中心付近の最大風速が毎秒17m以上に発達した熱帯低気圧のこと。 その年に発生した順に1号、2号・・・と一連番号をつけている。たとえば西暦1975年の「台風8号」は正式には 「7508号」と呼ぶ。一度発生した台風が「熱帯低気圧」になった後、再度台風になった場合は同じ番号を付ける。
琉球政府時代、米国気象観測隊は1961年台風18号に「台風18号ナンシー(NANCY)」 と命名した。 国際的には、中心付近の最大風速により4段階に分類している。 世界中で年間に発生する台風並みの熱帯低気圧は数十個ほどあるが、うち20数個は台風である。
●発生から終息まで 熱帯低気圧(台風の子供)としてマリアナ諸島、ミクロネシアからフィリピンにかけての海洋、緯度8°〜25°あたりで多く発生し発達して台風となる。海面の温度が27℃以上になると発生の度合いが高まり、海面の温度が高いと次第に発達し、特に沖縄地方、小笠原諸島の緯度近辺で勢力が最大になる。高気圧が張り出していると高気圧の縁に沿うように進む。 進路については、季節によって傾向が異なる。「台風の進路」の頁を御覧頂きたい。
台風は日本列島に向かい北上する過程で海面温度の低下にともない勢力が弱まる。上陸後は、陸地との摩擦によってしだいにエネルギーを失う。さらに北上するにつれ寒気の影響で勢力を失い、台風の目はなくなり、最期は温帯低気圧となる。温帯低気圧あるいは弱い熱帯低気圧になっても「腐っても台」(業界用語?)である。集中豪雨などの警戒を怠らないように。
● 風速と被害
風速10m/s |
傘がさせない |
風速15m/s |
看板やトタンが飛び始める |
風速20m/s |
木の枝が折れる |
風速25m/s |
本土では瓦が飛んだりする。アンテナが倒れる。 |
風速30m/s |
家が倒れることもある。 |
防災白書より
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● 秋台風 一般に秋に来る台風は、強烈と言われる。実際歴代の台風をみても1956年のエマが9月、59年のサラは9月中旬、同年のシャーロットにいたっては10月中旬、近いところでは2003年9月の宮古島を襲った台風14号などどれも大きな秋台風であった。秋台風は速度が速く、秋雨前線を刺激し大雨を降らせることがある。
●台風の語源
説がいろいろあるので特定することは難しい。「台風」は、元は「颱風」と書く。「颱風」は台湾における大風を指し、我が国においては明治時代当時の第四代気象台長岡田武松博士が「颱風」と命名したのが最初で、後の昭和21年にこの「颱」という字が当用漢字にないため「台風」と改められた。また英語の「Typhoon」(タイフーン)に漢字を当てたという説があり、その「Typhoon」(タイフーン)はギリシャ神話のテュホン「Typhon」という風の神説や他アラビア語起源説など様々だ。
●名前の付け方 1956年9月に発生した台風第12号は「エマ」、また1959年11月に発生した台風第20号 の名前も「エマ」、同じ呼び名が使用されている。あらかじめ用意された名前が一巡すると再度同じ名前を使用する。ただ、あまりに甚大な影響を与えた台風については、以後その名前を使用しないよう措置がとられることもあるようだ。
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