さわよう さんの旅行記


Mrs.T

9/9(木) 旅行9日め

朝、8時に目が覚めた。とりあえず、夫に食べさせる粥を買出しに行く。娘はまだ寝ている。夫に娘を頼んでホテルを出た。どこに粥が売っているのだろう。 とりあえず、大通りに面した食べ物屋を片っ端から覗いて行く。粥がありそうでない。1軒だけあった。花生粥と書いてある。これでいいや。「これ、1個。打包(中国語でテイクアウトの意)」。 ここでも中国語で注文。よかった、通じた。粥を買って、角の店で菜包(野菜の中華まん)を買った。急いでホテルに戻ると、娘が起きて泣いていた。

娘を着替えさせ、3人で買ってきた粥と饅頭で朝ごはん。ピーナツの粥を夫は美味しいと言ってすするが、半分しか食べられなかった。


その後、私と娘でホテルの朝食ブッフェへ。 偵察を兼ねて、ジュースを飲みに行く。ジュースはオレンジとグレープフルーツの2種類のみ。カットフルーツは4種類ぐらいか。周りのテーブルを覗くが、差し当たり美味しそうな物はない。 これだったら、明日も外で調達した方がよさそうだ。

ブッフェを出て、フロントへ直行。夕べのルームチェンジの件を言わなくては。チェックインを担当したフロント嬢がいた。早速、夕べの話をしてみる。やはり、話しは通ってなかったようだ。 フロント嬢があたふたしながら部屋の有無をチェックしている。5分以上待たされただろうか、部屋があると言ってきた。「喫煙でツインベッドになるがいいか」。ネット接続ができればこの際よい。 何の為に重たい思いをしてパソコンを持ってきたのか。ここで使えなければ何の意味も無い。すぐにオーケーの返事をした。部屋にベルボーイの手配をさせ、すぐに部屋に戻った。 急いで、荷物をまとめなければ。

寝ている夫に、部屋が変わるから起きるように言い、急いで荷造りをした。荷造りの途中でベルが来てしまったが、廊下で待たせて作業を続けた。 エレベーターの中で、ベルに部屋が気に入らなかったのか聞かれた。ネットがしたいんだと答えると、そのベルは笑いながら言った。「上層階じゃないとできませんよ」。

新しい部屋は、1402号室。リバービューではない、いわゆる裏側の部屋。夜、カーテンを閉めなくても明るくなくて好都合だ。内装は610号室とは雲泥の差。広くてきれい。 隣近所にうるさい中国人の団体客もいないのでフロアが静かだ。部屋に入ると、電話が赤く点滅していた。Mrs.Tの家に泊まっている友人から伝言でも入ったかと思い、フロントへ電話してみる。私「電話が光ってるんだけど」。フロント「は。何でしょうか」。私「電話が光っているから、誰かからメッセージが入っているのではないですか」。フロント「すいません。おっしゃっている事がわかりません」。終了。

どういうことだ。ニューヨークのホテルでは電話が光っていると言っただけですぐにメッセージを寄越したぞ。しかし、ここはシンガポール。 いずれにせよ、友人から電話がかかってくる前に、部屋が変わった事、夫を病院へ連れて行く事を連絡しなければ。 このホテルのフロントの様子では、私が部屋を変わったことにきちんと対応してはもらえなさそうだ。というか、信用できん。Mrs.Tの電話番号を昨日もらっておけばよかったが、後の祭りだ。 友人の携帯に電話しなくては。またまたコインの両替と室内の電話の件を質すため、娘を連れてフロントへ降りる。電話は何かの故障だ、普通に電話を使うのには支障は無いと言っている。 だが、その肝心なところをものすごーい早口でまくし立てるのでよく聞き取れない。しっかし、このホテルのフロントはどいつもこいつも何でそんなに早口でまくしたてるのだ。 シングリッシュには慣れているつもりだったが、8年のブランクは大きい。聞き取れないことの方が多かった。またまたストレスで頭がクラクラしてくる。

友人の携帯はマレーシア籍だから、国際電話になる。ホテル内に国際電話がかけられる公衆電話はない。外に出て、隣のビルにあった公衆電話でかけてみる。かからない。 何度かけても繋がらない。夫を病院へ連れていかなければならないので、ここで時間を使っている暇は無い。ひとまず部屋へ戻る。ずっと、娘を抱いていたので汗だくだ。

部屋に戻ると、夫が友人からの電話を受けたと言った。また、かけてくると言うので待つ。私が外に行っている間に、夫がネットの接続をしていた。すんなりできたそうだ。 2日分の接続を買う事にする。メールで連絡すると約束した家族や友人に、これでやっと繋がる。はあ、疲れた。友人から電話があった。今日の待ち合わせは夫を連れて行く病院にすることにした。 これからは、Mrs.Tの携帯へ連絡することにする。

