アクティブ・フィルタ
MFBフィルタの平衡入力化
MFBフィルタが平衡(バランス)入力化できることを知ったのはTexas InstrumentsのPCM DAC PCM1791AのデータシートのポストLPFです。実はちょっとした衝撃でしたが
理想OPアンプでは入力インピーダンスは無限大なので ZCDは無視できます。 ZABは単なる入力信号の負荷なので無視できます。 ここまではMFB(多重帰還型)フィルタとまったく同じです。

ZCDを無視したとき、非反転入力 xは重ね合わせの理から
また反転入力 xは
よって
更なる素子の削減


ゲイン無限大の理想OPアンプとして [反転入力]=[非反転入力] から式を整理すると
電圧源 wの成分は相殺され出力には表れないので wは任意の値をとれます。ここで仮りに2個の ZBの電流(電圧)が常に等しくなるようにトラッキングする電圧源 wを考えます。このとき電圧源 wからは電流がまったく供給されません。つまり0Vの電圧源であるGNDを含め電圧源はまったく必要なかったということになります。

よって、左図のように2個の ZBは2倍のインピーダンスの素子1個に置き換えることが可能です。
とすると伝達関数は
- VCVSフィルタとMFBフィルタ
- (PREV)
- 平衡入力MFBフィルタ
- (NEXT)
- GNU Octaveで求める周波数特性