Phono EQ

オフセット電圧

アンプのオフセット電圧発生要因は次のとおりです。

入力オフセット電圧
入力オフセット電圧により発生する出力オフセット電圧は
[入力オフセット電圧]×[アンプのDCゲイン]
ただしDCゲインはカップリング・コンデンサによるハイパス特性を含まない DCにおけるクローズド・ループのゲインです。

入力バイアス電流
バイポーラ入力のOPアンプではバイアス電流が流れます。反転入力と非反転入力の信号源抵抗の値が一致していないとき、その抵抗値の差分とバイアス電流による電圧降下を入力オフセット電圧に加算して出力オフセット電圧を算出しなければなりません。

入力オフセット電流
反転入力と非反転入力の信号源抵抗の値が一致していれば、入力バイアス電流によるオフセット電圧は防げます。しかし入力オフセット電流によるオフセット電圧の発生は防げません。入力オフセット電流によるオフセット電圧は信号源抵抗による電圧降下が原因なので、信号源抵抗は小さい方がオフセット電圧に対して有利になります。

積分回路

右図の回路から

y s = R 1 C 1 s + 1 v s - R 2 C 2 s + 1 u s R 1 C 1 s + R 1 C 1 s + 1 G s R 2 C 2 s + 1

u(s) = 0 なら伝達関数は

y s v s = R 1 C 1 s + 1 R 1 C 1 s + R 1 C 1 s + 1 G s R 2 C 2 s + 1

v(s) = 0 なら伝達関数は

y s u s = 1 R 1 C 1 s + R 1 C 1 s + 1 G s
非反転入力の積分回路
u(s) = 0 ならば v(s) を入力とする非反転入力の積分回路になります。

反転入力の積分回路
一方 v(s) = 0 ならば、この回路は u(s) を入力とする反転入力の積分回路になりますが、このとき R2C2 が伝達関数から消えるので、入力バイアス電流を無視できるJFET入力の LF412では R2C2 を省くことができます。
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DCサーボ付き反転アンプ

反転入力の積分器を使用した反転アンプの伝達関数は

y s u s = - z 2 z 1 + z 1 + z 2 1 G s + I s

簡単のため I(s) = 1 / (T0s), 1 / G(s) = 0 とすると

y s u s = - z 2 T 0 s z 1 T 0 s + 1 + z 2

ここで

z 2 z 1 = α T 2 s + 1 T 1 s + 1 T 3 s + 1

T 1 3180 µsec, T 2 318 µsec, T 3 75 µsec

とおくと

y s u s = - α T 0 s T 2 s + 1 T 0 s + 1 T 1 s + 1 T 3 s + 1 + α T 2 s + 1

下図は I(s) によりアンプの極(ポール)がどのように移動するかを示しており、次の2式の交点(x軸)が極の周波数にあたります。

y 1 = T 0 -2 π x + 1 T 1 -2 π x + 1 T 3 -2 π x + 1

y 2 = - a T 2 -2 π x + 1

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