“四季ノ国屋 超時空支店”の書店員たちが、小説世界を旅し、集めてきたカレンダー小説です。
春夏秋冬や年中行事など、12色の小説世界、12色の彩りを感じる物語群となっております。
どこから読んでも問題ありません。お好きな月からどうぞ。
本来、無関係なはずの小説世界で、書店員を通してか、なにやら所々に妙な繋がりができてしまっているようです。それを探してみるのもまた一興。
それでは、ごゆっくりとお楽しみください。
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- 燃えよ本／エミムラ
一月一日、本に所縁のある神社へ初詣にきた文学少女は、ボヤ騒ぎのおり神社の神に取り憑かれてしまう。鎮魂の札が燃えたために神域から出て行ってしまった荒御魂の回収を手伝え、と理不尽な要求を少女に突きつける本の神。それと同時に、町のあちこちで火災が起こる。
- 怨恨痛快のアンプリファイア／麻婆
恋する京のために、友人たちが開いた作戦会議。気さくなOL、春子。大柄な外国人、グイン。きぐるみを着た実兄、凪。
それぞれの私怨が鳴り響く時、作戦会議は加速し、恋路を駆け抜ける。
叩きつけろ、ラブストーリー。
- 仔猫は春の季語／金椎響
季節外れの雪が降る京都御苑で、「わたし」は同じ高校に通っていた富士見藤乃と会う。
彼女と過ごす時間は僅かなのに、藤乃との距離を縮めることができずにいた。
藤乃は「わたし」に頼み事があるらしい。京都御苑に出没する「裏文庫」とは……。
- シガツの桜／執筆：橙。 原案：7GO
私はＢＬを愛する四季ノ国屋書店員。２９歳孤高の独身、されど彼氏は募集中。
そんな私が向かったのは四月。少年達の出会いの季節。可愛らしい少年達のキャッキャウフフな話を集める筈が、突然現れたのはパンチパーマのヤクザだった！？
任侠アクションＢＬコメディ『シガツの桜』、始まります。
- Ｍａｙ ｂｅ 母に捧げるバラード／汁茶
母の日を前にして、わたしはとあるイベント会場へとやってきた。
母が求めたものはなんとBL本。それも電子データではない紙の本だという。
書籍の電子化が進んだこの時代では、それは確かに稀少なものだけれど……
- アジサイ戦隊！ ハイドレンジャー
／クロードニュウスキー
アジサイ戦隊 ハイドレンジャー。それは、全身タイツで活動する覆面集団のことである。彼らの主な仕事は、市街地のパトロール……と見せかけて、迷惑を撒き散らしまくることであった。
今日も曇天の下、彼らの名乗りが響き渡る！
- 七夕アウフヘーベン／うみのえび
【アウフヘーベン】古い答えを取り入れつつ、新しい答えが生まれていくこと。
- 自由研究 −砂森風子の生態−／エミムラ
動物と自然を愛する中学生ノリヨシは、夏休み間際のある日、学年一の優等生である砂森風子から自由研究についてとある提案を持ちかけられる。その提案とは、夏休みの数日間、彼女自身をノリヨシの家で『飼育』してみないかというものだった。
- １．２８秒だけ待って／牛髑髏タウン
二学期初日を転校先で迎えた中学三年生の女の子、津区島美代子。
「……９月って嫌い」
そんな言葉を吐いた彼女の、転校先の９月のお話。
１．２８秒。
それは短いようで、短くないのだ。
- 読書の秋／ルト
ヒョウ頭の獣人が経営するファンタジー世界の書店に、四季ノ国屋書店の書店員が訪れる。
「なにか十月らしいことってありませんか？」と異世界に気遣いもへったくれもない彼女だが、異世界独特のネタは特になかった。彼女はへこんだ。
そんな話。
- 目隠し鬼さん、手の鳴る方へ／橙。
週に一度、その本屋には天使のような盲目の少女が訪れるという。傍らに、心のどこかを欠かした男達を引き連れて。
光を失った少女は、残された喉で朗らかに本の世界を唄い上げる。
――盲らよ、その赤き腸を吸へ。
あはれ、あはれ、この旱つづかむかぎり、汝が飢渇癒えむすべなし。
……北原白秋「第二邪宗門・飢渇」より。
- オーロラの中で魚と踊りたい／エキセントリクウ
パンク少女（実はサンタクロース）北斗七星ナナのもとに届いた、クリスマスプレゼントのリクエストメール。そのうちの一通、ほうき星と名乗る少女からのリクエストは「オーロラの中でお魚さんに囲まれて踊りたい」というものだった……。
ふしぎ・エキセントリック・ファンタジー、開演！！
