住民投票は、市民の願い
政令市に移行すれば、市の借金である市債の発行、市民の共有財産である基金の取崩が必至であることが、9月2日明らかになりました。
しかし、加山市長は、市民の負担はないと強弁しました。
受任者が約1300人を超え、有効署名数は、法定数である有権者の2%を遥かに上回り、その2.4倍の「2万6760人」に達しました。
今回の地方自治法に基づく住民投票の直接請求は、相模原市政上初めて、しかも、政令市移行の是非を問うものは、全国初です。
加山市長は、署名期間中の11月28日、新政クラブの代表質問に、「執行機関の市長の責任で判断すべき行政運営制度だから、住民投票には馴染まない」と答弁しました。
この発言は、地方自治法に基づく合法的な署名活動の拡大を恐れる意図的な妨害発言であり、極めて不適切です。
更に、市長の専権事項であるならば、今回の議会の意見書は全く無意味・不必要であり、意見書採択に対し、方向性が出てホッとすること等は、自己矛盾です。
常設型=対象が広い
現在、全国の自治体で常設型の住民投票条例が増加しています。
川崎市の常設型住民投票条例では、「市政に係る重要事項として、現在又は将来の住民福祉に重大な影響を与え、又は与える可能性のある事項」を住民投票の対象にしています。
寧ろ、自治体の運営に、住民の意思を幅広く、反映させるものばかりではないでしょうか。
加山市長のいう「行政運営上の制度」を、住民投票条例から除外していないことは、明らかです。
今回の政令市の移行の是非を問うことは、常設型の条例では住民投票に「馴染み」、加山市長の見解では「馴染まない」ものになり、結論が正反対です。
住民参加・住民自治
地方自治の本旨とは、団体自治と住民自治のことです。
団体自治とは、国家からの独立を意味し、団体としての意思決定のことで、
住民自治とは、民主政治の原理であり、団体の意思を住民自身の参加で決定することです。
この中で、住民自治がより重要であり、団体自治はその前提要素であり、団体自治の機能が不十分であれば、住民自治も十分機能する訳がありません。
住民自治のない団体自治は、本来の地方自治ではなく、団体自治と住民自治は密接不可分の関係です。
地方自治体が地方政府(ローカル・ガバメント)といわれる現在、問われるべきは、自治体の自治能力・自治体行政の民主化です。
地方分権下の議会
地方分権とは、国家からの公権力の地方への移譲です。
しかし、新たに権力の主体になった自治体が、常に地域・市民・住民に対し、良い政策や行政を執行するとは限りません。
だからこそ、自治体である地方政府に対する住民・市民参加の仕組みを拡充し、自治体行政の民主化を強化することが何より重要です。
市長が住民投票を拒否する今、二元代表制の一翼を担う議会にこそ、市民の意見を聴く姿勢が、求められているのではないでしょうか。