「その方面のエスニック風味の音楽とインプロビゼーションの融合」といった内容では?

l. TREVOR WATTS & VERYAN WESTON - AT AD LIBITUM (FOR TUNE 0057 007) (2013) (CD)
こちらは今年リリースされたらしいおなじみのデュオ作品。ポーランド、ワルシャワでのライブ録音で、同国のマイナーレーベルからのリリース。

(2015年8月3日追記)
後者のデュオ作品を入手することができた。

(2015年8月20日追記)
前者のエスニックアンサンブルのアルバムをワッツより送ってもらう。

[ 追補12. (2015年8月20日アップロード) ]

m. VARIOUS MUSICIANS - I WANT THE BEATLES TO PLAY AT MY ART CENTER! (PRISMA P 004) (1969-2012) (2LPs)
またもや「おまけの作品」を紹介しておく。2012年のリリースだから少々遅ればせだが。ジャズ系のディーラーサイトなどではほとんどお目に掛かれないアイテムのようでもあるし。
ノルウェーのオスロ郊外にあるヘニエ・オンスタッド・アートセンター ( Henie Onstad Kunstsenter ) でパフォーマンスされた?音楽アーカイブをコンピレーションしたオムニバスの2枚組LP。ワッツを含む SME の演奏(未発表?)が収録されているので採り上げておこう。「当方関係」でいうと、その他にソフトマシーンがフィーチャーされているが、これはたぶん Reel Recordings から2009年頃にリリースされた発掘アルバムに収録されていたものではないかと思う。
なお、同じタイトルの DVD も同時にリリースされたが、こちらの方には 「当方関係」のミュージシャンは見当たらないようだ。ちなみにビートルズの演奏や画像はどちらにも入っていません(蛇足ですね)。

[ 追補13. (2015年12月4日アップロード − 12月11日更新) ]

n. VERYAN WESTON, TREVOR WATTS - DIALOGUES FOR ORNETTE! (FMR CD404-0915) (2015) (CD)
ワッツからのメールで知った新作は、上記のアイテム l に続くウェストンとのデュオアルバム。本年 6月のアムステルダム及び 9月(ほんの2か月半前だ)のリオデジャネイロ!でのコンサートで録音されたライブ盤。スリーブ写真のワッツはグッドスタイルだ。

[ 追補14. (2016年6月2日アップロード − 6月8日更新) ]

o. TREVOR WATTS STRING ENSEMBLE - CYNOSURE (HI 4 HEAD HFHCD 018) (1976) (CD)
本文アイテム 27 がCD化され本年2月にリリースされた。同じ76年録音のライブトラック3曲がボーナスとして追加されている。メンバーだったスティーブ・ヘイトンとリンゼイ・クーパー(男性ベーシスト、念のため)に追悼の意が表されている。
ついでに。
最近 OGUN レーベルからリリースされたハリー・ミラーのコンピレーションアルバムは全曲にワッツがフィーチャーされている( コンテンツ #10 追補18を参照のほど)。

[ 追補15. (2016年6月24日アップロード − 7月15日更新) ]

p. TREVOR WATTS, STEPHEN GREW - CON FLUENT (FMR CD414-0216) (P2016) (CD)
このほどリリースされた新譜はピアニスト、スティーブン・グルーとのデュオ。といっても別々に録音した演奏を編集したもので、コンサートでライブ録音されたグルーのピアノソロ演奏にワッツがサックスの演奏を「乗せていく」といった方法で製作されたらしい。ところで、スリーブにレイアウトされたワッツの写真が、同一レーベルからのリリースとはいえ、アイテム n と同じなのはご愛敬だ。

