慰謝料について 

慰謝料及び慰謝料を請求するには

離婚原因となった不法行為、つまり浮気などの不貞行為などのよって受けた精神的苦痛に対する代償として求める損害賠償です。慰謝料の請求には時効があり、離婚後3年以内にしなければなりません。
慰謝料の支払いは、責任のある配偶者(有責配偶者)が相手方に対して請求するものですが、不貞行為のようなケースはともかくとして、実際の離婚では、どちらに破綻原因があるかがわからないケースが多く、簡単に決まらないことが多いものです。つまり、価値観の違いが離婚原因であるような場合には、価値観の違いそのものが不法といえるものではないわけですから、これによって、慰謝料を請求することは認められません。あくまでも、請求が認められるのは、生活費を渡さなかったり、暴力、浮気などにように、明らかに不法行為とみなせる原因があり、破綻に至る責任が認められる場合です。、
また、慰謝料の金額については、あくまでも精神的苦痛を慰めるものであり、その感じ方も人によって違うことから、人によって違いますが、裁判などでは、次のようなものが考慮されるようです。

 (1)破綻原因となる有責性の程度
 (2)結婚期間と年齢
 (3)精神的苦痛の程度
 (4)当事者の社会的地位
 (5)当事者の支払能力
 (6)未成年の子供の有無

裁判で認定された金額でみると、100万円〜1500万円ですが、もっとも多いのは、200〜300万円程度であると思います。1000万円を超えるような高額なケースは極めてまれであり、長期にわたる不貞事実と支払う側に十分な資力があるなどの特殊なケースです。


●慰謝料を請求するまでにしておくこと
不法行為の証拠をできるだけ揃えておくこと。
(1)暴力などの場合は、怪我をしたときに必ず病院の診断書をとっておく。
(2)浮気相手からの手紙、メール、日記などを確認する。
(3)どのような精神的苦痛を受けたのか、日々の記録をしておくこと。


●慰謝料の支払いで注意すること
 慰謝料の支払いは、出来る限り一括で支払わせるべき。分割にした場合、将来的に支払われなくなる可能性が伴います。相手側に資力がなく、どうしても分割とせざるを得ない場合には、公正証書にしておくか、調停などを利用して、直ちに強制執行が出来るように、債務名義を得ておくことが必要です。


民法第709条 不法行為の一般的要件
故意過失によって他人の権利を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任に任ずる。
民法第7010条 非財産的損害の賠償
他人の身体、自由または名誉を害した場合と財産権を害した場合とを問わず、前条の規定によって損害賠償の責に任ずる者は、財産以外の損害に対してもその賠償を為すことを要す。