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2000年高知のオフシアターベストテン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
機関紙「ぱん・ふぉーかす」第125号('01. 1.26.)掲載 [発行:高知映画鑑賞会]
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今回で三回目となる恒例のオフシアター・ベストテンの選考会を行った。参加者は、高知映画鑑賞会:川崎、山口、浜口、宇都宮、私。ムービージャンキー:西川、シネマサンライズ:吉川、高知シネマクラブ:内原、高市、自主上映フェス実行委:東崎、戸高、代崎、シネマヴォイス:ま〜ち。文書投票で、小夏の映画会:田辺、チネチッタ高知:お茶屋、といった面々。総勢15名。男性11名、女性4名と、例年に比べて男女比率がアンバランスだったものの、二十代から六十代まで各世代が揃った。 昨年一年間の高知のオフシアター上映プログラムとしてリストアップされたものは、外国映画130本、日本映画41本の計171本。最多鑑賞者は、123本で高知映画鑑賞会の浜口さん。出席者全員が観た作品は、ただひとつで、高知映画鑑賞会の例会作品『黒猫・白猫』。日本映画では、シネフェスで上映した『絞死刑』『青春の殺人者』が12人で最多であった。 そのなかで、例年と同じ方式で投票により選出したベストテンは、上記のとおり。 外国映画では、ベストスリーを独占し、ベストテンの半分を占めたムービージャンキーの上映活動が、作品的には最も評価された形になった。 日本映画では、上映作品数の割には新旧の日本映画への目くばせを怠らないシネマサンライズが、その活動ぶりを反映させる形で、ベストテンに4本送り込んでいるのが目を引く。 外国映画第1位の『ハピネス』は、父と息子の正直な関係に打たれたとのことで若い世代を中心に熱烈な支持を得た。第2位の『ミフネ』は、ハイテクに頼らない映画の原初的な力が評価され、第3位の『カノン』には、モノローグで吐露される真情に圧倒されたとのこと。第4位の『黒猫・白猫』には、クストリッツァならではのパワーで圧倒され、マイノリティ排斥に対する反発が軽やかに窺われた『ブラッド・フォー・ドラキュラ』は、旧作にもかかわらず、高い支持を集め、第5位に選出。同票の第5位には、新作から『シュウシュウの季節』も選出され、自然との対比が痛切で、厳しく辛い印象を残し身に迫るものがあった。第7位は、唯一のドキュメンタリー作品『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。第8位の『アメリカン・ヒストリーX』は、結末の衝撃が深く重い、強烈な作品であった。キャラクターの粒の立ち方と予想もつかない展開に感服したとの『ロック、ストック&トゥ・スモーキング・バレルズ』が第9位に入り、変態性の描写の丹念さが見事と評された『フェリシアの旅』とイメージの喚起力と映像の豊かさが見事だった『ルナ・パパ』が、同票で第10位となった。 日本映画では、思わず沖縄に住みたくなるような楽しい映画で西田尚美が輝いていた『ナビィの恋』が、第1位。恋愛映画とは何かを教えられたとの声も出た『コキーユ 貝殻』が、洋上のドラム缶の骸骨に総てが集約されると絶賛された『肉弾』とともに第2位。第4位の『白痴』は、スケール感のある奇妙な可笑しさが魅力的だった。そして、黒い日の丸が象徴的な『絞死刑』が第5位に選出された。第6位も二作品で、新作からは若者のひたむきな心に打たれた『地雷を踏んだらサヨウナラ』、旧作からは「傑作!!もっとこういう作品を観たい」との声が数多く寄せられた『丹下左膳余話 百萬両の壺』が、同票で並んだ。時よ止まれとのメッセージの真摯さが印象深いとの『がんばっていきまっしょい』は、第8位に入り、幻の映画としてとりわけ上映意義の高かった『山河あり』が、第9位となった。そして、時代性の把握とその視座が見事だった『とべない沈黙』が第10位という集計結果であった。 外国映画は、大半の観るべき作品が網羅的に上映されるようになった高知でも、日本映画は上映から漏れていっている作品が余りにも多い。その状況は相変わらずで、今年のベストテンには、その両者の違いがくっきりと現れたような気がする。日本に住みながら、日本映画のほうがスクリーンで観られないのは、とてつもなく不幸なことだ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
by ヤマ '01. 1.26. 機関紙「ぱん・ふぉーかす」第125号 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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