[ 追補16. (2016年11月23日アップロード) ]

q. VARIOUS MUSICIANS - TAKING THE DOG FOR A WALK   CONVERSATIONS WITH BRITISH IMPROVISERS / N.E.W. - N.E.W. (NI-VU-NI-CONNU PRODUCTIONS NVNC-DVD 002 / NVNC-CD 001) (P2015) (2DVDs+CD)
追補5で取り上げた、はなはだ興味深いオムニバスアルバムをリリースしたルクセンブルクのレーベルから、DVD2枚とCD1枚をボックスに収めたユニークな作品が昨年リリースされていた。最近それを知り、このほど入手したので少々遅きに失したが紹介しておきたい。
またまた、トレバー・ワッツのリーダーアルバムではないのだけれど。まあ、ワッツの肉声を聴くこともできるし、映像も見ることができるし(そして何よりサブタイトルどおり!の内容なので)。
まず1枚目のDVDが興味しんしんだ。2時間24分という長尺の「ドキュメンタリー」で、英国ミュージシャンへのインタビュー、ライブパフォーマンス映像などが次々と出てくる。その合間には懐かしいスチール写真、動画なども。
2枚目のDVDはミュージシャンなどへの長時間の「インタビュー集」。一人当たり20分から30分に及ぶインタビューが続く。こちらはさらに長い3時間近くの収録時間。
この2枚のDVDは、「お話」がメインなので、英語力の乏しい身にとってはほとんど「宝の持ち腐れ」なのだけれど、ミュージシャンの映像が見られることに満足しよう。 DVDに登場するミュージシャンなどについては下のスリーブ写真をクリックしてご覧のほどを。
残りのCDは、3人のインプロバイザーからなるグループ、N.E.W. の2012年のライブ演奏だ。

[ 追補17. (2017年1月22日アップロード) ]

r. TREVOR WATTS - SOLOS 2016 (HI 4 HEAD HFH 021) (2016) (デジタル配信)
昨年11月にリリースされたというワッツの新作はソロ。全4曲、25分ほどの演奏でデジタル配信のみ。オーバーダビングなし。変幻自在なワッツのアルトサックスが朗々と響き渡る感じ。

[ 追補18. (2017年1月22日アップロード − 4月20日更新) ]

s. AMALGAM - CLOSER TO YOU (HI 4 HEAD HFHCD 019) (P2017) (CD)
本文アイテム 8 がボーナストラック5曲を追加してCDリリースされた。

[ 追補19. (2017年2月11日アップロード − 5月12日更新) ]

t. WATTS AND GREW DUO - ALL THERE IS (DISCUS 61 CD) (2017) (CD)
追補15で紹介したアイテム p に続くスティーブン・グルーとのデュオアルバムがリリースされた。本年1月に録音されたインプロビゼーション。意外な気もするが、ワッツがマーティン・アーチャーのディスカスレーベルと「付き合う」のはこれが初めてかな。

[ 追補20. (2017年11月18日アップロード − 12月1日更新) ]

u. TREVOR WATTS, VERYAN WESTON, ALISON BLUNT, HANNAH MARSHALL - DIALOGUES WITH STRINGS (FUNDACJA SŁUCHAJ!  FSR 09|2017) (2017) (CD)
おなじみのウェストンとのデュオに二人の女性弦楽器奏者が加わったニューアルバムが、エバン・パーカーのアルバムなどもリリースしているポーランドのレーベルからこのほどリリースされた。本年 4 月ロンドンでのライブ録音。弦楽器の響きが印象的。



[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

a. - T.Watts-The Deep Blue ***** b. - Amalgam-Prayer For Peace (再発) ***** c. - T.Watts & V.Weston-5 More Dialogues ***** d. - T.Watts & V.Weston-Dialogues In Two Places ***** e. - Various Musicians-Just Not Cricket!

f. - B.Guy New Orchestra-Mad Dogs ***** g. -  T.Watts Celebration Band-Live In Macedonia ***** h. - T.Watts, et al.-Hear Now *****  i. - T.Watts-Veracity *****  j. - B.Guy New Orchestra-Mad Dogs On The Loose

k. - Mishalle, et al.-11 Songs *****   l. - T.Watts & V.Weston-At Ad Libitum ***** m.- Various-I Want The Beatles To Play At My Art Center! *****  n.- V.Weston, T.Watts-Dialogues For Ornette! *****  o.- T.Watts String Ensemble-Cynosure (CD)

p. - Stephen Grew, Trevor Watts-Con Fluent *****  q. - Various-Taking The Dog For A Walk/N.E.W. *****  r. - Trevor Watts-Solos 2016 ***** s. - Amalgam-Closer To You-CD ***** t. - Watts And Grew Duo-All There IS

u. - T.Watts, et al.-Dialogues With Strings


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