用意をして、保険で紹介してもらったジャパンメディカルセンターへ行く。Mt.エリザベス病院の中にあるという。2階へあがるとあった。清潔でおしゃれなインテリアは病院とは思えない。 子供を抱いて入ったので、全員の目が娘に集まる。でも、病人はパパなんだよねえ。夫が問診表や保険の手続きをしている間、娘は看護婦さんにお菓子を頂いてゴキゲンだった。 夫を見てくれたのは、日本人の男性の先生。診断は、風邪と軽い脱水症状とのことだった。薬をもらっておしまい。1階のドラッグストアで水を買って、夫はタクシーで一人ホテルへと帰って行った。


Mrs.Tの携帯に連絡しなくちゃ。コインが使える電話が無い。隣のパラゴンへ行く。方々探して地下の奥に発見。やっと繋がった。もう、彼らは病院へ到着しているとのこと。 急いで戻ろうとするが、方向が分からなくなってしまった。パラゴンの人と思しきインド系のおばちゃんが親切に出口まで連れて行ってくれた。

友人が病院の出口でこちらを見て待っていた。車道を横断して病院へ戻る。Mrs.Tに待たせてすまないと詫びた。今夜、彼女の家でBBQをする。まずは、その買出しに高島屋へ。 買い物の前に、Mrs.Tが私に何か食べ物をと言っている。確かに、朝軽くしか食べてないのでお腹が空いた。地下の食料品売り場にヤ・クンの出店があった。カヤトーストを購入してもらう。 滝(噴水?)の所に腰掛けて娘と食べる。その間、他の皆さんは、それぞれ売り場を見に行ってしまった。私は娘とMrs.Tのお嬢ちゃんのMちゃんを見ながら、カヤトーストを頬張る。 ラスクのように薄くしっかり焼いたパンの間に、カヤジャムと薄切りのバター(マーガリン?)が挟まっている。マラッカで食べたロティハイナムの方が美味しいと瞬時に思った。 トラブル続きのシンガポール。のんびり過ごしたマラッカの日々がなつかしい。マラッカに戻りたくなった。

高島屋の中のスーパーマーケットで夜の為のお買い物。あれこれと大人が品定めをしているうちに、娘が飽きてきたようだ。 Mちゃんはおとなしくカートにお座りしてるというのに、娘はスーパーの中を走りだした。いつもなら放っておくところだが、ここは異国。 マレーシアでは、散々「誘拐されるから目を離しちゃだめ」と友人に言われていたので、それが身についてしまっている。後を追いかけて走る、走る。 やっと捕まえてもスルリと抜けて、また追いかけっこの繰り返し。疲れました。

夫の昼食の肉まん等を買ってもらい、一旦ホテルへ戻る。夫はまだベッドで横になっている。夫に昼食を置いて、娘と私の水着を持って出発。再び車に乗り込み、イーストコーストへ。


車はカトンへやってきた。目的はカトンラクサ。これも私の希望。連れて行かれた店は328。あれ? ここは? 「有名だから」とはご主人のMr.Tの弁。 あの、マリンパレードラクサは・・・。「マリンパレードなんぞ知らない」(Mr.&Mrs.T)。友人と二人で1つのラクサを注文。夜いっぱい食べるから少なめにね。オタオタも取ってくれた。 まずはスープ。ふむ、ふむ。次は麺。ふむ、ふむ。

店には有名人ご来店の写真がいっぱい飾ってある。でかでかと「著名 Famous」と書いてある。Mr.Tはカトンラクサより普通のラクサの方が好きだと言っている。 彼らはラクサではなく、オタオタと仙草のデザートを食べている。私も彼の意見に賛成かな。これなら普通のラクサの方が美味しいと思う。でも、マリンパレードラクサを食べてみたかった。 それでカトンラクサの真価を問いたい。が、それは次回への課題。

カトンラクサ

オタオタ

車に乗って、彼らの住むコンドミニアムへ到着。高層のコンドが何棟も建っている。日本人を含む外国人が多く住んでいるそうだ。とてもおしゃれなつくり。部屋から海が見える。 プールも裏と表にある。すごい高そう。いくらぐらいするんだろ。約4000万円だって。東京都心でマンションを買う事を考えたら、プール付きのこちらの物件の方が安く思える。いいなあ。 パパ、シンガポールに転勤しないかなあ(無理、無理)。

コンドミニアム リビングルーム

夜のBBQの用意にとりかかる。Mrs.Tは家で全く料理をしない。なので、キッチンがと〜ってもきれい。料理をしないので調理器具もほとんど無い。そこにあるものだけを使って料理の下準備。 炊飯器を使ってお米を炊きたいと言うMrs.T。使うのは今日が始めて。友人と米の計り方、研ぎ方、水の量のメモリの見方をやってみせる。 日本式のBBQがやりたいというので、私が持って行った叙々苑の焼肉のタレで肉に下味をつける。野菜もカットして準備完了。皆でプールサイドのBBQコーナーに材料を持って移動。

