長谷川鍼灸院 〜自然の流れに沿った「自然な治療」〜

ストレスから病気へ


一般的にストレスとは、「精神的苦痛」と取られる方が殆どだと思います。しかし、本来は「身体全体に受ける継続的な刺激が繰り返された場合の苦痛」これらを全てストレスと呼びます。


ストレスの種類

精神的ストレス 「感情に左右されるもので、皆さんが考えるストレス」
憎しみ、悲しみ、恐怖、喜び、心配、屈辱、怒り等
化学的ストレス 「外部より体内に取り入れられた化学薬品、化学物質」
薬品、食品添加物、お酒、農薬、大気汚染等
物理的ストレス

(環境)
「外部から直接身体に加わる力、気候環境」
打撲、捻挫、骨折、寒冷、暑気、雨、乾燥、湿気等
生物的ストレス 「外部より体内に侵入した細菌、ウィルス、毒素」
インフルエンザ、寄生虫、O157、虫刺され、蛇毒等

日常生活の具体的なストレス

仕事の疲労 寒暑 不規則な生活リズム 精神的な疲労 過度の感情
これは「○○しすぎ」を現しています
「働きすぎ」「パソコンやりすぎ」「ダラダラしすぎ」「立ちすぎ」「運転しすぎ」「飲みすぎ」「ダイエットしすぎ」「寝すぎ」「冷えすぎ」「薬の飲みすぎ」「心配しすぎ」「考えすぎ」「思いすぎ」「怒りすぎ」「悲しすぎ」「楽しすぎ」などなど

ストレスから病気へ

@徐々に刺激(ストレス)を受ける

特に気にならないうちは、ストレスとは感じない。

 

A継続して刺激が加わる

刺激が続き、それが苦痛と感じるようになると、脳から自律神経に刺激が伝達され自律神経が積極的な防衛反応を示す。この時、体温上昇、血圧上昇、脈拍増加、筋肉緊張等の症状が続き、痛み、発熱、炎症等勢いのある症状を呈す。(発病)

 (この時点から症状回復に向かうわけです)

 

B刺激にさらされ続け、刺激に耐えられなくなる

抵抗しきれなくなり、弱る。血圧下降、体温低下、脈拍低下等の症状が続き、痺れ、冷え、疲労、無力等の身体が弱りきった症状を呈す。


  (ここまでくると、症状は慢性化して「治らない持病」に変わってくる)


ストレスによって、各種防衛反応を現す、これが「自律神経失調症」であり、ここから色々な疾患へと繋がってくる自律神経って?(参照)


ストレスのレベル(参考資料)

(精神的ストレスについて考えてみました)

ストレスに関する研究は多くの学者がやっています。中でも「ハンス・セリエのストレス学説」は有名ですが、同じストレスを研究している「ホームズ」と「ペトリック」らは、生活変化と病気の発病の関連性をみた研究をまとめ、「勤労者の性別ストレス点数のランキング」として発表しました。

調査対象は、1630名(男1322名、女308名)の勤労者。結婚によるストレス度を50点とし、これを基準に0〜100点で各ストレッサーについてストレス度を自己評価させたものを、項目ごとに平均値として表わした、点数の高い項目ほどストレスが強い。

この表は、調査年代も現在ではなく、日本を対照にしていないので、我々とはくいちがう点が多々ある。また、調査の仕方は不明なので、全くこの通りですよとは言えない。しかし、数字の男女比較及び、ストレスの重軽の指標にはなると思うので参考にしてください。

「勤労者の性別ストレス点数のランキング」(ホームズ)

1630名(男1322名、女308名)

