2001年高知のオフシアターベストテン
機関紙「ICS通信」vol.2('02. 2. 8.)掲載
[発行:ICS事務局]

*外国映画    上映団体名
1.ペパーミント・キャンディ[6票/7人] (高知アジア映画祭実行委)
2.ひかりのまち[6-1票/7人] (シネマサンライズ)
3.サイクリスト[5票/9人] (高知映画鑑賞会)
4.ディル・セ 心から[4票/7人] (高知アジア映画祭実行委)
5.ギャベ[4票/8人] (高知映画鑑賞会)
6.アンジェラの灰[4-1票/8人] (高知映画鑑賞会)
7.ヤンヤン夏の思い出[3票/4人] (シネマサンライズ)
7.楽園をください[3票/4人] (シネマサンライズ)
9.小説家を見つけたら[3票/7人] (ムービージャンキー)
10.春香伝[2票/3人] (シネマLTG)
*日本映画    上映団体名
1.愛のコリーダ2000[8-1票/8人] 高知シネマクラブ+ムービージャンキー
2.東京マリーゴールド[5票/5人] (シネマサンライズ)
3.連弾[4票/6人] (ムービージャンキー)
4.三文役者[3票/4人] (高知シネマクラブ)
5.PARTY7[3-1票/6人] (ムービージャンキー)
6.ステレオ・フューチャー[3-1票/7人] (ムービージャンキー)
7.アイ・ラブ・フレンズ[2票/2人] (高知市実行委員会)
8.この窓は君のもの[2票/3人] (シネマサンライズ)
9.ファザーレス 父なき時代[2票/5人] (小夏の映画会)
9.金髪の草原[2票/5人] (ムービージャンキー)
  恒例のオフシアター・ベストテンも今年で四回目となった。参加者は、元高知映画鑑賞会関係から川崎さん、大山さん、私。シネマサンライズから吉川さん。FMラジオの「映画でポン!」から浜口さん、川村(五)さん、川村(か)さん。iモードシネマサイト「シネマ・ヴォイス」から管理人ま〜ちさん、山口さん。インターネットのシネマサイト「チネチッタ高知」から管理人お茶屋さん、みわさん。総勢11名で、男性7名、女性4名と前回よりは男女比率が改善されたものの、十代二十代の若い世代が少なくなって、三・四十代に偏ったきらいが窺えた。
 昨年一年間の高知のオフシアター上映プログラムとしてリストアップされたものは、全部で178作品。外国映画が112本で、それに対する参加者の平均鑑賞作品数は、45本。最多が私の92本。日本映画は66本で、参加者の平均鑑賞作品数が19本。最多は、同じく私の52本。
 上映本数に対する鑑賞割合を見てみると、オフシアター上映の愛好者においても、日本映画の鑑賞割合が低いことが明らかになった。
 また、前回は参加者全員が観た作品があったが、今回はなくて、11名中10名が観たとの2001年宇宙の旅:新世紀特別版が最高位。日本映画では、愛のコリーダ2000さらば箱舟が8人で最多作品であった。
 例年と同じ方式により投票選出したベストテンは、上記のとおり。

 上映主催者の観点からは昨年とちょうど入れ替わる形になっているのが目を惹く。前回、外国映画の部では、全体の半数を占めたムービージャンキーが、今回わずかに1作品となったかわりに日本映画でまたまた半数を占める躍進ぶりで、昨年は日本映画の部で目立ったシネマサンライズが、今回は外国映画の部で活躍している。シネマサンライズは、アジア映画祭実行委員会でも中心的役割を一手に果たしており、その分も併せれば、外国映画の半数を占めることになる。昨春に解散した高知映画鑑賞会が、その最期の年に上映した三作品が今回総て選出されているのは、手向けのようなものだったのかもしれない。
 外国映画第1位のペパーミント・キャンディーは、11人中7人が観、6人が推した韓国の作品だ。逆走する時間展開が斬新で、最初と最後の涙が効いていた。韓国社会の変遷を個人の歴史に投影した構成が巧みで、重く真摯な作品だった。第2位のひかりのまちは、参加者にファンを自認する者もいるウィンターボトムの監督作品。寂しさのなかに仄かに光る希望が素敵だったと、特に女性の支持を集めた。第3位のサイクリストと第5位のギャベは、ともにイランのモフセン・マフマルバフ監督の作品。それぞれ「自転車が主役というユニークさが光っていた」「強烈な民族意識とこれぞ映画という色彩感覚に魅せられた」と、熱心な支持を集めていた。第4位のディル・セ 心からは、一昨年ボンベイで強い印象を残してくれたマニ・ラトナム監督によるインド映画。ちょうど米国での同時多発テロの直後に上映されて時宜を得ていたが、映画としての造形という点でも、ここまでやるかとの壮絶さに圧倒されたという声が出たほどに強烈な作品であった。
 日本映画第1位の『愛のコリーダ2000』は、11人中8人が観、観た人全員が推した。男女の会話の妙味と、凄みさえ漂う官能美に、四半世紀前に公開されたときの編集はなんだったのかと今さらながらに憤慨する声も出た。そして、若い男女のみずみずしさが際立っていた東京マリーゴールドと今の時代でないと出てこないキャラクター造形とその演技の充実が目を惹いた連弾も、観た人全員の推挙を得たが、観た人の数の違いでそれぞれ第2位と第3位に分かれた。第4位には、時を超えた映像マジックとキャスティングの魅力が光っていた三文役者。第5位の『PARTY7』には、しょうもない面白さのなかで原田芳雄の熱演に参ったとの声が聞かれた。
 オフシアターの状況としては、高知映画鑑賞会が解散し、十年にわたって続いてきた高知シネマフェスティバルが取りやめになるなどの寂しい年であったが、全体の上映作品本数では前年を上回っている。全部で178作品のうち、101本を県立美術館が上映しており、その貢献度の高さは突出している。また、前年は日本映画を1本も上映しなかったシネマLTGが2本上映したり、高知シネマクラブの上映作品が、日本映画の上映本数が外国映画を上回るなど、日本映画の新作に向ける眼差しが顕著になってきているようにも見えた。


*推薦テクスト:「チネチッタ高知」より2002年オフシアターベストテン
http://cc-kochi.xii.jp/special/pu0301off.html
by ヤマ

'02. 2. 8. 機関紙「ICS通信」vol.2



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