コンドミニアム キッチン

Mrs.TとアマさんがBBQの準備をしている間、私と友人と子供たちはプールでひと泳ぎ。子供ってなんでこんなにプールが好きなんでしょ。 Mちゃんも娘もキャーキャー言いながらバシャバシャ泳いでいる。ここにはジャグジーもある。スイッチを押すとドーッと水が壁から噴き出す。上からも水芸のように弧を描いて水が出てきた。 うわあ、おしゃっれ〜。娘はすっかりこのプールが気に入ってしまった。7時を回り暗くなっても出ようとしない。Mちゃんも友人も上がってしまったのに。 泣いて遊びたがる娘を説き伏せて、やっとの思いでプールをあがった。日が落ちると寒く感じる。

BBQが始まった。Mr.Tのイギリス人の友人も来ていた。いいよなあ。プールにBBQコーナー。つくづく羨ましい。Mr.Tがサテイと福建麺を買ってきてくれた。私の為だという。謝謝。 ビールを飲みながらの立食パーティー。立ったままだから、娘が走ろうがお構いなしなのがいい。飲み食いに専念。

しばらくして、子供たちは飽きてきて花火をやり始めた。といっても線香花火を延々とやっていただけ。でも、娘は初めての花火に大満足。とってもたのしそう。 Mちゃんとも仲良しになれたみたいでよかった。

コンドミニアム プール

10時になって、娘が帰りたいと言い出した。もういい時間だ。Mrs.Tに暇乞いをして帰る仕度をする。車に積みっぱなしのベビーカーを出してもらい、タクシーが拾えるところまで付いてきてもらった。 明日もまた会うつもりでタクシーに乗り込んだ。でも、結局その時がMrs.Tと最後になってしまった。ちゃんとお礼ができなかった。すいませんでした。そして、ありがとうございました。

タクシーの運ちゃんにフラマホテルと告げたが、途中で夫の食事を忘れていたことに気づいた。どうしようか。どうせタクシーに乗っているんだ、あそこ行こう。 行き先をマックスウェルフードセンターに変更。

マックスウェルフードセンターに到着。10時を回っているので閉まっている店が多い。店を物色する前に電話、電話。明日会う予定のSさんに連絡を取らなくては。 公衆電話がすぐ横にあった。連絡完了。さ、夫のごはん。有名なお粥の店、真真はもう閉まっていた。その並びの香港街という店の顆條(クイティャオ)がおいしそうだ。これにしよう。 もうお粥も飽きただろう。スープの顆條をオーダー。チリは抜いてもらい、打包にしてもらう。さ、ホテルに帰ろう。タクシーを拾おうとするが、なかなか拾えない。 娘も手をヒラヒラさせて、私の真似をして車を止めようとしている。その仕草がかわいいのだが、それを楽しんでいる余裕がなかった。 二人であっち行ったり、こっち行ったりしながら捕まえようとしたが無理。もうあきらめて、バス停に待っている人に聞いて、バスにでも乗るかと思ったところに1台のタクシーが来た。 ちょうど降りる人がいる車だった。よかった〜。車に乗り込んで運転手に聞いた。私「なんで車が捕まらないんだ」。運転手「スクールホリデーだからだよ。みんな夜あそびにでかけるだろう。 でも土曜日でそれも終わるよ」。あのう、わたし土曜日に日本に帰るんですけど・・・。


ホテルに戻り部屋に入ると、夫がパソコンに向かっていた。大丈夫なのか? 画面を覗き込むと、ネット将棋。 「あたしゃアンタの娯楽のために苦労してこの部屋を取ったんじゃねえ」と言いたくなるのをグッとこらえる。相手は病み上がり。ネット将棋ができるまでに回復したことを喜ばなくては。 必死に笑顔を作り、買ってきた顆條を差し出した。うまい、うまいと言って夫は顆條を完食。おお、食欲も戻ったね。これでもう大丈夫だと思った。やはり病院に連れて行ってよかった。

夫は、明日は大丈夫だろうと言う。明日はこちら在住のWさんとSさんと会う日。夫にも一緒に行ってもらいたいので、明日までには何とか体調を整えてもらいたい。 実質、観光ができる日も明日が最後だ。夫に明日の予定を告げ、娘と風呂に入った。娘を寝かしつけ、私はメールチェック。返事を書いたりしていたら2時過ぎになってしまった。


  初日 2日め 3日め 4日め 5日め 6日め 7日め 8日め 9日め 10日め 帰国  


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