順位

ストレス

・・・・・・・・・・

平均

順位

ストレス

・・・・・・・・・・

平均

1

配偶者の死

83

83

82

34

引越し

47

46

50

2

会社の倒産

74

74

74

35

住宅ローン

47

46

50

3

親族の死

73

71

78

36

子供の受験勉強

46

44

53

4

離婚

72

72

72

37

妊娠

44

43

50

5

夫婦の別居

67

67

69

38

顧客との人間関係

44

44

47

6

会社を変わる

64

64

62

39

仕事のペース、活動の減少

44

45

43

7

自分の病気や怪我

62

61

67

40

定年退職

44

44

42

8

多忙による心身の過労

62

61

67

41

部下とのトラブル

43

43

45

9

300万円以上の借金

61

60

65

42

仕事に打ち込む

43

43

44

10

仕事上のミス

61

60

65

43

住宅環境の大きな変化

42

42

45

11

転職

61

61

61

44

課員が減る

42

42

43

12

単身赴任

60

60

60

45

社会活動の大きな変化

42

41

43

13

左遷

60

60

59

46

職場のOA化

42

41

45

14

家族の健康や行動の大きな変化

59

58

63

47

団欒する家族の大きな変化

41

40

44

15

会社の建て直し

59

59

58

48

子供の転校

41

40

45

16

友人の死

59

58

63

49

軽度の法律違反

41

40

43

17

会社が吸収合併される

59

59

58

50

同僚の昇進、昇格

40

40

41

18

収入の減少

58

58

57

51

技術改革の進歩

40

40

41

19

人事異動

58

58

58

52

仕事のペース、活動の増加

40

41

39

20

労働条件の大きな変化

55

54

56

53

自分の昇進、昇格

40

40

41

21

配置転換

54

54

55

54

妻(夫)が仕事をやめる

40

35

61

22

同僚との人間関係

53

52

57

55

仕事の予算がつかない

38

38

38

23

法律的トラブル

52

52

51

56

自己の習慣の大きな変化

38

37

42

24

300万円以下の借金

51

51

55

57

個人的成功

38

37

40

25

抜擢に伴う配置転換

51

51

52

58

妻(夫)が仕事を始める

38

38

37

26

上司とのトラブル

51

51

50

59

食習慣の大きな変化

37

36

42

27

息子や娘が家を離れる

50

50

50

60

レクリエーションの減少

37

37

36

28

結婚

50

50

50

61

仕事の予算がつく

35

35

33

29

性的問題、障害

49

48

50

62

長期休暇

35

34

37

30

夫婦喧嘩

48

47

52

63

課員が増える

32

32

32

31

新しい家族が増える

47

46

52

64

レクリエーションの増加

28

27

30

32

睡眠習慣の大きな変化

47

47

50

65

収入の増加

25

25

23

33

同僚とのトラブル

47

45

54

各自の限界ストレス

74

74

72

この「勤労者の性別ストレス点数のランキング」から見えてくることは、男女のストレスの受け方に違いがある点です。網かけで塗りつぶした数字の方が強いストレス、太字は差が大きいを表わします。比較的女性の数字が男性より多いのが目立っています。

男女比較

男性

女性

強いスト
レス

仕事関係

自分生活に関わる人間関係

ストレス
の理由

収入を得る手段を害するものに多くの
ストレスを感じる

生活を守る手段を害するものに多くのストレスを感じる

脳の違い

一つの事に集中できる専門脳(狭く深
く)なので、ストレスも限局されてく

色々な事を考えながら生活をまとめていくバランス脳(広く浅く)なので、ストレスは多岐にわたる

病気の

発症理由

「気」の病が多い

ストレスに弱い

「血」の病が多い

冷えに弱い

耐ストレ
ス度

男性はストレスに弱いので、対抗策と
してストレスを感じる事は女性より少
ない、つまり「気にしない」場合も
多々ある

女性は色々考える事が多いのでストレスにさらされる事は多いが女性の忍耐は男性より強い

一概にストレスと簡単に言いますが、各個人の性格、家庭、生活、仕事等により感じ方はまちまちで、同じスケールで図ることは無理です。

また同じ人でも、その時の体調、年齢、考え方の変化によってもストレスの受け方はぜんぜん違ってきます。そのストレスを受ける状況状況で変わるわけですから、尚更ストレスによって受ける体調不良も千差万別なのもうなずけます。病気を治す事は、今現在の身体を治す事が大事だと思いませんか?

WHO(世界保健機構)による1946年に作成した憲章の前文“健康の定義”は、「健康とは、肉体的・精神的ならびに社会的に完全に良好な状態であって、単に疾病や虚弱でないというだけではない」とされています。つまり病気ではなくても気持ちの状態がすっきり気持ちよくなければ健康とはいえない、となります。

いつも患者さんに話していることは「楽しく、美味しく、気持ちよく」です。何事も体があって楽しいのです。楽しいと美味しいです。美味しいと身体も気持ちいいです。すると体調も良いってことになります。